魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

文字の大きさ
91 / 221
ユミコ奪還編~十二宮殿の戦い

第91話 勇者過去の真実を知る

しおりを挟む
 精霊ルギアの口から、サーイターマルド誕生の秘話を聞かされる。
 今人気絶頂の某海賊王になる漫画は、誰かが話した過去話を、後に描写する。何話もかけて。
 この作品もコミカライズされたら、同じ道をたどるのだろうか。


「同じ神武七龍神でも、レッドドラゴンとグリーンドラゴンとでは、相性も悪く、実力差もありすぎた。
 はたから見たら、レッドドラゴンの一方的ないじめにしか見えなかったと言うわ。」
「ごくり。」
 ルギアの話しは、スケールがデカすぎる。
 レッドとグリーン。
 五行説的に言っても、グリーンドラゴンに勝ち目はないだろう。

「いつ果てるともなく続いたふたりの争いは、別の神武七龍神ブルードラゴンを巻き込んで、やっと終息したわ。」
 そっか、レッドに克つブルーが味方してくれたんだな。

「でも、この争いで様々な厄災が生じてしまった。
 全く、迷惑な話しよ。
 サーイターマルドにも、厄災の種が芽吹いていたとはね。」
「それを、勇者ウラワが片付けた。」
「ええ、私はその時、黄金曼荼羅陣(ゴールドエクスクラメーション)の完成を急いでいたから、気づかなかった。」

「ゴールド、それって、十二体のゴーレムの事ですよね。」
「ええ、二度と神武七龍神に踏みにじられないためにね。
 だけど私のサーイターマルドに、厄災が生じてたのに気が付かなかったなんて、間抜けな話しよね。」
「ルギア様、」

「結局神武七龍神のブルードラゴンの眷属であるゴッドドラゴンが、3つの宝玉を勇者ウラワに授けて、厄災は撃退出来た。」
「3つの宝玉。それが幻の金水晶ですね。」
「ええ、勇者ウラワは3つの宝玉のうち、ひとつしか使わなかった。
 まあ、この宝玉ってのは、ゴッドドラゴンの卵なんだけどね。」
「な、なんですと?」

 つまり、幻の金水晶の他にも、似たようなアイテムがあったのか。
 それより、神武七龍神の眷属の方が、格式のありそうな気がするのは、気のせいか?

「その3つの卵のうちのひとつから孵ったのが、竜王。
 あなた達が魔王と呼ぶ存在よ。」
「な、それじゃあ魔王との戦いって、」
「だから言ったでしょ。
 竜王とゴハンとの紛争にすぎないって。」

 なんだよ、それ。
 魔王は兄の形見を取り戻しただけなのか?
 いや、弟かもしんないけど。

「じゃあ、俺が魔王を倒す意味って、なんなんだよ。」
 俺は少し気落ちする。
 魔王が現れたから、勇者の子孫であるこの俺が、ちょっくら倒してこようと思ってたのに。

「大丈夫よ、ユウタ。あなたが竜王を倒す意味は、充分あるわよ。
 だってあいつ、ルギア神殿の総本山を、最初に襲撃したんだから。」
 ルギアは、とびっきりの笑顔で言ってくる。

 やべーよ。
 ルギア様、思いっきり私怨はさんでるよ。
 ほんとに偉い女神様なのか?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

処理中です...