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二章:思春期~新成人
リリィの恋心
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※やっとリリィちゃん目線も入ります
「十六歳の誕生日おめでとう、リリィ」
「ありがとう、ヴィー」
ヴィンセントがリリィを拾ってから八年が経った。ヴィンセントはリリィに盛大な誕生日パーティーを準備しようかと聞いてきたのだが、リリィはヴィンセントと二人で誕生日を過ごしたいと言ったので、ヴィンセントとリリィは二人の家で小さな誕生日祝いをすることとなったのだ。
「リリィももう成人かぁ。あの小さかったリリィがなぁ」
「もう、おじさんみたいな事言わないでよヴィー」
リリィはすくすくと成長し、他の人たちより多少幼くは見えるのだが、膨らむべきところは膨らみ、黒髪に黒い瞳のミステリアスな雰囲気は、どこか幼いのに妖艶である。ヴィンセントはもう二十九歳になるのだが、若々しく体の衰えもないようだ。
「ほら、プレゼント」
「わーありがとう、ヴィー。開けてもいい?」
「ああ」
ヴィンセントが渡した箱の中には可愛らしいルビーのペンダントが入っていた。リリィは目を輝かせる。
「わー!綺麗!!」
「着けてみるか?」
「うん!」
ヴィンセントはリリィの長い髪を片方に引き寄せネックレスを広げ、チェーン部分を首の後ろで止めた。
「ありがとう、ヴィー。とっても素敵」
「すごい似合ってる」
リリィはヴィンセントに抱きつき、頬にキスをした。
「ヴィー大好き」
「ああ、俺もリリィが大好きだ」
ヴィンセントは子供にするようなハグやキスをリリィに浴びせる。リリィは顔をほんのりと赤く染めながらそのキスを受け止めた。
(ヴィーは私を子供としか思ってないもんね)
ヴィンセントの家に来てもう八年が経つが、リリィは出会った瞬間からヴィンセントのことが好きでたまらなかった。その好きという気持ちが、親などに対するものでなく、異姓としてだと気づいたのは一年程前になるだろうか。
(いつか、離れないとダメだもんね。もうほとんど猶予はないか)
リリィは成人するのでずっとヴィンセントと過ごす訳にはいかない。ヴィンセントはこの八年間恋人も作らずずっと独り身でリリィの面倒を見ていたのだが、ヴィンセントも彼女の一人くらい作るべきだと感じていた。
(最近はちゃんとオーラが安定してるもん)
リリィのおかげか、ヴィンセントもオーラの暴走は徐々になくなった。ヴィンセントの表情も柔らかくなり、オーラの漏れも少なくなったので最近彼に話しかける人も増えた。
(ヴィーに知り合いの女性が増えたのは不本意だけど・・・)
リリィはいつまでもヴィンセントを独り占めしたいのだ。忙しくするヴィンセントを久しぶりに独占したくて誕生日は二人きりで過ごしたいとお願いした。
「私からも、これ。ヴィーに」
「ああ、手作りのお守りか?嬉しいな」
「明日から、また戦地へ向かうんでしょ?」
「ああ。リーランとまた開戦するらしいからな」
ヴィンセントは今も全線で命をかけて戦っている。今のところヴィンセントは無事であるが、いつ怪我をして帰ってくるかと気が気でない。リリィはヴィンセントの為に鳥の刺繍を入れたお守りを作ったのだ。
「・・・無事帰ってきてね」
「もちろん、リリィを残して死ねないからな」
「十六歳の誕生日おめでとう、リリィ」
「ありがとう、ヴィー」
ヴィンセントがリリィを拾ってから八年が経った。ヴィンセントはリリィに盛大な誕生日パーティーを準備しようかと聞いてきたのだが、リリィはヴィンセントと二人で誕生日を過ごしたいと言ったので、ヴィンセントとリリィは二人の家で小さな誕生日祝いをすることとなったのだ。
「リリィももう成人かぁ。あの小さかったリリィがなぁ」
「もう、おじさんみたいな事言わないでよヴィー」
リリィはすくすくと成長し、他の人たちより多少幼くは見えるのだが、膨らむべきところは膨らみ、黒髪に黒い瞳のミステリアスな雰囲気は、どこか幼いのに妖艶である。ヴィンセントはもう二十九歳になるのだが、若々しく体の衰えもないようだ。
「ほら、プレゼント」
「わーありがとう、ヴィー。開けてもいい?」
「ああ」
ヴィンセントが渡した箱の中には可愛らしいルビーのペンダントが入っていた。リリィは目を輝かせる。
「わー!綺麗!!」
「着けてみるか?」
「うん!」
ヴィンセントはリリィの長い髪を片方に引き寄せネックレスを広げ、チェーン部分を首の後ろで止めた。
「ありがとう、ヴィー。とっても素敵」
「すごい似合ってる」
リリィはヴィンセントに抱きつき、頬にキスをした。
「ヴィー大好き」
「ああ、俺もリリィが大好きだ」
ヴィンセントは子供にするようなハグやキスをリリィに浴びせる。リリィは顔をほんのりと赤く染めながらそのキスを受け止めた。
(ヴィーは私を子供としか思ってないもんね)
ヴィンセントの家に来てもう八年が経つが、リリィは出会った瞬間からヴィンセントのことが好きでたまらなかった。その好きという気持ちが、親などに対するものでなく、異姓としてだと気づいたのは一年程前になるだろうか。
(いつか、離れないとダメだもんね。もうほとんど猶予はないか)
リリィは成人するのでずっとヴィンセントと過ごす訳にはいかない。ヴィンセントはこの八年間恋人も作らずずっと独り身でリリィの面倒を見ていたのだが、ヴィンセントも彼女の一人くらい作るべきだと感じていた。
(最近はちゃんとオーラが安定してるもん)
リリィのおかげか、ヴィンセントもオーラの暴走は徐々になくなった。ヴィンセントの表情も柔らかくなり、オーラの漏れも少なくなったので最近彼に話しかける人も増えた。
(ヴィーに知り合いの女性が増えたのは不本意だけど・・・)
リリィはいつまでもヴィンセントを独り占めしたいのだ。忙しくするヴィンセントを久しぶりに独占したくて誕生日は二人きりで過ごしたいとお願いした。
「私からも、これ。ヴィーに」
「ああ、手作りのお守りか?嬉しいな」
「明日から、また戦地へ向かうんでしょ?」
「ああ。リーランとまた開戦するらしいからな」
ヴィンセントは今も全線で命をかけて戦っている。今のところヴィンセントは無事であるが、いつ怪我をして帰ってくるかと気が気でない。リリィはヴィンセントの為に鳥の刺繍を入れたお守りを作ったのだ。
「・・・無事帰ってきてね」
「もちろん、リリィを残して死ねないからな」
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