魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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荒野を行く

第193話 勇者六魔将を撃(ネタバレ禁止!

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 魔王の島に渡った俺は、魔王軍六魔将のひとりスズキくんの息子、スズキークJr.ジュニアを激戦の末、なんとか撃破した。


「勇者ユウタよ、頼む。魔王を倒してくれ。」
 スズキークJr.は、涙を流す。
「ああ、最初からそのつもりだ。」
 俺は力強く、うなずく。
 それを見て、スズキークJr.はほくそ笑む。

「た、頼んだぜ。魔王は玉座の裏の、隠し階段の奥にいる。魔王だけは、絶対、倒して、く、れ、」
 スズキークJr.の身体は、砂となって崩れさる。
 これが魔物の末路。
 死して屍を晒す事無し。
 自殺願望のある誰かには、羨ましいかぎりだ。

「分かったよ、スズキークJr.。俺が必ず、魔王を倒してみせるぜ!」
 俺は決意も新たに、先へ進む。

 先には、魔物が待ち構えている。

 ツチノコに翼をつけて、宙に浮いたピンク色の魔物。
 ザシュ!
 たやすく撃破!

 小汚い黄色い布切れで身体を覆うチビデブな魔物。
 ドガ!
 なんなく撃破!

 二足歩行する金色の毛並みで、服を着たオオカミの魔物。
 ガゴ!
 かるがる撃破!

 はあはあ、流石は魔王の島。敵の本拠地。
 魔物の大軍が俺の行手をはばむ。

 周囲を岩山に囲まれた一本道のためか、一匹ずつでしか襲ってこないのが、救いか。
 いや、俺に手傷さえ負わせられない烏合の衆。まとめてかかってきてくれた方が、助かる。
 魔物の中には、俺に一度襲いかかってきたくせに、俺にビビって逃げるヤツもいる。
 だったら始めから、襲ってくるなよと。

 そんな感じで、俺が魔王の城にたどり着くのに、すげー時間がかかった。

「ほう、あの数を蹴散らしたか。ここまで来るとは、思いもしなかったぞ。」
 城門の前には、一匹の魔物がいた。

 モヒカン頭のオレンジ色の甲冑の魔物で、斧と盾を装備している。
「俺は魔王軍六魔将のひとり、しにがみの騎士!」

 しにがみの騎士は、いきなり襲ってきた!
 しにがみの騎士の攻撃!
 ドガ!
 俺は軽微なダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ザシュ!
 そこそこのダメージを与える!

 しにがみの騎士はぴかぴーかの呪文を唱える!
 ザガ!
 俺はそれなりのダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ピロっ。
 なんとしにがみの騎士は、かわしやがった!

 しにがみの騎士の攻撃!
 ドガ!
 俺は僅かなダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ザシュ!
 そこそこのダメージを与える!

 しにがみの騎士はぴかぴーかの呪文を唱える!
 ザダ!
 俺はそこそこのダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ザシュ!
 しにがみの騎士を倒した!
 320円落ちていた!
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