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ギルドの仕事をしてみる
衛兵詰め所で大ピンチ
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「あのときは人手不足で手伝いに出てたんだ。本当の勤務地はこっちでね、中央詰め所第二班長セドリック=ダナーだ。キミはアマネ=クロサキだったね」
書類の束を引っ張り出して、オレのデータを確認しているようだった。
「只者ではないだろうとは思って居たけれど、この街である意味有名で高額の奴隷を連日購入。その上、あの邸も購入か。
キミは何しに我が街へ来たのだろう。敵対の意思がないと信用して良いのだろうか」
おや?オレの行動は目立ちすぎていたらしい。さて、マジでどうしよう。隠すのは目立って囲われたくないからだったのに本末転倒。ここは素直に相談させて貰おう。
「ダナー班長、オレには敵対も何もありませんが、少し彼らと相談しても良いでしょうか。話は目の前でしますので」
「いいだろう」
少し悩んでからダナー班長は承諾してくれた。オレはクルリと後ろを振り向くと二人に訊く。
「これって、誤魔化すところじゃないよな。でも何を言えば良いんだろうか、本当を言っても信じて貰えないんじゃないかな」
「スキルボードの可視化ができれば、隠蔽をといて確認して貰えばすぐ解決かと」
リンが言う。
「アマネ様……アマネは俺が守るから安心してください」
アルが男前に宣言した。守るなんて照れちゃうんですけど。
では、創造でスキルボード可視化のスキルを作りましょう。あ、魔力使うからダナー班長におことわりを入れなければね。身体の向きを戻してダナー班長に伝える。
「お待たせしました。今の話で分かるとおりスキルボード見せます。見えるようにしますので、少し魔力流れますが攻撃とかではないのでよろしくお願いします」
「わかった」
何も知らないダナー班長には奇妙な会話だっただろうし、他人に見せられるようにするなんておかしな話だ。頭から否定してこないダナー班長は素晴らしい人格者なのだろう。
それでは作りましょう。はい、生えました。【可視化】スキルです。早速スキルを発動します。
アマネ クロサキ / 22歳
ステラギア王国所属 / ハマラ村
職業:【鑑定士】
加護:【創造神】【才能神】【遊戯神】
称号:【異世界転生者】【サイの親友】【器用貧乏】
眷属:リンディーアーノシア
隷属:リン
アルバート=ドイル
キャロライン=ドイル
従魔:スライム[ぷにまる/ティア/カスパー/いちか/にけ/みつは/しょう]
魔法:【全属性】
【生活魔法】
スキル
:転生特典=不老、眷属化、言語理解、天眼[鑑定/MAP]、無限収納、異空間ルーム、隠蔽
【調教】【鑑定】【MAP】【収納】【エディタ】【可視化】
【交渉】【剣技】【計算】【料理】【育成】【健康】【再生】【絶倫】
【魔力操作】【危険察知】【採取】【製薬】【錬金】【採掘】
「予想以上にエグいですね」
グサッと味方から刺された。半端に隠さず、全部公開してやったからね。遠慮無く敬うが良い。
あれ?冗談ですよ。ダナー班長が片膝ついて頭を下げようとしています。やめてくれ!
「頭下げないで、膝も折らないでください。オレ自身は普通の一般人なんです」
必死で止めた。ダナー班長は渋々と言った体で元の椅子に座り直してくれた。
「神の使途とは思わずに無礼をして申し訳なかった」
それでも軽く謝罪されてしまったが、そこはスルーすることにした。
「俺は使途なんて大層な者ではないんですよ。そんな称号もないですよね」
と確認させると『異世界転生者』に目がとまったようだ。神の加護3つによっぽど動転していたらしい。
「オレが奴隷を引き連れている理由です。こちらの世界の常識知らずでして苦肉の策だったのです。
ダナー班長に会った日の早朝に転移してきたばかりだったんですよ。資金の方は前世での個人資産なので犯罪等には関わってません」
「教会への報告などは?」
「した方がいいですかね、大事にしたくなくて。サイ様、ああ、オレが世話になった神様なのですが、サイ様が『たまには教会に会いに来てくれ』とは言ってくれたのですが、教会に世話になれとは言われてないんですよ。実際言われたのは『自由にしていいよ』ですし」
「自由ですか?」
オレは頷いてから続ける。
「オレの仕事は、オレがこの世界に降り立ったことで完結しているのだそうです。向こうの世界とこちらの世界で空気の循環みたいなことを興すための最初の小さな穴の役割みたいなこと言ってました。
だから、あとは自由に楽しく生きていけば良いと。たまにサイ様が観察するとは言ってましたけど。
オレがこの世界で苦労しないようにと甘やかされた結果が、このスキルや魔法なのですが悪いことに使えば当然神罰が下りますのでその辺は安心して欲しいなと思います。
ダナー班長も報告とかあるでしょうが、できるだけ内密でよろしくお願いします」
眉間を揉みながら考えをまとめているダナー班長。
「私のことを鑑定してください」
何があるのかな?許可を頂いたので、彼が見せたいと思っている内容を意識して天眼で覗くと『ロランディア侯爵家次男』とある。ダナー班長自身も『ダナー男爵家当主』である。御領主様の血縁だ。
「ご理解いただけたようですね。父であるロランディア侯爵へ報告は避けられません。そこから国への報告は私の一存でどうなるのかお答えすることはできません。ただ、今回お知らせいただいたことを正確に報告させていただきたいと思います」
そこが譲歩ラインなんだろうな。
「騒がしくなったら国を出るようにします。放置しておいてくれれば、それなりに領や国に貢献できるよう過ごさせていただきます」
「わかりました。肝に銘じておきます。
それでは、当初の用件を進めましょう」
切り替えの早い人は好きだよ、うん。オレは誤魔化す必要がなくなったので無限収納からそのまま書類と目録を取り出し、ダナー男爵へと引き渡す。
「隠し部屋から出てきたモノの中から、こちらに必要だと思われるモノすべてです。目録の品は商業ギルドへ預けてありますので、必要でしたらそちらと話をしてください。担当は副ギルド長のマルコイディスさんです」
「ありがとう。確かに受け取りました」
今更な資料ではあるが、捨てて良いモノではないのだ。今後何かの役に立つかもしれない。
その後は邸の謎をおもしろおかしく語って聞かせ、その場を後にした。ダナー男爵は衛兵の時には男爵と呼ばれたくないようなので、今後はダナー班長で統一することにした。
書類の束を引っ張り出して、オレのデータを確認しているようだった。
「只者ではないだろうとは思って居たけれど、この街である意味有名で高額の奴隷を連日購入。その上、あの邸も購入か。
キミは何しに我が街へ来たのだろう。敵対の意思がないと信用して良いのだろうか」
おや?オレの行動は目立ちすぎていたらしい。さて、マジでどうしよう。隠すのは目立って囲われたくないからだったのに本末転倒。ここは素直に相談させて貰おう。
「ダナー班長、オレには敵対も何もありませんが、少し彼らと相談しても良いでしょうか。話は目の前でしますので」
「いいだろう」
少し悩んでからダナー班長は承諾してくれた。オレはクルリと後ろを振り向くと二人に訊く。
「これって、誤魔化すところじゃないよな。でも何を言えば良いんだろうか、本当を言っても信じて貰えないんじゃないかな」
「スキルボードの可視化ができれば、隠蔽をといて確認して貰えばすぐ解決かと」
リンが言う。
「アマネ様……アマネは俺が守るから安心してください」
アルが男前に宣言した。守るなんて照れちゃうんですけど。
では、創造でスキルボード可視化のスキルを作りましょう。あ、魔力使うからダナー班長におことわりを入れなければね。身体の向きを戻してダナー班長に伝える。
「お待たせしました。今の話で分かるとおりスキルボード見せます。見えるようにしますので、少し魔力流れますが攻撃とかではないのでよろしくお願いします」
「わかった」
何も知らないダナー班長には奇妙な会話だっただろうし、他人に見せられるようにするなんておかしな話だ。頭から否定してこないダナー班長は素晴らしい人格者なのだろう。
それでは作りましょう。はい、生えました。【可視化】スキルです。早速スキルを発動します。
アマネ クロサキ / 22歳
ステラギア王国所属 / ハマラ村
職業:【鑑定士】
加護:【創造神】【才能神】【遊戯神】
称号:【異世界転生者】【サイの親友】【器用貧乏】
眷属:リンディーアーノシア
隷属:リン
アルバート=ドイル
キャロライン=ドイル
従魔:スライム[ぷにまる/ティア/カスパー/いちか/にけ/みつは/しょう]
魔法:【全属性】
【生活魔法】
スキル
:転生特典=不老、眷属化、言語理解、天眼[鑑定/MAP]、無限収納、異空間ルーム、隠蔽
【調教】【鑑定】【MAP】【収納】【エディタ】【可視化】
【交渉】【剣技】【計算】【料理】【育成】【健康】【再生】【絶倫】
【魔力操作】【危険察知】【採取】【製薬】【錬金】【採掘】
「予想以上にエグいですね」
グサッと味方から刺された。半端に隠さず、全部公開してやったからね。遠慮無く敬うが良い。
あれ?冗談ですよ。ダナー班長が片膝ついて頭を下げようとしています。やめてくれ!
「頭下げないで、膝も折らないでください。オレ自身は普通の一般人なんです」
必死で止めた。ダナー班長は渋々と言った体で元の椅子に座り直してくれた。
「神の使途とは思わずに無礼をして申し訳なかった」
それでも軽く謝罪されてしまったが、そこはスルーすることにした。
「俺は使途なんて大層な者ではないんですよ。そんな称号もないですよね」
と確認させると『異世界転生者』に目がとまったようだ。神の加護3つによっぽど動転していたらしい。
「オレが奴隷を引き連れている理由です。こちらの世界の常識知らずでして苦肉の策だったのです。
ダナー班長に会った日の早朝に転移してきたばかりだったんですよ。資金の方は前世での個人資産なので犯罪等には関わってません」
「教会への報告などは?」
「した方がいいですかね、大事にしたくなくて。サイ様、ああ、オレが世話になった神様なのですが、サイ様が『たまには教会に会いに来てくれ』とは言ってくれたのですが、教会に世話になれとは言われてないんですよ。実際言われたのは『自由にしていいよ』ですし」
「自由ですか?」
オレは頷いてから続ける。
「オレの仕事は、オレがこの世界に降り立ったことで完結しているのだそうです。向こうの世界とこちらの世界で空気の循環みたいなことを興すための最初の小さな穴の役割みたいなこと言ってました。
だから、あとは自由に楽しく生きていけば良いと。たまにサイ様が観察するとは言ってましたけど。
オレがこの世界で苦労しないようにと甘やかされた結果が、このスキルや魔法なのですが悪いことに使えば当然神罰が下りますのでその辺は安心して欲しいなと思います。
ダナー班長も報告とかあるでしょうが、できるだけ内密でよろしくお願いします」
眉間を揉みながら考えをまとめているダナー班長。
「私のことを鑑定してください」
何があるのかな?許可を頂いたので、彼が見せたいと思っている内容を意識して天眼で覗くと『ロランディア侯爵家次男』とある。ダナー班長自身も『ダナー男爵家当主』である。御領主様の血縁だ。
「ご理解いただけたようですね。父であるロランディア侯爵へ報告は避けられません。そこから国への報告は私の一存でどうなるのかお答えすることはできません。ただ、今回お知らせいただいたことを正確に報告させていただきたいと思います」
そこが譲歩ラインなんだろうな。
「騒がしくなったら国を出るようにします。放置しておいてくれれば、それなりに領や国に貢献できるよう過ごさせていただきます」
「わかりました。肝に銘じておきます。
それでは、当初の用件を進めましょう」
切り替えの早い人は好きだよ、うん。オレは誤魔化す必要がなくなったので無限収納からそのまま書類と目録を取り出し、ダナー男爵へと引き渡す。
「隠し部屋から出てきたモノの中から、こちらに必要だと思われるモノすべてです。目録の品は商業ギルドへ預けてありますので、必要でしたらそちらと話をしてください。担当は副ギルド長のマルコイディスさんです」
「ありがとう。確かに受け取りました」
今更な資料ではあるが、捨てて良いモノではないのだ。今後何かの役に立つかもしれない。
その後は邸の謎をおもしろおかしく語って聞かせ、その場を後にした。ダナー男爵は衛兵の時には男爵と呼ばれたくないようなので、今後はダナー班長で統一することにした。
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