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黄金の稲穂の海
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村人に見送られ、麦穂の海を横目に進む勇者一行。
今のところ魔物らしい魔物は現れず至って順調に進んでいた。
「暇だ⋯戦いたい、もしくは魔法使いの尻を揉みたい」
そう呟いたのは最初は勇者であった。
平和が一番、と言わんばかりの職業に就いているにも関わらず脳内は物騒な事を考えていた。
「⋯⋯⋯」
魔法使いは無言を貫こうとした。
相手にすれば余計な体力を消費してしまうからだ。
勇者らと違い、自分は体力が少ない。
魔法使いにとって歩きの移動が一番旅で辛いところかもしれない。
しかし、勇者と剣士はともかく、盗賊もまだまだ余裕そうにみえる。
自分よりも小柄で細い体型なのに、とてもタフだ。
あの体型でナイフでの接近戦もこなす。
方や自分は魔力の多さと種類の多様性以外は駄目なような気がする。
体力は無いし筋力もさらさら無いので接近戦に持ち込まれたら一溜まりもない。
魔法以外では役立たずだ。
まあ、魔法使いという職業は大体そうだから当たり前とも言える。
しかし、最近それではいけないような気がしてき出したのだ。
今まで知らなかったというより気にも止めてなかった自身の組むパーティーメンバーたちの意外な一面。
自分は知ろうとしてこなかった。
「旅をすれば成長出来る、なんて甘い考えだったな」
上がったのは魔力量とそれを扱う技術だけ。
精神的な部分はまだまだ低く、師匠の足元にも及ばない。
きっと今極大呪文の詠唱をしても暴発するのが落ちだろう。
どうすれば成長できるのか、魔法使いはずっと考えていた。
「どうしたんだよ魔法使い?疲れたか?」
声を掛けられて自分が立ち止まってしまった事に気が付いた。
考えるあまりそちらへ集中してしまったようだ。
「よし、あの木まで行ったら休憩にしようぜ。俺、小腹が空いたし」
「賛成だ」
「問題ない、そうしよう」
「まだ歩けるか魔法使い、なんなら姫抱きをーーー」
「歩ける、結構だ」
勇者の申し出を一蹴し、魔法使いは歩き始めた。
それに続いて他のメンバーも再び歩き出す。
魔法使いは思った。
どうして彼らは自分に甘く優しいのか、と。
その答えも、出さなければならない。
そんな気がしていた。
今のところ魔物らしい魔物は現れず至って順調に進んでいた。
「暇だ⋯戦いたい、もしくは魔法使いの尻を揉みたい」
そう呟いたのは最初は勇者であった。
平和が一番、と言わんばかりの職業に就いているにも関わらず脳内は物騒な事を考えていた。
「⋯⋯⋯」
魔法使いは無言を貫こうとした。
相手にすれば余計な体力を消費してしまうからだ。
勇者らと違い、自分は体力が少ない。
魔法使いにとって歩きの移動が一番旅で辛いところかもしれない。
しかし、勇者と剣士はともかく、盗賊もまだまだ余裕そうにみえる。
自分よりも小柄で細い体型なのに、とてもタフだ。
あの体型でナイフでの接近戦もこなす。
方や自分は魔力の多さと種類の多様性以外は駄目なような気がする。
体力は無いし筋力もさらさら無いので接近戦に持ち込まれたら一溜まりもない。
魔法以外では役立たずだ。
まあ、魔法使いという職業は大体そうだから当たり前とも言える。
しかし、最近それではいけないような気がしてき出したのだ。
今まで知らなかったというより気にも止めてなかった自身の組むパーティーメンバーたちの意外な一面。
自分は知ろうとしてこなかった。
「旅をすれば成長出来る、なんて甘い考えだったな」
上がったのは魔力量とそれを扱う技術だけ。
精神的な部分はまだまだ低く、師匠の足元にも及ばない。
きっと今極大呪文の詠唱をしても暴発するのが落ちだろう。
どうすれば成長できるのか、魔法使いはずっと考えていた。
「どうしたんだよ魔法使い?疲れたか?」
声を掛けられて自分が立ち止まってしまった事に気が付いた。
考えるあまりそちらへ集中してしまったようだ。
「よし、あの木まで行ったら休憩にしようぜ。俺、小腹が空いたし」
「賛成だ」
「問題ない、そうしよう」
「まだ歩けるか魔法使い、なんなら姫抱きをーーー」
「歩ける、結構だ」
勇者の申し出を一蹴し、魔法使いは歩き始めた。
それに続いて他のメンバーも再び歩き出す。
魔法使いは思った。
どうして彼らは自分に甘く優しいのか、と。
その答えも、出さなければならない。
そんな気がしていた。
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