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妖精姫は皇帝国の王女です。
ロイヤル第三弾カップル
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◇ 帝国王宮・舞踏会前夜
マギーは、整然と並べた薬草の瓶を前に、眉をひそめていた。
披露舞踏会――つまり、ハリス殿下とリリベッタ皇女の結婚披露にあたる、盛大な式典。
その招待状に「可能であればドレス着用のこと」とあるのはわかる。
けれど、貴族の集まりは苦手だ。着飾るのも得意じゃない。
そこへ──
「マギー様にお届け物です」
丁寧に差し出された箱の山。開けると、目を見張るような美しいドレスが入っていた。
深みのあるグリーンに、リネンとレースの組み合わせ。草花の刺繍は控えめで、洗練された趣。
どこか、森の妖精を思わせるような優しいデザインだった。
「……好き、かも、こういうの」
さらに、ティアラ代わりに添えられていたのは、香り高い草花の花冠。
そして差出人の札には――
「皇太子ヨーゼフ」
「……なんで?」
マギーは思わず声を漏らした。
⸻
◇ 舞踏会当日・控えの間
招かれた貴族令嬢たちが、見目麗しく整列する中で、マギーは明らかに「場違い」だった。
周囲が絢爛豪華なティアラや宝石で飾る中、彼女は花冠と草花の香りをまとって、静かに佇んでいた。
貴族女子たち(ヒソヒソ)
「えっ、あれって……自然派……?」
「本物の草花よ。あんなの誰が選んだのかしら」
「え、でも妙に似合ってる……」
そこへ、扉が開く。
「皇太子、御成――!」
登場したのは、式典用の正装を纏ったヨーゼフ皇太子。
彼は、真っすぐマギーの前へと歩み寄る。
「……よく似合ってる。思った通りだ」
「……どうして、私に?」
「君が“着て楽で、けれど誇り高く見える服”を探してたって、ギデオンから聞いた。
それと……あの時、君が調合してくれたアロマストーン、とても効いたよ」
「……あれ、覚えてたんですか?」
「忘れられるわけがない。
あのとき、君が“普通に”話してくれたから、俺は“自分がどうしたいのか”を、ようやく考えられた」
マギー:「……ヨーゼフ殿下。私はただの薬草好きで、特別でもありません」
ヨーゼフ:「いや、特別だよ。俺にとっては」
会場、騒然。
⸻
◇ 皇妃ロレーヌ、うっとりと呟く
「やっぱり……王家の男たちは、ちょっと天然で、でも最後はちゃんと選ぶのね」
リリベッタ:「ギデオンが裏で動いてるからよ」
ロレーヌ:「そうね。あの子のスケジュール帳、**“皇太子恋愛進捗フォロー”**って項目があったもの」
⸻
◇ 締め:ゆっくりと始まるダンス
ヨーゼフが手を差し出す。
「踊ってくれる?」
マギーは、ほんの少し照れながら、手を取った。
「踊った後でもいいので……この花冠、乾燥させて飾ってもいいかしら」
「もちろん」
こうして、“ロイヤル第三のカップル”は、ゆっくりと舞台に現れ始める――
◇ 帝国・春の宮廷サロンにて
花が咲き誇る宮廷のサロン。
この日はヨーゼフ皇太子の婚約発表があると聞き、貴族たちが一様に浮き足立っていた。
ギデオンは粛々と段取りをこなし、
マギーはというと、落ち着いた表情で「香り付き婚約証書」に花を添えていた。
「香料入りの紙って、湿気には弱いのよね」
「でもこれは、乾かすとほんのりミントとラベンダーが残るんです」
「香る婚約証書かあ。……うちの国、香りどころじゃなかったもんね」とリリベッタが皮肉っぽく笑う。
⸻
◇ リリベッタ&マルガリータのいじりタイム
マルガリータ:「ねえ、マギー。さっきからずっと優雅だけど、実はすっごいドキドキしてるでしょ」
マギー:「……してません」
リリベッタ:「でもさ、あの時ドレスと花冠届いた時、“なぜ私に!?”って顔してたくせに~」
マルガリータ:「しかもあれでしょ? ヨーゼフ殿下、踊るとき“髪からいい匂いがする”って顔してたわよ?」
マギー:「……!」
リリベッタ:「おやまぁ、香る婚約者だものね。今頃、帝国の恋愛指南書に書かれるんじゃない?」
マギー:「おふたりとも、もう……!」
ヨーゼフ(ドアの外で聞いてる):「……かわいい(ぼそっ)」
リリベッタ:「みんな幸せねぇ……うちの国の王太子は地獄らしいけど」
ギデオン:「ローラ様は修道院に入られたと聞きました」
ハリス:「婚約者が決まらないって、地獄ですね。見せびらかしてやりましょう、この幸せ」
ロレーヌ:「うふふ、帝国はただいま結婚バブル中です。王族みんな、香りと幸せに包まれて」
リリベッタ:「帝国の未来は、バラとラベンダーの香りに包まれてるわね」
マルガリータ:「でも次は……誰?保育園設立?」
ギデオン:「はい、婚約者発表が済んだので、次は保育園計画です。乳母と保育士の面接リストもご用意しております」
マギー:「ギデオンさん、仕事早すぎ……」
◇ 皇帝の正式承認
皇帝:「帝国皇女リリベッタ・フォン・アルテミス、王配ハリス・シュタインハルト――
この二人を、帝国と皇国の未来を担う“橋”として、ここに正式に認め、祝福する」
一斉に拍手が起こる。
**“帝国と皇国の結び”**の象徴として、歴史に刻まれる瞬間だった。
エピローグ
戦は起きなかった。
国は守られ、誇りは取り戻された。
愚かな選択をした王子は歴史の陰へと消え、
帝国には、新しい秩序と静かな強さが根づき始めている。
庭園には、穏やかな風が吹く。
隣には、もう迷わない未来がある。
私は、もう泣かない。
だって私は皇女だもの。
裏切られても、奪われても、
誇りまで差し出すつもりはない。
誰に選ばれるかじゃない。
誰と歩き、どんな国を築くかを決めるのは、私。
幸せになる準備は、ずっと前から整えてきた。
あとは、堂々と笑って進むだけ。
だって私は皇女だもの。
私の物語は――ここからが本番よ。
そして帝国は、かつてないほど美しく、強くなっていく。
あとがき
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
婚約破棄から始まったこの物語は、
ただのざまぁではなく、「誇りを取り戻す話」にしたいと思って書きました。
リリベッタは強いけれど、最初から無敵だったわけではありません。
傷つき、悩み、それでも立ち上がる――
その姿が“皇女”である理由なのだと思っています。
ハリスは支える強さを。
ギデオンは冷静な知性を。
ロレーヌは大人の覚悟を。
そして、国というものは、
感情だけでなく選択の積み重ねで動いていく――
そんな世界を書いてみたかったのです。
戦争を起こすことは簡単でも、
起こさない決断をすることの方が難しい。
その中で守られたもの、失われたもの。
すべてを含めて、この物語の結末です。
ここまで付き合ってくださった皆さまへ、
心からの感謝を込めて。
もしまたどこかで、
皇女のその後や、帝国の未来をのぞきたくなったら――
その時は、またお会いしましょう。
ありがとうございました。
マギーは、整然と並べた薬草の瓶を前に、眉をひそめていた。
披露舞踏会――つまり、ハリス殿下とリリベッタ皇女の結婚披露にあたる、盛大な式典。
その招待状に「可能であればドレス着用のこと」とあるのはわかる。
けれど、貴族の集まりは苦手だ。着飾るのも得意じゃない。
そこへ──
「マギー様にお届け物です」
丁寧に差し出された箱の山。開けると、目を見張るような美しいドレスが入っていた。
深みのあるグリーンに、リネンとレースの組み合わせ。草花の刺繍は控えめで、洗練された趣。
どこか、森の妖精を思わせるような優しいデザインだった。
「……好き、かも、こういうの」
さらに、ティアラ代わりに添えられていたのは、香り高い草花の花冠。
そして差出人の札には――
「皇太子ヨーゼフ」
「……なんで?」
マギーは思わず声を漏らした。
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◇ 舞踏会当日・控えの間
招かれた貴族令嬢たちが、見目麗しく整列する中で、マギーは明らかに「場違い」だった。
周囲が絢爛豪華なティアラや宝石で飾る中、彼女は花冠と草花の香りをまとって、静かに佇んでいた。
貴族女子たち(ヒソヒソ)
「えっ、あれって……自然派……?」
「本物の草花よ。あんなの誰が選んだのかしら」
「え、でも妙に似合ってる……」
そこへ、扉が開く。
「皇太子、御成――!」
登場したのは、式典用の正装を纏ったヨーゼフ皇太子。
彼は、真っすぐマギーの前へと歩み寄る。
「……よく似合ってる。思った通りだ」
「……どうして、私に?」
「君が“着て楽で、けれど誇り高く見える服”を探してたって、ギデオンから聞いた。
それと……あの時、君が調合してくれたアロマストーン、とても効いたよ」
「……あれ、覚えてたんですか?」
「忘れられるわけがない。
あのとき、君が“普通に”話してくれたから、俺は“自分がどうしたいのか”を、ようやく考えられた」
マギー:「……ヨーゼフ殿下。私はただの薬草好きで、特別でもありません」
ヨーゼフ:「いや、特別だよ。俺にとっては」
会場、騒然。
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◇ 皇妃ロレーヌ、うっとりと呟く
「やっぱり……王家の男たちは、ちょっと天然で、でも最後はちゃんと選ぶのね」
リリベッタ:「ギデオンが裏で動いてるからよ」
ロレーヌ:「そうね。あの子のスケジュール帳、**“皇太子恋愛進捗フォロー”**って項目があったもの」
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◇ 締め:ゆっくりと始まるダンス
ヨーゼフが手を差し出す。
「踊ってくれる?」
マギーは、ほんの少し照れながら、手を取った。
「踊った後でもいいので……この花冠、乾燥させて飾ってもいいかしら」
「もちろん」
こうして、“ロイヤル第三のカップル”は、ゆっくりと舞台に現れ始める――
◇ 帝国・春の宮廷サロンにて
花が咲き誇る宮廷のサロン。
この日はヨーゼフ皇太子の婚約発表があると聞き、貴族たちが一様に浮き足立っていた。
ギデオンは粛々と段取りをこなし、
マギーはというと、落ち着いた表情で「香り付き婚約証書」に花を添えていた。
「香料入りの紙って、湿気には弱いのよね」
「でもこれは、乾かすとほんのりミントとラベンダーが残るんです」
「香る婚約証書かあ。……うちの国、香りどころじゃなかったもんね」とリリベッタが皮肉っぽく笑う。
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◇ リリベッタ&マルガリータのいじりタイム
マルガリータ:「ねえ、マギー。さっきからずっと優雅だけど、実はすっごいドキドキしてるでしょ」
マギー:「……してません」
リリベッタ:「でもさ、あの時ドレスと花冠届いた時、“なぜ私に!?”って顔してたくせに~」
マルガリータ:「しかもあれでしょ? ヨーゼフ殿下、踊るとき“髪からいい匂いがする”って顔してたわよ?」
マギー:「……!」
リリベッタ:「おやまぁ、香る婚約者だものね。今頃、帝国の恋愛指南書に書かれるんじゃない?」
マギー:「おふたりとも、もう……!」
ヨーゼフ(ドアの外で聞いてる):「……かわいい(ぼそっ)」
リリベッタ:「みんな幸せねぇ……うちの国の王太子は地獄らしいけど」
ギデオン:「ローラ様は修道院に入られたと聞きました」
ハリス:「婚約者が決まらないって、地獄ですね。見せびらかしてやりましょう、この幸せ」
ロレーヌ:「うふふ、帝国はただいま結婚バブル中です。王族みんな、香りと幸せに包まれて」
リリベッタ:「帝国の未来は、バラとラベンダーの香りに包まれてるわね」
マルガリータ:「でも次は……誰?保育園設立?」
ギデオン:「はい、婚約者発表が済んだので、次は保育園計画です。乳母と保育士の面接リストもご用意しております」
マギー:「ギデオンさん、仕事早すぎ……」
◇ 皇帝の正式承認
皇帝:「帝国皇女リリベッタ・フォン・アルテミス、王配ハリス・シュタインハルト――
この二人を、帝国と皇国の未来を担う“橋”として、ここに正式に認め、祝福する」
一斉に拍手が起こる。
**“帝国と皇国の結び”**の象徴として、歴史に刻まれる瞬間だった。
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戦は起きなかった。
国は守られ、誇りは取り戻された。
愚かな選択をした王子は歴史の陰へと消え、
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あとは、堂々と笑って進むだけ。
だって私は皇女だもの。
私の物語は――ここからが本番よ。
そして帝国は、かつてないほど美しく、強くなっていく。
あとがき
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
婚約破棄から始まったこの物語は、
ただのざまぁではなく、「誇りを取り戻す話」にしたいと思って書きました。
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傷つき、悩み、それでも立ち上がる――
その姿が“皇女”である理由なのだと思っています。
ハリスは支える強さを。
ギデオンは冷静な知性を。
ロレーヌは大人の覚悟を。
そして、国というものは、
感情だけでなく選択の積み重ねで動いていく――
そんな世界を書いてみたかったのです。
戦争を起こすことは簡単でも、
起こさない決断をすることの方が難しい。
その中で守られたもの、失われたもの。
すべてを含めて、この物語の結末です。
ここまで付き合ってくださった皆さまへ、
心からの感謝を込めて。
もしまたどこかで、
皇女のその後や、帝国の未来をのぞきたくなったら――
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ありがとうございました。
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