魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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荒野を行く

第194話 勇者魔王の城に突入する

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 魔王の島に渡った俺は、ついに魔王の城にたどり着く!
 城の門番として立ちはだかる魔王軍六魔将のひとり、しにがみの騎士を撃破する!


「な、なんだよ、スズキークJr.ジュニアより手ごたえねーじゃん。」
 それが、しにがみの騎士を倒した、俺の感想。
 スズキークJr.は、防御力皆無だったが、攻撃力は桁違いだった。
 もしスズキークJr.としにがみの騎士が戦ったら、普通にスズキークJr.が勝つだろう。
 まあ、スズキークJr.が回復呪文を使えないなら、そこで共倒れだが。

 俺は魔王の城に入る前に、ルギアのお守りを見る。

 11:48:15

 これが魔王を倒すのに、残された時間だが、やはり魔物の大軍をさばくのに、結構時間を取られてたか。
 まあ、魔王の城攻略に、そんなに時間はかからないだろう。

 甘かった。

 俺はオオミヤ城の感覚でいたのだが、甘かった。
 オオミヤ城には子どもや一般人も大勢いる、そんな居住空間だった。
 しかし魔王の城は、普通にお城だった。
 な、何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何が起きてるのか、分からなかった。
 言葉の定義ミスとか、進行順によるインフレとか、そんなチャチなもんじゃない。
 もっと恐ろしいモノの片鱗を、味わった気分だぜ。

 確か魔王が最初に襲ったのが、精霊ルギア様を祀ったルギア神殿の総本山と聞く。
 その総本山を乗っ取ったのが、この魔王の城らしい。

 そんな魔王の城の中でも、魔物は普通に襲ってきた。
 ダークブルーの甲冑を着込んだモヒカン頭で、斧と盾を装備した魔物。
 確か魔王軍六魔将のひとり、悪魔の騎士と同型の魔物。
 ドラゴンの魔物は、海底洞窟で相手をしたドラゴンさんより、ひと回り小さかった。

 以前は苦戦した魔物と同型だったが、今の俺に苦戦する要素はなかった。

 俺は荘厳な造りの魔王の城を急ぐ。
 スズキークJr.が確か、玉座の後ろに隠し階段があるとか言ってたな。

 魔王の城を進むと、何か異様な雰囲気を感じる一角にたどり着く。
 部屋一面、光る床で覆われている。
 その向こうに、玉座らしき物が見える。
 この光る床はバリアと呼ばれる物で、立ち入るだけで強烈なダメージを受ける。
 って、なんで俺はそんな事を知ってんだ?
 これと同じのは、オオミヤ城にもあった。
 そこを通る時、俺の隣りには誰かいた気がするのだが、なぜか思い出せない。

 そんな感傷にひたってる場合でもない。
 俺はそのバリア地帯に、足を踏み入れる。

 俺の装備するウラワの鎧は、地形ダメージを無効化する。
 俺はスズキークJr.の助言を頼りに、玉座の後ろを調べた。

 なんと、地下へと続く階段を見つけた。
 ちゃらちゃららららん、ちゃらららん。
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