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惑星ファンタジー迷走編
第46話 かげろうの剣士の伝説
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
行方不明のケイを探しに惑星ドルフレアに降り立ったマイ達三人。
ここで、この作品のジャンルがファンタジーになってしまう事態に遭遇、なんとしてでも回避したかった。
でも、スペースオペラやオリジナル戦記も謳ってるので、別にいいかなとも思う。
そしてこの地で助けたローラス・ウル・ロトレンスに仕える執事、セバスの口から、千年前に起こった出来事が語られる。
その剣士は、雷鳴とともにやって来た。
当時のロトレンス家の当主、ローラン・ウル・ロトレンスは、魔族の一団に追い詰められていた。
この時代の惑星ドルフレアは、魔王が君臨していた。魔族が支配する世界である。
今のドルフレアは、魔族も人族もなく、平和に暮らしている。
ローランを狙って放たれた雷系マナが、ローランに当たる事なく、ローランの目前で爆発する。
その爆風の煙の中に、かの剣士は立っていた。
そのいでたちは、身体にぴっちりあった服装で、身体のラインがそのまま出ていた。
ショートカットの青い髪も、ぼさぼさに乱れていた。
体力を消耗しきった様子で、すぐにしゃがみ込んでしまった。
この剣士の出現に、ローランや魔族の一団は、何事が起きたのかと、面食らう。
剣士はローランと魔族の一団を見比べて、この場の状況を理解したらしい。
剣士は、二本の剣を、左右に広げる。
剣身が蒸発するように、大気と一体になって、辺り一面の大気がかげろうのようにうごめく。
かげろうは、剣士とローランの姿を幾重にも映し出す。
これが、かげろうおケイと呼ばれる由縁であるが、本人が何と名乗ったのかは、千年後の今の時代には伝わっていない。
剣士はローランをうながし、その場を離れる。
剣士の意識は朦朧として、ローランの肩を借りて歩くのが精一杯だった。
それでも剣士の剣は、大気に溶けて霧を発生させ続ける。
城塞都市ローレンスの屋敷にたどり着いた頃には、剣士は既に気を失っていた。
ローランもこの命の恩人を放っておく事は出来ず、屋敷で休ませる事にした。
剣士の服を着替えさせようとしたが、剣士の服の脱がし方が分からなかった。
身体と一体になってるとしか思えないその服で、剣士は四日四晩眠り続けた。
剣士はうなされ、ミイミイと、何度も誰かの名前を口にした。
このミイミイが誰なのか、かげろうおケイは語る事はなかった。
剣士は五日目の朝に目を覚ました。
ローランは助けてもらったお礼とともに、剣士に色々質問をする。
この時の内容は、今の時代に正確には伝わっていない。
その内容は、諸説あるのだ。
ローランの質問は、剣士がどこから来たのか、何をしに来たのか、そして剣士は何者なのか、この三つだと思われる。
その答えは、雲を掴むような物だった。
剣士がはぐらかしたのかもしれない。
剣士の言葉の意味を、理解出来なかったのかもしれない。
そんな剣士の言葉を、ローランは次の様に理解したと言う。
はるかな時空を越え、魔族の支配に苦しむドルフレアの民を、救いに来たのだと。
これを剣士が肯定したのか否定したのか、それは定かではない。
だが、剣士が魔王討伐に協力したのは、確かである。
剣士はマナのチカラを使ったのか、服装を瞬時に着替える事が出来た。
町娘の服装になったり、この国の兵士の鎧姿になったり。
最初に着ていた、ボディラインのくっきりした服は、二度と着る事はなかったと言う。
おケイは、剣技とマナの使い方を、ローランに教えた。
おケイもローランも、同じ水系マナの使い手だったため、相性が良かったのだ。
おケイの持っていた、柄だけの不思議な剣を、ローランも使いこなせる様になっていた。
かげろうおケイは、表立った事を嫌った。
ローランが魔王討伐のパーティ編成した時も、おケイはそれに加わらなかった。
まるで影の様に、ローランのパーティから一定の距離をとって、後に続いた。
ローラン達のピンチの時は、必ず助けに入った。それも、誰にも気づかれないように。
ローランのパーティ仲間にも、おケイの存在は知らなかった。
それ程おケイは、影に徹していた。
そしてローラン一行が魔王を討伐するのだが、その功績に、おケイの名が加わる事はなかった。
魔王を倒した勇者一行には、幻の五人目がいた。
これは当時から語られてはいたが、その真相を知る者は、ローランだけであった。
魔王討伐から程なく、おケイはこの地を離れる事にした。
おケイは、この地の三箇所に、封印を施したほこらを建てた。
その封印は、グレウス歴の250年まで、決して解いてはならない。
他にも幾つかの事柄を言い残し、おケイは去った。
封印を解く鍵になるかもしれないと、おケイは自分の剣を置いて行った。
おケイの存在自体は伏せられていたが、都市伝説的な創り物として、語り継がれていた。
長い間、子供達は勇者とかげろうの騎士の伝説の御伽話を聞かされて育った。
そして暦がグレウス歴になった時、今まで御伽話だと思われてた伝説が、真実味をました。
グレウス歴250年。
この年代表記は、物語によって違った。
新しい暦の、とか、千年後とか、あいまいな表現で伝わっていたが、歴史研究家などは、このグレウス歴こそ、おケイの予言した暦だと信じた。
そして、封印のほこらの特定が行われた。しかし、時のロトレンス家の当主は、おケイとの約束を守るため、この行為を厳しく取り締まった。
おケイの伝えた強力な水系マナは、ロトレンス家の秘術として伝わっていた事も大きかった。
そしておケイの物語が書かれた書物を、全て燃やした。
この行き過ぎた思想抑制は、民衆の批判をかった。
ロトレンス家は王族に連なる家柄だったが、この事件を境に、失脚する。
だが、魔王討伐した勇者の子孫として、最低限の地位は保たれた。
その甲斐もあって、グレウス歴50年を過ぎた頃には、おケイの物語、それが創作の御伽話だとしても、それを知る者は、ロトレンス家に連なる者だけになった。
そして今年が、グレウス歴250年である。
行方不明のケイを探しに惑星ドルフレアに降り立ったマイ達三人。
ここで、この作品のジャンルがファンタジーになってしまう事態に遭遇、なんとしてでも回避したかった。
でも、スペースオペラやオリジナル戦記も謳ってるので、別にいいかなとも思う。
そしてこの地で助けたローラス・ウル・ロトレンスに仕える執事、セバスの口から、千年前に起こった出来事が語られる。
その剣士は、雷鳴とともにやって来た。
当時のロトレンス家の当主、ローラン・ウル・ロトレンスは、魔族の一団に追い詰められていた。
この時代の惑星ドルフレアは、魔王が君臨していた。魔族が支配する世界である。
今のドルフレアは、魔族も人族もなく、平和に暮らしている。
ローランを狙って放たれた雷系マナが、ローランに当たる事なく、ローランの目前で爆発する。
その爆風の煙の中に、かの剣士は立っていた。
そのいでたちは、身体にぴっちりあった服装で、身体のラインがそのまま出ていた。
ショートカットの青い髪も、ぼさぼさに乱れていた。
体力を消耗しきった様子で、すぐにしゃがみ込んでしまった。
この剣士の出現に、ローランや魔族の一団は、何事が起きたのかと、面食らう。
剣士はローランと魔族の一団を見比べて、この場の状況を理解したらしい。
剣士は、二本の剣を、左右に広げる。
剣身が蒸発するように、大気と一体になって、辺り一面の大気がかげろうのようにうごめく。
かげろうは、剣士とローランの姿を幾重にも映し出す。
これが、かげろうおケイと呼ばれる由縁であるが、本人が何と名乗ったのかは、千年後の今の時代には伝わっていない。
剣士はローランをうながし、その場を離れる。
剣士の意識は朦朧として、ローランの肩を借りて歩くのが精一杯だった。
それでも剣士の剣は、大気に溶けて霧を発生させ続ける。
城塞都市ローレンスの屋敷にたどり着いた頃には、剣士は既に気を失っていた。
ローランもこの命の恩人を放っておく事は出来ず、屋敷で休ませる事にした。
剣士の服を着替えさせようとしたが、剣士の服の脱がし方が分からなかった。
身体と一体になってるとしか思えないその服で、剣士は四日四晩眠り続けた。
剣士はうなされ、ミイミイと、何度も誰かの名前を口にした。
このミイミイが誰なのか、かげろうおケイは語る事はなかった。
剣士は五日目の朝に目を覚ました。
ローランは助けてもらったお礼とともに、剣士に色々質問をする。
この時の内容は、今の時代に正確には伝わっていない。
その内容は、諸説あるのだ。
ローランの質問は、剣士がどこから来たのか、何をしに来たのか、そして剣士は何者なのか、この三つだと思われる。
その答えは、雲を掴むような物だった。
剣士がはぐらかしたのかもしれない。
剣士の言葉の意味を、理解出来なかったのかもしれない。
そんな剣士の言葉を、ローランは次の様に理解したと言う。
はるかな時空を越え、魔族の支配に苦しむドルフレアの民を、救いに来たのだと。
これを剣士が肯定したのか否定したのか、それは定かではない。
だが、剣士が魔王討伐に協力したのは、確かである。
剣士はマナのチカラを使ったのか、服装を瞬時に着替える事が出来た。
町娘の服装になったり、この国の兵士の鎧姿になったり。
最初に着ていた、ボディラインのくっきりした服は、二度と着る事はなかったと言う。
おケイは、剣技とマナの使い方を、ローランに教えた。
おケイもローランも、同じ水系マナの使い手だったため、相性が良かったのだ。
おケイの持っていた、柄だけの不思議な剣を、ローランも使いこなせる様になっていた。
かげろうおケイは、表立った事を嫌った。
ローランが魔王討伐のパーティ編成した時も、おケイはそれに加わらなかった。
まるで影の様に、ローランのパーティから一定の距離をとって、後に続いた。
ローラン達のピンチの時は、必ず助けに入った。それも、誰にも気づかれないように。
ローランのパーティ仲間にも、おケイの存在は知らなかった。
それ程おケイは、影に徹していた。
そしてローラン一行が魔王を討伐するのだが、その功績に、おケイの名が加わる事はなかった。
魔王を倒した勇者一行には、幻の五人目がいた。
これは当時から語られてはいたが、その真相を知る者は、ローランだけであった。
魔王討伐から程なく、おケイはこの地を離れる事にした。
おケイは、この地の三箇所に、封印を施したほこらを建てた。
その封印は、グレウス歴の250年まで、決して解いてはならない。
他にも幾つかの事柄を言い残し、おケイは去った。
封印を解く鍵になるかもしれないと、おケイは自分の剣を置いて行った。
おケイの存在自体は伏せられていたが、都市伝説的な創り物として、語り継がれていた。
長い間、子供達は勇者とかげろうの騎士の伝説の御伽話を聞かされて育った。
そして暦がグレウス歴になった時、今まで御伽話だと思われてた伝説が、真実味をました。
グレウス歴250年。
この年代表記は、物語によって違った。
新しい暦の、とか、千年後とか、あいまいな表現で伝わっていたが、歴史研究家などは、このグレウス歴こそ、おケイの予言した暦だと信じた。
そして、封印のほこらの特定が行われた。しかし、時のロトレンス家の当主は、おケイとの約束を守るため、この行為を厳しく取り締まった。
おケイの伝えた強力な水系マナは、ロトレンス家の秘術として伝わっていた事も大きかった。
そしておケイの物語が書かれた書物を、全て燃やした。
この行き過ぎた思想抑制は、民衆の批判をかった。
ロトレンス家は王族に連なる家柄だったが、この事件を境に、失脚する。
だが、魔王討伐した勇者の子孫として、最低限の地位は保たれた。
その甲斐もあって、グレウス歴50年を過ぎた頃には、おケイの物語、それが創作の御伽話だとしても、それを知る者は、ロトレンス家に連なる者だけになった。
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