神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

ぐるぐる

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始まり〜シイ村

私いなくても?

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早く稼ぎに行きたい。

エンに乗ってひとっ飛びすれば数日で帰れるでしょ。
数日、私いなくていい?
平気だよね?
ギルマス御一行が帰ったら行っちゃおうかな!

そんなこと考えながら私は3時のおやつの様子を眺めていた。
村人みんなももちろん子どもたちも一緒に食べる、初めての苺のショートケーキ。
涙を流しながらひとくちひとくち味わって食べている。
誰もが黙食していた。

「お葬式?」
「みんな美味しいもの食べて感動してるんだ」
「そっか」

うっかり溢した小さな呟きを、エンが拾って返してくれた。
指示してないのに黙食して食べてるって、すごい。
それほどまでに感動しちゃったんだね。
初モノ。
寿命が伸びたね、みんな!

感動の3時のおやつが終わり、紅茶をすすっているギルマス達。
村人達はもう片付けて現実に戻って行ったから、テーブルが広くなった。

「シイ村はどうだった?ご堪能いただけたかな?
 ひとまずここで一区切りとさせていただいて、みなさんひとりひとつ、こちらのお土産が詰まっているバッグをお持ち帰りくださいね」

 私はそう言ってバッグを6個、テーブルに並べて、7つ目のバッグを見本として出して、中身の説明を始めた。

「こちらは多機能バッグです。
 リュック、ショルダー、ハンドの3つの持ち方ができます」

実演して使い方を説明していると商会長さんがほうほう梟になっていたよ。
みんなも目をキラキラさせてたから、良いバッグを作って良かった!
 
「こちらはタオル。うちの村人が作った木の食器。
 これはうどんの麺です。数日中に食べてね。
 茹でたら流水でゴシゴシ手揉み洗いして、お好みスープに入れて食べてね。
 で、プチケーキもたくさん入れましたよ。
 これも悪くなる前に早目にお召し上がりください」

プチケーキに歓声が上がった。

「そんで、こちらは魔素ラーメンと魔素スープなんだけど、先日までソーマが街で販売していたのと、同じものね。
 どちらも適量のお湯を入れて待つだけ。
 でも満腹になっても栄養にはなりません!
 これは、魔力補充ができるポーションの代わりとなる食べ物です」

「ああ!それ!
 冒険者の間ですげー大人気の魔素スープ!」

へー、大人気になってたんだ。

「え、もしかしてここに来たら帰るんですか?」

そんなこと全然考えてなかったけど、ギルドスタッフのおねえさんが詰め寄ってきて、お願いお願いと言っているオーラが凄かった。

「うーんと、はい、買えるように販売所を作っておきますね。
 子ども達に販売のお手伝いをお願いしようかな。
 朝と夕方でいっか。
 他の時間は手の空いてる村人が対応するってことで。
 宿泊施設の近くがいいよね」

「ありがとうございますぅー!!!!」

おねえさんに手を握られて感謝された。
よっぽど気に入ったんだね。





その後、商会長さんとの話し合いになって、サスペンション付き馬車と多機能バッグの特許を取ってくれることになり、販売権を渡して売上の一部をシイ村に納めることにした。

うどんとプチケーキはレシピ販売。
レシピが欲しい人が買っていくんだけど、王侯貴族にはぼったくり金額で。
商会長さんに販売委託して売上金から委託手数料を取ってもらって、残りをシイ村に。

それから、商会のスタッフさんを派遣するので手が足りていないところで使ってくださいだって。
即戦力が来るってことよね。嬉しいな!
私は数日留守にするから派遣するのは来週以降にとお願いした。



その後、ギルマスとギルドのスタッフさんはここで泣く泣く帰って行った。
他の4人はチェックアウトの翌日10時までしっかり滞在するとのこと。

じゃ、彼らがチェックアウトしたら数日の旅に出るとするかな。
今から長老に言っておこ。
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