6 / 37
脅迫
あれから三ヶ月経ち、レオンとビッグは会える頻度は少ないながら、時々この教会に来ていた。エリカは今日も教会の教壇の裏に隠れ、それを覗いていた。
「・・・ビッグ・・・お前ともっと過ごす時間が欲しい」
「俺がそんなに欲しいか、レオン。さっきの会議でも俺を見て物欲しそうにしてたもんな」
(おぉぉおおお、出ました、ビッグの言葉責め・・・!!)
エリカはゴクンと唾を飲み込んだ。二人はまだプラトニックな関係が続いており、キスさえもしていない。エリカは毎回「そろそろあるんじゃ・・・」と思いながら待っていたのだ。
(あああ、見えない、なにしてんの?)
教壇にある覗き穴の死角に入ってしまい、見えなくなってしまう。チュッと何かを吸う音だけが聞こえ、エリカは我慢できずに教壇を少しずらした。
──ギギギ
(や、やばっ・・・音響いちゃった・・・)
「誰だ!!」
ビッグの低い声が教会内に響く。エリカは口に手を当てて息を殺した。
「・・・誰もいないか」
こちらに向かうビッグの足音が止まり、引き返していた。暫くして二人は立ち去った。
(よ、良かったぁ・・・)
エリカはほっとする。すると後ろから急に髪を誰かに捕まれた。その力は強くエリカの頭皮がジンジンと痛む。
「ギャアアアアアア!!」
二人は立ち去っていなかった。ビッグは足音を潜めて裏に周り、不審人物であるエリカの髪を掴み引きずりだしたのだ。エリカは恐怖に震える。
「・・・エリカ、嬢?」
レオンの驚きの声が聞こえてくる。エリカは逃げようとするもビッグの手によって逃げることができない。
「何をしてたんだ」
「あのー、迷ってしまいましてぇー、通りかかっただけで、何も見ておりません」
「教壇の下で、迷子か?」
ビッグの瞳は、視線で人を殺せそうな程の迫力がある。ビッグは拷問のプロでもあるのだ。エリカはプルプルと震え、大型犬の前で恐怖する子犬のように縮まる。
「正直に言え!!」
「み、見ておりました!!団長が告白をして、時々ここで二人がちちくりあってるところ、いつも見ておりました!!」
エリカはスライディング土下座をする。ビッグは「始めからじゃねえか・・・」と言ってこめかみを押さえた。
「おい、レオン・・・こいつは殺すしかないんじゃないか」
「ひっ・・・」
ビッグの瞳は本気だと言っている。レオンは静かにエリカを見ていた。
「うーん、そうだね。こんな大きな秘密を知られてしまったんだ。島流しか・・・殺すしか方法がないかもね・・・」
「誰にも、誰にも言いまぜんがらー!ずびばぜんー!!」
エリカは涙を流しながら二人に何度も土下座する。レオンは何かを思い付いたかのようにポンッと手を叩いた。
「そうだ、こうしよう。君には暫く僕の婚約者になってもらう」
「へ・・・?」
「こうなったら君も道連れだ。僕たちのカモフラージュとなってくれ」
つまり、エリカがレオンの婚約者となることで、二人の逢い引きを手助けするということである。婚約は時期を見て破棄するそうだ。婚約破棄後はきちんとエリカに良い男性を宛がう約束も取り付けた。
(こ、殺されるより全然マシ~!!)
「それでいいかな」
「やりますぅ、やらせてくださいぃ!!」
「一言でもバラしてみろ、楽に死なせはしないからな」
ビッグの脅迫のような言葉がエリカに突き刺さる。
「はい、喜んで、お助けさせてくださいましぃ!!」
エリカは涙と鼻水を垂らしながら二人にすがった。それから二人のカモフラージュ作戦が始まったのだ。
「・・・ビッグ・・・お前ともっと過ごす時間が欲しい」
「俺がそんなに欲しいか、レオン。さっきの会議でも俺を見て物欲しそうにしてたもんな」
(おぉぉおおお、出ました、ビッグの言葉責め・・・!!)
エリカはゴクンと唾を飲み込んだ。二人はまだプラトニックな関係が続いており、キスさえもしていない。エリカは毎回「そろそろあるんじゃ・・・」と思いながら待っていたのだ。
(あああ、見えない、なにしてんの?)
教壇にある覗き穴の死角に入ってしまい、見えなくなってしまう。チュッと何かを吸う音だけが聞こえ、エリカは我慢できずに教壇を少しずらした。
──ギギギ
(や、やばっ・・・音響いちゃった・・・)
「誰だ!!」
ビッグの低い声が教会内に響く。エリカは口に手を当てて息を殺した。
「・・・誰もいないか」
こちらに向かうビッグの足音が止まり、引き返していた。暫くして二人は立ち去った。
(よ、良かったぁ・・・)
エリカはほっとする。すると後ろから急に髪を誰かに捕まれた。その力は強くエリカの頭皮がジンジンと痛む。
「ギャアアアアアア!!」
二人は立ち去っていなかった。ビッグは足音を潜めて裏に周り、不審人物であるエリカの髪を掴み引きずりだしたのだ。エリカは恐怖に震える。
「・・・エリカ、嬢?」
レオンの驚きの声が聞こえてくる。エリカは逃げようとするもビッグの手によって逃げることができない。
「何をしてたんだ」
「あのー、迷ってしまいましてぇー、通りかかっただけで、何も見ておりません」
「教壇の下で、迷子か?」
ビッグの瞳は、視線で人を殺せそうな程の迫力がある。ビッグは拷問のプロでもあるのだ。エリカはプルプルと震え、大型犬の前で恐怖する子犬のように縮まる。
「正直に言え!!」
「み、見ておりました!!団長が告白をして、時々ここで二人がちちくりあってるところ、いつも見ておりました!!」
エリカはスライディング土下座をする。ビッグは「始めからじゃねえか・・・」と言ってこめかみを押さえた。
「おい、レオン・・・こいつは殺すしかないんじゃないか」
「ひっ・・・」
ビッグの瞳は本気だと言っている。レオンは静かにエリカを見ていた。
「うーん、そうだね。こんな大きな秘密を知られてしまったんだ。島流しか・・・殺すしか方法がないかもね・・・」
「誰にも、誰にも言いまぜんがらー!ずびばぜんー!!」
エリカは涙を流しながら二人に何度も土下座する。レオンは何かを思い付いたかのようにポンッと手を叩いた。
「そうだ、こうしよう。君には暫く僕の婚約者になってもらう」
「へ・・・?」
「こうなったら君も道連れだ。僕たちのカモフラージュとなってくれ」
つまり、エリカがレオンの婚約者となることで、二人の逢い引きを手助けするということである。婚約は時期を見て破棄するそうだ。婚約破棄後はきちんとエリカに良い男性を宛がう約束も取り付けた。
(こ、殺されるより全然マシ~!!)
「それでいいかな」
「やりますぅ、やらせてくださいぃ!!」
「一言でもバラしてみろ、楽に死なせはしないからな」
ビッグの脅迫のような言葉がエリカに突き刺さる。
「はい、喜んで、お助けさせてくださいましぃ!!」
エリカは涙と鼻水を垂らしながら二人にすがった。それから二人のカモフラージュ作戦が始まったのだ。
あなたにおすすめの小説
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
襲われていた美男子を助けたら溺愛されました
茜菫
恋愛
伯爵令嬢でありながら公爵家に仕える女騎士イライザの元に縁談が舞い込んだ。
相手は五十歳を越え、すでに二度の結婚歴があるラーゼル侯爵。
イライザの実家であるラチェット伯爵家はラーゼル侯爵に多額の借金があり、縁談を突っぱねることができなかった。
なんとか破談にしようと苦慮したイライザは結婚において重要視される純潔を捨てようと考えた。
相手をどうしようかと悩んでいたイライザは町中で言い争う男女に出くわす。
イライザが女性につきまとわれて危機に陥っていた男ミケルを助けると、どうやら彼に気に入られたようで……
「僕……リズのこと、好きになっちゃったんだ」
「……は?」
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!