『定年聖女ジェシカの第二の人生 〜冒険者はじめました〜』

夢窓(ゆめまど)

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それからーー神殿に響くお局さまの声と結婚式

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― 新しい日常

平和を取り戻した王都。
神殿には新たに“若い聖女たち”が配属されていた。
彼女たちはきゃぴきゃぴと笑いながら、ゆるいバリアを張って遊んでいる。

「――こらぁっ!!!」
バァン!とドアが開き、ジェシカ登場。

「誰ですか!? そんな雑なバリア張ったのは!!
あっちから魔物が突っ込んできたらどうするつもりですか!?」

若い聖女たちはぴしっと直立不動。
「ひぃぃ! ジェシカお姉さまが帰ってきた!!」



鬼チェック開始

ジェシカは腕を組み、鋭い目で一人一人をチェック。

「そこの子! 髪に葉っぱつけたまま祈祷しない!
そっちの子は靴! 踵が減ってるのは怠慢の証拠!
……はいそこのあなた、魔法陣の線がガタガタ! 書き直しっ!」

若い聖女たちは一斉に泣き声を上げる。
「ごめんなさいぃぃ~~!」



仲間たちの反応

廊下の隅でこっそり覗いていた仲間たち。
グラントは苦笑し、
「ま、ジェシカらしいな」

エリオは青ざめて、
「ぼ、僕もあの鬼チェック受けたら死ぬかも……」

ハリスはケラケラ笑いながら、
「やっぱお局だなぁ! 国一番の鬼聖女!」

ナカはパンをかじりながら一言。
「……でも、ほんとは優しいお母さんなんだよ」




鬼のように若い聖女たちを叱り飛ばしたあと、
ジェシカはそっと窓辺で祈りを捧げた。

「……さぁ、私たちの国を、これからも守っていかなくちゃね」

仲間の笑い声と、聖女たちの悲鳴と、民のざわめき。
新しい時代は賑やかに――けれど確かに始まっていた。


そして― 結婚式

王都の大聖堂。
白い花で飾られた祭壇の前に、ジェシカとエリオが並んで立っていた。

エリオは緊張で耳まで真っ赤。
「……ぼ、僕なんかが本当に、聖女ジェシカと……」

私は笑って答える。
「“なんか”じゃないわ。だって、もうとっくに家族だったでしょ?」

ヨシュアが立会人として堂々と宣言する。
「ここに、聖女ジェシカと魔術師エリオの結婚を祝福する!」

広間に拍手と歓声が響いた。



仲間たちのリアクション

グラント:「おいおい、父さん役の俺を差し置いて結婚か!」

ハリス:「結婚祝いに“謎汁シャンパン”を作ってきたぞ!」
 → 全員:「捨てろォォ!!」

レン(遠方から転移で登場):「きゃー♡ 可愛い新郎新婦! 記念にポーズとって♡」

ナカ:「えへへ、お父さんとお母さん、本物になったんだ!」

結婚式の日

大聖堂に人々が集まり、祝福の鐘が鳴り響いていた。
だが――主役のひとり、ヨシュアの姿が見えない。

「……来ないのかな」
エリオが不安げに呟く。
私も胸が少しだけざわめいた。



ヨシュアの登場

その時、扉が大きく開いた。
光の中から、豪奢な礼服に身を包んだ青年が現れる。
王冠こそないが、その背筋と眼差しは“王”のものだった。

「――遅れてすまない!」

ヨシュア。
国の政務を終えて駆けつけたその姿に、会場が大歓声に包まれる。



新王として

ヨシュアは祭壇へ歩み寄り、私とエリオの手を重ねた。

「ジェシカ。エリオ。
君たちは戦場で、そして日常で、俺を支えてくれた家族だ。
だから今日、この場で二人を“本当の家族”として祝福できることを、俺は誇りに思う」

その声は厳かでありながら、どこか弟らしい温かさが滲んでいた。



家族の完成

私は笑って答えた。
「ヨシュアが来てくれて、やっと安心したわ」

エリオも涙目で、
「……これで本当に、家族だ」

ヨシュアは力強く宣言した。
「ここに――聖女ジェシカと魔術師エリオの結婚を祝福する!」

拍手と歓声が大聖堂を満たし、仲間たちの笑い声が重なる。

こうして、“家族”の物語は一つの形を結んだのだった。


披露宴の始まり

王都の広間に豪華な料理が並び、人々の歓声と音楽が響く。
「新郎新婦に、かんぱーい!」
「かんぱーい!!」

乾杯の声に、グラントが丸焼きの肉を抱えて大笑い。
「よし、今日は腹がはち切れるまで食うぞ!」



ハリスの謎汁スピーチ

突然、ハリスが立ち上がった。
「えー、本日はまことにめでたい! そこで私から、祝いの“謎汁シャンパン”を!」

全員:「やめろォォォーーッ!!!」

しかしハリスは聞かず、ポンッと栓を抜く。
途端に、紫色の泡が噴き出して天井まで飛び散った。

ナカ:「キャー! 服が紫になったー!」
エリオ:「僕の髪にかかったぁぁ!」
ジェシカ:「……ハリス、後で説教」



レンの乱入

そこへ突然、転移魔法陣が輝く。
「あら、間に合ったわ~♡」
派手なドレスを纏ったレンが登場!

「新郎新婦、ステキ! ほら、もっと寄り添って♡ キスして!」
エリオ:「ひぃぃぃ! 人前では無理だってば!」
レン:「じゃあ私が代わりに♡」
ジェシカ&仲間たち:「やめろーー!!」



ドタバタの極み

グラントは肉を投げて「受け取れぇ!」
→ それが偶然ヨシュアの頭に命中。

王妃はため息をつきながらも微笑み、
「まったく……にぎやかな家族ね」

ヨシュアは苦笑しつつも杯を掲げる。
「……俺にはこういう国が似合ってるのかもな」




笑い声、歌、踊り。
誰もが家族のように肩を組み、未来を語り合った。

その中心に――ジェシカとエリオ。

「……これからも、一緒に」
「うん。どんなドタバタも、二人でね」

祝福の光に包まれ、宴はいつまでも続いた。


エピローグ

神殿の庭で、若い聖女たちに愚痴をこぼしていたジェシカ。
「まったく最近の子は……バリア雑! 祈祷も適当! 私の若い頃はねぇ~」

若い子たちはこっそり耳打ち。
「……お局様モード入った……」
「こわい……」

その時、前にお世話になっていた老神官がひょっこり顔を出した。
「おや、まだ元気そうだなジェシカ」

「あら、お久しぶりです。もう、定年聖女なんて肩書きで……」
と嘆くジェシカに、神官はフッと笑う。

「お前は“定年”を、聖女が働けなくなる年齢だと勘違いしているようだが……違うぞ」

「え?」



真相

神官はにやりと笑って宣言した。
「――定年とはな、“結婚できる年齢”のことだ!
早いうちに良縁を掴ませるために、神殿が定めた制度なのだ!」

「な、なにそれぇぇぇぇ!?」
ジェシカは目を剥いて絶叫。
若い聖女たちはどっと笑い転げる。

神官は肩を竦めて去り際に言い残す。
「つまり……お前もまだまだ聖女としては、現役だということだ」




頬を真っ赤にしながら、ジェシカは叫んだ。

「だからって、お局扱いするんじゃないわよーーーっ!!」

聖女の定年は、二十五歳。
でも、それは“終わり”じゃなかった。

冒険も、仲間も、家族も、恋も――
定年を迎えてからのほうが、私の人生はずっと豊かで、幸せだった。

だから私は胸を張って言う。

「定年聖女ジェシカの第二の人生――まだまだ頑張れます」

――そして、私はようやく“自分の人生”を生き始めたのだ。

おしまい

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
聖女ジェシカの第二の人生を、一緒に歩んでいただけて嬉しいです。


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