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スノーランド婚約結婚編
鉱山の危険
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「ミリア王女!フェリス国研究員たちが向かった鉱山で土砂崩れが起きて研究員二人が行方不明です!!」
「な、なんですって!?」
「行方不明なのはミリア王女の友人のマールと、最年少の研究員ウォーリーです。他の研究員たちは無事保護されました!!」
王城があわただしくなる。もし二人が見つからなければフェリス国とスノーランドの国交にも大きな問題となるかもしれない。
「捜索隊の人数も増やします!」
「私も行くわ・・・」
「いいえ、駄目です!危険です!」
「せめて・・・近くの待機場所まででも行かせて!!もし止めたらあなたたちを倒して無理にでも行くわよ!」
ミリアは譲らなかった。服を動きやすいものに着替え、防寒対策も忘れない。急いで現場へと向かった
「ミリア王女・・・おいでくださったんですか・・・」
「ええ、心配で来ちゃったわ」
保護され、仮設待機場に毛布にくるまれている研究員たちが、ミリアに気づいた。
「それで、マールさんとウォーリーさんは・・・?」
「僕たちは入り口付近を探索していたんです。しかしマールとウォーリーは数百メートル地下に降りていってしまい・・・地響きがして、土砂が流れてきたんです。彼らは入り口から近かったのでなんとか逃げ出せましたが、彼らはあの鉱山の地下から出れなくなったようです」
「・・・そうですか」
捜索隊は現場を確認しに行ったが、入り口は塞がれてしまい、下に降りることができない。
「地道に掘っていくことも可能ですが、数週間かかるでしょう・・・」
「それじゃ凍え死んじゃうわよ」
一刻も早く助け出さなければ。
ミリアと捜索隊、そして研究員たちの表情は暗い。
(どうすればいいの・・・)
ピーーピーー
ミリアのピアスが光出す。
(こ、これは・・・!!)
研究員たちが鉱山に出発する前日、ミリアはマールとお茶を共にした。マールはミリアの好きな紅茶を持ってきてくれたのだ。
(美味しい・・・!私本当にこの紅茶が好きだった気がするわ)
ミリアの記憶はないが、味覚は変わっていないようだ。ミリア紅茶を持ってきてくれたマールに感謝する。
「そうだ、ミリアさん・・・僕ミリアさんに見せたいものがあるんです・・・」
マールが旅行鞄から小さなケースを取り出した。そこには小さなダイヤが光るピアスが一つ入っていた。
「わぁ・・・とても綺麗だわ」
「それだけじゃないんですよ」
マールは片耳にピアスを五個も開けている。そのピアスの一つを押すと、目の前にあるピアスが光出す。
ピーーピーーー
「な、なにこれ?」
「ミリアさん・・・このピアスを押してみてください」
ーピッ
『もしもし、聞こえますか?マールです』
「わぁあああ!!」
ミリアは驚いた。マールの声がピアスからきこえてくるのだ。
「ピアスに話しかけてみてください」
『マールさん・・・聞こえますか?』
『聞こえますよ』
マールが開発したのは小型通話機といって、遠く離れていても、対のピアスをはめていれば、会話ができるという品だ。
「す、すごいです・・・マールさん・・・」
「これも開発段階で未発表なんですけど、お貸しします。僕がスノーランドにいるときはミリアさんが耳にはめといてください。いつでも僕と会話できますから。僕らは友人ですからね・・・」
ミリアは耳にそのピアスをはめた。
時は現実に戻る。
ーピーーピーーー
(っ・・・早く返事しなきゃ! )
ーピッ
『もしもし、ミリアさんですか・・・?』
「ええ、マールさん!ミリアです!」
周りの捜索隊は何が起こったのかと目を丸くする。
「大丈夫?怪我はないの!?」
『はい、僕らは怪我もなく大丈夫です・・・』
「入り口が塞がっちゃって、地下を掘るのに数週間かかりそうなの・・・」
『今通信機を使ってフェリス国王子に連絡が取れました。研究所製の電気ドリルをすぐに送って貰えるそうです。それがあれば数時間でここまで穴が掘れるでしょう』
「っ・・・!!それは本当!?良かった・・・」
『ミリアさんは、国王にスノーランド行きの臨時船の入港の許可を取ってください』
「分かったわ、すぐに許可を取ってくる!!マールさんたちは体力を温存しといてくださいね!」
希望が持てた。ミリアは急いで王城に戻り、国王である祖父に許可をもらった。ミリアは港へ急ぐ。港までは約一時間かかる。
(早く来て・・・時間がないわ・・・)
ーブオーーーーーー
ミリアが到着して二時間後、フェリア国の船が到達する。二人の研究員が船から降りてきた。
「お二人ともお疲れでしょうが、すぐに鉱山へ!!」
ーピッ
ミリアはピアスを押した。
『・・・マールです・・・』
マールの声が震えている。寒さで震えているのだろう。カチカチと歯の鳴る音がする。
「マールさん、今ドリルをセッティングしました!入り口から離れてください!」
『分かりました・・・』
ーーキュイーーーン
ドリルのスイッチが入れられた。ドリルは高速で回転しだす。するとドリルが地面をえぐりだした。ものすごい速さで地面に穴が開いていく。
ーーーキュイーーーン・・・
「ドリルの音が変わりました。空洞部分にたどり着いたのでしょう」
掘りはじめてから三時間が経った。研究員はそう言ってドリルを引き上げた。その跡にはポッカリと穴が開いている。
ーピッ
『ドリルが・・・こちらまで・・・届いたみたいですね・・・』
「マールさん、今から救援隊の一人が紐を体に付けて降下しますから彼の指示に従ってください」
救援隊の男が地下に降り、まずウォーリーが彼と一所に引き上げられた。その後マールも無事引き上げられた。二人は憔悴しており、低体温症を引き起こしている。彼らはすぐに病院へ連れていかれた。医者によると、すぐに回復するだろうとのことだ。
(無事助けられてよかった・・・)
研究員たち、捜索隊、そしてミリアは皆涙を流して救助できたことを喜んだ。みんなが一つになれた瞬間でもあった。
「な、なんですって!?」
「行方不明なのはミリア王女の友人のマールと、最年少の研究員ウォーリーです。他の研究員たちは無事保護されました!!」
王城があわただしくなる。もし二人が見つからなければフェリス国とスノーランドの国交にも大きな問題となるかもしれない。
「捜索隊の人数も増やします!」
「私も行くわ・・・」
「いいえ、駄目です!危険です!」
「せめて・・・近くの待機場所まででも行かせて!!もし止めたらあなたたちを倒して無理にでも行くわよ!」
ミリアは譲らなかった。服を動きやすいものに着替え、防寒対策も忘れない。急いで現場へと向かった
「ミリア王女・・・おいでくださったんですか・・・」
「ええ、心配で来ちゃったわ」
保護され、仮設待機場に毛布にくるまれている研究員たちが、ミリアに気づいた。
「それで、マールさんとウォーリーさんは・・・?」
「僕たちは入り口付近を探索していたんです。しかしマールとウォーリーは数百メートル地下に降りていってしまい・・・地響きがして、土砂が流れてきたんです。彼らは入り口から近かったのでなんとか逃げ出せましたが、彼らはあの鉱山の地下から出れなくなったようです」
「・・・そうですか」
捜索隊は現場を確認しに行ったが、入り口は塞がれてしまい、下に降りることができない。
「地道に掘っていくことも可能ですが、数週間かかるでしょう・・・」
「それじゃ凍え死んじゃうわよ」
一刻も早く助け出さなければ。
ミリアと捜索隊、そして研究員たちの表情は暗い。
(どうすればいいの・・・)
ピーーピーー
ミリアのピアスが光出す。
(こ、これは・・・!!)
研究員たちが鉱山に出発する前日、ミリアはマールとお茶を共にした。マールはミリアの好きな紅茶を持ってきてくれたのだ。
(美味しい・・・!私本当にこの紅茶が好きだった気がするわ)
ミリアの記憶はないが、味覚は変わっていないようだ。ミリア紅茶を持ってきてくれたマールに感謝する。
「そうだ、ミリアさん・・・僕ミリアさんに見せたいものがあるんです・・・」
マールが旅行鞄から小さなケースを取り出した。そこには小さなダイヤが光るピアスが一つ入っていた。
「わぁ・・・とても綺麗だわ」
「それだけじゃないんですよ」
マールは片耳にピアスを五個も開けている。そのピアスの一つを押すと、目の前にあるピアスが光出す。
ピーーピーーー
「な、なにこれ?」
「ミリアさん・・・このピアスを押してみてください」
ーピッ
『もしもし、聞こえますか?マールです』
「わぁあああ!!」
ミリアは驚いた。マールの声がピアスからきこえてくるのだ。
「ピアスに話しかけてみてください」
『マールさん・・・聞こえますか?』
『聞こえますよ』
マールが開発したのは小型通話機といって、遠く離れていても、対のピアスをはめていれば、会話ができるという品だ。
「す、すごいです・・・マールさん・・・」
「これも開発段階で未発表なんですけど、お貸しします。僕がスノーランドにいるときはミリアさんが耳にはめといてください。いつでも僕と会話できますから。僕らは友人ですからね・・・」
ミリアは耳にそのピアスをはめた。
時は現実に戻る。
ーピーーピーーー
(っ・・・早く返事しなきゃ! )
ーピッ
『もしもし、ミリアさんですか・・・?』
「ええ、マールさん!ミリアです!」
周りの捜索隊は何が起こったのかと目を丸くする。
「大丈夫?怪我はないの!?」
『はい、僕らは怪我もなく大丈夫です・・・』
「入り口が塞がっちゃって、地下を掘るのに数週間かかりそうなの・・・」
『今通信機を使ってフェリス国王子に連絡が取れました。研究所製の電気ドリルをすぐに送って貰えるそうです。それがあれば数時間でここまで穴が掘れるでしょう』
「っ・・・!!それは本当!?良かった・・・」
『ミリアさんは、国王にスノーランド行きの臨時船の入港の許可を取ってください』
「分かったわ、すぐに許可を取ってくる!!マールさんたちは体力を温存しといてくださいね!」
希望が持てた。ミリアは急いで王城に戻り、国王である祖父に許可をもらった。ミリアは港へ急ぐ。港までは約一時間かかる。
(早く来て・・・時間がないわ・・・)
ーブオーーーーーー
ミリアが到着して二時間後、フェリア国の船が到達する。二人の研究員が船から降りてきた。
「お二人ともお疲れでしょうが、すぐに鉱山へ!!」
ーピッ
ミリアはピアスを押した。
『・・・マールです・・・』
マールの声が震えている。寒さで震えているのだろう。カチカチと歯の鳴る音がする。
「マールさん、今ドリルをセッティングしました!入り口から離れてください!」
『分かりました・・・』
ーーキュイーーーン
ドリルのスイッチが入れられた。ドリルは高速で回転しだす。するとドリルが地面をえぐりだした。ものすごい速さで地面に穴が開いていく。
ーーーキュイーーーン・・・
「ドリルの音が変わりました。空洞部分にたどり着いたのでしょう」
掘りはじめてから三時間が経った。研究員はそう言ってドリルを引き上げた。その跡にはポッカリと穴が開いている。
ーピッ
『ドリルが・・・こちらまで・・・届いたみたいですね・・・』
「マールさん、今から救援隊の一人が紐を体に付けて降下しますから彼の指示に従ってください」
救援隊の男が地下に降り、まずウォーリーが彼と一所に引き上げられた。その後マールも無事引き上げられた。二人は憔悴しており、低体温症を引き起こしている。彼らはすぐに病院へ連れていかれた。医者によると、すぐに回復するだろうとのことだ。
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