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王城のパーティー④
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「ジュリアちゃ~ん、今のうちにほら、踊ろうよ」
「・・・そうですね」
フィンはやっと女性の群れから抜け出せたらしく、ジュリアはフィンに腕を引かれる。
「上手だよ。ジュリアちゃん」
「よくローズ様の男性役として練習を務めさせていただいたので。でも少し変な感じがします」
男性役は相手をリードするのに対し、女性役はできるだけ相手を信頼してリードされなければならない。少し戸惑うもののフィンのリードは頼もしく、しばらくするとジュリアも苦労なく踊ることができた。
「ほら、僕に対してだけじゃなく、ジュリアちゃんへの羨望の眼差しがすごいよ」
「え・・・」
ジュリアは回りを見回すと様々な視線が突き刺さる。ジュリアは怯んだ。台座に戻った国王の側に報告をしているのであろうサイラスの視線も感じ、ドキリとした。
「他の男を見るなんて妬けるなぁ。ジュリアちゃん、僕だけを見て。回りは背景だと思って踊ればいいんだから」
ジュリアはこんなに注目されたことがなかったので逃げたくなったが周りは背景、周りは背景、と念じフィンだけを見るよう意識しながら踊り続けた。フィンは「その調子」と言ってジュリアにターンを促した。
「ねえ、最近ジュリアちゃんが綺麗になったのって、そのネックレスを渡した人の為かな・・・」
「このネックレスですか?ローズ様が着けるようおっしゃって身につけたのですが・・」
「そんな執着のかたまりみたいなネックレス送っといて本人に言ってないんだね」
「・・・?」
フィンはジュリアを抱く右手を強く引き寄せ密着するようにした。
「うわぁ、怖っ。どんな嫉妬深い目してるんだよ」
フィンはジュリアの逆側を見てそう呟いた。フィンはダンスが終わると「そろそろ退散しないと僕の命も危ないからね」と言って女性の群れにまた入りこんでいった。
「ジュリアさん」
「ソフィア・・・さん?」
そこにはサイラスの従姉のソフィアが立っていた。
「覚えてくれてたんですね!!またジュリアさんに会えてとっても嬉しいです。先ほどの蹴りも格好良くて、もう鼻血ものでした!!どれだけの人がジュリアさんの脚なら蹴られても良いと思ったか!!」
「そ、そんな・・・おおげさな」
ソフィアは興奮して話が止まない。ソフィアはジュリアが思っていたような性格ではないようだ。ソフィアのお友達たちも興奮してジュリアに話しかけた。
「ぜひ男装していただきたいですわ」
「いえ、ジュリア様にはボディースーツに鞭なんて素敵よ」
『キャ──♡』
ソフィアや友人たちは少し変わっているのだな、とジュリアは愛想笑いを浮かべた。
「すみませんが、そろそろ私にもレディの時間をいただいても宜しいですか」
「サイラス!!」
『宰相様よ』
「サイラス、様・・・?」
サイラスはいつの間にか国王への報告が終わったらしく、ジュリアの元にやってきたようだ。
「一曲踊っていただけますか、ジュリア殿」
「は、はい・・・」
差し出された右手をジュリアはそっと掴んだ。
「・・・そうですね」
フィンはやっと女性の群れから抜け出せたらしく、ジュリアはフィンに腕を引かれる。
「上手だよ。ジュリアちゃん」
「よくローズ様の男性役として練習を務めさせていただいたので。でも少し変な感じがします」
男性役は相手をリードするのに対し、女性役はできるだけ相手を信頼してリードされなければならない。少し戸惑うもののフィンのリードは頼もしく、しばらくするとジュリアも苦労なく踊ることができた。
「ほら、僕に対してだけじゃなく、ジュリアちゃんへの羨望の眼差しがすごいよ」
「え・・・」
ジュリアは回りを見回すと様々な視線が突き刺さる。ジュリアは怯んだ。台座に戻った国王の側に報告をしているのであろうサイラスの視線も感じ、ドキリとした。
「他の男を見るなんて妬けるなぁ。ジュリアちゃん、僕だけを見て。回りは背景だと思って踊ればいいんだから」
ジュリアはこんなに注目されたことがなかったので逃げたくなったが周りは背景、周りは背景、と念じフィンだけを見るよう意識しながら踊り続けた。フィンは「その調子」と言ってジュリアにターンを促した。
「ねえ、最近ジュリアちゃんが綺麗になったのって、そのネックレスを渡した人の為かな・・・」
「このネックレスですか?ローズ様が着けるようおっしゃって身につけたのですが・・」
「そんな執着のかたまりみたいなネックレス送っといて本人に言ってないんだね」
「・・・?」
フィンはジュリアを抱く右手を強く引き寄せ密着するようにした。
「うわぁ、怖っ。どんな嫉妬深い目してるんだよ」
フィンはジュリアの逆側を見てそう呟いた。フィンはダンスが終わると「そろそろ退散しないと僕の命も危ないからね」と言って女性の群れにまた入りこんでいった。
「ジュリアさん」
「ソフィア・・・さん?」
そこにはサイラスの従姉のソフィアが立っていた。
「覚えてくれてたんですね!!またジュリアさんに会えてとっても嬉しいです。先ほどの蹴りも格好良くて、もう鼻血ものでした!!どれだけの人がジュリアさんの脚なら蹴られても良いと思ったか!!」
「そ、そんな・・・おおげさな」
ソフィアは興奮して話が止まない。ソフィアはジュリアが思っていたような性格ではないようだ。ソフィアのお友達たちも興奮してジュリアに話しかけた。
「ぜひ男装していただきたいですわ」
「いえ、ジュリア様にはボディースーツに鞭なんて素敵よ」
『キャ──♡』
ソフィアや友人たちは少し変わっているのだな、とジュリアは愛想笑いを浮かべた。
「すみませんが、そろそろ私にもレディの時間をいただいても宜しいですか」
「サイラス!!」
『宰相様よ』
「サイラス、様・・・?」
サイラスはいつの間にか国王への報告が終わったらしく、ジュリアの元にやってきたようだ。
「一曲踊っていただけますか、ジュリア殿」
「は、はい・・・」
差し出された右手をジュリアはそっと掴んだ。
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