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スイーツは絶対絶縁、雪の下の花を求めて
第7話「エクボとカロリーと、ほんの少しの勇気」
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「ルイス様、今日のお茶って……ケーキ付きですの?」
お昼どき、シャルロッテはカフェの椅子でそわそわしていた。
隣に座るのは、騎士見習いのルイス。口数は少ないけれど、彼の隣はなぜか安心する。
「……はい。頑張った人にはご褒美ですから」
そう言って差し出されたのは、小ぶりなラズベリームース。
(あっ……わたくし、この一週間……たしかに頑張りましたの!)
玄米や豆腐を使った東洋式の食事にも挑戦した。
カロリー計算もしたし、プロテインも飲んだ。
でも何より、「努力する自分」を好きになろうとした――
「……今日だけ、いいですわよね。あしたからまた頑張りますの!」
ケーキをひと口食べると、ふんわりとした甘さが広がって、涙が出そうになった。
(やっぱり甘いものって……恋と似てますわね……)
シャルロッテはそっとルイスの横顔を見た。
「ルイス様は……わたくしが“もっと痩せたら”って、思ったりしますの?」
「……いいえ。今のシャルロッテ様が、ちゃんと努力してるのを知ってますから」
「じゃあ……今のわたくしも、嫌いではないってこと……?」
「ええ。……むしろ、そのえくぼが見える笑顔が、好きですよ」
その瞬間、ケーキの味なんてどうでもよくなった。
「わ、わたくし、カロリーより今の言葉の方が破壊力ありますの……! 心の脂肪が燃えそう……っ!」
思わず顔を覆ってしまう。
(こんなの……反則ですわ。恋って、甘すぎますの!)
だけど、悪くない。
食べる喜びも、自分を整える努力も、誰かに想ってもらえることも。
全部が、ちょっとずつ“わたし”を育てている。
「ごちそうさまでした。……明日はもっと、がんばれそうですわ」
えくぼの見える笑顔で、シャルロッテはそう言った。
お昼どき、シャルロッテはカフェの椅子でそわそわしていた。
隣に座るのは、騎士見習いのルイス。口数は少ないけれど、彼の隣はなぜか安心する。
「……はい。頑張った人にはご褒美ですから」
そう言って差し出されたのは、小ぶりなラズベリームース。
(あっ……わたくし、この一週間……たしかに頑張りましたの!)
玄米や豆腐を使った東洋式の食事にも挑戦した。
カロリー計算もしたし、プロテインも飲んだ。
でも何より、「努力する自分」を好きになろうとした――
「……今日だけ、いいですわよね。あしたからまた頑張りますの!」
ケーキをひと口食べると、ふんわりとした甘さが広がって、涙が出そうになった。
(やっぱり甘いものって……恋と似てますわね……)
シャルロッテはそっとルイスの横顔を見た。
「ルイス様は……わたくしが“もっと痩せたら”って、思ったりしますの?」
「……いいえ。今のシャルロッテ様が、ちゃんと努力してるのを知ってますから」
「じゃあ……今のわたくしも、嫌いではないってこと……?」
「ええ。……むしろ、そのえくぼが見える笑顔が、好きですよ」
その瞬間、ケーキの味なんてどうでもよくなった。
「わ、わたくし、カロリーより今の言葉の方が破壊力ありますの……! 心の脂肪が燃えそう……っ!」
思わず顔を覆ってしまう。
(こんなの……反則ですわ。恋って、甘すぎますの!)
だけど、悪くない。
食べる喜びも、自分を整える努力も、誰かに想ってもらえることも。
全部が、ちょっとずつ“わたし”を育てている。
「ごちそうさまでした。……明日はもっと、がんばれそうですわ」
えくぼの見える笑顔で、シャルロッテはそう言った。
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