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事情聴取
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「姉上、今シュバルツが家に来てるんですが・・・彼が姉上にあの日の事情を聞きたいと言ってるんです。どうですか?もし嫌なら断ってもいいんですよ」
「殿下が・・・?分かったわ」
ティールームで待っていると、シュバルツが部屋に入ってきた。
「エリザベス嬢、ご協力ありがとうございます」
前回と同じ優しい笑みでシュバルツはエリザベスの前に立った。彼は握手をしようと手を出してきたが、エリザベスはその手を振り払ってしまう。
ーパシン
「も、申し訳ございません!!殿下!!」
「いや、いいんだ。ほら、女性の調査員とフィルも一緒にいるし、ドアも開けとくからね。怖がらなくて大丈夫だよ」
「は、はい」
エリザベスはフィルが隣に座ったことで安心する。フィルはエリザベスの手を握り、心配そうにエリザベスを見ていた。
「君は足を挫いて、部屋の一室に導かれた、そうだね?」
「はい・・・」
「それで、部屋で起きた出来事を一つ一つ教えてほしい」
「おい、シュバルツ・・・姉上の負担になることは・・・」
「いいのよ、フィル」
エリザベスは覚悟を決め一つ一つ話しだした。押し倒され、逃げようとしたが捕まり殴られたこと。口を塞がれ手を拘束されて服を剥ぎ取られたこと。ザックが言った言葉など思い出せることすべて伝えた。
「それで・・・中にも棒を打ち付けると言って・・・ズボンを脱ぎ始めたんです・・・そしたらお二人が入ってきてくれて、私は気を失ってしまったようです」
「なんてことだ・・・」
シュバルツもフィルも言葉をなくした。
「話すのも辛かっただろうけど、答えてくれてありがとう」
「いえ・・・」
「シュバルツもう終わったんだろ?早く出ていけよ」
「はいはい、過保護の弟さん。じゃ、彼女をケアしてあげてよ」
シュバルツと調査員が出ていった。エリザベスの手が震えているのに気づく。
「姉上、お疲れ様」
「フィル・・・」
「ささ、今から姉上の好きなアップルパイを食べながらお茶しましょう」
(ありがとう・・・フィル)
あれからフィルは性格が変わったようにエリザベスの面倒を見るようになった。忙しくとも毎日必ず家に帰り、エリザベスが寝るまで側にいて手を握っている。シュバルツが言ったとおり、まるで過保護な弟ができたようだ。
「フィル、私はもう大丈夫よ。傷だってもうほとんどないわ」
「そんなことは関係ないんです。僕が姉上の面倒を見たいだけですから」
(どうしよう・・・彼に迷惑をかけてられないわ)
仕事が大変なはずなのに散歩をしようとするとエリザベスに付いてきたり、たまに庭にお茶を用意してくれて会話を楽しむのだ。
(フィルといると、すごく楽しい・・・)
お医者さんにはエリザベスは男性に対する恐怖症が起こっていると診断された。それも時間と共に解決するそうだ。しかしフィルに触れられると、恐怖どころか安心と、どこか胸の奥が熱くなる感覚がする。
(甘えてたら駄目なのに・・・)
+
+
+
「はぁ・・・はぁ・・・」
「姉上、また悪夢ですか?」
フィルはランプの側で仕事の書類を見ていた。久々に見る悪夢にエリザベスは動揺した。
「フィル・・・ぎゅっとして」
「姉上・・・」
フィルは書類をテーブルに置き、エリザベスを抱きしめた。エリザベスは見上げると、フィルの熱が浮かぶ目線とぶつかった。
「姉上・・・」
フィルは躊躇いをみせつつ顔をエリザベスに近づける。お互いの唇が軽く触れあった。
「フィル・・・」
「嫌なら言って下さい」
エリザベスはブンブンと顔を横に振る。フィルは再びゆっくりとエリザベスに顔を近づけ半開きになったエリザベスの唇の中にフィルの舌を入れた。
「ん・・・んあ・・・」
(ザック様に無理やりキスされた時と違う・・・)
フィルのキスはエリザベスを労るような優しく、熱いキスなのだ。
(すごい・・・溶けてしまいそう・・・)
「はぁ・・・フィルぅ・・・」
「姉上の舌、すごく甘くて美味しいです」
フィルは甘い笑顔をエリザベスに向けた。
ーキュン
(な、なにこの気持ち)
フィルはエリザベスの額にキスをして、エリザベスを寝かせた。
(なんだか物足りない・・・って思う私ははしたないかしら・・・)
「殿下が・・・?分かったわ」
ティールームで待っていると、シュバルツが部屋に入ってきた。
「エリザベス嬢、ご協力ありがとうございます」
前回と同じ優しい笑みでシュバルツはエリザベスの前に立った。彼は握手をしようと手を出してきたが、エリザベスはその手を振り払ってしまう。
ーパシン
「も、申し訳ございません!!殿下!!」
「いや、いいんだ。ほら、女性の調査員とフィルも一緒にいるし、ドアも開けとくからね。怖がらなくて大丈夫だよ」
「は、はい」
エリザベスはフィルが隣に座ったことで安心する。フィルはエリザベスの手を握り、心配そうにエリザベスを見ていた。
「君は足を挫いて、部屋の一室に導かれた、そうだね?」
「はい・・・」
「それで、部屋で起きた出来事を一つ一つ教えてほしい」
「おい、シュバルツ・・・姉上の負担になることは・・・」
「いいのよ、フィル」
エリザベスは覚悟を決め一つ一つ話しだした。押し倒され、逃げようとしたが捕まり殴られたこと。口を塞がれ手を拘束されて服を剥ぎ取られたこと。ザックが言った言葉など思い出せることすべて伝えた。
「それで・・・中にも棒を打ち付けると言って・・・ズボンを脱ぎ始めたんです・・・そしたらお二人が入ってきてくれて、私は気を失ってしまったようです」
「なんてことだ・・・」
シュバルツもフィルも言葉をなくした。
「話すのも辛かっただろうけど、答えてくれてありがとう」
「いえ・・・」
「シュバルツもう終わったんだろ?早く出ていけよ」
「はいはい、過保護の弟さん。じゃ、彼女をケアしてあげてよ」
シュバルツと調査員が出ていった。エリザベスの手が震えているのに気づく。
「姉上、お疲れ様」
「フィル・・・」
「ささ、今から姉上の好きなアップルパイを食べながらお茶しましょう」
(ありがとう・・・フィル)
あれからフィルは性格が変わったようにエリザベスの面倒を見るようになった。忙しくとも毎日必ず家に帰り、エリザベスが寝るまで側にいて手を握っている。シュバルツが言ったとおり、まるで過保護な弟ができたようだ。
「フィル、私はもう大丈夫よ。傷だってもうほとんどないわ」
「そんなことは関係ないんです。僕が姉上の面倒を見たいだけですから」
(どうしよう・・・彼に迷惑をかけてられないわ)
仕事が大変なはずなのに散歩をしようとするとエリザベスに付いてきたり、たまに庭にお茶を用意してくれて会話を楽しむのだ。
(フィルといると、すごく楽しい・・・)
お医者さんにはエリザベスは男性に対する恐怖症が起こっていると診断された。それも時間と共に解決するそうだ。しかしフィルに触れられると、恐怖どころか安心と、どこか胸の奥が熱くなる感覚がする。
(甘えてたら駄目なのに・・・)
+
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「はぁ・・・はぁ・・・」
「姉上、また悪夢ですか?」
フィルはランプの側で仕事の書類を見ていた。久々に見る悪夢にエリザベスは動揺した。
「フィル・・・ぎゅっとして」
「姉上・・・」
フィルは書類をテーブルに置き、エリザベスを抱きしめた。エリザベスは見上げると、フィルの熱が浮かぶ目線とぶつかった。
「姉上・・・」
フィルは躊躇いをみせつつ顔をエリザベスに近づける。お互いの唇が軽く触れあった。
「フィル・・・」
「嫌なら言って下さい」
エリザベスはブンブンと顔を横に振る。フィルは再びゆっくりとエリザベスに顔を近づけ半開きになったエリザベスの唇の中にフィルの舌を入れた。
「ん・・・んあ・・・」
(ザック様に無理やりキスされた時と違う・・・)
フィルのキスはエリザベスを労るような優しく、熱いキスなのだ。
(すごい・・・溶けてしまいそう・・・)
「はぁ・・・フィルぅ・・・」
「姉上の舌、すごく甘くて美味しいです」
フィルは甘い笑顔をエリザベスに向けた。
ーキュン
(な、なにこの気持ち)
フィルはエリザベスの額にキスをして、エリザベスを寝かせた。
(なんだか物足りない・・・って思う私ははしたないかしら・・・)
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