他愛無い話たち

佐々木猫八

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2、悪いスライムじゃないよ

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「ついに来たわね!」

転移した崖から坂を下り、直ぐ側にあった街道へと出た。
とことこ行くとちょっと先に知っている形の青い水羊かんのようなつるんとした楕円形のフォルムの物体が居た。

「スライム、間違いなくスライムよ!」

ラヴェルナは嬉しくなって駆け出す。
RPGの定番、モンスター界隈の最弱の王者スライム、冒険初心者の心の友、ペットにしたいNo.1モンスター、最近転生してスライムになっちゃった人が有名な件のスライムだっ!

スライムはどうやら一匹、一体?らしく街道の真ん中でむにむにと動いていた。

スライムに駆け寄るも、スライムは襲ってくる気配はない。
好戦的なスライムではないのだろうか?
ラヴェルナは剣を抜き、先で突いてみる。

ぷるぷるぷる

感触は水羊かんよりスーパーで安売りしているわらび餅のようだ。

「そう言えば、某漫画では干して食べてたわねー。高級食材とか言ってたけど、美味しいのかしら?」

ぴくぅ

ラヴェルナの発言影響なのか、スライムは何やらゆっくりと、しかしちょっと必死に移動をし始めた、ように見えた。
ゆっくりと逃げるスライムを、まるで蟻の隊列を眺めるように見ていた。
ようやく街道の端、土と草の際までたどり着いたスライムは安心したのか動きを止めた。

ふぅ

そんなやりきった感のある息が聞こえたような気がした。

「まあ、ファーストコンタクトが取れたし、見逃してあげようかしらね」

ラヴェルナは剣を鞘に収め、再び街道を街を目指して進む。
幸いにしてまだ日は高いので明るい内に街にたどり着けるだろう。

遠くに見える街に心うきうきさせる。
崖から見てもかなりの大きさの街だった。
東京都よりは流石に小さいが、長くある外壁は中世ヨーロッパならかなりの規模といえる。

「ポリスってかんじなのかしら?」

ラヴェルナは再び意気揚々と歩き出した。
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