2 / 21
1-2:妻がゾンビになりまして……
しおりを挟む
約1ヵ月前、俺はいつも通り会社で仕事を終えて、早々に帰宅しようとしていた。
4月27日、美鈴の35歳の誕生日だったから。
お祝いのケーキを買ってなくて急いでケーキ屋に駆け込んだ。
「すいません、まだケーキってありますか?」
閉店ギリギリの時間で店に入ったこともあって、ケーキはもう売れ残ったものしかない。
「あぁ、このケーキしか残ってないんですけど……」
店員が指さしたのはチーズケーキ、美鈴はケーキの中でもチーズケーキが好きだったから、
「よかったぁ、チーズケーキなら怒られないよな、すいませんこれを3つお願いします」
「かしこまりました、何かのお祝いですか?」
「はい、妻の誕生日で……」
「そうなんですね、ロウソクお付けしますか?」
「はい、お願いします」
俺は即答して、チーズケーキを購入した。
今年は美鈴に怒られなくてすむな、去年はケーキが無くて散々だったから。
ほっとしながら、俺は店を出た。
ポツッ……ポツッ
「あれ? 雨降ってきた、あ、そういえば今日は雨だって美鈴言ってたな」
美鈴が言ってたことをすっかり忘れていた。
今日は傘を持ってきてないことに気づく。
駅から自宅まで距離あるよな、コンビニで傘を買うのは勿体ないし。
「やばいな、ケーキが濡れちゃうよ」
俺は来ていたスーツのジャケットでケーキを包んで、駅にダッシュで向かう。
駅に着くころにはすっかりどしゃ降りだった。
ジャケットで包んだケーキを確認した。
ビショビショにジャケットは濡れていたが、ケーキは何とか無事だった。
後はどうやって自宅まで帰るかだな。
電車に乗ってる間に美鈴に連絡するか? いや、そしたらまた怒られるんだろうな。
そうこう思ってるうちに、LINEの通知が届く。
美鈴からだった。
『今日、傘忘れたでしょ? 朝、私言ったのに 怒 』
あぁ、来たよ。やっぱり怒ってた。
俺はすぐに返信をした。
『ごめん』
『駅まで持っていくから一緒に帰ろ?』
美鈴からの返信はすぐに届いた。
……
可愛い!!!!!
なに?この可愛さ!
駅から自宅までは車で来るほど離れてはないから歩いて来るんだろうなとはわかってるけど。
それにしても可愛すぎないか?
ツンデレなところがなんともたまらん!
俺はニヤケを止めることができず、電車に駆け込んだ。
「ねぇ、あの人ずっと笑ってるよ?」
「見ちゃダメよたっくん」
子供から、変な目で見られている。
終始ニヤニヤしてたから、周りからは変な人と思われたに違いない。
だが、そんなことはどうでもいい。
早く帰って、美鈴の笑顔が見たい。
花音は反抗期だけど、ママの誕生日ぐらいは話はしてくれるだろう。
俺は淡い期待を抱きながら電車を降りた。
駅のホームを抜けて、階段を駆け下りる。
バスのロータリーからなら、すぐに見つけられるだろう。
俺はそう思って、バスのロータリー付近にいると美鈴に連絡した。
外はいまだにどしゃ降りで、この中向かってきてる美鈴は大丈夫なのかと心配した。
「亮~! お~い!」
美鈴の声がする。
声のする方向を向くと、そこには大きく手を振っている美鈴の姿があった。
傘を差しながら、もう片方の手には傘を持っている。
急いで来てくれたのか、肩の方はぐっしょりと濡れているのが遠くからでもわかる。
交差点の信号が赤から青に変わり、1人でこっちに走って向かってくる。
はぁ、もう、美鈴は濡れていても可愛くて綺麗だな。
「美鈴! お~い!」
俺は大きくを手を振り返して美鈴の方に向かっていく。
キキーッ ドッ!!!
急に視界から美鈴の姿がなくなった。
「えっ……」
ガシャーン!!!!!
すぐ目の前でバスがロータリーの柱に勢いよくぶつかった。
バスは柱にぶつかった勢いで前方は粉々に砕けていた。
何が起こったのかわからない。
手に持っていたケーキはいつの間にか地面に落ちて、雨でグシャグシャになっている。
「美……鈴……」
それは一瞬の出来事だった。
4月27日、美鈴の35歳の誕生日だったから。
お祝いのケーキを買ってなくて急いでケーキ屋に駆け込んだ。
「すいません、まだケーキってありますか?」
閉店ギリギリの時間で店に入ったこともあって、ケーキはもう売れ残ったものしかない。
「あぁ、このケーキしか残ってないんですけど……」
店員が指さしたのはチーズケーキ、美鈴はケーキの中でもチーズケーキが好きだったから、
「よかったぁ、チーズケーキなら怒られないよな、すいませんこれを3つお願いします」
「かしこまりました、何かのお祝いですか?」
「はい、妻の誕生日で……」
「そうなんですね、ロウソクお付けしますか?」
「はい、お願いします」
俺は即答して、チーズケーキを購入した。
今年は美鈴に怒られなくてすむな、去年はケーキが無くて散々だったから。
ほっとしながら、俺は店を出た。
ポツッ……ポツッ
「あれ? 雨降ってきた、あ、そういえば今日は雨だって美鈴言ってたな」
美鈴が言ってたことをすっかり忘れていた。
今日は傘を持ってきてないことに気づく。
駅から自宅まで距離あるよな、コンビニで傘を買うのは勿体ないし。
「やばいな、ケーキが濡れちゃうよ」
俺は来ていたスーツのジャケットでケーキを包んで、駅にダッシュで向かう。
駅に着くころにはすっかりどしゃ降りだった。
ジャケットで包んだケーキを確認した。
ビショビショにジャケットは濡れていたが、ケーキは何とか無事だった。
後はどうやって自宅まで帰るかだな。
電車に乗ってる間に美鈴に連絡するか? いや、そしたらまた怒られるんだろうな。
そうこう思ってるうちに、LINEの通知が届く。
美鈴からだった。
『今日、傘忘れたでしょ? 朝、私言ったのに 怒 』
あぁ、来たよ。やっぱり怒ってた。
俺はすぐに返信をした。
『ごめん』
『駅まで持っていくから一緒に帰ろ?』
美鈴からの返信はすぐに届いた。
……
可愛い!!!!!
なに?この可愛さ!
駅から自宅までは車で来るほど離れてはないから歩いて来るんだろうなとはわかってるけど。
それにしても可愛すぎないか?
ツンデレなところがなんともたまらん!
俺はニヤケを止めることができず、電車に駆け込んだ。
「ねぇ、あの人ずっと笑ってるよ?」
「見ちゃダメよたっくん」
子供から、変な目で見られている。
終始ニヤニヤしてたから、周りからは変な人と思われたに違いない。
だが、そんなことはどうでもいい。
早く帰って、美鈴の笑顔が見たい。
花音は反抗期だけど、ママの誕生日ぐらいは話はしてくれるだろう。
俺は淡い期待を抱きながら電車を降りた。
駅のホームを抜けて、階段を駆け下りる。
バスのロータリーからなら、すぐに見つけられるだろう。
俺はそう思って、バスのロータリー付近にいると美鈴に連絡した。
外はいまだにどしゃ降りで、この中向かってきてる美鈴は大丈夫なのかと心配した。
「亮~! お~い!」
美鈴の声がする。
声のする方向を向くと、そこには大きく手を振っている美鈴の姿があった。
傘を差しながら、もう片方の手には傘を持っている。
急いで来てくれたのか、肩の方はぐっしょりと濡れているのが遠くからでもわかる。
交差点の信号が赤から青に変わり、1人でこっちに走って向かってくる。
はぁ、もう、美鈴は濡れていても可愛くて綺麗だな。
「美鈴! お~い!」
俺は大きくを手を振り返して美鈴の方に向かっていく。
キキーッ ドッ!!!
急に視界から美鈴の姿がなくなった。
「えっ……」
ガシャーン!!!!!
すぐ目の前でバスがロータリーの柱に勢いよくぶつかった。
バスは柱にぶつかった勢いで前方は粉々に砕けていた。
何が起こったのかわからない。
手に持っていたケーキはいつの間にか地面に落ちて、雨でグシャグシャになっている。
「美……鈴……」
それは一瞬の出来事だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった
ぐうのすけ
ファンタジー
無才・貧乏・底辺高校生の稲生アキラ(イナセアキラ)にゲームの悪役貴族が憑依した。
悪役貴族がアキラに話しかける。
「そうか、お前、魂の片割れだな? はははははは!喜べ!魂が1つになれば強さも、女も、名声も思うがままだ!」
アキラは悪役貴族を警戒するがあらゆる事件を通してお互いの境遇を知り、魂が融合し力を手に入れていく。
ある時はモンスターを無双し、ある時は配信で人気を得て、ヒロインとパーティーを組み、アキラの人生は好転し、自分の人生を切り開いていく。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる