記憶のない彼女と運命の恋

冬花美優

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第1章 帝国編

1話 運命の出会い

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世界の地図のほぼ中心にある自然豊かな景色に一際目立つ城壁都市の帝国がある。そして世界の果てには人間界とは別の魔界がある。この2つの世界は互いに相容れない存在で過去に1度だけ大規模な大戦が勃発したのだ。それが原因で2つの世界の住人の半数以上が犠牲となる。そして魔界の勝利となって魔界は勝利条件として、1つ魔界と人間界は干渉しない、2つ人間界と魔界の衝突を避ける為に必ず年に一度は対話をする、3つ魔界を人間界の結婚や養子や家庭関係を禁止する。

こうして先の大戦から互いの世界は再び平和がもたらされてから100年が過ぎた。


この物語のはじまりは人間界の中心城壁都市の帝国から1人の城門の見張りが、いつものように監視をしていたら、ある違和感を見つけた。

「ん?なんだあれは」

見張りの視線の先には人間界では見た事がない赤い髪に白いワンピースを着た絶世の美女が道端に倒れていたのだった。

「おい!大丈夫か?しっかりしろ!」

見張りは慌てて城内の女性従者を呼んで、ひとまず城内の客室の部屋のベッドに寝かせた。

「では、私たちは警備に戻りますが、あとはお願いします」

「ええ、ご苦労さま。あとはメイド長の私が承りました」

メイド長は彼女の姿を見ていると何故か懐かしさを感じていた。
それとよく見るとワンピースや身体が汚れていたため服を洗濯して身体を拭くことにした。

そして彼女の服を脱がせると美しい肌があらわになる。


「こ……これは!?まさか……そんな、何故あなたがこの世界に!?」

彼女の肌を見て慌てふためくメイド長は、ふと彼女の身体を上から下まで見て確信したような顔をした


「間違いない、いいえ間違えるはずがないわ!まさか……生きていたなんて……これもひとえに神からの導きなのなら、この私が命に替えてもあなたをお守り致します……」

メイド長は心の中で囁いた


全ては我が主様のために……


数日後、優しい風の音と街中や城内から聞こえる聞き覚えのない言葉と鳥の鳴き声で私は目を開けた。身体を起こすが筋肉痛のような感覚で痛い。周りを見渡すと美しい壁に壁画と天井には小さいが高級そうなシャンデリアに一際大きな窓がある

顔を下に向けると私は全裸で布団がかかっている

両手を伸ばすと白い肌に細身の腕、胸元を見ると赤い薔薇の刻印が刻まれていた。

「うっ……」

そう、私はエリス……あと……あとは、ダメだ、思い出せない。さらに声を発しようとすると言葉が話せない…

状況が理解できない私は頭を抱えて震えて泣いていた……怖い…だれか…


ガチャ

誰かがドアを開けて部屋に入ってきた。


「おはようございます?私の言葉はわかりますか?」

見上げると黒髪ロングヘアに美しい黒の瞳のメイドの服を着た女性が優しく話しかけた。

「ごめんなさい……あなたは今、状況が理解できなくて混乱してるのよね、安心してください。今、あなたに起きた事を説明しますね」

メイドの女は私の手を優しく握って説明した。


「というわけなんです。ですからあなたの事を話してくれませんか?」

「わ、わたしのこと?」

「はい」

なぜだ……私のことがわからない……私はエリス……あとはわからない……なんで

「私、エリス……あと知らない……わからない……捨てないで……追い出さないで…」

メイド長は察した。彼女は何らかの理由で記憶喪失。その原因が何かはわからないが、このまま記憶喪失の彼女を外に放り出すのは危険すぎる。

「大丈夫ですよ、私があなたの側にいます。絶対に離れません、だから安心して下さい」

メイド長は心のなかで囁いた


絶対に離すものですか、彼女こそ私がずっと探していた人なのだから。


その後、私は人間の言葉すら話せなくて異国の言葉を話していて偶然にもメイド長は私の言葉が分かって話せたが、この国で暮らす以上は国の言葉や生活習慣を学ぶ必要があったので私は、数ヶ月間学んだ。


学びの覚えは早く、周りの従者が驚いていた。さらに記憶喪失もあってか見るもの全てが新鮮で、まるで小さな少女のようにはしゃいでいた。


そんな私を遠くから見ている男がいた。金髪で青い瞳の細身の男性だ。

メイド長いわく、彼は国の第1王子で次期皇帝らしい。


そんなある日、私とメイド長が城内の中庭を散歩していたら金髪で青い瞳の男性が目の前に現れた。

「おお、家臣や従者に噂では聞いたがこれほどの絶世の美女とは……美しい」

「あっ……あの……ど、どちらさまですか?」

私はメイド長の腕にしがみついて震えながら言った。

すると彼は優しく微笑みながら膝まずいて言った。

「お初にお目にかかります、私が帝国第1王子、次期皇帝のケインです。お見知りおきを」

彼は慣れた手つきで私の片方の手を取り、優しく手にキスをした。


「っっっひっ!!」

あまりの出来事に私は顔の頬を赤らめて変な声が出てしまった。恥ずかしい。


「ふっ…ふふ、ケイン殿下、彼女はまだこの国に不慣れですのであまりからかわないでくださいね。彼女に嫌われますよ」

「いや、それは困りますね。じゃ今日はおいとまします。また会いましょう、エリスさん」

この2人の男女の出会いが、この物語のはじまりだったのだ。
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