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落ち着く場所
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「おまえのせいだぞ、ルアーカ」
言われても、俺には覚えがない。
「私はもう、おまえを愛する今の私が大事になってしまった。だからもう、誰も取り込まない」
誰かを取り込むことで、ヴェルが変化するっていうことなんだろうか。
少しばかり戸惑って、ヴェルを見上げる。
彼は寝床から起きだして、俺に毛布代わりの布を着せかけると、そっと洞窟の外へいざなった。
岩棚から見る空は、雲一つなく澄んでいて、見下ろす森の木々はすっかり黄色く色づいている。
そうか、もうすぐ冬が来るんだ。
ヴェルがいるから、肌寒さは感じないのだが、彼は自分のローブに俺を包み込むように抱きしめた。
「また一人だけ着替えてるし」
「おまえにも、魔法の使い方を教えてやる」
「俺にも使えるようになるの?」
かなり期待してしまった。だが、ヴェルはあっさりと首を傾げとぼけた声を出した。
「さあ」
「さあ!?」
「こればかりは、やってみなくてはわからない。魔法には、才能が必要だからな。教え甲斐がありそうだ」
「それ、才能ないって言ってない?」
うめいていると、ヴェルは俺の頭に顎を乗せて、のどを震わせ笑った。
「あのとき、おまえを食べてしまわなくて本当によかった」
俺がイシャズに発情したと誤解して、ヴェルが暴走しかけた日のことを思い出す。
あの時の、すべてを焼き尽くしてしまいそうなヴェルの炎は、怖いほどきれいだった。
「俺は、食べられてもいいって思ったよ」
「お断りだ」
「俺が断られんの?」
割と本気で言ったのに心外だ。体ごとひねって文句を言おうとすると、すぐさまキスでふさがれた。ついばむようなキスのあと、彼は思いがけず真剣な顔でうなずいた。
「そうだ。もう二度とごめんだ。――だから」
と、彼は不意に背後を振り返る。小精霊たちがふよふよ漂っていた。
「ここに留まるのは無駄だぞ」
彼らはといえばそれを聞いても、やれやれとでも言いたげに、洞窟内に戻っていった。
それで何となく空気が緩んでしまったので、俺も服を着ようと一緒に中へ戻る。すると彼らは、あろうことか寝床にみっちり埋まっていた。
「占領されちゃったね」
「物足りないのか?」
「え!?」
そう言ってヴェルが腰をなでるので、俺はギクリと肩を震わせた。先ほどの様子を見る限り、物足りないのは彼のほうじゃないかと思うのだけど。
俺のほうは正直、立っているのがやっとだ。ここは逃げを打つ。
「これ以上は無理かなー? それより、水浴びしてこない?」
そういうわけで、俺たちは小さな泉へ向かった。
服を脱いで、ヴェルとともに泉に浸かる。ヴェルだけ薄手の服をまとっているのは、前回と同じだ。
でも俺はもう文句を言わない。
ヴェルの体は魅力的すぎるから、少しでも隠しておいたほうがいい。
「……それにしても、食べないって言ったくせに、俺のことめっちゃ嚙んでない?」
ヴェルの胸板に背を預けるようにして、自分の体を見下ろすと、あちこちに嚙みあとやキスマークがついていた。
「私のものだと印をつけただけだ」
彼は悪びれず、俺の髪を洗い始めた。魔法できれいになっているのだから、これは遊びみたいなものだ。
丁寧な手つきで髪に指を通し、体に泉の水をかける。水というか、ヴェルの力ですでにお湯になっている。
あたたかくて気持ちいい。
すっかり油断していたら、ヴェルは印とやらをさらに追加しようというのか、首筋に吸い付いた。
「ヴェル!」
さすがに文句を言おうと振り向いたものの、ヴェルのオレンジの瞳がきらめいていたので、思わず口を閉ざす。
簡単にごまかされてしまう自分をやや情けなく感じて、こっちも嚙みついてやろうと思いつく。
胸元に淡くついた、俺の印をそろりとなでてみる。
確かに悪くないかも。
気づけば、ヴェルの上にまたがるような格好になっていた。慌ててよけようと思ったら、腰ごと引き寄せられてしまう。
美しい顔が間近に迫って、自然とキスを交わしていた。
先ほど朝から元気だと思ったのは勘違いではないらしく、ヴェルのものはすぐに固く張り詰めた。正直に言うと、俺のも。
「続きをするか?」
「ダメだよ、外だし」
「外だとどうしてダメなんだ? 見てみろルアーカ」
ヴェルが指さす先で、鹿が交尾の真っ最中だった。
慌てて目をそらしたせいで、体が水中で無駄に動いて、ヴェルのあれと俺のそれが接触事故を起こした。
「ふぁ!」
期待しているみたいな声が出て、すごく恥ずかしい。
向こうは余裕の笑みだし。
だけど、そういえば、動物は普通に外で交尾をするよな。
精霊もそれが普通なのかな?
などと流されそうになって、何とかダメの理由をひねり出す。
「いや、でも……のぼせちゃいそうだし!」
二人で浸かっている泉は湯気が立ち、そろそろ沸騰してしまいそうに見えた。
ざばっと泉から上がると、ヴェルが魔法で布をかけてくれた。
「確かにそうだな」
ヴェルも岩場に腰掛け、濡れた髪をかき上げながら笑った。
「私たちの行為はあまりに人間のそれと似すぎている。隠すほうがそれらしいのかもしれないな」
その言葉が、俺にはちょっと引っかかった。
ヴェルに運ばれ巣に戻る最中も、ずっと気になっていた。
なので完全に洞窟に入ってしまう前に、岩棚のところで俺はヴェルの服の裾を引いた。
「ヴェルはどこで、人間との行為なんて覚えてきたの」
「おまえが教えてくれたんだろう?」
「俺が!? 俺、そんなのうっすらとしか知らなかったよ!」
男女の交わりのことなら、年頃の少年たちの格好の話題だし、俺だって全くの無知ではない。
だが、男同士のこととなれば別だ。
まさか、あんなところで繋がるなんて……。
「知識ではなく、本能だ」
「本能……?」
俺はぽかんとして、ヴェルを見上げた。それこそ、人間の本能なんてヴェルがどうやって知ったんだ。
その答えは、ヴェル本人が教えてくれた。
「おまえが私の魔力を吸って精霊化したように、私もまた、おまえを通して人間の考え方を知ったんだ。今や私も、半分人間なのかもしれない」
俺はヴェルの力を分けてもらったから、半分精霊になって体が軽くなり、ネズミくらいなら狩りもやすやすとこなせるようになった。
でも、ヴェルは?
俺の弱いところを吸い取った……?
精霊からすれば、人間はもろく儚い存在なんじゃないだろうか。
「……じゃあ、ヴェルはひょっとして、俺のせいで弱くなった?」
青ざめた俺の頬をヴェルは優しく包み込んだ。
「それは少し違う。私は、豊かになったのだと思う。『可愛い』を知り、触れる喜びを知った。存在する意味が出来た」
ヴェルはそう言ってくれたけど、俺はまだ少し疑っていた。
「ルアーカ、おまえを守り抜くためなら、私はどんなことだってするぞ」
俺はハッとヴェルを見つめた。そうだ、この先、俺のせいでヴェルに危険が訪れることがあるなら、その時は俺がヴェルを守ろう。ヴェルがくれた強さを武器に。
「俺も、ヴェルを守りたい」
「……目の届く範囲でやってくれ」
「まったく当てにされてない!?」
むしろ、何もしていないうちから心配されている。
「そうむくれるな。ひなじゃなくても、おまえを守りたい気持ちに変わりはないんだ。自覚していないかもしれないが、おまえは今、とてもうまそうだ」
「え、あ……守りたいって、そっち?」
強敵が現れて命の危機とかじゃなくて、恋敵が現れないか、みたいな心配?
脱力しかけて、思い直す。
俺のほうこそ、彼を奪われないように気をつけなきゃな。どう考えてもヴェルのほうが全方位に魅力的だ。
「自覚が足りないのは、ヴェルのほうだと思うよ……」
ヴェルは片眉を上げて、疑いのまなざしで俺を見た。
こればかりは二人の意見も分かれてしまうらしい。決着なんてつかないだろう。
気が抜けたらまた眠くなってきた。
そりゃそうだ、昨日はろくに寝ていない。
ところが、寝床まで行くと驚きの光景が広がっていた。
「あ! あいつらあのまま寝ちゃったのか」
「仕方ない、おまえはこちらだ」
そう言って、ヴェルは鳥に姿を変えて羽を片方持ち上げる。
俺はいそいそとその中に潜り込み、ふかふかした体に鼻を突っ込んだ。
結局ここが一番落ち着くんだよな。
言われても、俺には覚えがない。
「私はもう、おまえを愛する今の私が大事になってしまった。だからもう、誰も取り込まない」
誰かを取り込むことで、ヴェルが変化するっていうことなんだろうか。
少しばかり戸惑って、ヴェルを見上げる。
彼は寝床から起きだして、俺に毛布代わりの布を着せかけると、そっと洞窟の外へいざなった。
岩棚から見る空は、雲一つなく澄んでいて、見下ろす森の木々はすっかり黄色く色づいている。
そうか、もうすぐ冬が来るんだ。
ヴェルがいるから、肌寒さは感じないのだが、彼は自分のローブに俺を包み込むように抱きしめた。
「また一人だけ着替えてるし」
「おまえにも、魔法の使い方を教えてやる」
「俺にも使えるようになるの?」
かなり期待してしまった。だが、ヴェルはあっさりと首を傾げとぼけた声を出した。
「さあ」
「さあ!?」
「こればかりは、やってみなくてはわからない。魔法には、才能が必要だからな。教え甲斐がありそうだ」
「それ、才能ないって言ってない?」
うめいていると、ヴェルは俺の頭に顎を乗せて、のどを震わせ笑った。
「あのとき、おまえを食べてしまわなくて本当によかった」
俺がイシャズに発情したと誤解して、ヴェルが暴走しかけた日のことを思い出す。
あの時の、すべてを焼き尽くしてしまいそうなヴェルの炎は、怖いほどきれいだった。
「俺は、食べられてもいいって思ったよ」
「お断りだ」
「俺が断られんの?」
割と本気で言ったのに心外だ。体ごとひねって文句を言おうとすると、すぐさまキスでふさがれた。ついばむようなキスのあと、彼は思いがけず真剣な顔でうなずいた。
「そうだ。もう二度とごめんだ。――だから」
と、彼は不意に背後を振り返る。小精霊たちがふよふよ漂っていた。
「ここに留まるのは無駄だぞ」
彼らはといえばそれを聞いても、やれやれとでも言いたげに、洞窟内に戻っていった。
それで何となく空気が緩んでしまったので、俺も服を着ようと一緒に中へ戻る。すると彼らは、あろうことか寝床にみっちり埋まっていた。
「占領されちゃったね」
「物足りないのか?」
「え!?」
そう言ってヴェルが腰をなでるので、俺はギクリと肩を震わせた。先ほどの様子を見る限り、物足りないのは彼のほうじゃないかと思うのだけど。
俺のほうは正直、立っているのがやっとだ。ここは逃げを打つ。
「これ以上は無理かなー? それより、水浴びしてこない?」
そういうわけで、俺たちは小さな泉へ向かった。
服を脱いで、ヴェルとともに泉に浸かる。ヴェルだけ薄手の服をまとっているのは、前回と同じだ。
でも俺はもう文句を言わない。
ヴェルの体は魅力的すぎるから、少しでも隠しておいたほうがいい。
「……それにしても、食べないって言ったくせに、俺のことめっちゃ嚙んでない?」
ヴェルの胸板に背を預けるようにして、自分の体を見下ろすと、あちこちに嚙みあとやキスマークがついていた。
「私のものだと印をつけただけだ」
彼は悪びれず、俺の髪を洗い始めた。魔法できれいになっているのだから、これは遊びみたいなものだ。
丁寧な手つきで髪に指を通し、体に泉の水をかける。水というか、ヴェルの力ですでにお湯になっている。
あたたかくて気持ちいい。
すっかり油断していたら、ヴェルは印とやらをさらに追加しようというのか、首筋に吸い付いた。
「ヴェル!」
さすがに文句を言おうと振り向いたものの、ヴェルのオレンジの瞳がきらめいていたので、思わず口を閉ざす。
簡単にごまかされてしまう自分をやや情けなく感じて、こっちも嚙みついてやろうと思いつく。
胸元に淡くついた、俺の印をそろりとなでてみる。
確かに悪くないかも。
気づけば、ヴェルの上にまたがるような格好になっていた。慌ててよけようと思ったら、腰ごと引き寄せられてしまう。
美しい顔が間近に迫って、自然とキスを交わしていた。
先ほど朝から元気だと思ったのは勘違いではないらしく、ヴェルのものはすぐに固く張り詰めた。正直に言うと、俺のも。
「続きをするか?」
「ダメだよ、外だし」
「外だとどうしてダメなんだ? 見てみろルアーカ」
ヴェルが指さす先で、鹿が交尾の真っ最中だった。
慌てて目をそらしたせいで、体が水中で無駄に動いて、ヴェルのあれと俺のそれが接触事故を起こした。
「ふぁ!」
期待しているみたいな声が出て、すごく恥ずかしい。
向こうは余裕の笑みだし。
だけど、そういえば、動物は普通に外で交尾をするよな。
精霊もそれが普通なのかな?
などと流されそうになって、何とかダメの理由をひねり出す。
「いや、でも……のぼせちゃいそうだし!」
二人で浸かっている泉は湯気が立ち、そろそろ沸騰してしまいそうに見えた。
ざばっと泉から上がると、ヴェルが魔法で布をかけてくれた。
「確かにそうだな」
ヴェルも岩場に腰掛け、濡れた髪をかき上げながら笑った。
「私たちの行為はあまりに人間のそれと似すぎている。隠すほうがそれらしいのかもしれないな」
その言葉が、俺にはちょっと引っかかった。
ヴェルに運ばれ巣に戻る最中も、ずっと気になっていた。
なので完全に洞窟に入ってしまう前に、岩棚のところで俺はヴェルの服の裾を引いた。
「ヴェルはどこで、人間との行為なんて覚えてきたの」
「おまえが教えてくれたんだろう?」
「俺が!? 俺、そんなのうっすらとしか知らなかったよ!」
男女の交わりのことなら、年頃の少年たちの格好の話題だし、俺だって全くの無知ではない。
だが、男同士のこととなれば別だ。
まさか、あんなところで繋がるなんて……。
「知識ではなく、本能だ」
「本能……?」
俺はぽかんとして、ヴェルを見上げた。それこそ、人間の本能なんてヴェルがどうやって知ったんだ。
その答えは、ヴェル本人が教えてくれた。
「おまえが私の魔力を吸って精霊化したように、私もまた、おまえを通して人間の考え方を知ったんだ。今や私も、半分人間なのかもしれない」
俺はヴェルの力を分けてもらったから、半分精霊になって体が軽くなり、ネズミくらいなら狩りもやすやすとこなせるようになった。
でも、ヴェルは?
俺の弱いところを吸い取った……?
精霊からすれば、人間はもろく儚い存在なんじゃないだろうか。
「……じゃあ、ヴェルはひょっとして、俺のせいで弱くなった?」
青ざめた俺の頬をヴェルは優しく包み込んだ。
「それは少し違う。私は、豊かになったのだと思う。『可愛い』を知り、触れる喜びを知った。存在する意味が出来た」
ヴェルはそう言ってくれたけど、俺はまだ少し疑っていた。
「ルアーカ、おまえを守り抜くためなら、私はどんなことだってするぞ」
俺はハッとヴェルを見つめた。そうだ、この先、俺のせいでヴェルに危険が訪れることがあるなら、その時は俺がヴェルを守ろう。ヴェルがくれた強さを武器に。
「俺も、ヴェルを守りたい」
「……目の届く範囲でやってくれ」
「まったく当てにされてない!?」
むしろ、何もしていないうちから心配されている。
「そうむくれるな。ひなじゃなくても、おまえを守りたい気持ちに変わりはないんだ。自覚していないかもしれないが、おまえは今、とてもうまそうだ」
「え、あ……守りたいって、そっち?」
強敵が現れて命の危機とかじゃなくて、恋敵が現れないか、みたいな心配?
脱力しかけて、思い直す。
俺のほうこそ、彼を奪われないように気をつけなきゃな。どう考えてもヴェルのほうが全方位に魅力的だ。
「自覚が足りないのは、ヴェルのほうだと思うよ……」
ヴェルは片眉を上げて、疑いのまなざしで俺を見た。
こればかりは二人の意見も分かれてしまうらしい。決着なんてつかないだろう。
気が抜けたらまた眠くなってきた。
そりゃそうだ、昨日はろくに寝ていない。
ところが、寝床まで行くと驚きの光景が広がっていた。
「あ! あいつらあのまま寝ちゃったのか」
「仕方ない、おまえはこちらだ」
そう言って、ヴェルは鳥に姿を変えて羽を片方持ち上げる。
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