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異次元からの侵略者
第93話 再会?の侵略者?
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
人類が宇宙に飛び出して、争いを繰り返してたこの時代、脱出用ポッドの登場で、誰も死なない戦争が可能になった。
だがその死なない戦士の条件として、魂の波長が合う事が必要だった。
そんな魂の波長の合う人物が、過去の時代から召喚される。
彼ら召喚者の登場により、戦争もいつしかゲーム感覚になっていた。
だが、北部戦線に現れた謎の侵略者の襲撃は、そんな現状を打ち砕く。
脱出用ポッドの発動には、コンマ数秒の時間が必要になる。
だが、瞬時に殺される状況では、脱出用ポッドの発動は期待出来ない。
さらにいえば、脱出用ポッドは超空間を移動するワープシステムとも言えるのだが、その超空間に細工をされたら、期待する効果は得られない。
そんな危険な北部戦線。
偵察に来たユアとメドーラは、そこで怪しい人物を発見する。
ふたりはこの人物と話しをするため、今は半壊して放棄された衛星基地ソゴムへと、この謎の人物とともに、移動する。
ソゴムは半壊してるとはいえ、基地としての機能は残っていた。
ただ、戦場のど真ん中だったため、みんな逃げ出しただけだった。
メドーラの機体が、ソゴムの中を進む。
半壊したソゴムへの侵入は容易であった。
問題は、人が生きられる空間があるかでる。
つまり、空気があって、ある程度重力のある空間。
ソゴムの外で見つけた謎の人物と話しをするため、そんな空間を探していた。
メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウは、メドーラの機体からのレーダーなりからの情報と、元々のソゴムの内部地図とを照らし合わせる。
アイツウは、格納庫から続く居住区域が、まだ無事らしいと分析する。
メドーラの機体に誘導され、ユアの機体が続く。
謎の人物を乗せた機体は、ふたりの機体の間を飛んでいる。
三機の機体が、ある区画に停まる。
ぷしゅー。
その区画内の気圧が上がり、空気が確保される。
謎の人物を乗せた立体映像の機体が消えると、謎の人物はスタッと床に着地する。
メドーラとユアも、機体を降りる。
メドーラはヘルメットを脱ぐ。
そして、謎の人物に話しかける。
「はじめまして。私はメドーラです。こちらは、ユアお姉さまです。」
紹介されたユアも、ヘルメットを脱ぐ。
メドーラは続ける。
「あなたのお名前を、お聞かせください。
私達は、戦場の調査に来ました。
あなたはここで、何をなさってたのですか?」
メドーラの問いかけに、謎の人物もヘルメットを脱ぐ。
その素顔に、メドーラとユアは驚く。
その素顔は、ケイそっくりだった。
というより、ケイ本人にしか見えなかった。
鉱物資源の密輸の調査中、行方不明になった、あのケイである。
「ケイ?本当にケイなの?」
ケイの姿に、ユアは再会の喜びの感情がわきあがってくる。
ケイとおぼしき人物は、ニコりと微笑む。
「ケイ、無事だったんだね。」
ユアはケイに駆け寄ろうとするが、その動きをメドーラが制する。
「お待ちください、ユアお姉さま。」
メドーラはユアの腕を掴む。
「ケイお姉さまであるはずが、ございません。
あなたは誰ですか!
なぜその姿で、私達の前に現れるのですか!」
メドーラは、ケイとおぼしき人物をにらむ。
ケイであるはずがない。
ケイは千年前の時代に、かの神武七龍神のひとり、ブルードラゴンと一体化してしまった。
そう、今の時代、ケイの姿はどこにもないのだ。
その今はいないはずのケイの姿で、今メドーラの目の前に現れる。
メドーラは怒りを覚える。
「待ってよ、メドーラ。
あれはやっぱりケイだよ。」
ユアは、惑星ドルフレアでのケイ捜索任務の顛末を知らない。
ユアはその任務には、最初しか参加していない。
千年前のケイからの伝言で、三つの封印のほこらを巡ったのだが、ユアはそのひとつ目のほこらの封印を解く前に、任務を離れた。
ユアは、ほこらの封印を全部解けば、ケイは戻ってくると思ってた。
しかし、実際には戻ってこなかった。
「ケイはきっと、自力で戻ってきたんだよ。
そうでしょ、ケイ。おかえりなさい。」
ケイに話しかけるユアの声も、最後は涙声になる。
ユアの言葉に、ケイはにっこり微笑む。
「あの、どこか人をバカにした様な笑顔。
確かにケイお姉さまのものですわ。」
メドーラもユアにつられて、ケイではないかと思い始める。
「ケイお姉さまだとしたら、ブルードラゴンと分離したのですか?」
これに納得いく答えが返ってくるのなら、目の前の人物を、メドーラもケイだと確信するだろう。
だが、ケイはメドーラの言葉にも、にっこり微笑むだけだった。
「ケイお姉さま、答えてください!」
メドーラは、何も話さないケイに、少しじれてくる。
「言語解析終了。翻訳機能作動。」
ケイは小声でそうつぶやいた。
この声は、メドーラもユアも、聞き取れない。
ふたりのパートナーであるサポートAIのふたりも、感知出来なかった。
「ごめんね、メドーラ。なんて説明したらいいのか、考えがまとまらなかったんだよ。」
ケイはやっと口を開く。
その言葉に、メドーラは少し安堵する。
「本当に、ケイお姉さまなのですね。」
「メドーラ、私の顔を忘れちゃったの?
なんか、色々心配させちゃって、ごめんね。」
ケイは照れ笑いを浮かべる。
「いえ、私より、ユアお姉さまの方が心配してましてよ。」
メドーラはユアに視線を向ける。
「ユアお姉さま?」
メドーラがユアに視線を向けると、ユアは顔面蒼白だった。
「違う、こいつはケイじゃない。」
ユアはぼそりとつぶやく。
「ユアお姉さま?なぜその様な事をおっしゃるのですか?」
メドーラは、ユアがケイだと信じるから、その気になってきたの
だ。
それなのに、ユアは今度は否定する。
どこか納得いかない気持ちと、やっぱりかという気持ちが交差する。
「ケイは、メドーラと会っていない。
なんでメドーラを知ってるの?」
「ユアお姉さま、それはどういう意味です?」
ユアの言葉に、メドーラも疑問を持つ。
「メドーラ、あなたはメドーラとしてケイと会った事があるの?」
ユアのその言葉に、メドーラはハッとする。
メドーラは、ゴンゴル三姉妹のメドーとしてしか、ケイと会っていない。
メドーは幼女の姿だった。
アバターを成長させてメドーラになった。
だがこの時、ケイは星間パトロールの任務についていた。
そのまま行方不明になったケイ。
つまりケイは、メドーラを知らない!
人類が宇宙に飛び出して、争いを繰り返してたこの時代、脱出用ポッドの登場で、誰も死なない戦争が可能になった。
だがその死なない戦士の条件として、魂の波長が合う事が必要だった。
そんな魂の波長の合う人物が、過去の時代から召喚される。
彼ら召喚者の登場により、戦争もいつしかゲーム感覚になっていた。
だが、北部戦線に現れた謎の侵略者の襲撃は、そんな現状を打ち砕く。
脱出用ポッドの発動には、コンマ数秒の時間が必要になる。
だが、瞬時に殺される状況では、脱出用ポッドの発動は期待出来ない。
さらにいえば、脱出用ポッドは超空間を移動するワープシステムとも言えるのだが、その超空間に細工をされたら、期待する効果は得られない。
そんな危険な北部戦線。
偵察に来たユアとメドーラは、そこで怪しい人物を発見する。
ふたりはこの人物と話しをするため、今は半壊して放棄された衛星基地ソゴムへと、この謎の人物とともに、移動する。
ソゴムは半壊してるとはいえ、基地としての機能は残っていた。
ただ、戦場のど真ん中だったため、みんな逃げ出しただけだった。
メドーラの機体が、ソゴムの中を進む。
半壊したソゴムへの侵入は容易であった。
問題は、人が生きられる空間があるかでる。
つまり、空気があって、ある程度重力のある空間。
ソゴムの外で見つけた謎の人物と話しをするため、そんな空間を探していた。
メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウは、メドーラの機体からのレーダーなりからの情報と、元々のソゴムの内部地図とを照らし合わせる。
アイツウは、格納庫から続く居住区域が、まだ無事らしいと分析する。
メドーラの機体に誘導され、ユアの機体が続く。
謎の人物を乗せた機体は、ふたりの機体の間を飛んでいる。
三機の機体が、ある区画に停まる。
ぷしゅー。
その区画内の気圧が上がり、空気が確保される。
謎の人物を乗せた立体映像の機体が消えると、謎の人物はスタッと床に着地する。
メドーラとユアも、機体を降りる。
メドーラはヘルメットを脱ぐ。
そして、謎の人物に話しかける。
「はじめまして。私はメドーラです。こちらは、ユアお姉さまです。」
紹介されたユアも、ヘルメットを脱ぐ。
メドーラは続ける。
「あなたのお名前を、お聞かせください。
私達は、戦場の調査に来ました。
あなたはここで、何をなさってたのですか?」
メドーラの問いかけに、謎の人物もヘルメットを脱ぐ。
その素顔に、メドーラとユアは驚く。
その素顔は、ケイそっくりだった。
というより、ケイ本人にしか見えなかった。
鉱物資源の密輸の調査中、行方不明になった、あのケイである。
「ケイ?本当にケイなの?」
ケイの姿に、ユアは再会の喜びの感情がわきあがってくる。
ケイとおぼしき人物は、ニコりと微笑む。
「ケイ、無事だったんだね。」
ユアはケイに駆け寄ろうとするが、その動きをメドーラが制する。
「お待ちください、ユアお姉さま。」
メドーラはユアの腕を掴む。
「ケイお姉さまであるはずが、ございません。
あなたは誰ですか!
なぜその姿で、私達の前に現れるのですか!」
メドーラは、ケイとおぼしき人物をにらむ。
ケイであるはずがない。
ケイは千年前の時代に、かの神武七龍神のひとり、ブルードラゴンと一体化してしまった。
そう、今の時代、ケイの姿はどこにもないのだ。
その今はいないはずのケイの姿で、今メドーラの目の前に現れる。
メドーラは怒りを覚える。
「待ってよ、メドーラ。
あれはやっぱりケイだよ。」
ユアは、惑星ドルフレアでのケイ捜索任務の顛末を知らない。
ユアはその任務には、最初しか参加していない。
千年前のケイからの伝言で、三つの封印のほこらを巡ったのだが、ユアはそのひとつ目のほこらの封印を解く前に、任務を離れた。
ユアは、ほこらの封印を全部解けば、ケイは戻ってくると思ってた。
しかし、実際には戻ってこなかった。
「ケイはきっと、自力で戻ってきたんだよ。
そうでしょ、ケイ。おかえりなさい。」
ケイに話しかけるユアの声も、最後は涙声になる。
ユアの言葉に、ケイはにっこり微笑む。
「あの、どこか人をバカにした様な笑顔。
確かにケイお姉さまのものですわ。」
メドーラもユアにつられて、ケイではないかと思い始める。
「ケイお姉さまだとしたら、ブルードラゴンと分離したのですか?」
これに納得いく答えが返ってくるのなら、目の前の人物を、メドーラもケイだと確信するだろう。
だが、ケイはメドーラの言葉にも、にっこり微笑むだけだった。
「ケイお姉さま、答えてください!」
メドーラは、何も話さないケイに、少しじれてくる。
「言語解析終了。翻訳機能作動。」
ケイは小声でそうつぶやいた。
この声は、メドーラもユアも、聞き取れない。
ふたりのパートナーであるサポートAIのふたりも、感知出来なかった。
「ごめんね、メドーラ。なんて説明したらいいのか、考えがまとまらなかったんだよ。」
ケイはやっと口を開く。
その言葉に、メドーラは少し安堵する。
「本当に、ケイお姉さまなのですね。」
「メドーラ、私の顔を忘れちゃったの?
なんか、色々心配させちゃって、ごめんね。」
ケイは照れ笑いを浮かべる。
「いえ、私より、ユアお姉さまの方が心配してましてよ。」
メドーラはユアに視線を向ける。
「ユアお姉さま?」
メドーラがユアに視線を向けると、ユアは顔面蒼白だった。
「違う、こいつはケイじゃない。」
ユアはぼそりとつぶやく。
「ユアお姉さま?なぜその様な事をおっしゃるのですか?」
メドーラは、ユアがケイだと信じるから、その気になってきたの
だ。
それなのに、ユアは今度は否定する。
どこか納得いかない気持ちと、やっぱりかという気持ちが交差する。
「ケイは、メドーラと会っていない。
なんでメドーラを知ってるの?」
「ユアお姉さま、それはどういう意味です?」
ユアの言葉に、メドーラも疑問を持つ。
「メドーラ、あなたはメドーラとしてケイと会った事があるの?」
ユアのその言葉に、メドーラはハッとする。
メドーラは、ゴンゴル三姉妹のメドーとしてしか、ケイと会っていない。
メドーは幼女の姿だった。
アバターを成長させてメドーラになった。
だがこの時、ケイは星間パトロールの任務についていた。
そのまま行方不明になったケイ。
つまりケイは、メドーラを知らない!
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