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惑星ファンタジー迷走編
第68話 刻を超えたメッセージ
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
この時代に召喚されたマイは、行方不明のケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立った。
ケイは千年前にタイムスリップしていた。
ケイは千年前の時代から、三つの封印のほこらをマイ達に託す。
ケイと行動を共にした勇者ローランの子孫、ローラスと共に、マイはひとつ目のほこらの封印を解いた。
それは、二度も書き直すくらいの大変な作業だった。
「これ、何かしら。」
封印のほこらにあった、一枚の石版。
ほこらが崩れる前にローラスが取ったのだが、何が書いてあるのか、分からなかった。
浮遊スクーターをしまい、マイとメドーラ、ミイも石版を覗きこむ。
そこには文字が刻まれてるのだが、この星の文字ではない。
マイの知る文字でもない。
だが、この文字を刻んだのは、ケイだ。
だから、サポートAIであるアイの補助で、読む事が出来た。
「これは、マイお姉さまへのメッセージのようですね。」
ローラスから先に石版を受け取ったメドーラは、ひと通り目を通すと、石版をマイに渡す。
マイは、石版を読み上げる。
封印を解く必要が出来たから、遺しとく。
バッドメアカンパニーには、営業特課がある。
表立っては存在しないこの部署が、密輸にからんでる。
あとよろしく。
追伸
冷蔵庫に残したプリン、賞味期限切れる前に食べていいからね。
書いてある事は、これだけだった。
その内容は、パートナーのアイにも伝わる。
ここ惑星ドルフレアには、密輸調査のための調査員が派遣されている。
この情報はアイからジョーを通して、調査員に伝わるであろう。
ジョーとは、メカニックマンという肩書きだが、実質マイ達の司令官でもある。
マイが読み終えた石版を、ミイが手にする。
ミイは泣いた。
ケイが石版を刻む姿が、容易に想像出来たからだ。
最初の方の文字と最後の方の文字とでは、いわゆる上手さが違う。
最後の方は慣れてきたのだろう。
だが、最後の方は掘りがあまく、刻んだ文字が少しかすれていた。
最初のうちは、何度か投げ出した跡が、見てとれた。
刻み始めは力強く、次第に力が抜けていくと同時に、雑になっていく。
これを何度か繰り返した後、文字の形が整いだす。
今は消えてるが、おそらく下書きでもしだしたのだろう。
それでも、途中で投げ出した事が、刻み具合から伝わってくる。
「それにしても、なぜ石版なのかしら。」
ここでローラスは疑問に思う。
南の森のほこらには、音声データの入った宝珠があった。
それがこの荒野のほこらでは、石版でメッセージを遺す。
この意図は、何を意味するのか?
「あれは、貴重なものだからのう。」
悩むローラス達に、ナツキが加わる。
ケイを思い出し泣いてるミイの顔で、普通にナツキが喋りだす。
その姿は、どこか違和感があった、
だがマイ達は、あえてその事には触れないでおいた。
「貴重って、この星では当たり前なものではないの?」
マイはローラスに聞いてみる。
ローラスは首をふる。
「あのような物は、私も初めて見ましたわ。」
「じゃあ、あれはなんなの?」
ローラスの答えを聞いて、マイは改めてナツキに問いかける。
「あれか?あれは魔族が、おっと、これは言ってはいかん事じゃったわい。」
ナツキは何かを言いかけて、慌てて口をつぐむ。
ナツキは、魔族と口にした。
魔族の痕跡は、勇者ローランが全て消したと、ケイのメッセージにあった。
ナツキは知っている。
だが、それを問いただすべきではないと、マイ達は思った。
「それにしても、音声データを残すデバイスなら、色々ありますけれど。」
メドーラは、少し考えこむ。
音声データを残しても、それを再生する装置が必要になる。
それを込みすると、音声データではなく、文字データになる。
「なるほど、千年残すには、これしかないですね。」
メドーラはそう結論を出した。
紙に書いたところで、千年もつとは思えない。
マイ達は、次のほこらへ向かう事にした。
次のほこらは、山のほこらだと、ナツキはその方角を指さす。
距離は、馬車で一週間といった所だった。
だが、マイ達は徒歩である。
浮遊スクーターも二台あるが、この長距離の移動は想定していない。
しかも、ふたり乗りになるのだ。
ならば、近くの町で馬を調達しようとローラスは提案する。
マイもその案に賛成するのだが、メドーラは違った。
「飛んで行けばよろしいのでは。つめればふたり乗れますわ。」
マイ達の戦闘機なら、一瞬で着く。
元々宇宙での戦闘を想定した戦闘機だ。
地上の移動など、一瞬だ。
「ならば、我はマイと一緒に乗るー。」
ナツキはそう言うと、マイに抱きつく。
「離れなさい。」
メドーラはそんなナツキを引きはがす。
「マイお姉さまに懐いているって設定、思い出したように出さなくていいですからね。」
メドーラは笑顔を引きつらせて、ナツキに言う。
「マイー、お主も我と一緒がいいよのう。」
ナツキはマイに助け船を求めるが、マイはすでに戦闘機をよんでいた。
その戦闘機に、ローラスが乗り込もうとしている!
「あら、あなたも急いだ方がよろしくてよ。」
「ま、待って!」
ナツキはローラスを止めようとするが、ナツキの腕はメドーラががっちり握ってる!
「さ、あなたはこちらですわ。」
メドーラも戦闘機をよんだ。
ナツキもメドーラの戦闘機に乗せられ、二機の戦闘機は、山のほこらを目指す。
この時代に召喚されたマイは、行方不明のケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立った。
ケイは千年前にタイムスリップしていた。
ケイは千年前の時代から、三つの封印のほこらをマイ達に託す。
ケイと行動を共にした勇者ローランの子孫、ローラスと共に、マイはひとつ目のほこらの封印を解いた。
それは、二度も書き直すくらいの大変な作業だった。
「これ、何かしら。」
封印のほこらにあった、一枚の石版。
ほこらが崩れる前にローラスが取ったのだが、何が書いてあるのか、分からなかった。
浮遊スクーターをしまい、マイとメドーラ、ミイも石版を覗きこむ。
そこには文字が刻まれてるのだが、この星の文字ではない。
マイの知る文字でもない。
だが、この文字を刻んだのは、ケイだ。
だから、サポートAIであるアイの補助で、読む事が出来た。
「これは、マイお姉さまへのメッセージのようですね。」
ローラスから先に石版を受け取ったメドーラは、ひと通り目を通すと、石版をマイに渡す。
マイは、石版を読み上げる。
封印を解く必要が出来たから、遺しとく。
バッドメアカンパニーには、営業特課がある。
表立っては存在しないこの部署が、密輸にからんでる。
あとよろしく。
追伸
冷蔵庫に残したプリン、賞味期限切れる前に食べていいからね。
書いてある事は、これだけだった。
その内容は、パートナーのアイにも伝わる。
ここ惑星ドルフレアには、密輸調査のための調査員が派遣されている。
この情報はアイからジョーを通して、調査員に伝わるであろう。
ジョーとは、メカニックマンという肩書きだが、実質マイ達の司令官でもある。
マイが読み終えた石版を、ミイが手にする。
ミイは泣いた。
ケイが石版を刻む姿が、容易に想像出来たからだ。
最初の方の文字と最後の方の文字とでは、いわゆる上手さが違う。
最後の方は慣れてきたのだろう。
だが、最後の方は掘りがあまく、刻んだ文字が少しかすれていた。
最初のうちは、何度か投げ出した跡が、見てとれた。
刻み始めは力強く、次第に力が抜けていくと同時に、雑になっていく。
これを何度か繰り返した後、文字の形が整いだす。
今は消えてるが、おそらく下書きでもしだしたのだろう。
それでも、途中で投げ出した事が、刻み具合から伝わってくる。
「それにしても、なぜ石版なのかしら。」
ここでローラスは疑問に思う。
南の森のほこらには、音声データの入った宝珠があった。
それがこの荒野のほこらでは、石版でメッセージを遺す。
この意図は、何を意味するのか?
「あれは、貴重なものだからのう。」
悩むローラス達に、ナツキが加わる。
ケイを思い出し泣いてるミイの顔で、普通にナツキが喋りだす。
その姿は、どこか違和感があった、
だがマイ達は、あえてその事には触れないでおいた。
「貴重って、この星では当たり前なものではないの?」
マイはローラスに聞いてみる。
ローラスは首をふる。
「あのような物は、私も初めて見ましたわ。」
「じゃあ、あれはなんなの?」
ローラスの答えを聞いて、マイは改めてナツキに問いかける。
「あれか?あれは魔族が、おっと、これは言ってはいかん事じゃったわい。」
ナツキは何かを言いかけて、慌てて口をつぐむ。
ナツキは、魔族と口にした。
魔族の痕跡は、勇者ローランが全て消したと、ケイのメッセージにあった。
ナツキは知っている。
だが、それを問いただすべきではないと、マイ達は思った。
「それにしても、音声データを残すデバイスなら、色々ありますけれど。」
メドーラは、少し考えこむ。
音声データを残しても、それを再生する装置が必要になる。
それを込みすると、音声データではなく、文字データになる。
「なるほど、千年残すには、これしかないですね。」
メドーラはそう結論を出した。
紙に書いたところで、千年もつとは思えない。
マイ達は、次のほこらへ向かう事にした。
次のほこらは、山のほこらだと、ナツキはその方角を指さす。
距離は、馬車で一週間といった所だった。
だが、マイ達は徒歩である。
浮遊スクーターも二台あるが、この長距離の移動は想定していない。
しかも、ふたり乗りになるのだ。
ならば、近くの町で馬を調達しようとローラスは提案する。
マイもその案に賛成するのだが、メドーラは違った。
「飛んで行けばよろしいのでは。つめればふたり乗れますわ。」
マイ達の戦闘機なら、一瞬で着く。
元々宇宙での戦闘を想定した戦闘機だ。
地上の移動など、一瞬だ。
「ならば、我はマイと一緒に乗るー。」
ナツキはそう言うと、マイに抱きつく。
「離れなさい。」
メドーラはそんなナツキを引きはがす。
「マイお姉さまに懐いているって設定、思い出したように出さなくていいですからね。」
メドーラは笑顔を引きつらせて、ナツキに言う。
「マイー、お主も我と一緒がいいよのう。」
ナツキはマイに助け船を求めるが、マイはすでに戦闘機をよんでいた。
その戦闘機に、ローラスが乗り込もうとしている!
「あら、あなたも急いだ方がよろしくてよ。」
「ま、待って!」
ナツキはローラスを止めようとするが、ナツキの腕はメドーラががっちり握ってる!
「さ、あなたはこちらですわ。」
メドーラも戦闘機をよんだ。
ナツキもメドーラの戦闘機に乗せられ、二機の戦闘機は、山のほこらを目指す。
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