魔法使い君の日常

佐々木猫八

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笑っている

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翌昼ーーー

「ようやく解放された⋯くっそ魔法使いの部屋に潜り込む予定が台無しだぞ」
「俺はただの被害者だぞ!巻き添え食らっただけなのに!」
「あれくらいで目くじらを立てるカジノは低ランクですよ。すぐ立ち行かなくなるでしょう」

思い思いの愚痴を零しながら宿へと戻ぅてきた勇者一行の一部達は食堂の片隅で本を読みながら談笑している魔法使いに即気が付いた。
好きな子とか気になってる子ってすぐ分かっちゃうよね、みたいなのりで分かった。
しかし、それと同時に衝撃も受けてしまった。

魔法使いが笑っている

苦笑とか嘲笑とかではなく、明らかに談笑していたのだ。
可愛い、ちょっと照れも入って笑う魔法使いに暫し見惚れる一行。
しかしはっと気が付く、談笑の相手は誰だ!!
魔法使いへの視野を隣へと広げる、視線の先にいたのは剣士だった。
俺達がカジノで説教されている間に一体何があったのか。
なんで剣士なんかに心を許された天使の笑顔を連発させているのか、なぜだ!なぜなんだ!!

「どういう事だ剣士!!!1人抜け駆けしやがって!!!殺す!!」
「魔法使い、俺達が捕まってた間に何があったのか知りたいんだけど。剣士はあとで宿屋の裏に集合ね」
「ちょうど破滅のアイテムシリーズがあるので、剣士にはそれを装備して呪われて貰いましょうか」

2人の座るテーブルへと駆け寄る。

「おう、戻ってきたか!もう1日くらい戻らなくても良かったけどな」

3人に睨まれても何処吹く風の剣士。
さらに剣士から余裕さえ感じて3人は更にヒートアップしていく。

勇者は聖剣に手を掛けようとする。
盗賊は毒のナイフを抜いた。
賢者は死の呪文を唱え始めた。

「おかえり、遅かったね。もうお昼だよご飯食べようよ」

ふわり、と笑顔を3人に見せた魔法使い。
3人は魔法使いの会心の一撃を喰らった。
勇者は脳内に焼き付けようとして眼球が零れ出んばかりに目を見開いて記憶しようとしている。
盗賊は信じられない物を見た気持ちになり、本当に彼は自分の知る魔法使いなのか疑い始めた。
賢者は神に祈りを捧げ、今までの悪行を告白し始めた。

「?お昼食べないの」
「あいつらは放っといて注文しようぜ、魔法使いこれ美味かったぜ」
「そうなんだ、じゃそれも頼もう
か。あとは適当に⋯」

3人が正気に戻ったのは料理が全て運ばれた後であった。
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