美しい殺し屋

ミニマリスト憂希

文字の大きさ
上 下
43 / 86

ジョーカー②

しおりを挟む
夜になり雨は激しくなった


「凄い雨…」

ムーのカクテルバーの窓から外を覗く真




病院で
美月はずっと
病院の外のベンチに座っていた

「どうしたんですか?新井さん」

「いえ なんでもないですよ」

ナースに気を遣われる美月
屋根があるので濡れないが周りから
不思議そうに思われていた

さらに雨は激しくなり
美月に気を使う人は居なくなった

パラパラッ
黒い傘をさして美月に近づく1人の男性

「来たわね…」

「こんばんは 新井 美月さん」

「貴方…ジョーカーね」

「おおっ これは貴女ほどの人に名前を知ってもらっているとは…」

「先程はどうも!」

「ははっ 不意打ちで貴女を倒しても自慢になりませんからね」

「自信満々ね 正面から私に挑んで勝てるとでも?」

「私も腕には自信ありましてね…」

コインを出すジョーカー

「このコインが落ちたら勝負です…
雨で聞こえないことはないですよね…」

「舐めないで!」

「ふふっ では…」

キンッ

コインを指で上に弾くジョーカー

その瞬間 美月は雨の音が聞こえなくなる

凄まじい集中力だ

ゆっくりとコインが回転しながら落ちていく

「うっ…」

頭が痛む美月
しかし勝負は中断出来ない

キンッ

コインが落ちた

バンッバンッ

2人の銃から消炎で煙が出る

ジョーカーは膝を落とす

「ふふっ 私の勝ちの様だな」

肩に手を抑えて勝ち誇るジョーカー

「あっ。」

ドサッ

倒れる新井 美月

ザッザッ
近づくジョーカー

「貴女の方が撃つのは早かったが…
焦って狙いを外しましたねー」

「そん…な」

不調の美月は狙いを外してしまったのだ

「依頼完了!」

新井 美月に致命傷を負わせたのを確認したジョーカーは笑いながら立ち去った
しおりを挟む

処理中です...