未来世界に戦争する為に召喚されました

あさぼらけex

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異次元からの侵略者

第85話 六種の武器で挑む

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 これは西暦9980年のはるか未来のお話。
 北部戦線での激戦は、激しかった。
 未知の侵略者相手に、凄腕で名を馳せたマインとリムも、再起不能に陥ってしまう。
 別の任務についていた、マイとメドーラとユアの三人にも、北部戦線への参戦の命令がくだる。
 ユアは、剣戟戦に特化した召喚者で、戦闘機による戦闘は、得意ではなかった。
 その弱点を克服するため、ユアの機体は人型に変形出来るように改造された。
 これによって、ユアも宇宙戦で大活躍出来る。
 ちなみに、マイの機体はこの改造は出来ない。
 改造が可能なのは、ある程度の自由度を想定した、シリウスガンマシリーズのみだった。
 シリウス構想として、初めからあらゆる可能性を詰め込んだマイの機体、シリウスアルファーワンには、すでに改造の余地はなかった。


「ドルフレアでメドーラが変形させてたのを見てね、私もこれだ、って思ったのよ。」
 ユアは機体を改造したいきさつを説明する。
 そう、初めに戦闘機を人型に変形させたのは、メドーラだった。
 地上戦において、その場で留まる戦闘には、人型はうってつけだ。
 戦闘機のままだと、地上の相手の頭上を飛び去ってしまう。

 つまり、宇宙戦において、人型になる必然性は、あるのだろうか?
 メドーラは疑問に思ったが、ユアの説明の続きを聞く事にした。

「武器もね、立体映像で作れるんだよ。その場に応じて、切り替えるの。
 まずは、円盾。」
 ユアの人型機体は、上半身が隠れるほどの、円形の盾を持っている。
 それをマイの機体目がけて投げつける。
 円盾の中心には鎖がついていて、その端をユアの人型機体が握っている。
 ユアの人型機体が鎖をクイっと引くと、マイへと飛んでた円盾は、ユアの元に戻っていく。
 戻ってきた円盾を、ユアは機体の頭上で振り回してみせる。
 この円盾は、シールド、ソーサー、ヨーヨー、好きな呼び名で呼んでほしい。

「次は、トンファー!」
 円盾の立体映像が消えると、ユアの人型機体は両手にトンファーを握る。ユアの人型機体は、その場でトンファーを振り回してみせる。

「次は、双節棍!」
 トンファーが双節棍、いわゆるツインロッドに姿を変える。
 ユアの機体は、これまた双節棍を振り回す。
 思わずあちょーって言いたくなる。
 ユアは双節棍の一節を右手に持ち、もう一節を右の脇にはさむ。
 そして左腕を前方に伸ばし、ポーズを決める。

「次は槍!」
 右手の双節棍が、今度は槍、つまりスピアーに変わる。
 ユアは頭上で槍を振り回すと、前方に多段突き。
 槍を上段に構えると、一気に振り下ろす。
 そこから一歩前に出ると同時に、槍を中段に振り上げる。

「次は三節棍!」
 槍は三節棍、いわゆるトリプルロッドに姿を変える。
 これまたユアは三節棍を振り回し、ポーズを決める。
 これを書いてるヤツに、三節棍の知識はほとんど無い。
 これくらいの描写で勘弁してくれ。
 これがアニメ化したら、かっこよく仕上げてくれるだろう。

「そして、最後は剣!」
 三節棍は剣に姿を変える。そう、これがソードだ。
 その刀身は、燃えていた。
 いわば、炎の剣だ。

「これって、マナを使ってるの?」
 炎の剣に、マイは見覚えあった。
 惑星ドルフレアで見た、ユアが使った炎の剣だ。
 しかし、マナとは、惑星ドルフレアに存在した集合意思イデの一部。
 つまり、惑星ドルフレア以外では使えない。

「違うよ、これは単なるイメージ。いわゆるエフェクトってヤツだよ。」
 ユアの人型機体が剣を振るうと、剣の軌跡に炎が走る。
「これ、かっこいいもんね。私も気に入っちゃった。」
 さらに剣を振るうユア。
 そのユアの振るう型に、マイも見覚えあった。
「それ、ケイの八極陣ね。」
「その通りよ。これ、そのままでは実戦には使えないけれど、これを元に発展させれば、凄い奥義になるのよね。」

 ユアはドルフレアから帰還した後、ライブツアーの合間に八極陣を試してみた。
 それは、武術の基本的な動作を押さえたモノだった。
 このような発想をしたケイと、一度じっくり話してみたかったと、ユアは思った。
 だが、ケイはこの時代にはいない。
 ケイをよく知るサポートAIのミイも、すでにこの次元空間を離れている。

「中断はここまで。続きいくわよ!」
 自分の機体の説明を終えたユアは、剣をマシンガンに変えて、マイの機体に迫る。
「く、今度は確実に!」
 マイはユアの足元を抜けるように、機体を下降させる。
 同時に、三機の伴機の立体映像を投影させる。
 伴機の三機と自機とで、ユアの機体を囲む。
 前回の話しではユアに破られたが、今度は違う。
 マイも攻撃に集中する事で、前回みたいな単調な攻撃にはならない。

 だが、ユアはマイの攻撃を巧みにかわす。
 マイが攻撃のパターンを変えようとも、それは全て見切られている。
 ユアはマイが気づかぬうちに、マイの前方に高速移動。
 そして、マイの機体めがけて剣を振り下ろす!

 ガキーン!

「この勝負、ユアお姉さまの勝ちですわ!」
 メドーラも戦闘機を人型に変形させると、剣を取り出して、ユアの剣を受け止める。
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