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エレナ【最終話】
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ブロア侯爵アーネストと世界一の美女と言われているキャサリンの婚約解消のニュースは国中を駆け巡った。その後、田舎男爵の長女エレナとアーネストの婚約、キャサリンと義兄のフェネルの婚約というスキャンダラスなニュースは、数ヶ月様々なパーティーで話のネタとなった。
「また記者がうろうろしてるわ」
「ほっとけばいいさ」
今日エレナは社交界デビューすることになっている。今までコルケット領に籠っていたせいでデビューを果たせていなかったのだが、アーネストの婚約者としてデビューしなければならない。
(もう本当に後戻りできないわ)
現国王や王妃とは面会済みだ。数年内に女性の選挙権を推進しようとしているらしく、エレナの罪を許してくださり、アーネストとの婚約も認めてくれたのだ。
「たしかに嘘は誉められたものではないが、ここまでできるとは、女性にしとくには勿体無いな」
「苦しかったでしょう?頑張りましたね」
国王と王妃の優しいお言葉にエレナの目が潤んだ。
「でも、本当に私の罪は許されて良かったのかしら。あなたにも負担をかけてしまったわ」
「ああ、君は心配しなくていい」
彼女の罪をもみ消す代わりにと国王はアーネストの国に奉納する税を上乗せするよう命令していたが、アーネストは「それくらい、君の為ならはした金だ」と言ってどここ吹く風である。
「さあ、顔を上げて。不安げな君は君らしくない」
「そ、そうね。今の心配は社交パーティーについてだわ」
あれからエレナはキャサリンに婦人としての振る舞いを叩きこまれた。男爵の娘としてある程度基礎はできており、ほとんど覚えることはないのだが、どうしても習得できないこともあった。
「エレナさん、その目つきです!ただでさえルビー色の瞳で目力が強いのですからその偉そうな目つきは貴婦人として失格ですわよ!」
「で、でも・・・」
「まあまあキャサリン。彼女のその傲慢な瞳も可愛らしいじゃないか」
「アーネストは黙っていなさい!!」
仕事の合間に覗きにきたアーネストにキャサリンが激怒する。そんな最近の苦労をエレナは思いだし苦笑いした。
「まあ、今回のパーティーまでにキャサリンさんに合格点貰ってよかったじゃないか」
「ええ・・・彼女があんなスパルタだなんて思わなかったわ」
パーティーには大勢の貴族や外国からの来賓がつめかけていた。会場に入ると、スキャンダルの主役である二人に視線が降り注ぐ。国王と王妃の挨拶を済ませると、一人の男性がこちらに向かってきた。
「アーネスト、久しぶりだな」
「ああ、ガイルじゃないか」
強面で顔の整った彼はアーネストの昔からの知り合いのようだ。彼はエレナとアーネストを交互に見やった。
「君は女性に対して誰にも靡かないと思ってたが、こういうタイプが好きだったのか。レディ、はじめまして。ガイル・ピストンです」
「あ、あなたが国の英雄の!」
ガイルはこの国の英雄と呼ばれる男だったのだが、今ではパーティー三昧で落ちぶれた生活を送っているそうだ。ガイルはエレナの手を取り、手の甲に挨拶のキスをする。少し長めのキスにアーネストは眉を潜める。
「是非今度私とダンスを。おっと、犬に噛まれないように、今日はこれで、失礼します」
彼はエレナにウインクを残し立ち去った。アーネストはエレナの手の甲を擦る。
「あいつには近づくなよ。彼に触れただけで女は孕んでしまうって噂がある」
「そんな大げさな・・・」
「あいつも以前はまともな奴だったんだがな・・・」
アーネストは彼の後ろ姿を懐かしいそうに見つめる。意識をエレナに戻したアーネストはエレナに視線を向ける数人の男性に気づいた。
「ああ、君の良さを知る人間を増やしたくない。今すぐ帰ろう」
「い、今来たところじゃない」
「もう顔見せはできたから良い」
アーネストがエレナの耳に小声で囁いた。
「今から僕の屋敷で、朝まで君を鳴かせたいんだが、ここに留まるのとどっちがいい?」
「・・・もちろん、あなたに鳴かされたいわ」
「っ・・・エレナ、愛してる」
「私も愛してるアーネスト」
二人は早足にパーティー会場を去る。アーネストの言葉通りにエレナは朝まで鳴かされた。しかし、そそくさとパーティー会場を後にしたことを知ったキャサリンにエレナとアーネストは後日お叱りを受けたのだった。
【終わり】
作者からのコメント:ありがとうございましたm(_ _)m新作『軍人伯爵に復讐するはずが・・・』も宜しくお願いします!!ヒーロー、こちらの最終話に少~し出ています(。-∀-)
「また記者がうろうろしてるわ」
「ほっとけばいいさ」
今日エレナは社交界デビューすることになっている。今までコルケット領に籠っていたせいでデビューを果たせていなかったのだが、アーネストの婚約者としてデビューしなければならない。
(もう本当に後戻りできないわ)
現国王や王妃とは面会済みだ。数年内に女性の選挙権を推進しようとしているらしく、エレナの罪を許してくださり、アーネストとの婚約も認めてくれたのだ。
「たしかに嘘は誉められたものではないが、ここまでできるとは、女性にしとくには勿体無いな」
「苦しかったでしょう?頑張りましたね」
国王と王妃の優しいお言葉にエレナの目が潤んだ。
「でも、本当に私の罪は許されて良かったのかしら。あなたにも負担をかけてしまったわ」
「ああ、君は心配しなくていい」
彼女の罪をもみ消す代わりにと国王はアーネストの国に奉納する税を上乗せするよう命令していたが、アーネストは「それくらい、君の為ならはした金だ」と言ってどここ吹く風である。
「さあ、顔を上げて。不安げな君は君らしくない」
「そ、そうね。今の心配は社交パーティーについてだわ」
あれからエレナはキャサリンに婦人としての振る舞いを叩きこまれた。男爵の娘としてある程度基礎はできており、ほとんど覚えることはないのだが、どうしても習得できないこともあった。
「エレナさん、その目つきです!ただでさえルビー色の瞳で目力が強いのですからその偉そうな目つきは貴婦人として失格ですわよ!」
「で、でも・・・」
「まあまあキャサリン。彼女のその傲慢な瞳も可愛らしいじゃないか」
「アーネストは黙っていなさい!!」
仕事の合間に覗きにきたアーネストにキャサリンが激怒する。そんな最近の苦労をエレナは思いだし苦笑いした。
「まあ、今回のパーティーまでにキャサリンさんに合格点貰ってよかったじゃないか」
「ええ・・・彼女があんなスパルタだなんて思わなかったわ」
パーティーには大勢の貴族や外国からの来賓がつめかけていた。会場に入ると、スキャンダルの主役である二人に視線が降り注ぐ。国王と王妃の挨拶を済ませると、一人の男性がこちらに向かってきた。
「アーネスト、久しぶりだな」
「ああ、ガイルじゃないか」
強面で顔の整った彼はアーネストの昔からの知り合いのようだ。彼はエレナとアーネストを交互に見やった。
「君は女性に対して誰にも靡かないと思ってたが、こういうタイプが好きだったのか。レディ、はじめまして。ガイル・ピストンです」
「あ、あなたが国の英雄の!」
ガイルはこの国の英雄と呼ばれる男だったのだが、今ではパーティー三昧で落ちぶれた生活を送っているそうだ。ガイルはエレナの手を取り、手の甲に挨拶のキスをする。少し長めのキスにアーネストは眉を潜める。
「是非今度私とダンスを。おっと、犬に噛まれないように、今日はこれで、失礼します」
彼はエレナにウインクを残し立ち去った。アーネストはエレナの手の甲を擦る。
「あいつには近づくなよ。彼に触れただけで女は孕んでしまうって噂がある」
「そんな大げさな・・・」
「あいつも以前はまともな奴だったんだがな・・・」
アーネストは彼の後ろ姿を懐かしいそうに見つめる。意識をエレナに戻したアーネストはエレナに視線を向ける数人の男性に気づいた。
「ああ、君の良さを知る人間を増やしたくない。今すぐ帰ろう」
「い、今来たところじゃない」
「もう顔見せはできたから良い」
アーネストがエレナの耳に小声で囁いた。
「今から僕の屋敷で、朝まで君を鳴かせたいんだが、ここに留まるのとどっちがいい?」
「・・・もちろん、あなたに鳴かされたいわ」
「っ・・・エレナ、愛してる」
「私も愛してるアーネスト」
二人は早足にパーティー会場を去る。アーネストの言葉通りにエレナは朝まで鳴かされた。しかし、そそくさとパーティー会場を後にしたことを知ったキャサリンにエレナとアーネストは後日お叱りを受けたのだった。
【終わり】
作者からのコメント:ありがとうございましたm(_ _)m新作『軍人伯爵に復讐するはずが・・・』も宜しくお願いします!!ヒーロー、こちらの最終話に少~し出ています(。-∀-)
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