美しい殺し屋

道具

ジョーカーに卑怯な手で撃たれた誠

「真！？」

小田が駆け寄る

「おい！大丈夫か！？」

強く揺すると

「うっ…」

目を開ける真

胸を撃たれたはずの真は生きていた
胸ポケットを見ると分厚いうさぎの缶バッチが
銃弾を受け止めていた

「これで助かったんだな！」

ほっとする小田

「これが僕を…助けてくれた」

小学生の女の子がくれた
お礼のうさぎの缶バッジが真を救ってくれたのだ

「真！ジョーカー達はお前が死んだと思ってる！悪いことは言わねぇ どこか遠くの土地へ行って暮らせ」

「小田…バカなこと言うなよ…
美月を殺されて…ムーを殺されて…
挙句に卑怯な手で撃たれたんだ…
このまま逃げてたまるか！」

そう言い
警察署から下を眺める真
するとクイーンミホが悠然と警察署を後にし、出て行くのが見えた

「クイーンのミホ…」

その時

バタッ！

クイーンのミホが倒れた

！！？

慌てて警察署の屋上から下へ降りる真
クイーンミホのもとへ近寄ると
クイーンのミホは血塗れだった
誰かに撃たれていたのだ

「おい！どうした！？」

「まこと…！？生きてたのね…」

「おい！誰に撃たれた！？」

「フフッ ターゲットは生きてて
私が死ぬとは…マヌケね私も…
ジョーカーも…」

「ジョーカー！？もしかしてジョーカーはお前も撃ったのか！！？」

「わかってたわよ…新井 美月が死んで
キングが死んで…後は私とあなたが死ねば腕のある殺し屋はジョーカーだけ…
あの人の一人天下だもの」

「仲間を撃つなんて…」

「仲間？フフッ
私はあの人の道具…
道具は仲間なんて言わないわよ」

そう言いクイーンミホは目を閉じた

「おい！おいー！！」

ピーポーピーポー！！

たくさんの救急車が駆けつける
たくさんの負傷した警察官達と
クイーンミホが運ばれていく

その光景を真と小田はただ見ているしかできなかった