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一章:子供を拾う
リリィ、初めて王都を歩く
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「リリィ、明日一緒に買い物いくか?」
「王都、かいもの??行く!!リリィも行く!!」
言葉も覚えてきて勉強も頑張っているのでご褒美として王都に連れていこうと考えた。リリィは目をキラキラさせて喜んでいるようだ。しかし少し考えた後、リリィは首を振った。
「リリィ、お出かけ服、ない」
「ああ、そうだったな。向こうで服も買うか」
ヴィンセントは急いで適当に買った子供服が二着あったのだが、はっきり言って可愛いとは言い難い。今までリリィは外出することがなかったのでその二着を着回していたのだ。
(あいつの店にでも行くか)
+
+
+
「あら、いらっしゃいヴィンセント」
「ああ、マリア。久しぶりだな」
「もう、最近全然夜、遊んでくれないから退屈してたのよ」
スタイルが良くモデルのような女性がヴィンセントにすがり付いた。彼女はマリアといって、貴族御用達の洋服屋の店長である。それは表の顔で裏の顔は情報屋である。ここは情報を仕入れる場でもあるのだ。彼女は貴族の女性たちから秘密を聞き出している。
「あら、この子があなたが引き取った子供?」
「・・・もう知っているのか」
「当たり前じゃない。情報屋である私に知らないことなんてほとんどないわよ」
マリアは雇っている女性に一階を任せヴィンセントとリリィを二階に導いた。そこは貴族用のチェンジングルームとなっており、個室であるのでプライベートも確立している。
「今日はこの子に服を見繕ったらいいのかしら」
「ああ、数着頼む」
「ふふふ、分かったわ」
リリィはどこか不機嫌そうな顔をマリアに向けてヴィンセントにしがみついている。
「リリィ、どうした?」
「・・・なんもない」
「ふふふ、リリィちゃん、嫉妬してるのよね。ヴィンセントを取られると思ってるのよ」
「嫉妬・・・?」
マリアは色気があり、大人だ。どこかヴィンセントを深く知っているようでリリィは彼女に負けた気分になったのだ。
「リリィ!!可愛い!!大丈夫、俺はリリィしか見えてないからな!!なんなら他の女はジャガイモにしか見えていない」
「・・・ジャガイモって失礼ね。ってヴィンセント、あなたキャラ変わりすぎよ」
ヴィンセントが荒れていた時期にマリアと夜の関係を数度持ったことがある。マリアは強いオーラに耐性を持つ数少ない一人だ。ヴィンセントは彼に動じないマリアが珍しく美人の部類でもあったので、関係を持つのも自然な結果であった。二人とも夜だけの関係と割りきり、行為も終わればすぐに解散していた。
「ふーん、いい顔するようになったじゃない。ヴィンセント。それもこの子のお陰かしら」
「ああ、完全にリリィのお陰だ」
「ふふ、両思いで妬けるわね」
マリアはリリィに数着新しい服を作ることとなった。既製品のワンピースも二枚購入した。マリアはリリィを脱がせた際男物の下着を穿いているリリィを見てヴィンセントに拳骨を落とした。マリアはヴィンセントの適当ぶりに耐えきれず下着や他に必要であるものも揃えてくれるようだ。新米の親としては心強い。
「あー、その、今日は助かった」
「どういたしまして。また服とかは今度送ってあげるわ」
ヴィンセントとリリィはマリアに深くお辞儀をして(ペコリと頭を下げるリリィも可愛かった)屋台でいくつか食べ物を買いリリィに食べさせた。
「ヴィー、これは?」
「ああ、ブルーラの果物だな。甘くて美味しいぞ。食べるか?」
「うん」
「ご主人、一つ頼む」
「可愛らしいお嬢ちゃんだなぁ。ほら、おまけに一つやるよ」
「おじちゃん、ありがとー!」
ヴィンセントが一人で街を歩くと、皆恐怖の目でヴィンセントを見ていた。赤髪と紅い瞳は目立つ上、オーラが漏れているので尚更だ。しかしリリィといるとオーラも安定し、ほとんどオーラは出ていないと感じる。リリィの可愛さもあり、ヴィンセントに酷い目を向けることはないようだ。
「リリィ、ありがとうな」
「??」
「なんもない。ほら、はぐれるぞ」
ヴィンセントはリリィの手をぎゅっと握り帰路についた。
「王都、かいもの??行く!!リリィも行く!!」
言葉も覚えてきて勉強も頑張っているのでご褒美として王都に連れていこうと考えた。リリィは目をキラキラさせて喜んでいるようだ。しかし少し考えた後、リリィは首を振った。
「リリィ、お出かけ服、ない」
「ああ、そうだったな。向こうで服も買うか」
ヴィンセントは急いで適当に買った子供服が二着あったのだが、はっきり言って可愛いとは言い難い。今までリリィは外出することがなかったのでその二着を着回していたのだ。
(あいつの店にでも行くか)
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「あら、いらっしゃいヴィンセント」
「ああ、マリア。久しぶりだな」
「もう、最近全然夜、遊んでくれないから退屈してたのよ」
スタイルが良くモデルのような女性がヴィンセントにすがり付いた。彼女はマリアといって、貴族御用達の洋服屋の店長である。それは表の顔で裏の顔は情報屋である。ここは情報を仕入れる場でもあるのだ。彼女は貴族の女性たちから秘密を聞き出している。
「あら、この子があなたが引き取った子供?」
「・・・もう知っているのか」
「当たり前じゃない。情報屋である私に知らないことなんてほとんどないわよ」
マリアは雇っている女性に一階を任せヴィンセントとリリィを二階に導いた。そこは貴族用のチェンジングルームとなっており、個室であるのでプライベートも確立している。
「今日はこの子に服を見繕ったらいいのかしら」
「ああ、数着頼む」
「ふふふ、分かったわ」
リリィはどこか不機嫌そうな顔をマリアに向けてヴィンセントにしがみついている。
「リリィ、どうした?」
「・・・なんもない」
「ふふふ、リリィちゃん、嫉妬してるのよね。ヴィンセントを取られると思ってるのよ」
「嫉妬・・・?」
マリアは色気があり、大人だ。どこかヴィンセントを深く知っているようでリリィは彼女に負けた気分になったのだ。
「リリィ!!可愛い!!大丈夫、俺はリリィしか見えてないからな!!なんなら他の女はジャガイモにしか見えていない」
「・・・ジャガイモって失礼ね。ってヴィンセント、あなたキャラ変わりすぎよ」
ヴィンセントが荒れていた時期にマリアと夜の関係を数度持ったことがある。マリアは強いオーラに耐性を持つ数少ない一人だ。ヴィンセントは彼に動じないマリアが珍しく美人の部類でもあったので、関係を持つのも自然な結果であった。二人とも夜だけの関係と割りきり、行為も終わればすぐに解散していた。
「ふーん、いい顔するようになったじゃない。ヴィンセント。それもこの子のお陰かしら」
「ああ、完全にリリィのお陰だ」
「ふふ、両思いで妬けるわね」
マリアはリリィに数着新しい服を作ることとなった。既製品のワンピースも二枚購入した。マリアはリリィを脱がせた際男物の下着を穿いているリリィを見てヴィンセントに拳骨を落とした。マリアはヴィンセントの適当ぶりに耐えきれず下着や他に必要であるものも揃えてくれるようだ。新米の親としては心強い。
「あー、その、今日は助かった」
「どういたしまして。また服とかは今度送ってあげるわ」
ヴィンセントとリリィはマリアに深くお辞儀をして(ペコリと頭を下げるリリィも可愛かった)屋台でいくつか食べ物を買いリリィに食べさせた。
「ヴィー、これは?」
「ああ、ブルーラの果物だな。甘くて美味しいぞ。食べるか?」
「うん」
「ご主人、一つ頼む」
「可愛らしいお嬢ちゃんだなぁ。ほら、おまけに一つやるよ」
「おじちゃん、ありがとー!」
ヴィンセントが一人で街を歩くと、皆恐怖の目でヴィンセントを見ていた。赤髪と紅い瞳は目立つ上、オーラが漏れているので尚更だ。しかしリリィといるとオーラも安定し、ほとんどオーラは出ていないと感じる。リリィの可愛さもあり、ヴィンセントに酷い目を向けることはないようだ。
「リリィ、ありがとうな」
「??」
「なんもない。ほら、はぐれるぞ」
ヴィンセントはリリィの手をぎゅっと握り帰路についた。
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