7 / 7
フィオライトの首飾り
言い伝えと真実2
しおりを挟む
「昨日の騒動、失礼いたしました」
店主がガインたちの部屋に訪れたのは翌日だった。使用人づてに滞在中に騒動があったことを詫びられていたが改めて、とのことだった。
「客人をお迎えしているさなかに、肖像画が裂けるなど見苦しいところをお見せして大変申し訳ないです。すぐに修復の手配をいたしましたが大きな絵画ですので今しばらく職人がエントランスを出入りします。ご不便おかけいたします」
なにもそこまで恐縮しなくても。しいて言えば原因はこちらにあるのにと逆に申し訳なくなってしまうほどだった。
「あんたがいかつくて怖いからよ」
店主には聞こえない声でナーダがポツリつぶやく。
「こちらこそ、突然の訪問で身を寄せさせていただいていますから。逆に作業にお邪魔にならなければと。落ち着いてから仕事の話はしましょう。この島のこともあまりよく知らないので昼は観光でもしてこようと思います」
恭しく言葉を返した。
「この島でなにか鉱石の発掘をしているようなところはありますか?私も宝石を加工する職人ですのでそういった場所に興味があるのですが」
ダイレクトに問えば不審かと思い、もし鉱山のいくつかのあてを教えて貰えればその中からあの場所を探してみようと思った。
ガインの言葉に店主は首をひねる。
「鉱石と言ってもこの島は高価なものはあまり出ないですね…ありきたりな水晶や白いトパーズくらいでしょうか。しかも、そんなに大きな結晶も取れないので鉱山として管理されている場所は残念ながら……」
「そうですか」
島と言っても沿岸部以外はあまり開拓の進んでいない山ばかり。すべての山を回って洞窟を探すのは至難の業だ。
さてどうしたものか。ガインが思案していると
「そういえば。小さな洞ですが、我が家の持ち山に小さな水晶ばかりたくさん生えているところがありますよ。家宝のフィオライトが発掘された場所なので、昔は鉱夫たちが覗きに来ていたそうです。どうにも質の悪い小さな水晶しかないために今では入る人もおりません」
ありがたい。とともにまあそうだよな、と思った。他人の管理する鉱山の中に商人の娘が出入りするわけはない。自分の敷地の中が妥当ではある。
「面白そうですね。ぜひ立ち寄らせてください」
人の立ち入らない山の中なのでどうぞお気をつけて。
と、店主はガインに略図を書いて渡した。
--
山といっても崖や茂る森を有するような危険な場所ではなく、軽く遠乗りをこなすことができるような低木と草原ばかりの丘陵のようなところだった。沢のあたりだけは少しばかりの藪になっていたものの、視界を閉ざすような鬱蒼としたものでもなく。
「たしかにこんなところなら密会には良いわよねー。しかも、宝石になりえないって言ったって水晶の洞窟なんてロマンチックじゃない」
「そんなロマンがあれば友はあんな姿にはならない」
「もー、一般論よ!一般論!夢のない男ね!」
肩でぷりぷりしながら文句を言うダーナを宥めつつ、沢沿いにあるという洞窟の入り口を探す。多少蔓草に覆われていたものの私有地内で地形も早々変わりようのない小さな山。洞を見つけるのは容易だった。
「そろそろ出てこないか」
ポーチに入れてきた木箱を開けて、首飾りを取り出す。首飾りから黒いモヤが現れると先日のようにまた気温が下がった気がした。
ナーダが肩の影に隠れてそれを見守る。
ゆっくり、黒い影に色がつき。黒髪の紫の瞳の青年が姿を表した。だいぶ自我を取り戻した証拠だろう。
「オレを覚えているか」
コンラートはガインを見るが、首を振った。
「まだほとんど思い出せない。だが、俺に思い出せと呼びかけて、ここまで姿を取り戻させてくれたのはお前だってことはわかる」
ありがとう、そう言って頭を垂れた。
「言葉が通じるようになっているだけやりいい。この場所であっているか?」
頷く。小さな洞とはいえところどころ分岐があるところコンラートは迷い無く進み、そして伝え見せた場所が目の前にひらけた。
しばらくコンラートはその水晶で覆われた空間に立ち尽くす。そして、俯いて苦しげに声を放った。
「オレはここでウルスラ…恋人に刺された」
なに…?
コンラートの言葉にガインもナーダも驚きの色を隠せなかった。
何かを確かめるように床に手をつく彼の姿はもはや透過するところはなく、一つの個として形をなし得ていた。
「ちょうどここだ、俺が倒れたのは。俺は瞳の色を隠し力を隠し、ただ優しく美しかったウルスラのために人として生きたいと思っていた」
レーン族。通称魔族としての正体を隠していたとはいえ、二人は確かに愛し合っていた。しかしある日使用人に紫の瞳を見られ魔族であることが知られてしまったのだ。
コンラートは魔族と知られたことに気が付かないでいたが、使用人からウルスラの父、そして彼女にまでそれは伝わってしまっていた。人にも紫の瞳を持つものはごくわずかいにいる。人に化けた魔族か確かめるのは至って簡単で、傷をつけてその血が紫であるか、切った爪が体から離れた途端に黒くなればそれは魔族の印。
コンラートが寝ている間にウルスラは彼の爪を少しだけ切り、それが黒く染まるのを見て確信してしまった…。
魔族に騙されていたと思ったウルスラはいつもの逢引の場所であったこの水晶洞窟に彼を呼びだし、占い師から貰い受けた銀のナイフを隠し持ち。そして。
「俺は刺された」
腹のあたりに触れて悲しく微笑む。
「お前はそれで、石の中に心を封じあの家を呪い続けていたのか。許さないと繰り返しながら」
コンラートはかぶりを大きく振った。
「魔族と知れば人は恐怖する、そして俺らに何も悪意がなくても、悪と思ってしまうことは、お前もよく知っているだろう、ガイン」
ガインを見るコンラートの目は、しっかりと相手が何者かを把握したと言わんばかりだった。
「コン、ラート…」
ではなぜお前は、あんな石の中に。
「暴走。俺達は心が保てなくなったならその姿を変えてしまう。オレはウルスラの行為を悲しんだ…そしてもう一緒にいられないと思って絶望を感じた。絶望の形が体に現れればそれは人を怯えさせるに十分な異形になる」
見せるわけにはいかなかった。
愛する人を怯えさせたくない。
異形に愛されたと思われたくない。
そして
心を保てず異形化してしまったなら。ウルスラのこともわからなくなり傷つけるかもしれない。そんなこと、「ゆるさない」
「俺は自分で、ここにあった水晶に自分自身を封じたんだ」
変化してはいけない、いけない、
ウルスラを傷つけることは許さない
「俺を封じたガラクタ水晶は、赤から紫のグラデーションを持つ宝石に変化した。まだその時は自我がちゃんとあったよ。何年かは」
「ウルスラはお前とわかってそれを持ち帰ったのか?」
「いや。『綺麗な宝石』だったから持ち帰っただけだ。人の、欲。そして、俺を刺したことを忘れようと、魔族と付き合っていたことを忘れようと…俺は敵国の兵で戦死したという話を作り出したのさ。俺をレーン族と見抜いた使用人もナイフを渡した占い師も、口封じに父親に殺されてしまったから。彼女の話す悲恋の美談が事実になっちまった」
「ひっどい!!それじゃ、首飾りからあの家の人たちを呪っても当然ね!」
ナーダがガインの肩から飛び出し、コンラートの前で怒鳴る。
「呪ってない。どんな形であれウルスラのそばにずっといられたんだよ、羽のお嬢ちゃん」
ただ、自分がこの石から出て異形をなさない事に必死で。自分を抑えなければという気持ちと愛した女の名前以外、だんだんわからなくなっていっちまったのさ。
ゆるさない、ウルスラ。
「お前に力を分けてもらわなければ影にしかなれないほど力を失っていたのにな」
はは、と自嘲気味にコンラートと笑った。
店主がガインたちの部屋に訪れたのは翌日だった。使用人づてに滞在中に騒動があったことを詫びられていたが改めて、とのことだった。
「客人をお迎えしているさなかに、肖像画が裂けるなど見苦しいところをお見せして大変申し訳ないです。すぐに修復の手配をいたしましたが大きな絵画ですので今しばらく職人がエントランスを出入りします。ご不便おかけいたします」
なにもそこまで恐縮しなくても。しいて言えば原因はこちらにあるのにと逆に申し訳なくなってしまうほどだった。
「あんたがいかつくて怖いからよ」
店主には聞こえない声でナーダがポツリつぶやく。
「こちらこそ、突然の訪問で身を寄せさせていただいていますから。逆に作業にお邪魔にならなければと。落ち着いてから仕事の話はしましょう。この島のこともあまりよく知らないので昼は観光でもしてこようと思います」
恭しく言葉を返した。
「この島でなにか鉱石の発掘をしているようなところはありますか?私も宝石を加工する職人ですのでそういった場所に興味があるのですが」
ダイレクトに問えば不審かと思い、もし鉱山のいくつかのあてを教えて貰えればその中からあの場所を探してみようと思った。
ガインの言葉に店主は首をひねる。
「鉱石と言ってもこの島は高価なものはあまり出ないですね…ありきたりな水晶や白いトパーズくらいでしょうか。しかも、そんなに大きな結晶も取れないので鉱山として管理されている場所は残念ながら……」
「そうですか」
島と言っても沿岸部以外はあまり開拓の進んでいない山ばかり。すべての山を回って洞窟を探すのは至難の業だ。
さてどうしたものか。ガインが思案していると
「そういえば。小さな洞ですが、我が家の持ち山に小さな水晶ばかりたくさん生えているところがありますよ。家宝のフィオライトが発掘された場所なので、昔は鉱夫たちが覗きに来ていたそうです。どうにも質の悪い小さな水晶しかないために今では入る人もおりません」
ありがたい。とともにまあそうだよな、と思った。他人の管理する鉱山の中に商人の娘が出入りするわけはない。自分の敷地の中が妥当ではある。
「面白そうですね。ぜひ立ち寄らせてください」
人の立ち入らない山の中なのでどうぞお気をつけて。
と、店主はガインに略図を書いて渡した。
--
山といっても崖や茂る森を有するような危険な場所ではなく、軽く遠乗りをこなすことができるような低木と草原ばかりの丘陵のようなところだった。沢のあたりだけは少しばかりの藪になっていたものの、視界を閉ざすような鬱蒼としたものでもなく。
「たしかにこんなところなら密会には良いわよねー。しかも、宝石になりえないって言ったって水晶の洞窟なんてロマンチックじゃない」
「そんなロマンがあれば友はあんな姿にはならない」
「もー、一般論よ!一般論!夢のない男ね!」
肩でぷりぷりしながら文句を言うダーナを宥めつつ、沢沿いにあるという洞窟の入り口を探す。多少蔓草に覆われていたものの私有地内で地形も早々変わりようのない小さな山。洞を見つけるのは容易だった。
「そろそろ出てこないか」
ポーチに入れてきた木箱を開けて、首飾りを取り出す。首飾りから黒いモヤが現れると先日のようにまた気温が下がった気がした。
ナーダが肩の影に隠れてそれを見守る。
ゆっくり、黒い影に色がつき。黒髪の紫の瞳の青年が姿を表した。だいぶ自我を取り戻した証拠だろう。
「オレを覚えているか」
コンラートはガインを見るが、首を振った。
「まだほとんど思い出せない。だが、俺に思い出せと呼びかけて、ここまで姿を取り戻させてくれたのはお前だってことはわかる」
ありがとう、そう言って頭を垂れた。
「言葉が通じるようになっているだけやりいい。この場所であっているか?」
頷く。小さな洞とはいえところどころ分岐があるところコンラートは迷い無く進み、そして伝え見せた場所が目の前にひらけた。
しばらくコンラートはその水晶で覆われた空間に立ち尽くす。そして、俯いて苦しげに声を放った。
「オレはここでウルスラ…恋人に刺された」
なに…?
コンラートの言葉にガインもナーダも驚きの色を隠せなかった。
何かを確かめるように床に手をつく彼の姿はもはや透過するところはなく、一つの個として形をなし得ていた。
「ちょうどここだ、俺が倒れたのは。俺は瞳の色を隠し力を隠し、ただ優しく美しかったウルスラのために人として生きたいと思っていた」
レーン族。通称魔族としての正体を隠していたとはいえ、二人は確かに愛し合っていた。しかしある日使用人に紫の瞳を見られ魔族であることが知られてしまったのだ。
コンラートは魔族と知られたことに気が付かないでいたが、使用人からウルスラの父、そして彼女にまでそれは伝わってしまっていた。人にも紫の瞳を持つものはごくわずかいにいる。人に化けた魔族か確かめるのは至って簡単で、傷をつけてその血が紫であるか、切った爪が体から離れた途端に黒くなればそれは魔族の印。
コンラートが寝ている間にウルスラは彼の爪を少しだけ切り、それが黒く染まるのを見て確信してしまった…。
魔族に騙されていたと思ったウルスラはいつもの逢引の場所であったこの水晶洞窟に彼を呼びだし、占い師から貰い受けた銀のナイフを隠し持ち。そして。
「俺は刺された」
腹のあたりに触れて悲しく微笑む。
「お前はそれで、石の中に心を封じあの家を呪い続けていたのか。許さないと繰り返しながら」
コンラートはかぶりを大きく振った。
「魔族と知れば人は恐怖する、そして俺らに何も悪意がなくても、悪と思ってしまうことは、お前もよく知っているだろう、ガイン」
ガインを見るコンラートの目は、しっかりと相手が何者かを把握したと言わんばかりだった。
「コン、ラート…」
ではなぜお前は、あんな石の中に。
「暴走。俺達は心が保てなくなったならその姿を変えてしまう。オレはウルスラの行為を悲しんだ…そしてもう一緒にいられないと思って絶望を感じた。絶望の形が体に現れればそれは人を怯えさせるに十分な異形になる」
見せるわけにはいかなかった。
愛する人を怯えさせたくない。
異形に愛されたと思われたくない。
そして
心を保てず異形化してしまったなら。ウルスラのこともわからなくなり傷つけるかもしれない。そんなこと、「ゆるさない」
「俺は自分で、ここにあった水晶に自分自身を封じたんだ」
変化してはいけない、いけない、
ウルスラを傷つけることは許さない
「俺を封じたガラクタ水晶は、赤から紫のグラデーションを持つ宝石に変化した。まだその時は自我がちゃんとあったよ。何年かは」
「ウルスラはお前とわかってそれを持ち帰ったのか?」
「いや。『綺麗な宝石』だったから持ち帰っただけだ。人の、欲。そして、俺を刺したことを忘れようと、魔族と付き合っていたことを忘れようと…俺は敵国の兵で戦死したという話を作り出したのさ。俺をレーン族と見抜いた使用人もナイフを渡した占い師も、口封じに父親に殺されてしまったから。彼女の話す悲恋の美談が事実になっちまった」
「ひっどい!!それじゃ、首飾りからあの家の人たちを呪っても当然ね!」
ナーダがガインの肩から飛び出し、コンラートの前で怒鳴る。
「呪ってない。どんな形であれウルスラのそばにずっといられたんだよ、羽のお嬢ちゃん」
ただ、自分がこの石から出て異形をなさない事に必死で。自分を抑えなければという気持ちと愛した女の名前以外、だんだんわからなくなっていっちまったのさ。
ゆるさない、ウルスラ。
「お前に力を分けてもらわなければ影にしかなれないほど力を失っていたのにな」
はは、と自嘲気味にコンラートと笑った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる