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フィオライトの首飾り
紫の石の話
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その石をダ二オが初めて見たのは、各地から贈られてきた見合いの肖像画の山の中だった。
この国のみならず、海外の王侯貴族とも取引のある豪商の息子。そろそろ跡継ぎを、そして孫の顔をと思った現当主が息子に花嫁が欲しいと客に愚痴れば、その噂はまたたく間に広がり、数多の肖像画や贈り物、パーティを開けば着飾った娘を連れた親が列をなすようになったそうで。
「困るんだよなぁ」
絵画なんていくらでも美化できる。会ってもいない女性にいくら肩書があろうとも名声にも興味なし、更に多くの財産をという野心もとくになし。体裁には現状に満足していて、商売で諸外国に赴いて様々な街を見ることがいま一番の楽しみであるという、そんなダニオにはまったく女性に興味がなかった。
とはいえ、絵を送ってくる者たちはお得意様、その紹介、権力者とつながりがあるなど更に面倒くさい立場のものばかり、目を通して返信くらいはしないと商売にも支障が出るというもので、親の気持ちもわからなくもないが煩わしく思っていたところ。例の首飾りをつけた肖像画が目にとまったのだった。
女性には…もうしわけない。
多少興味を持ったといえど首飾り以外どんな服を着ていたかさえそのときは覚えていないくらいの印象だった。
ただただなんとなく、絵に描かれた「首飾りの宝石」が気になって仕方がなく。何故か会ってみたいという返事をしたところ、とんとんと婚約の話が進んでいってしまったのだった。
幸い女性…婚約者は、こんな無礼な選択をしてしまったにもかかわらず、彼の財力を目当てに近づく派手な女性たちとは全く異なり、優しくたおやかで、また彼女の実家も商人であったことから仕事や振る舞いも把握しており。趣味に至るまで意気投合し、これ以上ない選択だったとダニオ自身幸福を感じていた。
きっとこれは、この宝石が結びつけてくれた縁に違いないと、その宝石を毎晩寝室の祭壇に飾り祈りを捧げるといったことなどをしていた。
こんな縁を結んでくれた宝石だ。ダ二オは婚約者にこの首飾りは一体どんな謂れのあるものなのかと聞いたのだった。
「これは、私の家に代々女性にのみ伝わる首飾りなのです」
やはり、この数年で作られたただのファッションアクセサリーではなかったようだ。諸外国を回ることを好むダリオはこうした伝説や逸話的なものにとても興味を持っていたので好奇心を止めることなどできず、さらに詳細を問うた。
「真ん中のバイカラーの石がありますでしょう?フィオライトというとても珍しい宝石なんだそうです。我が家の初代の女当主が作らせたもので、恋人との約束の品なのだとか」
なんともロマンティックな話ではないか。そんなドラマティックな品物に惹かれて結ばれる我らは運命の糸で結ばれているのだとダニオは心躍らせた。
「初代当主は将来を誓いあった相手がいたのですが、当時の情勢によって家が敵味方となり結婚が叶わず。二人はお互いの血と聖水を混ぜ合わせ、いつか戦が終わるその時まで、たとえ親の決めた相手と結婚させられようとも気持ちが変わることがないように、再び出会い結ばれるようにと呪いをしたのです。すると、その聖水が固まりこの石ができたとか。石は女当主が持ち、そして恋人は戦で戦死したのです」
以降、愛の誓いとして女性がこの首飾りを代々受け継ぎ、結婚や見合いのときに身につけるようになったのだという。
---
「…それで?」
静かに話を聞いていたガインはダ二オに聞いた。
そこまでだったら、ただのロマンティックな謂れのある伝統の装飾品だ。そんなしろもの、しかも滅多にでない稀少石の首飾りを売ろうとはそれだけではなかったはず。
「それが…」
気まずそうに口ごもるダニオ。
「ご安心を。この後にどんなお話を聞こうともこの石はきちんと買い取らせていただきますから」
まだダニオは困惑を見せている。
「例え死人が出るような呪いなどがあったとしても」
一見優しくも見える微笑み。だが、呪いの品でも買い取るという言葉とその微笑みにはギャップがあり、なんとも言えない冷たさが放たれた。
「じつは…」
それは婚約者が屋敷に到着した夜あたりからだったそうだ。まだ、婚約をするよりも前。実際に会ってみたいというダニオの返事に挨拶に来たときのこと。
屋敷の夜の見張りが廊下を揺らめくように歩く影を見たため、盗賊のたぐいかと警備をつけて屋敷を見回ったのだが、不審な人物はなかった。
しかし、見回る警備の者たちの目の前で、誰のものでもない影が壁をゆっくりと歩いていったというのだ。
それからちらほらと幽霊を見たという噂が使用人達の間で話されるようになった。この話がダニオたちに届くのはだいぶ遅れてからだった。
自分たちが働く屋敷の悪評を言えるわけもなく。ことが大きくなるまでダニオの父まで報告が回らなかったからだ。
「幽霊が出るなどという噂、古い屋敷ですから1つ2つはそんな話はあるものです。戦死した先祖がだとか、メイド長がでるだとか。そんな話だと最初は思っていましたし…。それに婚約の競争相手にはしつこいものや、花嫁の暗殺のようなことを考えるものも少なくないので」
それだけの財力を持つ商人なのだ。
「婚約が本決まりとなり、わたしと婚約者が同じ部屋で眠るようになると、それは私の部屋に出るようになったのです」
ダニオは思い出したように青ざめた。
「祭壇に飾った首飾りが、夜に淡く光るのです。そして、そこから人影が現れ、紫に光る目で私を一晩重見下ろし、何事かをつぶやくのです」
ほう、とガインが興味深そうに目を細める。
「婚約者には見えないというのです。わたしが仕事で疲れているのか、自分との婚約を破棄したいがために嘘をついていると嘆かれまして…」
ため息をついて続けた。
「一月もつづきますと私も眠れず。それに体調も思わしくなくなり、何より見てください」
腕まくりをしたダニオの腕には人に掴まれたようなあざが見て取れた。
「こんなでは私の身も持ちません。あざを見せても父も幽霊や占いのたぐいは信じないですし、医者も原因不明と。婚約者との仲も悪くしたくないのです。出会いは首飾りからでしたが、ともに過ごして彼女を心から尊敬しているのです」
「…なるほど」
組んだ手を解いてガインは差し出された首飾りを手に取った。
「首飾りが原因か確証はありません、ですが私はこの首飾りがなにか恐ろしいのです」
「ご婚約者殿に、これを売ることは承諾を得て?」
「いいえ」
罪悪感からか、不安からか。ダニオの顔は青ざめていた。
「彼女の家では女性の守る家宝ですから。処分する、売るだのは言えません。なくなってしまったか盗難にあった事にでもできればと…こちらはとても守秘義務に硬いとのお噂も聞いております」
念を押されたな、とわかってガインはふふっと笑ってしまっていた。
「面白いお話を聞かせていただいてありがとうございました。こちらは確かにお預かり致しましょう。もちろん他言はいたしません。念書が必要ですか?」
書面が残っては売ったことが悟られてしまうということで、ガインはダニオに時価相当の金貨を渡し、そして首飾りを木製の宝石箱に納めた。
この国のみならず、海外の王侯貴族とも取引のある豪商の息子。そろそろ跡継ぎを、そして孫の顔をと思った現当主が息子に花嫁が欲しいと客に愚痴れば、その噂はまたたく間に広がり、数多の肖像画や贈り物、パーティを開けば着飾った娘を連れた親が列をなすようになったそうで。
「困るんだよなぁ」
絵画なんていくらでも美化できる。会ってもいない女性にいくら肩書があろうとも名声にも興味なし、更に多くの財産をという野心もとくになし。体裁には現状に満足していて、商売で諸外国に赴いて様々な街を見ることがいま一番の楽しみであるという、そんなダニオにはまったく女性に興味がなかった。
とはいえ、絵を送ってくる者たちはお得意様、その紹介、権力者とつながりがあるなど更に面倒くさい立場のものばかり、目を通して返信くらいはしないと商売にも支障が出るというもので、親の気持ちもわからなくもないが煩わしく思っていたところ。例の首飾りをつけた肖像画が目にとまったのだった。
女性には…もうしわけない。
多少興味を持ったといえど首飾り以外どんな服を着ていたかさえそのときは覚えていないくらいの印象だった。
ただただなんとなく、絵に描かれた「首飾りの宝石」が気になって仕方がなく。何故か会ってみたいという返事をしたところ、とんとんと婚約の話が進んでいってしまったのだった。
幸い女性…婚約者は、こんな無礼な選択をしてしまったにもかかわらず、彼の財力を目当てに近づく派手な女性たちとは全く異なり、優しくたおやかで、また彼女の実家も商人であったことから仕事や振る舞いも把握しており。趣味に至るまで意気投合し、これ以上ない選択だったとダニオ自身幸福を感じていた。
きっとこれは、この宝石が結びつけてくれた縁に違いないと、その宝石を毎晩寝室の祭壇に飾り祈りを捧げるといったことなどをしていた。
こんな縁を結んでくれた宝石だ。ダ二オは婚約者にこの首飾りは一体どんな謂れのあるものなのかと聞いたのだった。
「これは、私の家に代々女性にのみ伝わる首飾りなのです」
やはり、この数年で作られたただのファッションアクセサリーではなかったようだ。諸外国を回ることを好むダリオはこうした伝説や逸話的なものにとても興味を持っていたので好奇心を止めることなどできず、さらに詳細を問うた。
「真ん中のバイカラーの石がありますでしょう?フィオライトというとても珍しい宝石なんだそうです。我が家の初代の女当主が作らせたもので、恋人との約束の品なのだとか」
なんともロマンティックな話ではないか。そんなドラマティックな品物に惹かれて結ばれる我らは運命の糸で結ばれているのだとダニオは心躍らせた。
「初代当主は将来を誓いあった相手がいたのですが、当時の情勢によって家が敵味方となり結婚が叶わず。二人はお互いの血と聖水を混ぜ合わせ、いつか戦が終わるその時まで、たとえ親の決めた相手と結婚させられようとも気持ちが変わることがないように、再び出会い結ばれるようにと呪いをしたのです。すると、その聖水が固まりこの石ができたとか。石は女当主が持ち、そして恋人は戦で戦死したのです」
以降、愛の誓いとして女性がこの首飾りを代々受け継ぎ、結婚や見合いのときに身につけるようになったのだという。
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「…それで?」
静かに話を聞いていたガインはダ二オに聞いた。
そこまでだったら、ただのロマンティックな謂れのある伝統の装飾品だ。そんなしろもの、しかも滅多にでない稀少石の首飾りを売ろうとはそれだけではなかったはず。
「それが…」
気まずそうに口ごもるダニオ。
「ご安心を。この後にどんなお話を聞こうともこの石はきちんと買い取らせていただきますから」
まだダニオは困惑を見せている。
「例え死人が出るような呪いなどがあったとしても」
一見優しくも見える微笑み。だが、呪いの品でも買い取るという言葉とその微笑みにはギャップがあり、なんとも言えない冷たさが放たれた。
「じつは…」
それは婚約者が屋敷に到着した夜あたりからだったそうだ。まだ、婚約をするよりも前。実際に会ってみたいというダニオの返事に挨拶に来たときのこと。
屋敷の夜の見張りが廊下を揺らめくように歩く影を見たため、盗賊のたぐいかと警備をつけて屋敷を見回ったのだが、不審な人物はなかった。
しかし、見回る警備の者たちの目の前で、誰のものでもない影が壁をゆっくりと歩いていったというのだ。
それからちらほらと幽霊を見たという噂が使用人達の間で話されるようになった。この話がダニオたちに届くのはだいぶ遅れてからだった。
自分たちが働く屋敷の悪評を言えるわけもなく。ことが大きくなるまでダニオの父まで報告が回らなかったからだ。
「幽霊が出るなどという噂、古い屋敷ですから1つ2つはそんな話はあるものです。戦死した先祖がだとか、メイド長がでるだとか。そんな話だと最初は思っていましたし…。それに婚約の競争相手にはしつこいものや、花嫁の暗殺のようなことを考えるものも少なくないので」
それだけの財力を持つ商人なのだ。
「婚約が本決まりとなり、わたしと婚約者が同じ部屋で眠るようになると、それは私の部屋に出るようになったのです」
ダニオは思い出したように青ざめた。
「祭壇に飾った首飾りが、夜に淡く光るのです。そして、そこから人影が現れ、紫に光る目で私を一晩重見下ろし、何事かをつぶやくのです」
ほう、とガインが興味深そうに目を細める。
「婚約者には見えないというのです。わたしが仕事で疲れているのか、自分との婚約を破棄したいがために嘘をついていると嘆かれまして…」
ため息をついて続けた。
「一月もつづきますと私も眠れず。それに体調も思わしくなくなり、何より見てください」
腕まくりをしたダニオの腕には人に掴まれたようなあざが見て取れた。
「こんなでは私の身も持ちません。あざを見せても父も幽霊や占いのたぐいは信じないですし、医者も原因不明と。婚約者との仲も悪くしたくないのです。出会いは首飾りからでしたが、ともに過ごして彼女を心から尊敬しているのです」
「…なるほど」
組んだ手を解いてガインは差し出された首飾りを手に取った。
「首飾りが原因か確証はありません、ですが私はこの首飾りがなにか恐ろしいのです」
「ご婚約者殿に、これを売ることは承諾を得て?」
「いいえ」
罪悪感からか、不安からか。ダニオの顔は青ざめていた。
「彼女の家では女性の守る家宝ですから。処分する、売るだのは言えません。なくなってしまったか盗難にあった事にでもできればと…こちらはとても守秘義務に硬いとのお噂も聞いております」
念を押されたな、とわかってガインはふふっと笑ってしまっていた。
「面白いお話を聞かせていただいてありがとうございました。こちらは確かにお預かり致しましょう。もちろん他言はいたしません。念書が必要ですか?」
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