33 / 215
宇宙召喚編
第33話 三女の行く末
しおりを挟む
これは西暦9980年のはるか未来のお話
ゴンゴル三姉妹と対峙した、マイとマイン。
ふたりは擬似ブレイブを駆使してゴンゴル三姉妹のうち、ステーノとエアレーを討ち取った。
そして今、残るひとり、メドーも討ち取ろうとしていた。
メドーの機体は前方をマイの機体に食い込まれ、後方にマインの機体が食い込んでいる。
「チェックメイトね。」
この時代でも通用するのか分からないが、マイは言ってみた。
「私の負けね、早く殺しなさい。」
「あら素直。」
マイはメドーの応答に、少し驚く。
「このまま道連れに自爆でもするのかって思ってたのに。」
「嫌よ、そんなの。早く殺しなさい。」
「分かった。一撃でエンジンを貫いてやる。」
マインはレーザーの出力調整に入る。三機の機体は密着状態なので、下手すれば誘爆の危険があった。
「戻ったら、他のふたりにも伝えて。何度来ても、結果は同じだと。」
マインはそう最後の言葉をかける。だが、
「やだ、会いたくない、あんなお姉さま達には、もう会いたくない!」
メドーは突然とり乱す。
「殺してよ、ここでちゃんと殺してよ!」
「いや、脱出用システムが作動するから、無理でしょ。」
メドーの言葉に、マイはそう応える。しかし、メドーもゆずらない。
「あんた達、ステルス干渉も無効化したんでしょ?
脱出用システムくらい、無効化出来るでしょ!」
「そんな無茶苦茶な。そんな事出来るの?アイ。」
マイも、アイに問い合わせてみる。
「それに対する答えは、持ち合わせていません。」
「え、どゆ事?」
マイは、アイの言ってる意味が分からない。
「可能だけど、倫理的にやっちゃダメって事でしょ。」
マインが補足説明をしてくれた。
「早く殺してよ。うわーん。」
メドーは泣きだした。
「どうしよっか、これ。」
マイも、最早戦う気は失せている。
「放っておくのが、一番でしょうね。」
マインもレーザーの出力調整をやめる。
「殺してよ、ねえ、なんで殺してくれないの、うわーん。」
メドーは相変わらず泣きじゃくる。
「帰りましょう、マイ。」
マインは機体を後方へ動かす。だが、メドーの機体に食い込んだままだ。
「ねえ、放っておいたら、どうなるのかな?」
マイは、機体を引き抜こうと悪戦苦闘するマインに、聞いてみる。
「そんなの、レドリアのお迎えさんが、回収しに来るだけでしょ。」
「いやー!帰りたくない!お姉さま達に会いたくない!」
マインの応えに、メドーは叫びだす。
「ああ、もう、うるっさいわね。あんたの事なんか、こっちには関係ないの!」
マインも思わず叫び返す。
「ぐすん、ぐすん、殺して下さい。今ここで、殺して下さい。」
メドーは音量こそ小さくなるが、言ってる内容は変わらない。
マイは、少しかわいそうに感じる。
「ねえマイン、連れて帰っちゃだめかな。」
「ダメでしょ!」
マインは即座に返す。
「また難癖つけてくるだけでしょ。」
「でも、なんかかわいそうじゃん。」
「それは関係ないでしょ。これはメドー達の問題よ。私達には関係ないわ。」
マイとマインの議論は、平行線のままだ。
「お願いします。殺してくれないなら、助けて下さい。」
メドーは、おしころした声を、なんとかしぼりだす。
「やっぱりかわいそうだよ、なんとかならない?アイ。」
マイは今度はアイに、聞いてみる。
「はあ、仕方ないですね。ちょっとジョーと相談してきます。通信、切りますよ。」
戦闘中のサポートAIは、基地内の専用のカプセル内から通信している。
このカプセルから出るには、その通信状態を切らなければならない。
「いや、それなら私が聞いてこよう。」
横からマインのサポートAIのミサが声かける。
「お前達は、なるべく繋がっているべきだ。この前の件もあるからな。」
ミサはアイの代わりに通信を切り、ジョーに相談しに行った。
この時代に召喚されて、まだ日の浅いマイにとって、サポートAIのアイとの通信切断は、自殺行為に等しい。
先日も危うく、召喚が無効化させるとこだった。
ミサとジョーとの相談中、戦場のマインとマイは、特にやる事がない。
マインは機体のハッチを開けて、宇宙空間に出る。
マインの機体がメドーの機体に食い込んでいるため、これをどうにかする必要がある。
マインはソウルブレイドを取り出すと、メドーの機体に打ちつける。
ソウルブレイドと言えど、機体がばっさり切断出来る訳ではない。
どちらかと言うと、斧で木を伐るイメージだ。
つまり、何度も打ちつける。その衝撃は、メドーの機体に響く。
気落ちした今のメドーには、少し耐えがたいものだった。
両耳をふさいで、うつむいてちじこまって震えるメドー。
ふと、コックピットのハッチを誰かがノックしている事に気づく。
メドーが顔を上げると、マイと目があった。
と言ってもふたりとも、宇宙戦闘用のごっついヘルメットを装着してるため、お互いの顔は分からない。
コックピットのハッチをノックしていたマイは、メドーが気づいてくれると、今度は『ここを開けて』とジェスチャーを送る。
メドーはそれに気づいて、ハッチを開ける。
マイは、右手をメドーに伸ばす。
メドーはマイの右手をつかむ。
メドーの右手は、マイの右手よりも小さかった。
マイは掴んだメドーの右手を、思いっきり引っ張る。
メドーの身体が機体から引きずり出され、反動でメドーとマイの身体は宇宙空間に浮く。
そして、後方にあったマイの機体のコックピットに、すっぽり収まる。
メドーの身体は、マイよりひと回り小さかった。
マイの膝の上に座るには、収まりが良かった。
マイはハッチを閉める。
まだ震えが止まらないメドーの身体を、そっと抱きしめて、優しく声をかける。
「もう大丈夫だからね。」
「ほんとに、大丈夫なの?」
メドーの不安は、まだ拭いきれない。
「大丈夫だって。僕がついてるから。」
「そんな安請け合い、しないで下さい。」
そんなマイを、アイがたしなめる。
「まだどうなるか、決まっていません。無責任な発言は控えて下さい。」
「ひどいよ、アイ。アイには人の心がないの?」
「あなた、私がAIだって分かってて言ってるでしょ。」
「ばれた?でも、僕は絶対メドーを守るからね。」
マイはメドーを抱きしめる腕に力を入れる。
「あの、誰と話してるんですか?独り言じゃないみたいだけど。」
「え?」
サポートAIからの会話は、パートナーの脳内に直接語りかける。
チーム戦の時は、複数のサポートAIとの会話も同様に、脳内で可能になる。
だから、チーム外の人間には聞こえない。
「パートナーのサポートAIとだけど。」
そう応えるマイには、疑問が浮かぶ。なぜ、こんな事を聞いてくるのか?
「パートナーって、どこにいるの?」
メドーのその言葉にマイは確信する。
「あなたには、パートナーのサポートAIはいないのね。」
「サポート、なにそれ。」
「サポートAIってのはね、僕をサポートしてくれるAIの事だよ。」
マイはそのまんま説明する。アイは、その事は言うなと注意する。
「そっか、そのサポートがあったから、私は負けたのね。」
「うん、アイがいてくれなかったら、危なかったよ。」
そんな会話を続けていたら、マインから通信が入る。
「ジョーからの結果が出たわ。連れてこいだって。」
ゴンゴル三姉妹と対峙した、マイとマイン。
ふたりは擬似ブレイブを駆使してゴンゴル三姉妹のうち、ステーノとエアレーを討ち取った。
そして今、残るひとり、メドーも討ち取ろうとしていた。
メドーの機体は前方をマイの機体に食い込まれ、後方にマインの機体が食い込んでいる。
「チェックメイトね。」
この時代でも通用するのか分からないが、マイは言ってみた。
「私の負けね、早く殺しなさい。」
「あら素直。」
マイはメドーの応答に、少し驚く。
「このまま道連れに自爆でもするのかって思ってたのに。」
「嫌よ、そんなの。早く殺しなさい。」
「分かった。一撃でエンジンを貫いてやる。」
マインはレーザーの出力調整に入る。三機の機体は密着状態なので、下手すれば誘爆の危険があった。
「戻ったら、他のふたりにも伝えて。何度来ても、結果は同じだと。」
マインはそう最後の言葉をかける。だが、
「やだ、会いたくない、あんなお姉さま達には、もう会いたくない!」
メドーは突然とり乱す。
「殺してよ、ここでちゃんと殺してよ!」
「いや、脱出用システムが作動するから、無理でしょ。」
メドーの言葉に、マイはそう応える。しかし、メドーもゆずらない。
「あんた達、ステルス干渉も無効化したんでしょ?
脱出用システムくらい、無効化出来るでしょ!」
「そんな無茶苦茶な。そんな事出来るの?アイ。」
マイも、アイに問い合わせてみる。
「それに対する答えは、持ち合わせていません。」
「え、どゆ事?」
マイは、アイの言ってる意味が分からない。
「可能だけど、倫理的にやっちゃダメって事でしょ。」
マインが補足説明をしてくれた。
「早く殺してよ。うわーん。」
メドーは泣きだした。
「どうしよっか、これ。」
マイも、最早戦う気は失せている。
「放っておくのが、一番でしょうね。」
マインもレーザーの出力調整をやめる。
「殺してよ、ねえ、なんで殺してくれないの、うわーん。」
メドーは相変わらず泣きじゃくる。
「帰りましょう、マイ。」
マインは機体を後方へ動かす。だが、メドーの機体に食い込んだままだ。
「ねえ、放っておいたら、どうなるのかな?」
マイは、機体を引き抜こうと悪戦苦闘するマインに、聞いてみる。
「そんなの、レドリアのお迎えさんが、回収しに来るだけでしょ。」
「いやー!帰りたくない!お姉さま達に会いたくない!」
マインの応えに、メドーは叫びだす。
「ああ、もう、うるっさいわね。あんたの事なんか、こっちには関係ないの!」
マインも思わず叫び返す。
「ぐすん、ぐすん、殺して下さい。今ここで、殺して下さい。」
メドーは音量こそ小さくなるが、言ってる内容は変わらない。
マイは、少しかわいそうに感じる。
「ねえマイン、連れて帰っちゃだめかな。」
「ダメでしょ!」
マインは即座に返す。
「また難癖つけてくるだけでしょ。」
「でも、なんかかわいそうじゃん。」
「それは関係ないでしょ。これはメドー達の問題よ。私達には関係ないわ。」
マイとマインの議論は、平行線のままだ。
「お願いします。殺してくれないなら、助けて下さい。」
メドーは、おしころした声を、なんとかしぼりだす。
「やっぱりかわいそうだよ、なんとかならない?アイ。」
マイは今度はアイに、聞いてみる。
「はあ、仕方ないですね。ちょっとジョーと相談してきます。通信、切りますよ。」
戦闘中のサポートAIは、基地内の専用のカプセル内から通信している。
このカプセルから出るには、その通信状態を切らなければならない。
「いや、それなら私が聞いてこよう。」
横からマインのサポートAIのミサが声かける。
「お前達は、なるべく繋がっているべきだ。この前の件もあるからな。」
ミサはアイの代わりに通信を切り、ジョーに相談しに行った。
この時代に召喚されて、まだ日の浅いマイにとって、サポートAIのアイとの通信切断は、自殺行為に等しい。
先日も危うく、召喚が無効化させるとこだった。
ミサとジョーとの相談中、戦場のマインとマイは、特にやる事がない。
マインは機体のハッチを開けて、宇宙空間に出る。
マインの機体がメドーの機体に食い込んでいるため、これをどうにかする必要がある。
マインはソウルブレイドを取り出すと、メドーの機体に打ちつける。
ソウルブレイドと言えど、機体がばっさり切断出来る訳ではない。
どちらかと言うと、斧で木を伐るイメージだ。
つまり、何度も打ちつける。その衝撃は、メドーの機体に響く。
気落ちした今のメドーには、少し耐えがたいものだった。
両耳をふさいで、うつむいてちじこまって震えるメドー。
ふと、コックピットのハッチを誰かがノックしている事に気づく。
メドーが顔を上げると、マイと目があった。
と言ってもふたりとも、宇宙戦闘用のごっついヘルメットを装着してるため、お互いの顔は分からない。
コックピットのハッチをノックしていたマイは、メドーが気づいてくれると、今度は『ここを開けて』とジェスチャーを送る。
メドーはそれに気づいて、ハッチを開ける。
マイは、右手をメドーに伸ばす。
メドーはマイの右手をつかむ。
メドーの右手は、マイの右手よりも小さかった。
マイは掴んだメドーの右手を、思いっきり引っ張る。
メドーの身体が機体から引きずり出され、反動でメドーとマイの身体は宇宙空間に浮く。
そして、後方にあったマイの機体のコックピットに、すっぽり収まる。
メドーの身体は、マイよりひと回り小さかった。
マイの膝の上に座るには、収まりが良かった。
マイはハッチを閉める。
まだ震えが止まらないメドーの身体を、そっと抱きしめて、優しく声をかける。
「もう大丈夫だからね。」
「ほんとに、大丈夫なの?」
メドーの不安は、まだ拭いきれない。
「大丈夫だって。僕がついてるから。」
「そんな安請け合い、しないで下さい。」
そんなマイを、アイがたしなめる。
「まだどうなるか、決まっていません。無責任な発言は控えて下さい。」
「ひどいよ、アイ。アイには人の心がないの?」
「あなた、私がAIだって分かってて言ってるでしょ。」
「ばれた?でも、僕は絶対メドーを守るからね。」
マイはメドーを抱きしめる腕に力を入れる。
「あの、誰と話してるんですか?独り言じゃないみたいだけど。」
「え?」
サポートAIからの会話は、パートナーの脳内に直接語りかける。
チーム戦の時は、複数のサポートAIとの会話も同様に、脳内で可能になる。
だから、チーム外の人間には聞こえない。
「パートナーのサポートAIとだけど。」
そう応えるマイには、疑問が浮かぶ。なぜ、こんな事を聞いてくるのか?
「パートナーって、どこにいるの?」
メドーのその言葉にマイは確信する。
「あなたには、パートナーのサポートAIはいないのね。」
「サポート、なにそれ。」
「サポートAIってのはね、僕をサポートしてくれるAIの事だよ。」
マイはそのまんま説明する。アイは、その事は言うなと注意する。
「そっか、そのサポートがあったから、私は負けたのね。」
「うん、アイがいてくれなかったら、危なかったよ。」
そんな会話を続けていたら、マインから通信が入る。
「ジョーからの結果が出たわ。連れてこいだって。」
0
あなたにおすすめの小説
Re:コード・ブレイカー ~落ちこぼれと嘲られた少年、世界最強の異能で全てをねじ伏せる~
たまごころ
ファンタジー
高校生・篠宮レンは、異能が当然の時代に“無能”として蔑まれていた。
だがある日、封印された最古の力【再構築(Rewrite)】が覚醒。
世界の理(コード)を上書きする力を手に入れた彼は、かつて自分を見下した者たちに逆襲し、隠された古代組織と激突していく。
「最弱」から「神域」へ――現代異能バトル成り上がり譚が幕を開ける。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる