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転生したからの仲間集めよう
宿屋に迷惑はかけません
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それではトイレにも行きたいし、オレが足を向けたのはベッドの端で念のために腰掛ける。はじめて使うので移動方法が判っていないからだ。
「異空間ルーム、オープン」
最初は声を出さないとならないところが恥ずかしいが、次回からは念じれば良いのだ。一瞬の恥など忘れてしまえる。
目の前には人が一人潜れる程度の大きさで、シャボン玉の様に透明で向こう側は見えている揺らぎながら七色を反射させる膜が出現した。枠の形は楕円形に近いがはっきりした境目は判らない。
そっと右手で膜があるらしい場所に触れようとしたが感触はない。境界を越したのであろう指の先は見えなくなった。指を動かすとちゃんと繋がっているのが判るので、アイテムバッグに手を突っ込むのと似た様な物だろうと納得させた。
尿意も限界に近いし、思い切って立ち上がってから膜に飛び込んでみると、日本でのオレの部屋そのままのリビング入り口に立っていた。
検証は後にして、なんの迷いも無くトイレへと駆け込んだ。我慢した後って爽快感感じるよな?ホッと息付きモノをしまう。オレのコンプレックスそのもの――。はぁと現実を突きつけられるたびに肩を落としてしまう。
水を流す。この水はどこからでどこへ行くのか……サイ様と長い時間かけて話し合った異空間ルームに抜かりはない。原理は知らん。
リビングに戻って、お気に入りの『イタリアンソファの複製異世界素材代用品』に倒れ込む様に座った。
名前が長すぎるから、以下全て『の複製異世界素材代用品』は省略。ここは異空間だけど地球で無くサイ様の管理下の世界なので地球物質は持ち込めない、だから代用品。オレの生産系のスキルレベルが上がれば作れる様になるかもしれないが、今現在は神しか作ることの出来ない技術が惜しみなく使われているらしい。
この部屋はタワマンのファミリー層向けに設計されていて3LDKと、一人暮らしにはもったいなさ過ぎる間取りだ。もともと持っていた土地にタワマン建てて家賃収入期待していた両親のための部屋っていうか家だ。
タワマンって下層は人気ないから自由に出来ると、別に大きな専用中庭とかいろいろあったりするのだが、完成する前に旅行先の事故で亡くなってしまった。
相続したオレは、金に物言わせて好きなおしゃれ家具とか集めちゃったから未練たらたらで居たら作ってくれた。サイ様はオレに甘すぎる。
玄関の外はサイ様と会っていた場所とは違うけれど、白い世界でオレの魔力と創造力で広さも変われば用途も変わる箱庭状態で好きに拡張できる。アリュテシアと同じ大気なので動物や植物とも共存可能。
水は水魔法の魔導具で魔力を注入すれば半永久的に出てくるし、下水はブラックホールの異空間へ垂れ流し。そこは全ての物質を無に返してエネルギーへと変換する場所なんだって。間違えて必要な物を落としても返ってこないので要注意。お風呂も魔導具で湯沸かし出来るので問題ない。
疲れて立てなくなる前に、夕食は済ませておこう。入ってきた場所を確認すると、宿の部屋が見えていた。あちらからは見えないが、こちらからは見える仕様だということだ。宿の音も聞こえるし、急な宿からも呼びかけなどにも対応できそうだ。
夕食は一角兎のステーキを頼んだ。パンとサラダとスープが付いて1,500エル。コップワインを宿泊者特典でサービスしてもらえたのでコスパも問題は無い。味はきっと美味しい、食堂は相席になるほど客で賑わう人気店の様だ。日本人の弊害として我が儘舌になっていたのだろう、オレの舌が先にナチュラルという名の塩味料理に馴れるのが先か、食事チート発揮してなにか調味料作るのが先になるのか未来のオレファイト!
疲れているので明日は寝坊する予定。朝食は必要ない旨を伝えてから部屋へ戻る。邪魔もされたくないからドアロックしたあとに、ベッドを無限収納を使ってドア前に移動する。玄関と一緒で中開きだったので廊下側からの侵入は合鍵があっても無理だろう。
異空間ルームへとイメージすると、潜るまでも無くリビングの中へと移動できた。背中には透明な膜でバリケードと化した宿屋のベッドが膜の向こう側に見えた。
どんどん便利になっていくなと風呂へと向かう。食堂に行く前に湯張りボタンをセットしておいた。頭と身体を洗うのは面倒になって「クリーン」と呟くと全てがサッパリとした。脱衣所に戻って着ていた衣服にもクリーンをかけるとサラッとした質感の戻っていた。感動とともに湯船に身体を沈めると「ああぁぁぁ」と声が出た。若返ってもこれは変わらない。
湯船でウトウトしてしまったので慌ててバスローブに包まり拘り抜いた寝具にダイブする。今日一日はとってもとっても長かった。あとは意識を保てず翌日の昼過ぎまで爆睡した。
「異空間ルーム、オープン」
最初は声を出さないとならないところが恥ずかしいが、次回からは念じれば良いのだ。一瞬の恥など忘れてしまえる。
目の前には人が一人潜れる程度の大きさで、シャボン玉の様に透明で向こう側は見えている揺らぎながら七色を反射させる膜が出現した。枠の形は楕円形に近いがはっきりした境目は判らない。
そっと右手で膜があるらしい場所に触れようとしたが感触はない。境界を越したのであろう指の先は見えなくなった。指を動かすとちゃんと繋がっているのが判るので、アイテムバッグに手を突っ込むのと似た様な物だろうと納得させた。
尿意も限界に近いし、思い切って立ち上がってから膜に飛び込んでみると、日本でのオレの部屋そのままのリビング入り口に立っていた。
検証は後にして、なんの迷いも無くトイレへと駆け込んだ。我慢した後って爽快感感じるよな?ホッと息付きモノをしまう。オレのコンプレックスそのもの――。はぁと現実を突きつけられるたびに肩を落としてしまう。
水を流す。この水はどこからでどこへ行くのか……サイ様と長い時間かけて話し合った異空間ルームに抜かりはない。原理は知らん。
リビングに戻って、お気に入りの『イタリアンソファの複製異世界素材代用品』に倒れ込む様に座った。
名前が長すぎるから、以下全て『の複製異世界素材代用品』は省略。ここは異空間だけど地球で無くサイ様の管理下の世界なので地球物質は持ち込めない、だから代用品。オレの生産系のスキルレベルが上がれば作れる様になるかもしれないが、今現在は神しか作ることの出来ない技術が惜しみなく使われているらしい。
この部屋はタワマンのファミリー層向けに設計されていて3LDKと、一人暮らしにはもったいなさ過ぎる間取りだ。もともと持っていた土地にタワマン建てて家賃収入期待していた両親のための部屋っていうか家だ。
タワマンって下層は人気ないから自由に出来ると、別に大きな専用中庭とかいろいろあったりするのだが、完成する前に旅行先の事故で亡くなってしまった。
相続したオレは、金に物言わせて好きなおしゃれ家具とか集めちゃったから未練たらたらで居たら作ってくれた。サイ様はオレに甘すぎる。
玄関の外はサイ様と会っていた場所とは違うけれど、白い世界でオレの魔力と創造力で広さも変われば用途も変わる箱庭状態で好きに拡張できる。アリュテシアと同じ大気なので動物や植物とも共存可能。
水は水魔法の魔導具で魔力を注入すれば半永久的に出てくるし、下水はブラックホールの異空間へ垂れ流し。そこは全ての物質を無に返してエネルギーへと変換する場所なんだって。間違えて必要な物を落としても返ってこないので要注意。お風呂も魔導具で湯沸かし出来るので問題ない。
疲れて立てなくなる前に、夕食は済ませておこう。入ってきた場所を確認すると、宿の部屋が見えていた。あちらからは見えないが、こちらからは見える仕様だということだ。宿の音も聞こえるし、急な宿からも呼びかけなどにも対応できそうだ。
夕食は一角兎のステーキを頼んだ。パンとサラダとスープが付いて1,500エル。コップワインを宿泊者特典でサービスしてもらえたのでコスパも問題は無い。味はきっと美味しい、食堂は相席になるほど客で賑わう人気店の様だ。日本人の弊害として我が儘舌になっていたのだろう、オレの舌が先にナチュラルという名の塩味料理に馴れるのが先か、食事チート発揮してなにか調味料作るのが先になるのか未来のオレファイト!
疲れているので明日は寝坊する予定。朝食は必要ない旨を伝えてから部屋へ戻る。邪魔もされたくないからドアロックしたあとに、ベッドを無限収納を使ってドア前に移動する。玄関と一緒で中開きだったので廊下側からの侵入は合鍵があっても無理だろう。
異空間ルームへとイメージすると、潜るまでも無くリビングの中へと移動できた。背中には透明な膜でバリケードと化した宿屋のベッドが膜の向こう側に見えた。
どんどん便利になっていくなと風呂へと向かう。食堂に行く前に湯張りボタンをセットしておいた。頭と身体を洗うのは面倒になって「クリーン」と呟くと全てがサッパリとした。脱衣所に戻って着ていた衣服にもクリーンをかけるとサラッとした質感の戻っていた。感動とともに湯船に身体を沈めると「ああぁぁぁ」と声が出た。若返ってもこれは変わらない。
湯船でウトウトしてしまったので慌ててバスローブに包まり拘り抜いた寝具にダイブする。今日一日はとってもとっても長かった。あとは意識を保てず翌日の昼過ぎまで爆睡した。
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