魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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ユミコ奪還編~十二宮殿の戦い

第90話 勇者中学生以下と馬鹿にされる

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 ルギアにユミコを返せと迫る俺だが、ルギアが言った言葉に、思わず解説を求めてしまった。
 済まないユミコ。
 ユミコの出番は、もう少し後になりそうだ。


「あーははは、所詮おまえもひとの子。
 知りたい欲求は抑えられないようだな!」
 した手に出る俺を、ルギアがわざ笑う。
「く、」
 俺は恥辱に顔を歪めるしかない。

「まあいい。今のおまえを見て、私の溜飲も下がった。
 今の私は、気分がいい。教えてやってもいいぞ。」
 ルギアはニヤけながら、俺を見くだす。
 くそ、なんて性格してんだ。前回頼んだだけでは、足りないってのかよ。

「教えて、ください、ルギア様。」
 ルギアはとびっきりの笑顔で、聞いている。
 なんか、すげー屈辱なんだが。

「うむ、教えてやろう。
 勇者ウラワはサーイターマルドで、神武七龍神同士の争いで生じた厄災を見事駆除して、ジャパニガルド全体を救ったのだ。」
 うん、それは前回も聞いた。
 で?

「どうしたのだ、ユウタ?」
 続きを待つ俺の顔を、ルギアが怪訝そうに覗きこむ。
「あのですね、ルギア様。
 ちゃんと分かる様に説明して下さいよ!」
「なんだユウタ。中学生にも分かるレベルで、教えてやったのに、分からなかったのか?」

 ルギアは、かわいそうなひとを見る目で、俺を見つめてくる。
 そりゃあこの作品は、作者が中学生の頃に書いたゲームブックを原作にしている。
 だから内容も、中学生レベルと言えなくもない。
 だけど、、
「分かるかよ!ジャパニガルドって何?勇者ウラワがやって来たと言う、別の世界ですか?」

「いや、ジャパニガルドはサーイターマルドを包容した世界。
 サーイターマルドみたいな世界が、47個入った世界。
 勇者ウラワが来た世界は、別にあるよ?」
 ルギアは、こんな事も知らないの、って感じで、俺をバカにした感じで言ってくる。

 なんかムカつくのだが。
 俺の居るサーイターマルドの外にも、別の世界があるのか?
 それは知らなかったぞ。

「あ、このジャパニガルドを作ったのは、私だから。」
「なんですと?」
 事もなげに言うルギアに、俺は驚く。

「あれは神武七龍神同士の争いで、世界が滅んでしまったのよ。
 だから私が、新しく世界を作った訳。ジャパニガルドをね。」

 まじかよ。
 ひょっとして精霊ルギアって、すげー神なの?
 こいつの性格面を考慮したら、あまり崇めたくないのだが。

「で、神武七龍神ってのは、宇宙開闢以前から存在していると言われる、龍神達の事よ。」
「宇宙開闢以前から?」
「ええ、詳しい事は何も分からない。でも、人智を超えた存在なのは、間違いないわ。
 だけどある日、神武七龍神のレッドドラゴンとグリーンドラゴンが、争いを始めた。
 それに巻き込まれて、多くの次元空間が消滅したわ。」

 ルギアは当時を思い出したのか、少し涙ぐむ。
「私のパパとママも、死んでしまった。この私をかばって。」
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