神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

ぐるぐる

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始まり〜シイ村

親の顔見たい?

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ここはシイ村。
私の村だよ?
なんで?
なんで私のこと知らないのかな?
溶け込みすぎたかな?

あれか!
私の木像!
裏にあるから知らなかったかぁ!
やっぱり表に出すべき?
うーむむむむむ……

私に誰?なんて言ったのはゲイル10才男の子。
つい最近親子で移住してきた元行商人。
安全な土地に定住したくてシイ村に落ち着いて、父親は街で仕入れた物を村で販売、母親は村で仕事。
3人兄弟の長男は父親の手伝い、ゲイルは次男で、三男は別グループでお勉強中だ。

もうひとりの女の子ナンシーは私をちゃんと知っていて、驚愕の顔をして私とゲイルを交互に見て慌てていた。
ナンシーちゃんは3週間前に村人認定されている。

「ゲ、ゲイル……早く謝って!
 シイ村のシイ様を知らないなんて、モグリなの?」

ナンシーちゃんがモグリなんて言葉を知っててビックリした。

ナンシーちゃん、ナイスだよ!

でもゲイルはモグリって言葉を知ってるかな??

新しく村人になるのに厳しい審査が行われている。
私は何も指示してないけど、初代村人達が厳選してるんだって。
その時に「妖精シイとシイ村」についてしっかり説明がある。
裏の木像も見せて忠誠を誓わせているみたいなんだけど……。
所詮子ども。
二男は特に話を聞かないテキトーな人間だ。
頭に入ってないな。
ポケーとした顔してるし。

「元行商人の親なのに、子は礼儀知らずなのかー」

シイ村は私の村だからみんなシイを知ってて当然だと思ってたから、ちょっとびっくりしたけど、こんだけ規模が大きくなれば仕方ないかな。

親の顔が見たい、まではならないさ。

ナンシーちゃん、ビビり過ぎ。

でも私は知ってる。
初代村人が、妖精に失礼なことをしてはいけない、それは御法度である、と言っている。いや、脅している?

だからナンシーちゃん、ガタガタ震えちゃうよね。

「私はシイだよって自己紹介したのに、あんた誰?って言うバカいる?」

「ゲイル!早く誤って!妖精シイ様よ!」

「え、ええ??」

ゲイルはまだ状況を飲み込めていない。

「シイ様!申し訳ありません!
 ゲイルはまだ新参者でして!
 教育が行き届いておらず、大変申し訳ありません!
 どうかお許しください!!」

ゲイルのかわりにナンシーちゃんが立ち上がってぺこぺこしだした。

ナンシーちゃんは謝らなくていいんだよー。

「わかった。これで許す」

面倒臭くなってきたので、ゲイルにゲンコツ喰らわした。

「いてぇ!!」

少し涙目になって頭をさするゲイル。
そんな強く殴ってないよ。

「ゲイル!ゲンコツで済んで良かったわね!
 謝りなさい!」

「……すみませんでした」

渋々謝るゲイル。
あとで礼儀を教わりなさい。

ナンシーちゃんが村が消滅しなくて良かった…てなんかぶつぶつ言ってる。

その場はそれでおさまり、図形の計算方法を教えて退散した。



ソーマ、進展しました。

あの隷属の指輪をしてましたよ!

私が展開したストーカー魔法は、監視していない間は映像が録画されて、巻き戻しや早送りなど、日本のレコーダーと同じように使えたので、何があったか巻き戻して見てみた。

ローズの愛を疑わずに結婚指輪を買いに行ったソーマ。
指輪をペアで買ったあとに、男物が隷属の魔導具だと鑑定魔法で気付く。
その後ずっと顔がこわばっていたので、何故だ?と一所懸命考えていたみたい。
考えていてローズの動きを警戒してなかった。
お酒で酔わせて、ローズがソーマに指輪をはめてしまった。
そしてすぐさま命令される。
「隷属について誰にも口外してはいけない」
「麗しの花園に逆らうな」
「幸せそうに振る舞え」
早速ソーマのアイテムボックスからいろんな物を取り出して、麗しの花園のみんなに横流ししてた。
宴会が始まるくらい歓喜に満ち溢れていたよ。

ふふふ、今だけ楽しむと良い!
ゴキをヤるブラックキャップのような効果のある呪いで根絶しようね。
ゴキの死骸を食べたヤツも死ぬってやつよ。
麗しの花園として接触したら、どんどん伝染していく呪い。
改心すれば、まあ、顔に印を残して命は助けてやろうと思う。
私ってば優しい!
でも改心するやつはきっといない。多分。

あと、ソーマはしばらく隷属させられていなさいね。

録画を見終わって、現在のソーマを少しみる。
おっと、馴染みの客、冒険者から、ギルドに伝言あるぞって教えてもらってる。
ソーマは礼を言うと、ローズに店を任せてギルドへ向かった。

私からの伝言だ。

ソーマはその場で内容を確認すると、返事を書き始めた。

なになに?



情報ありがとう。
こちらは何も情報を得られていない。
結婚することになった。
一度近いうちに会いたい。
ASAP

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