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第16話 緑の国を目指して
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この異世界ジュエガルドを支えるマスタージュエル。
そのマスタージュエルが砕かれた事により、ジュエガルド全土に大災害が巻き起こる。
このマスタージュエルの破砕は、マスタージュエルが濁る事によって、千年に一度繰り返されてきた。
その大災害を、今回を最後にするべく、赤の国がジュエガルド統一にのりだした。
「遅いよ、ユウト!」
妖精体のフィーナが、ユウトに檄をとばす。
「そう急かすな、って。」
ユウトは刀を振るいながら、フィーナの後を追う。
ふたりが駆け抜けた跡には、斬り裂かれた魔石獣が転がっている。
魔石獣の魔石は砕かれ、魔石からあふれた魔素は、ユウトの左手首の腕輪に吸い込まれる。
ユウトの左手首の退魔の腕輪には、青い宝玉がはめこまれていた。
この宝玉は、龍神山のパワースポットで、アスカがルビーから取り返した物だった。
この宝玉が青以外の色に染まれば、青の国は滅ぶ。
だから、青の国で一番安全な場所、ユウトに託された。
そしてユウトとフィーナは、緑の国に急いでいた。
赤の国のルビーが次に狙うのは、緑の国と思われるからだった。
アスカは、王妃様を護るため、青の城に残った。
「ユウト、ここからが本番よ。」
妖精体のフィーナは、立ち止まる。
「ああ、どうやらそうらしいな。」
ユウトも、辺りの気配が変わった事に気がつく。
それは青の国の国境を越え、緑の国に入った事を意味する。
青の国では、王妃様が龍脈を流れる魔素に関与して、漏れ出す魔素を抑えていた。
これには王族に連なるアスカも、協力している。
しかし、青の国の王妃様のチカラが及ぶのは、青の国のみ。
緑の国の魔素については、緑の国の王妃様の管轄だった。
青の国の魔素に関しては、龍脈から溢れた青い龍を浄化した事で、かなり環境は改善された。
しかし緑の国では、まだまだだった。
「気を引き締めて、急ぐわよ!」
妖精体のフィーナは、ユウトの背中に張り付いて、ユウトを急かす。
「分かってるって。」
ユウトはそのまま駆け出す。
フィーナは青の国の王女。
青の国の魔素は浄化出来ても、緑の国の魔素の浄化は無理だった。
だからここから先は、ユウトの退魔の腕輪が頼りになる。
ユウトは青、緑、赤の属性を持っているため、緑の魔素にも対応可能。
とは言え、まだ青の加護しか受けていないので、緑の魔素に対する効力は薄かった。
もっともこの事は、ユウトは理解していない。
フィーナが王様から聞かされただけだった。
ユウト達が緑の城を目指す目的は、ルビーの魔の手から緑の国を守る事と同時に、緑の城の神殿の水晶玉から、緑の加護を受ける事だった。
ぐがああ!
ネコ科の猛獣を模した魔石獣が、ユウトの行手を阻む。
青の国では漂う魔素の霧が、魔石獣の姿になっただけだった。
だけど緑の国では、魔素は魔石に凝縮され、魔石は魔石獣の核となっていた。
「これって、緑の国の王妃様が、ヤバいって事だよな。」
青の国の魔石獣よりも、凶暴になってる緑の国の魔石獣。
「ええ、青の国のお母様より、ヤバいって事よ。」
青の国では、王妃様が青い龍の呪いで眠っていたとはいえ、魔素の濃霧の中に魔石獣を抑え込んでいた。
それが、ここ緑の国では魔素の霧とは関係なく、魔石獣が存在する。
それも魔石の欠けらが動物に取り憑いたのではなく、魔石から魔石獣を形作っている。
キン!
ユウトは刀を一閃。
魔石獣を斬り殺す。
ユウトも青の国の龍神山の激戦で、それなりにレベルが上がっていた。
これくらいの魔石獣なら、軽く倒せる。
しかし、緑の加護がまだのため、緑の国の魔石獣の魔素から、経験値を得る事は出来なかった。
「ごめん、そろそろ魔力が尽きる。」
ユウトの背中につかまる妖精体のフィーナの身体がグラつく。
倒した魔石獣からの魔素の供給が無い今、フィーナが青の活性化魔法、オーバーチャージをかけ続ける事は、無理があった。
「フィーナ!」
ユウトの背中から落ちそうになるフィーナの身体を、ユウトは右手でつかむ。
「きゃ、どこ触ってんのよ、変態!」
反射的に叫ぶフィーナを、ユウトは左手首の退魔の腕輪の青い珠に押し当てる。
「え?」
青い珠がほのかに輝く。
「何これ、気持ちいい。」
フィーナはゆったりと眠くなる。
しかしユウトは、疾走しながら魔石獣と交戦中!
ユウトの激しい動きに、フィーナは振り落とされる!
「フィーナ!」
ユウトは急停止、そして急反転。
地面に叩きつきられる寸前のフィーナを、すくいあげる。
「ユウト?」
フィーナは寝ぼけ眼でユウトを見つめる。
「ユウトの魔素って、気持ちいいね、もっとちょうだいよ。」
フィーナは目を閉じてニヤけてる。
ユウトは以前、フィーナとアスカの腕輪から、魔素の塊をもらった。
自分にも同じ事が出来るのではと、フィーナを腕輪に押し当ててみた。
結果、思ってたのとは違ったが、フィーナにも分け与える事が出来たらしい。
ユウトはフィーナの身体を左手首の青い珠に押し当て、右手をそっとかぶせる。
そして両手を揺らさないよう、注意しながら駆け抜ける。
「え、ちょっと、何してんのよ!」
ある程度魔力が回復したフィーナは、正気に戻る。
ユウトは立ち止まり、右手をどける。
「ユウト、あんたねえ、何してくれてんのよ!」
フィーナは自分に視線を向けるユウトを、にらみかえす。
「何って、フィーナに魔素を分けてやってたんじゃん。」
ユウトは戸惑いながら答える。
ユウトには、フィーナがなぜ怒ってるのか、分からなかった。
フィーナは妖精体の身体で、ユウトの魔素をどっぷり浴びてしまった。
だから身体中ユウトの匂いが充満していた。
フィーナがちょっと身体を動かすと、ユウトの匂いが漂う。
フィーナはそれが嫌だった。
しかしその事を、ユウトには言えない。
「そ、そう、ありがと。」
フィーナは自分の事を心配してくれたユウトに、これ以上強くあたれなかった。
「なんか、ごめん。」
ユウトはフィーナが怒ってるらしいので、とりあえず謝った。
「そ、そんな事より、急ぐわよ。」
フィーナはユウトの背中につかまる。
「わ、分かった。」
ユウトは慌てて駆け出した。
そして緑の城の城門の前で、何やら戦いの気配があった。
次回予告
どうもこんにちは。
緑の国の王女の、エメラルド・ジュエラル・ミクルーカです。
私のピンチに現れた、素敵な王子様のユウト君。
ちょっと待ちなさい。
このコーナーって、私の物じゃないの?
あら、青の国の王妃様。お久しぶりです。
ミクちゃんも、しばらくね。
って、今はそれどころじゃない!
そうは言っても王妃様、あなたは名前が無いですよね。
がーん、そ、それはこれから決めるのよ、多分。
でもおばさまは引っ込んでてくださいね。
がーん、私のどこがおばさんなのよー。
次回、異世界を救ってくれと、妖精さんに頼まれました、風吹く緑の国。
お楽しみに。
あーん、私のコーナーなのにぃ。
※次回分は、まだいち行も書いてないので、この予告と異なる場合もあります。
そのマスタージュエルが砕かれた事により、ジュエガルド全土に大災害が巻き起こる。
このマスタージュエルの破砕は、マスタージュエルが濁る事によって、千年に一度繰り返されてきた。
その大災害を、今回を最後にするべく、赤の国がジュエガルド統一にのりだした。
「遅いよ、ユウト!」
妖精体のフィーナが、ユウトに檄をとばす。
「そう急かすな、って。」
ユウトは刀を振るいながら、フィーナの後を追う。
ふたりが駆け抜けた跡には、斬り裂かれた魔石獣が転がっている。
魔石獣の魔石は砕かれ、魔石からあふれた魔素は、ユウトの左手首の腕輪に吸い込まれる。
ユウトの左手首の退魔の腕輪には、青い宝玉がはめこまれていた。
この宝玉は、龍神山のパワースポットで、アスカがルビーから取り返した物だった。
この宝玉が青以外の色に染まれば、青の国は滅ぶ。
だから、青の国で一番安全な場所、ユウトに託された。
そしてユウトとフィーナは、緑の国に急いでいた。
赤の国のルビーが次に狙うのは、緑の国と思われるからだった。
アスカは、王妃様を護るため、青の城に残った。
「ユウト、ここからが本番よ。」
妖精体のフィーナは、立ち止まる。
「ああ、どうやらそうらしいな。」
ユウトも、辺りの気配が変わった事に気がつく。
それは青の国の国境を越え、緑の国に入った事を意味する。
青の国では、王妃様が龍脈を流れる魔素に関与して、漏れ出す魔素を抑えていた。
これには王族に連なるアスカも、協力している。
しかし、青の国の王妃様のチカラが及ぶのは、青の国のみ。
緑の国の魔素については、緑の国の王妃様の管轄だった。
青の国の魔素に関しては、龍脈から溢れた青い龍を浄化した事で、かなり環境は改善された。
しかし緑の国では、まだまだだった。
「気を引き締めて、急ぐわよ!」
妖精体のフィーナは、ユウトの背中に張り付いて、ユウトを急かす。
「分かってるって。」
ユウトはそのまま駆け出す。
フィーナは青の国の王女。
青の国の魔素は浄化出来ても、緑の国の魔素の浄化は無理だった。
だからここから先は、ユウトの退魔の腕輪が頼りになる。
ユウトは青、緑、赤の属性を持っているため、緑の魔素にも対応可能。
とは言え、まだ青の加護しか受けていないので、緑の魔素に対する効力は薄かった。
もっともこの事は、ユウトは理解していない。
フィーナが王様から聞かされただけだった。
ユウト達が緑の城を目指す目的は、ルビーの魔の手から緑の国を守る事と同時に、緑の城の神殿の水晶玉から、緑の加護を受ける事だった。
ぐがああ!
ネコ科の猛獣を模した魔石獣が、ユウトの行手を阻む。
青の国では漂う魔素の霧が、魔石獣の姿になっただけだった。
だけど緑の国では、魔素は魔石に凝縮され、魔石は魔石獣の核となっていた。
「これって、緑の国の王妃様が、ヤバいって事だよな。」
青の国の魔石獣よりも、凶暴になってる緑の国の魔石獣。
「ええ、青の国のお母様より、ヤバいって事よ。」
青の国では、王妃様が青い龍の呪いで眠っていたとはいえ、魔素の濃霧の中に魔石獣を抑え込んでいた。
それが、ここ緑の国では魔素の霧とは関係なく、魔石獣が存在する。
それも魔石の欠けらが動物に取り憑いたのではなく、魔石から魔石獣を形作っている。
キン!
ユウトは刀を一閃。
魔石獣を斬り殺す。
ユウトも青の国の龍神山の激戦で、それなりにレベルが上がっていた。
これくらいの魔石獣なら、軽く倒せる。
しかし、緑の加護がまだのため、緑の国の魔石獣の魔素から、経験値を得る事は出来なかった。
「ごめん、そろそろ魔力が尽きる。」
ユウトの背中につかまる妖精体のフィーナの身体がグラつく。
倒した魔石獣からの魔素の供給が無い今、フィーナが青の活性化魔法、オーバーチャージをかけ続ける事は、無理があった。
「フィーナ!」
ユウトの背中から落ちそうになるフィーナの身体を、ユウトは右手でつかむ。
「きゃ、どこ触ってんのよ、変態!」
反射的に叫ぶフィーナを、ユウトは左手首の退魔の腕輪の青い珠に押し当てる。
「え?」
青い珠がほのかに輝く。
「何これ、気持ちいい。」
フィーナはゆったりと眠くなる。
しかしユウトは、疾走しながら魔石獣と交戦中!
ユウトの激しい動きに、フィーナは振り落とされる!
「フィーナ!」
ユウトは急停止、そして急反転。
地面に叩きつきられる寸前のフィーナを、すくいあげる。
「ユウト?」
フィーナは寝ぼけ眼でユウトを見つめる。
「ユウトの魔素って、気持ちいいね、もっとちょうだいよ。」
フィーナは目を閉じてニヤけてる。
ユウトは以前、フィーナとアスカの腕輪から、魔素の塊をもらった。
自分にも同じ事が出来るのではと、フィーナを腕輪に押し当ててみた。
結果、思ってたのとは違ったが、フィーナにも分け与える事が出来たらしい。
ユウトはフィーナの身体を左手首の青い珠に押し当て、右手をそっとかぶせる。
そして両手を揺らさないよう、注意しながら駆け抜ける。
「え、ちょっと、何してんのよ!」
ある程度魔力が回復したフィーナは、正気に戻る。
ユウトは立ち止まり、右手をどける。
「ユウト、あんたねえ、何してくれてんのよ!」
フィーナは自分に視線を向けるユウトを、にらみかえす。
「何って、フィーナに魔素を分けてやってたんじゃん。」
ユウトは戸惑いながら答える。
ユウトには、フィーナがなぜ怒ってるのか、分からなかった。
フィーナは妖精体の身体で、ユウトの魔素をどっぷり浴びてしまった。
だから身体中ユウトの匂いが充満していた。
フィーナがちょっと身体を動かすと、ユウトの匂いが漂う。
フィーナはそれが嫌だった。
しかしその事を、ユウトには言えない。
「そ、そう、ありがと。」
フィーナは自分の事を心配してくれたユウトに、これ以上強くあたれなかった。
「なんか、ごめん。」
ユウトはフィーナが怒ってるらしいので、とりあえず謝った。
「そ、そんな事より、急ぐわよ。」
フィーナはユウトの背中につかまる。
「わ、分かった。」
ユウトは慌てて駆け出した。
そして緑の城の城門の前で、何やら戦いの気配があった。
次回予告
どうもこんにちは。
緑の国の王女の、エメラルド・ジュエラル・ミクルーカです。
私のピンチに現れた、素敵な王子様のユウト君。
ちょっと待ちなさい。
このコーナーって、私の物じゃないの?
あら、青の国の王妃様。お久しぶりです。
ミクちゃんも、しばらくね。
って、今はそれどころじゃない!
そうは言っても王妃様、あなたは名前が無いですよね。
がーん、そ、それはこれから決めるのよ、多分。
でもおばさまは引っ込んでてくださいね。
がーん、私のどこがおばさんなのよー。
次回、異世界を救ってくれと、妖精さんに頼まれました、風吹く緑の国。
お楽しみに。
あーん、私のコーナーなのにぃ。
※次回分は、まだいち行も書いてないので、この予告と異なる場合もあります。
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