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転生したからの仲間集めよう

白い世界で神様とお話

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 気がつくと真白な世界に居た。
 正確には、遠く足下に救急搬送されている渦中の自分自身が見えている。
 意識を向けるとズームするように視点が近づきピントが合った。
 振れない心拍に戻ってこいと必死に心臓マッサージが施されているのだが、魂というモノが今の私だというのであれば無駄なことだ。
 ありがたく申し訳ないなと面はゆく感じていると声がかかった。
黒崎周クロサキアマネさん、あなたは乗用車に跳ね飛ばされてお亡くなりになりました」
 顔を上げると白い世界に光を纏った超絶西洋イケメンが、呆れた顔でこちらを見ていた。
「説明しなくても解っているようだけど、説明必要?」
 イケメンが苦笑しながら促すのは簡素なテーブルセット、お茶菓子付き。
 実態の無い体は意識を向けただけで移動を始めるのが面白い。
 足下はいつの間にか白一色に変わってしまっていた。

「何が訊きたい?」
 お茶できるのが不思議なのだが、神を名乗るイケメンに最初に訊きたいのは運転手のこと。
 ちなみに、ご多分の漏れずしゃべらなくてもこちらの考えていることは神様に筒抜けなので言葉を発することはしないし、できない。
 お茶菓子食べられるのに謎すぎる。
「キミを轢いた彼は麻薬常習者だよ。罪の意識など全くなくって感じで人種ひとしゅとして終わったよ、安心した?それと、その茶菓子は僕の神力で作ったモノだから食べているようで食べてないんだよ。でも神力譲渡になるから気にせず食べてね」
 なかなかの情報量じゃないかな?
 クスリでキメちゃってからの事故ってことは自業自得ではあるが、オレを巻き込むなよ……オレって久々に使ってるな。しゃべらないから素のままか。
 五十路になってしまったが三十半ばで社会に出る大人として無意識にでも出てくるように『私』に必死で変えたんだけどな。
 就活の時代からそれまで意識的には使っていたのだけれど、無意識下は慣れるまで大変だった記憶がある。
 うん、話を戻して、おっさんだったオレの趣味のひとつがネット小説読み専で、転生ものは大好物。
 だけどトラック転移(転生)は納得いかなかったんだよな。運転手かわいそうじゃねぇかと。人殺しにされてるわけだし。
 そこまで一人で考えていると「クックック」と抑えきれない笑い声が聞こえた。
「おもしろいこと考えるよね」
 神様が考え遮ってごめんとそう言った。
 おもしろいかな?所詮物語だし、そう言われてしまえばそうなんだけど。でもってオレの場合は物語ではないわけで、今現在進行形だ。
「そうそう、僕は神の一柱ではあるけどよかったらサイと呼んでくれると嬉しいな」
 サイ様?
「愛称だから様付けしなくても大丈夫だけど、そこは好きにしていいよ」
 それだったらオレのことはアマネって呼んでください、不敬になりますか?
「アマネって呼ぶね」
 サイ様が微笑んでくれてるのでよかったと思う。
 それで運転していた奴は人種が終わったらしいんだよ、オレの今の状態鑑みて輪廻転生が実際あって人種が終わりだから……これ以上は止めておこうとチラリとサイ様を見ればニコリとされた。
 怖い怖い。
 あとはなんだっけか?神力の譲渡って言ってたな。神力って神の力だろう?
 え?神様のお力分け与えて貰ってオレに何させたいのでしょうか?サイ様!
 白い世界に来て、オレ自身が結構落ち着いていることに正直驚いてはいたのだけれど、現実逃避しているだけだったことにここで気がつきました。
 申し訳ございませんでした。
 サイ様、どうか解りやすく全てを説明お願いできますでしょうか。
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