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番外編:奥様はバッドエンドをご所望です1
※フィーヌとレオナルドのその後のお話。少しダーク・レオ様降臨しちゃいます(´∀`;)四話投稿します。
ビスト王国の宰相であるレオナルドが妻であるフィーヌを溺愛しているのは周知の事実である。彼は彼女を大事に屋敷に囲い、貴族として表に出るのは国王主催のパーティーのみだ。
「ああ、僕の奥さんを他の男に見せる日は憂鬱です・・・」
「もうっ、レオったら過保護すぎるわ」
「こんな綺麗で魅力的なフィーヌが悪いです」
「レオだって・・・今日とても素敵よ」
「ああ、さっさと終わらせて帰りましょう。いや、家まで待ってられません。帰りの馬車の中で、たっぷり愛を注いであげますからね」
「・・・///」
そんな熱い会話に、使用人は慣れているが、慣れていないものは二人の甘い様子に当てられてしまう。
+
+
+
「陛下・・・お久しぶりですっ」
「そろそろクロウって呼び方に戻してほしいですね、フィー。お久しぶりです」
パーティーで国王への挨拶を済ますと、少し顔に渋みが増してきたクロウが近づいてきた。レイヴン王国とビスト王国の国交一周年を記念して今回のパーティーに参加することを決定したそうだ。
「一曲お願いできますか、フィー」
「・・・はい」
横にいたレオナルドは嫌そうな顔を向けたが、さすがに公の場で友好国の王に楯突く訳にもいかないと思ったのか、渋々フィーヌを見送った。それを見た周りのゲスト達がざわざわと騒ぎだす。以前フィーヌを躍りに誘い、フィーヌの体をさりげなく触りまくっていた男爵の男は、レオナルドによって遠い国へと左遷されてしまい、それからはフィーヌをダンスに誘ってはいけないという暗黙のルールができたのだ。そんなフィーヌのことを誘う勇敢な異国の男は誰だと興味津々である。
(レオ、あんな女性に囲まれちゃって・・・)
フィーヌがクロウと離れると女性が一気にレオナルドに群がった。皆身分は高くないのだが、彼女たちは愛人の座を狙っているのだと、仲の良い婦人たちが言っていたのを思い出す。モヤモヤとする気持ちを他所に、音楽が始まりクロウがフィーヌの腰に手を添えた。
「なんだか、さらに綺麗になりましたね、フィー。こんなあなたを美しくしてしまう彼が羨ましいです」
「そ、それは言い過ぎです・・・」
実際フィーヌはレオナルドに毎日愛され、思春期の少年はフィーヌを見るだけで鼻血を出してしまう程の色気がまとっていた。かぶり付きたくなるようなその唇から排出された吐息を少しでも吸おうと男は花に群れる蝶のように近づく。もちろんレオナルドの一睨みで蝶たちは散らばっていくのだが。
「一曲だけで終わるのは、なんだか名残惜しいですね」
「本当ですね、なんか昔を思いだしちゃいました」
フィーヌがレイヴン王国で滞在していた際に、パーティーに参加させられたことが何度かあった。クロウとそのパーティーを抜け出し、城の者たちに怒られたことも今では良い思い出だ。
「そうだ、また抜け出しちゃいましょうか」
同じことを思いだしていたのか、クロウはフィーヌの手を取り、出口へ向かう。チラリとレオナルドの方を見るも、まだ女性に囲まれているようだ。
「ちょっとだけですから、ね?行きましょう」
クロウがフィーヌを抱きしめ、羽を羽ばたかせる。フィーヌの身体はふわりと浮き、慌ててクロウの身体にしがみついた。
ビスト王国の宰相であるレオナルドが妻であるフィーヌを溺愛しているのは周知の事実である。彼は彼女を大事に屋敷に囲い、貴族として表に出るのは国王主催のパーティーのみだ。
「ああ、僕の奥さんを他の男に見せる日は憂鬱です・・・」
「もうっ、レオったら過保護すぎるわ」
「こんな綺麗で魅力的なフィーヌが悪いです」
「レオだって・・・今日とても素敵よ」
「ああ、さっさと終わらせて帰りましょう。いや、家まで待ってられません。帰りの馬車の中で、たっぷり愛を注いであげますからね」
「・・・///」
そんな熱い会話に、使用人は慣れているが、慣れていないものは二人の甘い様子に当てられてしまう。
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「陛下・・・お久しぶりですっ」
「そろそろクロウって呼び方に戻してほしいですね、フィー。お久しぶりです」
パーティーで国王への挨拶を済ますと、少し顔に渋みが増してきたクロウが近づいてきた。レイヴン王国とビスト王国の国交一周年を記念して今回のパーティーに参加することを決定したそうだ。
「一曲お願いできますか、フィー」
「・・・はい」
横にいたレオナルドは嫌そうな顔を向けたが、さすがに公の場で友好国の王に楯突く訳にもいかないと思ったのか、渋々フィーヌを見送った。それを見た周りのゲスト達がざわざわと騒ぎだす。以前フィーヌを躍りに誘い、フィーヌの体をさりげなく触りまくっていた男爵の男は、レオナルドによって遠い国へと左遷されてしまい、それからはフィーヌをダンスに誘ってはいけないという暗黙のルールができたのだ。そんなフィーヌのことを誘う勇敢な異国の男は誰だと興味津々である。
(レオ、あんな女性に囲まれちゃって・・・)
フィーヌがクロウと離れると女性が一気にレオナルドに群がった。皆身分は高くないのだが、彼女たちは愛人の座を狙っているのだと、仲の良い婦人たちが言っていたのを思い出す。モヤモヤとする気持ちを他所に、音楽が始まりクロウがフィーヌの腰に手を添えた。
「なんだか、さらに綺麗になりましたね、フィー。こんなあなたを美しくしてしまう彼が羨ましいです」
「そ、それは言い過ぎです・・・」
実際フィーヌはレオナルドに毎日愛され、思春期の少年はフィーヌを見るだけで鼻血を出してしまう程の色気がまとっていた。かぶり付きたくなるようなその唇から排出された吐息を少しでも吸おうと男は花に群れる蝶のように近づく。もちろんレオナルドの一睨みで蝶たちは散らばっていくのだが。
「一曲だけで終わるのは、なんだか名残惜しいですね」
「本当ですね、なんか昔を思いだしちゃいました」
フィーヌがレイヴン王国で滞在していた際に、パーティーに参加させられたことが何度かあった。クロウとそのパーティーを抜け出し、城の者たちに怒られたことも今では良い思い出だ。
「そうだ、また抜け出しちゃいましょうか」
同じことを思いだしていたのか、クロウはフィーヌの手を取り、出口へ向かう。チラリとレオナルドの方を見るも、まだ女性に囲まれているようだ。
「ちょっとだけですから、ね?行きましょう」
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