『定年聖女ジェシカの第二の人生 〜冒険者はじめました〜』

夢窓(ゆめまど)

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籠城準備ーー王妃さまを守れ!

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敵が動くまで三日。
館の警備は厳重になり、騎士団が宿舎に詰めていた。
しかし――一番危険なのは正妃。
「……母上を狙われるのは確実です」
ヨシュアの言葉に、皆がうなずいた。

そこで決まった。
「正妃様は私が守ります。同室で」
口にした瞬間、心臓がどきんと鳴る。
(王妃様と同室なんて、キンチョーします……!)



同室シーン

夜。
王妃は静かに微笑んだ。
「あら、こっちが“聖女様”と同室なんて光栄だわ」

「そ、そんな……!」
私は真っ赤になって枕を抱きしめる。

そこにナカがちょこちょこと現れ、ベッドの端に飛び乗った。
「わーい! 私も同室! お母さんとお母さまと一緒だ~!」

「お母さんとお母さま!?」
王妃と私が同時にツッコみ、思わず顔を見合わせて笑ってしまった。



和やかな会話

ランプの灯りの下で、王妃が静かに語りかける。
「……あなたも、国の重荷を背負う立場になったのでしょう。若いのに、大変ね」

私は首を横に振る。
「背負うなんて……ただ、目の前の人を助けたいだけです」

王妃は一瞬目を細め、ふっと柔らかい笑みを浮かべた。
「その“ただ”が、どれだけ尊いか。……ナカ、あなたも忘れちゃだめよ」

ナカはパンをもぐもぐしながら、無邪気に答える。
「うん! お母さんも王妃様も、すっごくかっこいい!」





布団に潜り込んだナカが、すやすや眠り始める。
私はそっとため息をつきながら、
「……なんだか、ほんとに家族みたいですね」

王妃が小さく笑った。
「家族。いい響きね……。なら、今夜は安心して眠りましょう」

……結局、緊張で私はなかなか眠れなかったけれど。

聖域の部屋

私は両手をかざし、青白い光を編み上げた。
「……この部屋にバリアを張ります。仲間以外は絶対に開けません」

魔法陣が床一面に広がり、壁に淡い光が走る。
「これで大丈夫。ナカと私は、この部屋にいます。正妃様を守ります」

ナカが元気に手を挙げる。
「はーい! ご飯と水も用意したよ!」
王妃は小さく笑って、私の手を取った。
「……ありがとう、聖女様。これで安心できるわ」



仲間たちの決意

ヨシュア

「母上は……僕が守るべきだった。けれど今は、皆に頼るしかない。
……必ず、この戦いで民に示します。僕が“旗”であると」

エリオ

「魔法はまだ未熟だけど……ジェシカさんが直してくれた回路を、絶対に無駄にしない。
……僕だって戦えるって、証明したいんです!」

グラント

「ハッ! 俺は斧を振るうだけよ。
来るもん全部叩き割って、王妃様の部屋には指一本触れさせねぇ!」

ハリス

「……ふむ。あたしは錬金術師として、毒も火薬も用意した。
副作用は……まぁ考えるな!」
騎士団の誰かが「またかよ!」と一斉にツッコんで笑いが起こる。

レン魔術師

「んまぁ♡ あたしは転移で援軍を迎え入れる段取りもしてあるわん。
それまで、このオカマボディで踊ってやるから覚悟しなさいな♡」
仲間たちが「誰も頼んでない!」と一斉に返す。



部屋の中

外から聞こえる笑い声に、王妃は目を細めた。
「……良い仲間たちね」

私はうなずく。
「ええ。だから、この部屋は絶対に破らせません」

ナカがにこっと笑ってパンを差し出す。
「じゃあご飯食べて、力つけよう!」
「ふふ、いいわね」
王妃と私の声が重なり、思わず笑ってしまった。



クライマックスへ

こうして、皆が心をひとつにした夜が明ける。

翌日――側妃派の刺客たちが、ついに牙を剥く。
「――来たわ!」
鐘の音と共に、館全体が戦場へと変わっていった。
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