異世界でも自由生活~とりま必要なのは奴隷であってる?!~

咲楽桔梗

文字の大きさ
2 / 43
転生したからの仲間集めよう

白い世界で神様とお話おかわり

しおりを挟む
 サイ様が腹を抱えて笑いこけた。目元に涙まで浮かべている。
「考えていることは聴こえてきても、自覚がない状態はこちらも気が付かなかったよ。ごめんごめん」
 呼吸を調えながらおっしゃる。
「神眼で状態確認すればよかったよね。あまりに自身の死に姿を自然に受け入れていたから、そういう人なのかと」
 サイ様が改めて繰り返す。
黒崎周クロサキアマネさん、あなたは乗用車に跳ね飛ばされてお亡くなりになりました」
 そこからですか、はい。跳ね飛ばされてって言い方に違和感ありますけど。
「デスヨネ」
 なんでカタコトなのでしょうか。
「大事なことなのですが今回アマネが死んだことに僕は関わっていません」
 僕はということは……?
「地球の神ではないので詳しくは解らないのですが、手違いがあったのは間違いないそうです。故意ではないそうなのでコレも事故だとご理解くださいと言ってましたね」
 事故の重ね掛ってことですか。
「死ぬはずだった少女は生きているそうですよ」
 なんとなく思い出した。オレはオレの意志で目の前の少女を助けようと動いたのだ。
 運動不足なのにイザってときに反応出来てよかったなと思う。おっさんより若人が助かって心底嬉しい。
 サイ様が笑みを深くして続ける。
「そんなアマネをね、僕は欲しいと思ったんだ。僕が創って愛する世界『アリュテシア』で楽しんでほしい」
 アリュテシアですか……異世界転生キターーってことですか。
 マジで?なんでオレ?何をやらされるの?チートありです?根本的に魔法ありです?
 訊きたいことたくさんでテンション上がる。落ち着け、オレ。

 サイ様が一段と神々しいのですが、聞き逃すまいと頑張ってイケメンを凝視する。
「なんでアマネなのかは偶然なんだよね。
 地球とアリュテシアのエネルギーとを循環させる為に次元を繋げるのだけれど、そのときに必要なのが魂の橋渡しで、小さい最初の穴を開けるための針の役目だと思ってくれれば大丈夫。
 ソレが仕事だから転移が成功した時点でアマネの心配しているやらさせられることは完了だよ。転移なのはココでアマネの新しい躰を創って魂の定着をさせちゃうから。
 アリュテシア仕様の魂のアップデートはインストールが今も行われているよ。感情が若返ってるでしょ?アリュテシア世界に転移したら更新始まるから楽しみにしていてね。
 偶然っていうのは必要なタイミングで、異世界に順応できそうな健康で健全な魂を見つけ出すってことなんだ。そこにたまたま条件の合うアマネが居たってこと」
 ここまでは大丈夫かと問われるが壮大過ぎて気後れする。
「宝くじにでも当選した感覚で十分だと思う。転生時に現世の記憶を抹消することも可能だけど、それは望まないでしょ?」
 ウンと頷く。よっぽど生きにくい世界で無い限り『黒崎周』で在りたい。
「生きにくいかどうかはアマネ次第になってくると思うけど、想像通りなんちゃって中世ヨーロッパで剣と魔法の世界。今の日本ほどの科学も無ければ料理も凝ってないので、知識チートで楽しめるかもしれないよ」
 知識チートか、ムリだろうな。オレってばパッケージの裏見ないから。
「それはそれとして、便利になるように創造してみたりすれば良いんじゃないかな」
 サイ様が苦笑しながら、また大事なことをおっしゃったぞ。
 創造って言いましたよね?想像して妄想に耽ってろ意味じゃないですよね?ね?ね?ね?
「アマネ落ち着きなよ。笑いすぎてお腹痛くなっちゃうよ」
 オレはどんどん幼児化しているみたいで、好奇心に逆らうことが難しくなってきていた。
 幼児転生とか勘弁してほしいのだけれども大丈夫かな。
「魂の定着には個人差があるけれど、成人男性の範囲で収まるはずだよ。きっとアマネが希望を捨てていなかった辺りまでは若返るのかもね」
 神様は何でもお見通しですよね。オレのコンプレックスでトラウマ。
 一生家族は持てないで孤独死するんだろうと諦めの境地に陥ったことがあるのだ。
 あれ?身体新しくなるんですよね、サイ様お願いします。彼奴あやつを是非とも人並みに!と拝み倒す勢いで懇願するも非情な言葉が投げかけられた。
「ゴメン、もう身体はできあがってるんだよ。あとはスキルの話が終われば即刻転生できるよ。それに、あれこそアマネの根源だから変えない方が良いんだよ、がんばれ」
 神様に応援されちゃうほどのモノってことだよ。オレは肩を落とし涙は流れないけど泣いた。
 今は忘れよう。五十年付き合ってきたのだ、期待しなければ落ち込まない。それで良い。
 サイ様に哀れまれているようだが、そうやって生きてきたのだから見逃してほしいな。
 さて、続きましては白い世界のお楽しみですよ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした

444
BL
『醜い顔…汚らしい』 幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。 だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。 その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話 暴力表現があるところには※をつけております

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

処理中です...