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第7話 秘密の語らい
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美人さん、つまりノノさんの事だけど、彼女の服装は皆と同じように質素なのに、細かい部分での気配りが行き届いていて素敵だった。
繕った処には、リボンのようなアクセントや刺繍付きのポケットを配置しているし、髪の毛はちゃんと梳かしていて、両のこめかみで作った三つ編みを後ろに流し、程よい位置で止め、下ろしていた。
こんな野蛮な処にも、オシャレは活きている。なんだかノノさんを見ているだけで、私は幸せになった。
「どうしたの?」
「三つ編み、かわいい」
思わず口走って恥ずかしくなり、慌てて否定する。
「いや、そうじゃなくて、いや、かわいいです、かわいいんですけど、でも、いや、私が言いたいのは…」
「大丈夫、褒めてくれてありがとう」
笑顔がステキ。
彼女は私を椅子にエスコートしてくれた。
ここの教会は、5人掛けのベンチ椅子が横に2列、縦10列に並び、飾りも無いに等しく質素な造りをしていた。
何か話題をと思うのだが、元がおしゃべりなたちではないし、初対面だ。自慢にならないが、私は人見知りだ。
「ノノさんは、お家に帰らなかったんですね」
「あら、本当に大人みたいな喋り方になってる」
楽しげに喋ってくれて、ちょっと嬉しい。アンナは気が楽になった。
「ノノさんは、お手伝いとかしそうだから」
ノノは、ん~、と軽く発すると、視線を空に投げ出した。
「最近、親の言うことに、どうしても反発したくなちゃって…駄目ね」
反抗期だ。うわ~そんなものまで、ちゃんとあるんだ。
「わかります。私なんてず~っと反抗してますもん」
「あら、アンナちゃんかわいい」
どうやら、精一杯大人を演じていると思われたらしい、茶味化した言葉が帰ってきた。いや、自身の話題からそらしたいのか。
「そう言えば、さっき7歳になったって言ってたけど、本当?」
「嘘です。だって今日が何日なのかも分からないし。暦って大事だと思うんだけど」
「アンナちゃんすごいなぁ。暦の事を考えてるんだ」
「そんなに考えているわけではないんですけど、なにも考えずに過ごすと1年なんてあっという間でしょ。気付いたら、おばあちゃんになってたって事になりかねないし」
ノノは本当に驚いたように、私を見た。
まずい、調子に乗ってしまった。ノノさんは頭も勘も良さそうだから、私が本物のアンナでないことに気づかれるかも。
ロビンの時に、この大人びたキャラで押し通そうと決めたけど、面倒くさくなるのだけは避けたい。
「私、トイレに行きたい」
とにかく、話を打ち切らなくてはと思い、とっさに出た言葉がこれだった。
「お姉ちゃんも一緒に行ってあげる。一人では怖いでしょ?」
始めはトイレになんて用はなかったのに、口に出したことで本当に用を足したくなった。
トイレは外にあり、木の板で囲われていたが、その高さは大人の腰の高さほどしかない。おざなりにも程がある。それに、匂いがきつい。手を洗うところもない。トイレットペーパーなど論外だし、そもそもパンツさえない。
私は元の世界を思い出し、というより半ば妄想することで現実逃避を始めた。
蛇口からは水が出て、シャワーはすぐにお湯が出て、ご飯も美味しいし、メイクだってできるし、SNS見れるし、あったかいベッド……戻りたい。
何度も願い、想い、祈ったが、粗末なトイレにしゃがんでいる幼い自分に変化はなかった。
まだ見ぬお城を巡るというロマンの面では嬉しい限りだけど、その他の日常生活においては、あまりよろしくない。
一度悪い事を考えると、加速度的に悪い事だけが溢れてくる。
この世界に…慣れるかな?
トイレから出ると、ノノは松明を持って待っていてくれた。
彼女は私と目が合うと、優しく微笑んでくれた。
優しい目。
私は自分でも理解できないが、涙を流し始めた。
「アンナちゃん…大丈夫、大丈夫だから」
松明を地面に置き、ノノさんは私を抱きしめてくれた。彼女は、今回の騒動で私が不安になっていると思ったに違いない。
正確には、それは間違いなのだが、彼女の優しさは本物だった。
「ノノさん、服が濡ちゃう」
「じゃ乾くまでこうしててあげる」
どれくらいそうしていたのだろう。私が鼻をすするのを止めるまで、ノノさんはそのままでいてくれた。
「綺麗な目ね」
顔を覗き込んだノノさんは、私の目の端にそっと触れた。
「ちょっと歩こうか」
いつの間にか雲は晴れて、空には澄んだ星空が広がっている。プラネタリウムでも見ることのできない星の群れに、私は宇宙にでも放り出されてしまったのではないかと思った。
風が少し吹いた。草を踏む音がする。
「アンナちゃんは、星がどうやって光っているか知ってる?」
そう言われてみて、あまり詳しくないことに初めて気付いた。科学の進んだ現代人なのに、知っているつもりになっていただけだった。
無言の私に、ノノさんは続けた。
「神様が空の天蓋に針で穴を開けて、そこから光が漏れているって言うけど、それだと説明がつかないと思うのよね…」
宗教的な問題があるのか、アンナが興味を持たなかったからなのか、その先の言葉を飲み込んだように見えた。
「私、あの空に昇って、神様がどんな風に穴を開けたのか見てみたいの」
そう言って、話を終えた。
「アンナちゃんは、やりたいことないの?」
「やりたいことはあるんだけど…」
「なになに、お姉さんに話してみなさい」
「…世界中のお城を制覇したい」
「制覇?」
「そう、すべて。すべてのお城を見て回りたい」
「アンナちゃん、お城なんてどこで興味を持ったの?」
「夢!夢で見たの。私は見たことないのに、お城だってすぐに分かったの。それがすごくっ魅力的で」
「わかる気がする。夢ってそういう不思議なところあるもんね」
「うん。夢の世界にも現実のような世界があって、時には続きが見れたりして、向こうでも生活してるみたいだもんね」
「アンナちゃんが、急に大人ぽくなったのも、その夢の世界のおかげなんだ?」
私は大きく頷いた。
「私、その夢の話を聞きたいな」
夢だって事にしているし、話してもいいよね。そう思って私は日本中に点在している城の話をした。
そこへの移動手段を問われて話し、船の話をした時には、なぜ鉄が浮くのかを烈しく問われたが答えられず、飛行機の時には、なぜ星まで飛んで行かないのかと烈しく問い詰められ、スマホの時には電波とは何かを説明することができなかった。
文明の利器の仕組みを全く理解していないアンナと、それを想像出来ないノノ。
「なんでアンナちゃんはそんなに知らないことが多いの?」
「だって使えるから、使ってただけなんだもん!」
一瞬にらみ合いになったこのとき、お互いのヤキモキした感情に気付いて健気なまでの必死さに笑いあった。
「夢の話なのにね」
二人が発した言葉がハモリになり、その事でも少し笑った。
「そろそろ戻ろうか」
私は頷き教会に向かって歩きだした。
「ノノさん、夢の話は秘密にしてて」
「私の星の話もお願いできるかしら」
ノノと秘密の共有をすることに友情の証を得た心地がして、アンナは気分が高揚してきた。
「指切りしませんか?」
「ユビキリ?」
「二人で交わした約束を守る、誓の儀式です」
「面白そう。で、これは神様に誓うの?」
「いいえ、お互いに誓うの」
「人が人に誓うのね…やりましょ」
指切りの仕方を教えると、ノノさんは右手の小指を差し出してきた。教えたアンナの方が息を詰めて小指を絡める。
私は、ノノが呼吸を合わせやすいように大きく息を吸うと、指切りの言葉を歌を歌い始める。ノノはしっかりと呼吸を読み、同時に歌い始める。
ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った。
指が離れ、誓が結ばれた。
教会への道を歩きながら、もう少しノノと話していたいと思ったが、戻るのが遅いと残っている人に心配をさせてしまう。それに今晩は教会に泊まるのだし、話す機会はいくらでもあるだろう。
なんだか、お泊り会みたいだなあ。
浮かれている自分を認識して、大人達の配慮を感謝した。怯えている子供はほぼいないだろう。
教会の玄関戸を開ける。
「お嬢ちゃんが2人戻ってきたぞ」
甲冑を着込んだ男が声を出した。
だれ、この人。
繕った処には、リボンのようなアクセントや刺繍付きのポケットを配置しているし、髪の毛はちゃんと梳かしていて、両のこめかみで作った三つ編みを後ろに流し、程よい位置で止め、下ろしていた。
こんな野蛮な処にも、オシャレは活きている。なんだかノノさんを見ているだけで、私は幸せになった。
「どうしたの?」
「三つ編み、かわいい」
思わず口走って恥ずかしくなり、慌てて否定する。
「いや、そうじゃなくて、いや、かわいいです、かわいいんですけど、でも、いや、私が言いたいのは…」
「大丈夫、褒めてくれてありがとう」
笑顔がステキ。
彼女は私を椅子にエスコートしてくれた。
ここの教会は、5人掛けのベンチ椅子が横に2列、縦10列に並び、飾りも無いに等しく質素な造りをしていた。
何か話題をと思うのだが、元がおしゃべりなたちではないし、初対面だ。自慢にならないが、私は人見知りだ。
「ノノさんは、お家に帰らなかったんですね」
「あら、本当に大人みたいな喋り方になってる」
楽しげに喋ってくれて、ちょっと嬉しい。アンナは気が楽になった。
「ノノさんは、お手伝いとかしそうだから」
ノノは、ん~、と軽く発すると、視線を空に投げ出した。
「最近、親の言うことに、どうしても反発したくなちゃって…駄目ね」
反抗期だ。うわ~そんなものまで、ちゃんとあるんだ。
「わかります。私なんてず~っと反抗してますもん」
「あら、アンナちゃんかわいい」
どうやら、精一杯大人を演じていると思われたらしい、茶味化した言葉が帰ってきた。いや、自身の話題からそらしたいのか。
「そう言えば、さっき7歳になったって言ってたけど、本当?」
「嘘です。だって今日が何日なのかも分からないし。暦って大事だと思うんだけど」
「アンナちゃんすごいなぁ。暦の事を考えてるんだ」
「そんなに考えているわけではないんですけど、なにも考えずに過ごすと1年なんてあっという間でしょ。気付いたら、おばあちゃんになってたって事になりかねないし」
ノノは本当に驚いたように、私を見た。
まずい、調子に乗ってしまった。ノノさんは頭も勘も良さそうだから、私が本物のアンナでないことに気づかれるかも。
ロビンの時に、この大人びたキャラで押し通そうと決めたけど、面倒くさくなるのだけは避けたい。
「私、トイレに行きたい」
とにかく、話を打ち切らなくてはと思い、とっさに出た言葉がこれだった。
「お姉ちゃんも一緒に行ってあげる。一人では怖いでしょ?」
始めはトイレになんて用はなかったのに、口に出したことで本当に用を足したくなった。
トイレは外にあり、木の板で囲われていたが、その高さは大人の腰の高さほどしかない。おざなりにも程がある。それに、匂いがきつい。手を洗うところもない。トイレットペーパーなど論外だし、そもそもパンツさえない。
私は元の世界を思い出し、というより半ば妄想することで現実逃避を始めた。
蛇口からは水が出て、シャワーはすぐにお湯が出て、ご飯も美味しいし、メイクだってできるし、SNS見れるし、あったかいベッド……戻りたい。
何度も願い、想い、祈ったが、粗末なトイレにしゃがんでいる幼い自分に変化はなかった。
まだ見ぬお城を巡るというロマンの面では嬉しい限りだけど、その他の日常生活においては、あまりよろしくない。
一度悪い事を考えると、加速度的に悪い事だけが溢れてくる。
この世界に…慣れるかな?
トイレから出ると、ノノは松明を持って待っていてくれた。
彼女は私と目が合うと、優しく微笑んでくれた。
優しい目。
私は自分でも理解できないが、涙を流し始めた。
「アンナちゃん…大丈夫、大丈夫だから」
松明を地面に置き、ノノさんは私を抱きしめてくれた。彼女は、今回の騒動で私が不安になっていると思ったに違いない。
正確には、それは間違いなのだが、彼女の優しさは本物だった。
「ノノさん、服が濡ちゃう」
「じゃ乾くまでこうしててあげる」
どれくらいそうしていたのだろう。私が鼻をすするのを止めるまで、ノノさんはそのままでいてくれた。
「綺麗な目ね」
顔を覗き込んだノノさんは、私の目の端にそっと触れた。
「ちょっと歩こうか」
いつの間にか雲は晴れて、空には澄んだ星空が広がっている。プラネタリウムでも見ることのできない星の群れに、私は宇宙にでも放り出されてしまったのではないかと思った。
風が少し吹いた。草を踏む音がする。
「アンナちゃんは、星がどうやって光っているか知ってる?」
そう言われてみて、あまり詳しくないことに初めて気付いた。科学の進んだ現代人なのに、知っているつもりになっていただけだった。
無言の私に、ノノさんは続けた。
「神様が空の天蓋に針で穴を開けて、そこから光が漏れているって言うけど、それだと説明がつかないと思うのよね…」
宗教的な問題があるのか、アンナが興味を持たなかったからなのか、その先の言葉を飲み込んだように見えた。
「私、あの空に昇って、神様がどんな風に穴を開けたのか見てみたいの」
そう言って、話を終えた。
「アンナちゃんは、やりたいことないの?」
「やりたいことはあるんだけど…」
「なになに、お姉さんに話してみなさい」
「…世界中のお城を制覇したい」
「制覇?」
「そう、すべて。すべてのお城を見て回りたい」
「アンナちゃん、お城なんてどこで興味を持ったの?」
「夢!夢で見たの。私は見たことないのに、お城だってすぐに分かったの。それがすごくっ魅力的で」
「わかる気がする。夢ってそういう不思議なところあるもんね」
「うん。夢の世界にも現実のような世界があって、時には続きが見れたりして、向こうでも生活してるみたいだもんね」
「アンナちゃんが、急に大人ぽくなったのも、その夢の世界のおかげなんだ?」
私は大きく頷いた。
「私、その夢の話を聞きたいな」
夢だって事にしているし、話してもいいよね。そう思って私は日本中に点在している城の話をした。
そこへの移動手段を問われて話し、船の話をした時には、なぜ鉄が浮くのかを烈しく問われたが答えられず、飛行機の時には、なぜ星まで飛んで行かないのかと烈しく問い詰められ、スマホの時には電波とは何かを説明することができなかった。
文明の利器の仕組みを全く理解していないアンナと、それを想像出来ないノノ。
「なんでアンナちゃんはそんなに知らないことが多いの?」
「だって使えるから、使ってただけなんだもん!」
一瞬にらみ合いになったこのとき、お互いのヤキモキした感情に気付いて健気なまでの必死さに笑いあった。
「夢の話なのにね」
二人が発した言葉がハモリになり、その事でも少し笑った。
「そろそろ戻ろうか」
私は頷き教会に向かって歩きだした。
「ノノさん、夢の話は秘密にしてて」
「私の星の話もお願いできるかしら」
ノノと秘密の共有をすることに友情の証を得た心地がして、アンナは気分が高揚してきた。
「指切りしませんか?」
「ユビキリ?」
「二人で交わした約束を守る、誓の儀式です」
「面白そう。で、これは神様に誓うの?」
「いいえ、お互いに誓うの」
「人が人に誓うのね…やりましょ」
指切りの仕方を教えると、ノノさんは右手の小指を差し出してきた。教えたアンナの方が息を詰めて小指を絡める。
私は、ノノが呼吸を合わせやすいように大きく息を吸うと、指切りの言葉を歌を歌い始める。ノノはしっかりと呼吸を読み、同時に歌い始める。
ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った。
指が離れ、誓が結ばれた。
教会への道を歩きながら、もう少しノノと話していたいと思ったが、戻るのが遅いと残っている人に心配をさせてしまう。それに今晩は教会に泊まるのだし、話す機会はいくらでもあるだろう。
なんだか、お泊り会みたいだなあ。
浮かれている自分を認識して、大人達の配慮を感謝した。怯えている子供はほぼいないだろう。
教会の玄関戸を開ける。
「お嬢ちゃんが2人戻ってきたぞ」
甲冑を着込んだ男が声を出した。
だれ、この人。
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