美しい殺し屋

ミニマリスト憂希

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10年前の出会い①

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10年前

プレハブ小屋に住む
6歳の頃の真

グビグビッ
酒を大量に飲む父親

「ぶはっ!おい!酒がないぞ!」

「それが最後の酒…」

「あっ!?じゃあ買ってこいよ!」

「どこにそんなお金があるのよ」

「おい~ 金がねぇなら身体でも売って作ってこいよ!」

女房の頭を持ち壁に殴打する父親
6歳の真は怯えながら
母親がDVを受けているのを見ていた

「おいまこと~!おめぇもなんもしねぇでタダ飯食ってるだけだろうが」

標的を真に向ける父親
しかし母親は子を守らず
鼻血を拭いていた

「オラッ!」

ドンッ ドンッ

真は父親に腹を足蹴りされ
お腹に手を抑える
痛くても痛いと言えない
言えばより面白がって蹴られるからだ

「うぃ~ ヒック、」

「おい!酒だ!酒買ってこい!!」

さらに大声を上げる父親
母親はため息を吐きながらも酒を買いに出掛けた
真は母親を追うようについて行った

「お母さん待って」

そう叫ぶ真
しかし母親は無視して歩いている
走って追いつく真
母親の服を持ち歩く

「ちょっと真!離れなさいよ!」

しかし手を離さない真
母親がスーパーで父親用の
缶ビールを買う
真はお菓子が欲しかったが
貧乏な家と分かっていたので買えなかった
そんな真を知ってか母親は
10円ガムを1つだけ買ってあげた

「ほら 家に着くまでに噛み終えて吐きなさいよ」

「うん!」

喜ぶ真
そんな親子を見ていた
1人の男が居た
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