転生したら、ステータスの上限がなくなったので脳筋プレイしてみた

Mr.Six

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ドワーフの国編

第84話 オーティラのアナグラム

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 ドワーフの国へ続く地下階段は螺旋状になっており、延々と同じ光景が続いている。ソウタはやっとのことで追いつき、後ろからオーティラに話しかけた。

「お~い、オーティラ!」

 オーティラはソウタの言葉に反応して振り返った。

「ん? あぁ、来なくなったのかと思ったよ、何してたの?」

「いや、オーティラが進むの速いだけだから……そういえば聞きたいことがあったんだけど、オーティラの名前がテトラっていうのは……」

「あぁ、あれね……テトラは私の職人の時の名前、本名は隠してるの。ちょっとしたアナグラムだよ、捻れてないけどね」

「アナグラム?」

「まぁ、要は『文字を入れ替えて意味を変える』ってやつだね。オーティラの文字のを入れ替えたらテトラになるってことだ。ソウタには難しいか……」

 神さまはソウタにわかりやすく説明した。

「なるほどな、ってか長いなどのくらいあるのこの階段」

「ん~、1万段ぐらいかな?」

「なげぇ! なげぇな、もしかしてこの辺まだ全然?」

「そうだね、500段ぐらいだね、横の壁に数字書いてるでしょ?」

 オーティラは歩きながら右の壁を指さした。壁には大きく『500』と書かれている。ソウタはその数字を見て軽い絶望感を感じた。まだ下るのかと……

「気が遠くなりそうだな……」

「ご主人様、もしお疲れでしたら僕の背中にお乗りください」

 ハウルはしゃがんでソウタを背中に乗せようとしたが、ソウタはそれを拒否した。まだ先は長い、この程度で乗っていてはさすがに格好がつかないと判断したのだろう。

「いいよ、ハウルさその全てを投げうった態度どうにかならんか?」

「僕はご主人にすべてを捧げています、たとえこの命が尽きようと守って見せます!」

 ハウルの前のめりの宣言に対し、ソウタの反応は少し冷たい。しかし、2人の会話を聞いていたオーティラは場の雰囲気を壊さないようクスっと笑みを浮かべた。

「なんだよオーティラ、なんか可笑しかったか?」

「いや、友達ってこんな感じで言い合える仲なのかなぁって思っただけだよ」

「オーティラは友達とかって……」

「いないよ、ほら私って変わってるでしょ? 見た目だけじゃない、境遇も何もかも他の人達と違う、だから誰かと関わる事なんてなかったし、私に手を差し伸べてくれる人もいなかったからさ、羨ましいなぁって」

 少しだけ心を開きつつあるオーティラは過去に何かあったかのような口ぶりで話し始めた。その言葉を聞いてソウタはまっすぐオーティラを見つめていた。

「でもさ、こうして今俺たちと関わってるじゃん」

 ソウタの言葉はオーティラに重く突き刺さった。今まで誰とも接してこなかったオーティラにとってソウタの言葉は凄く暖かったのだ。

「そうだね、なんかありがとうソウタ……だっけ? 私は運がいいね、こうしてソウタに出会えたんだから」

 そうこうしているうちにソウタ達は1500段近く降りていた。次第に疲れも見え始めたソウタ達は休憩をオーティラに提案した。

「なぁ、オーティラ。そろそろ一回休まない? ちょっと長すぎるよ」

「う~ん、でもこの辺りはやめた方がいいよ?」

 オーティラは歩くのを止めない、それどころか、辺りを少し警戒しながら足を進めている。

「どうしてですか? ただの一本道ですよ?」

「ドワーフが地下に国を作った理由は3つあるの。1つは国の情報を外に漏らさないため。ドワーフの職人の技術は高等技術、それらを外に持ち込ませないためにあえて長めに作ってる。2つ目は国の領土を地下に広げていくため、ドワーフの国の領土は意外と狭い、より多くのドワーフを生活させるには地下はうってつけってわけ、そして3つ目は……」

「3つ目は?」

「他国の侵入を防ぐためよ」

「侵入? ドワーフって狙われてるの?」

「まぁ、戦闘は得意じゃないからね、植民地だった時期もあったんだよ。だから、ドワーフはそれに勝る知恵と技術で考えたのがこの長い階段だよ、この階段には地下に進むにつれて高度な罠が設置されてる。安易に進むと罠の餌食になるようにね」

「おい~、怖いこと言うなよ……」

 ガコンッ

 ソウタは何かを踏んだ感じがした。

「ん? 今何か踏んだ?」

「ねぇ、冗談辞めてよ、階段がズレる罠は結構危険……なんだけど……」

 オーティラはソウタの足元を見た。階段がまるで何かのボタンのように凹んでいる。

「ん~っと凹んでますね」

 ゴロゴロゴロゴロッ

 上の方から何かが転がってくる音が聞こえる。ソウタ達は恐る恐る進んできた階段を振り返った。そこには無数の棘が取り付けられた鉄球が勢いをつけて転がっていた。鉄球はソウタ達をこのまま巻き込むだろう。

「「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!」」

 ソウタ達は悲鳴を上げながら、急いで階段を下りる羽目になった。

 Mr.Sixの独り言
ここまで読んでくれてありがとうございます。
ドワーフと言えば技術、技術と言えば罠!
といった感じで今回は罠を出してみました。
本来であればソウタの力で一瞬で破壊できると思うのですが、そこはご愛嬌ということで。
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