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異次元からの侵略者
第91話 甦れ!期待の超新星
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
この時代に召喚されたマイは、巨大戦艦との戦闘に際して、禁断の秘技を使ってしまう。
マイは知らなかったのだ。
それが禁断の力である事を。
マイは知らなかったのだ。
自らの乗る機体に秘められた秘密を。
マイは黄泉の扉から生還する事が出来たが、ここで話しは前後する。
ぶっちゃけこんな手法を使って、どうなるか分からない。
すでに前話まで投稿済みなので、今さら変える事も出来ない。
やはりストックは、10話分は欲しい。
宇宙ステーションに、メドーラの戦闘機が突っ込んでくる。
メドーラの膝の上には、仮死状態のマイが座っている。
「メドーラ、スピードの出し過ぎです!」
メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウが叫ぶ。
「分かってます!でも今はマイお姉さまの命がかかってます。
アイツウ、マイお姉さまを助ける手立ては、お願いしますわよ!」
「分かってます!でも今は、あなたの機体制御の方が先です!」
メドーラは宇宙ステーションが近づくと、光速ブースターを逆噴射。
同時にフルブレーキング!
光速ブースターは逆方向に急激にかかる強烈な圧力をうけ、ぶっ壊れてしまう。
と言ってもこの光速ブースターは、立体映像を投影したものである。
投影した立体映像が消えただけ、とも言える。
宇宙ステーションの指定された滑走路に飛び込むと、戦闘機を人型に変形させ、エンジンを止める。
マイを抱きかかえて、コックピットから飛び降りる。
人型になった機体は、派手にすっころぶ。
機体はかなり損傷したが、戦闘機のまま突っ込むよりは、マシだろう。
メドーラはマイを抱きかかえたまま、メディカルルームへと走る。
メディカルルームでは、アイとアイツウとジョーが待っていた。
「マイー。」
アイが駆け寄ってくるが、ジョーが制する。
「マイお姉さまを、お願いします。」
メドーラはマイを、ジョーに引き渡す。
「おう、任せとけ。」
ジョーの言葉に、メドーラの緊張の糸がきれる。
ここまで無理してマイを運んできた疲労も重なり、メドーラは倒れてしまった。
マイの身体は、召喚者専用の観測装置にかけられる。
その結果、マイの魂はかろうじて、このアバター内に留まっている事がわかった。
そしてアバターの損傷もないので、マインのように巨大なメスシリンダーのようなカプセルに入れられる事もなかった。
ただ、安静にしてベッドで寝ているだけでよかった。
ここからマイの魂が戻るかは、マイ本人次第だった。
ユアがマイの機体をけん引して、宇宙ステーションに帰ってきた。
マイの機体はメドーラがコックピットを壊してくれたため、ワープして運ぶ事が出来なかった。
ユアが指定の滑走路に着くと、ジョーがメドーラの機体の修理をしていた。
膝くらいの高さの、円柱形のロボットが十台くらい、メドーラの機体に取り付いている。
「ジョー、マイは無事なの?」
戦闘機を飛び降りて、ユアはジョーに駆け寄る。
「おう、身体はなんともないぞ。」
「良かった。」
ユアはジョーの言葉に、安堵する。
「ただ、意識が戻るかは、マイ次第だけどな。」
「って、全然良くないじゃん!」
ユアはメディカルルームへと駆け出した。
ユアがメディカルルームに入ると、マイとメドーラがベッドに寝ていた。
寝ているマイの手を、アイが握っている。
「え?なんでメドーラまで?」
ユアはメドーラがベッドに寝ている事に驚く。
「マイを運ぶのに、無理しすぎたからな。
ちょっと疲れて眠ってるだけだ。」
ユアは声のした方を振り返る。
そこには、ミサがいた。
ミサは腕組みして壁によりかかっている。
ミサのパートナーのマインは、どでかいメスシリンダーみたいなカプセルの中で、まだ意識を回復しない。
ユアはメドーラが重症ってわけでもないので、安堵するのだが、ミサの手前、素直に喜んでいいのか分からなかった。
「ユアお姉さま?」
ユアが近づくと、メドーラは目を覚ました。
「良かった。あなたまで倒れるなんて、びっくりさせないでよ。」
ユアは瞳にたまった涙をぬぐい、にこりと笑う。
「マイお姉さまは、無事なの?」
メドーラはつぶやくようにユアに尋ねる。
メドーラはユアの表情から、マイお姉さまはそんなに重い病状ではないと思った。
「うん。」
ユアはそう言って、マイの方に視線を向ける。
メドーラもユアに続いて視線を向けると、マイは穏やかな表情で寝ていた。
マイの右手を、アイが握ってる。
アイはうつむいて、マイの名を繰り返し呼んでいる。
「意識が戻るかは、マイ次第なんだって。」
「そう。」
ユアは、先ほどジョーから聞かされた事を、メドーラに告げる。
メドーラはマイの表情を見ていると、どこか安心する。
このまま意識は戻らないかもしれないのに。
「マイお姉さまなら、きっと大丈夫ですわ。」
「私もそう思うわ。なぜなんだろうね。」
ユアもメドーラと、同じ気持ちだ。
マイなら大丈夫。
マイの穏やか寝顔を見ていると、なぜかそう思えてしまう。
メドーラがベッドから降りると同時に、メディカルルームの扉が開く。
ユウが入ってきた。
ユウはユアとメドーラの姿を確認すると、ふたりに告げる。
「ふたりとも、次の任務が決まった。機体の整備が終わり次第、出発してもらう。」
「そんな。少し急すぎはしませんか?」
メドーラは思わず反論する。
ユアはメドーラの肩に手を置くと、首をふる。
「ごめんね、メドーラ。今回の特訓は、私のわがままだったんだ。
だからあの特訓中だったとしても、任務が優先されるんだよ。」
「ですが、マイお姉さまがこの様な状態の時に、任務だなんて。」
メドーラも任務が優先される事は、分かっている。
でも、マイお姉さまがこんな状態な時に、間髪おかずに任務が入る事には、どこか納得いかなかった。
「マイをこんな目にあわせたあの戦艦だが、北部戦線で撃沈された、レドリアの最新鋭戦艦を改造したものだと分かった。」
ユウは戸惑うふたりに対して、感情を押し殺して、伝えるべき事を、ただ淡々と告げる。
「他にも、北部戦線での撃沈艦が、敵の手に渡る可能性が高い。
既に手遅れかもしれないが、現地調査をしてほしい。」
ユウのパートナーであるユアには、ユウが無理してるのが分かる。
「分かったよ、ユウ。行こう、メドーラ。」
「ああ、急いでくれ。アイツウも今は機体の整備にあたってる。
私も用事を済ませたら、整備に向かう。」
あくまでも事務的に、要件を告げるユウ。
そんなユウを、メドーラは思わずにらむ。
ユアは、そんなメドーラの手を握ると、メディカルルームの出口へ向かう。
「ごめん、メドーラ。ユウもつらいって事を、分かってほしい。」
そうメドーラに告げるユアの瞳には、涙が見える。
ユアには、パートナーのユウの気持ちが分かる。
そして、ユウの言う用事がなんであるかも。
ユアも、もう少しマイのそばに居たい気持ちをおさえ、任務へと向かう。
メドーラもユアの涙に、色々悟るものがあった。
ふたりがメディカルルームを去ると、ユウはアイに近寄る。
「アイ、さっきは言い過ぎた。ごめん、私が悪かった。」
アイはマイの手を握り、マイの名を呼び続けている。
「今までも、おまえを冷血なヤツだと誤解してた。ごめん。」
アイは相変わらず、マイの名を呼び続けている。
「後にしてください。」
アイはマイへの呼びかけをやめて、ユウに話しかける。
アイの視線は、マイに向けられたままだ。
「ユウ、あなたは正しかった。何も間違えてはいません。
ですが、今はマイとふたりにしてください。
私に対して、申し訳ない気持ちがあるのなら。」
アイの身体は、小刻みに震えている。
ふたりの邪魔をされたくはないが、今のユウを無下には出来ない。
ユウも、アイのそんな気持ちが、見てとれた。
「悪かったよ、アイ。後で改めて謝罪させてくれ。今はこれで、すまない。」
ユウはアイに対して頭を下げると、出口へ向かい歩き出す。
壁に寄りかかるミサと、目があった。
ミサは眼を閉じると、ゆっくりとうつむく。
「ミサ、おまえは知ってたんだな。」
ユウはミサの横で立ち止まると、小声で話しかける。
「知ってた?何をだ。」
ミサはゆっくりと眼を開けると、うつむいたまま問い返す。
「アイの事だよ。いや、全てだ!」
ユウはアイの邪魔にならぬよう、小声でだが、ミサに対してはっきりと言いつける。
「まあな。だが、全ては知らん。私が知ってるのは、アイの事だけだ。」
そう言うミサだが、ミサ自身の言葉に疑問を感じた。
「いや、知ってるつもりなだけで、本当は何も知らないのかもしれない。」
ユウは、召喚されるユアにあわせて作られた。
だが、アイとミサは、召喚者よりも先に作られている。
それは、シリウス構想が関係している。
「シリウス構想とは、一体なんなのだ。」
アイとミサ、そのふたりと他のサポートAIとを分けるのは、やはりシリウス構想だと、ユウは思い至る。
ユウはシリウス構想の全貌を知らない。
「それは、私達も知らない。」
ミサはそう告げると、アイに視線を向ける。
「いや、知らないのは、私だけかもな。」
ユウはミサの視線を追う。
その先にアイを見つけるのだが、ぐしゃぐしゃした感情がこみ上げてくる。
「ち、何がおまえは正しかっただよ。やっぱりあいつは、気にくわん。」
ユウはそうはき捨てると、メディカルルームを後にした。
「ふ、サポートAI同士でも、相性ってもんは、あるよな。」
ひとりつぶやくミサの表情は、少しニヤついていた。
この時代に召喚されたマイは、巨大戦艦との戦闘に際して、禁断の秘技を使ってしまう。
マイは知らなかったのだ。
それが禁断の力である事を。
マイは知らなかったのだ。
自らの乗る機体に秘められた秘密を。
マイは黄泉の扉から生還する事が出来たが、ここで話しは前後する。
ぶっちゃけこんな手法を使って、どうなるか分からない。
すでに前話まで投稿済みなので、今さら変える事も出来ない。
やはりストックは、10話分は欲しい。
宇宙ステーションに、メドーラの戦闘機が突っ込んでくる。
メドーラの膝の上には、仮死状態のマイが座っている。
「メドーラ、スピードの出し過ぎです!」
メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウが叫ぶ。
「分かってます!でも今はマイお姉さまの命がかかってます。
アイツウ、マイお姉さまを助ける手立ては、お願いしますわよ!」
「分かってます!でも今は、あなたの機体制御の方が先です!」
メドーラは宇宙ステーションが近づくと、光速ブースターを逆噴射。
同時にフルブレーキング!
光速ブースターは逆方向に急激にかかる強烈な圧力をうけ、ぶっ壊れてしまう。
と言ってもこの光速ブースターは、立体映像を投影したものである。
投影した立体映像が消えただけ、とも言える。
宇宙ステーションの指定された滑走路に飛び込むと、戦闘機を人型に変形させ、エンジンを止める。
マイを抱きかかえて、コックピットから飛び降りる。
人型になった機体は、派手にすっころぶ。
機体はかなり損傷したが、戦闘機のまま突っ込むよりは、マシだろう。
メドーラはマイを抱きかかえたまま、メディカルルームへと走る。
メディカルルームでは、アイとアイツウとジョーが待っていた。
「マイー。」
アイが駆け寄ってくるが、ジョーが制する。
「マイお姉さまを、お願いします。」
メドーラはマイを、ジョーに引き渡す。
「おう、任せとけ。」
ジョーの言葉に、メドーラの緊張の糸がきれる。
ここまで無理してマイを運んできた疲労も重なり、メドーラは倒れてしまった。
マイの身体は、召喚者専用の観測装置にかけられる。
その結果、マイの魂はかろうじて、このアバター内に留まっている事がわかった。
そしてアバターの損傷もないので、マインのように巨大なメスシリンダーのようなカプセルに入れられる事もなかった。
ただ、安静にしてベッドで寝ているだけでよかった。
ここからマイの魂が戻るかは、マイ本人次第だった。
ユアがマイの機体をけん引して、宇宙ステーションに帰ってきた。
マイの機体はメドーラがコックピットを壊してくれたため、ワープして運ぶ事が出来なかった。
ユアが指定の滑走路に着くと、ジョーがメドーラの機体の修理をしていた。
膝くらいの高さの、円柱形のロボットが十台くらい、メドーラの機体に取り付いている。
「ジョー、マイは無事なの?」
戦闘機を飛び降りて、ユアはジョーに駆け寄る。
「おう、身体はなんともないぞ。」
「良かった。」
ユアはジョーの言葉に、安堵する。
「ただ、意識が戻るかは、マイ次第だけどな。」
「って、全然良くないじゃん!」
ユアはメディカルルームへと駆け出した。
ユアがメディカルルームに入ると、マイとメドーラがベッドに寝ていた。
寝ているマイの手を、アイが握っている。
「え?なんでメドーラまで?」
ユアはメドーラがベッドに寝ている事に驚く。
「マイを運ぶのに、無理しすぎたからな。
ちょっと疲れて眠ってるだけだ。」
ユアは声のした方を振り返る。
そこには、ミサがいた。
ミサは腕組みして壁によりかかっている。
ミサのパートナーのマインは、どでかいメスシリンダーみたいなカプセルの中で、まだ意識を回復しない。
ユアはメドーラが重症ってわけでもないので、安堵するのだが、ミサの手前、素直に喜んでいいのか分からなかった。
「ユアお姉さま?」
ユアが近づくと、メドーラは目を覚ました。
「良かった。あなたまで倒れるなんて、びっくりさせないでよ。」
ユアは瞳にたまった涙をぬぐい、にこりと笑う。
「マイお姉さまは、無事なの?」
メドーラはつぶやくようにユアに尋ねる。
メドーラはユアの表情から、マイお姉さまはそんなに重い病状ではないと思った。
「うん。」
ユアはそう言って、マイの方に視線を向ける。
メドーラもユアに続いて視線を向けると、マイは穏やかな表情で寝ていた。
マイの右手を、アイが握ってる。
アイはうつむいて、マイの名を繰り返し呼んでいる。
「意識が戻るかは、マイ次第なんだって。」
「そう。」
ユアは、先ほどジョーから聞かされた事を、メドーラに告げる。
メドーラはマイの表情を見ていると、どこか安心する。
このまま意識は戻らないかもしれないのに。
「マイお姉さまなら、きっと大丈夫ですわ。」
「私もそう思うわ。なぜなんだろうね。」
ユアもメドーラと、同じ気持ちだ。
マイなら大丈夫。
マイの穏やか寝顔を見ていると、なぜかそう思えてしまう。
メドーラがベッドから降りると同時に、メディカルルームの扉が開く。
ユウが入ってきた。
ユウはユアとメドーラの姿を確認すると、ふたりに告げる。
「ふたりとも、次の任務が決まった。機体の整備が終わり次第、出発してもらう。」
「そんな。少し急すぎはしませんか?」
メドーラは思わず反論する。
ユアはメドーラの肩に手を置くと、首をふる。
「ごめんね、メドーラ。今回の特訓は、私のわがままだったんだ。
だからあの特訓中だったとしても、任務が優先されるんだよ。」
「ですが、マイお姉さまがこの様な状態の時に、任務だなんて。」
メドーラも任務が優先される事は、分かっている。
でも、マイお姉さまがこんな状態な時に、間髪おかずに任務が入る事には、どこか納得いかなかった。
「マイをこんな目にあわせたあの戦艦だが、北部戦線で撃沈された、レドリアの最新鋭戦艦を改造したものだと分かった。」
ユウは戸惑うふたりに対して、感情を押し殺して、伝えるべき事を、ただ淡々と告げる。
「他にも、北部戦線での撃沈艦が、敵の手に渡る可能性が高い。
既に手遅れかもしれないが、現地調査をしてほしい。」
ユウのパートナーであるユアには、ユウが無理してるのが分かる。
「分かったよ、ユウ。行こう、メドーラ。」
「ああ、急いでくれ。アイツウも今は機体の整備にあたってる。
私も用事を済ませたら、整備に向かう。」
あくまでも事務的に、要件を告げるユウ。
そんなユウを、メドーラは思わずにらむ。
ユアは、そんなメドーラの手を握ると、メディカルルームの出口へ向かう。
「ごめん、メドーラ。ユウもつらいって事を、分かってほしい。」
そうメドーラに告げるユアの瞳には、涙が見える。
ユアには、パートナーのユウの気持ちが分かる。
そして、ユウの言う用事がなんであるかも。
ユアも、もう少しマイのそばに居たい気持ちをおさえ、任務へと向かう。
メドーラもユアの涙に、色々悟るものがあった。
ふたりがメディカルルームを去ると、ユウはアイに近寄る。
「アイ、さっきは言い過ぎた。ごめん、私が悪かった。」
アイはマイの手を握り、マイの名を呼び続けている。
「今までも、おまえを冷血なヤツだと誤解してた。ごめん。」
アイは相変わらず、マイの名を呼び続けている。
「後にしてください。」
アイはマイへの呼びかけをやめて、ユウに話しかける。
アイの視線は、マイに向けられたままだ。
「ユウ、あなたは正しかった。何も間違えてはいません。
ですが、今はマイとふたりにしてください。
私に対して、申し訳ない気持ちがあるのなら。」
アイの身体は、小刻みに震えている。
ふたりの邪魔をされたくはないが、今のユウを無下には出来ない。
ユウも、アイのそんな気持ちが、見てとれた。
「悪かったよ、アイ。後で改めて謝罪させてくれ。今はこれで、すまない。」
ユウはアイに対して頭を下げると、出口へ向かい歩き出す。
壁に寄りかかるミサと、目があった。
ミサは眼を閉じると、ゆっくりとうつむく。
「ミサ、おまえは知ってたんだな。」
ユウはミサの横で立ち止まると、小声で話しかける。
「知ってた?何をだ。」
ミサはゆっくりと眼を開けると、うつむいたまま問い返す。
「アイの事だよ。いや、全てだ!」
ユウはアイの邪魔にならぬよう、小声でだが、ミサに対してはっきりと言いつける。
「まあな。だが、全ては知らん。私が知ってるのは、アイの事だけだ。」
そう言うミサだが、ミサ自身の言葉に疑問を感じた。
「いや、知ってるつもりなだけで、本当は何も知らないのかもしれない。」
ユウは、召喚されるユアにあわせて作られた。
だが、アイとミサは、召喚者よりも先に作られている。
それは、シリウス構想が関係している。
「シリウス構想とは、一体なんなのだ。」
アイとミサ、そのふたりと他のサポートAIとを分けるのは、やはりシリウス構想だと、ユウは思い至る。
ユウはシリウス構想の全貌を知らない。
「それは、私達も知らない。」
ミサはそう告げると、アイに視線を向ける。
「いや、知らないのは、私だけかもな。」
ユウはミサの視線を追う。
その先にアイを見つけるのだが、ぐしゃぐしゃした感情がこみ上げてくる。
「ち、何がおまえは正しかっただよ。やっぱりあいつは、気にくわん。」
ユウはそうはき捨てると、メディカルルームを後にした。
「ふ、サポートAI同士でも、相性ってもんは、あるよな。」
ひとりつぶやくミサの表情は、少しニヤついていた。
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