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異次元からの侵略者
第110話 侵略者の正体?
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
この時代に召喚されたマイは、激戦を極めた北部戦線の中心部、衛星基地ソゴムに来ていた。
先に来ていたユアとメドーラ。
メドーラは自身の偽物を前に、以前のゴンゴル三姉妹のメドーとしての記憶を呼び覚ましてしまう。
だけどマイの呼びかけに、元のメドーラに戻る事が出来た。
メドーラのお嬢さまキャラ。
これは幼い頃のメドーの憧れの姿だった。
しかし、実の姉であるステーノとエアレーに大笑いされ、それ以来心の奥底にしまっていた。
マイと出会ってメドーラとなり、この憧れのキャラを全面に出せるようになっても、ゴンゴル三姉妹のメドーとしては、反感がつのっていた。
しかしその感情も、マイとアイツウによって、浄化された。
「行きましょう、マイお姉さま。ユアお姉さま。」
メドーラは抱きついていたマイから離れると、通路の奥へと目を向ける。
それは、三人がこの衛星基地ソゴムに侵入した場所だ。
ズズズズーン。
三人が進もうとした時、その侵入場所からすさまじい音がした。
「三人の機体、持ってきたよー。」
マイの脳裏に、パートナーであるサポートAIのアイの声が響く。
「アイー、もう大変だったんだからね。」
久方ぶりに聞いた、アイの声。
戦場でアイの声が聞けない。
この事がどれほど不安をかきたてるか、マイは今回初めて知った。
「ごめんごめん。で、あなた達三人以外の生体反応が消えたんだけど、何があったの?」
アイは、その生体反応を警戒するために、マイ達の戦闘機を自動操縦していた。
その生体反応が消えたので、機体をソゴムに戻した。
「えと、18時間後に総攻撃とか言ってたかなぁ。」
マイは、ケイの姿をした謎の人物の言葉を思い出す。
「え?」
これはユアもメドーラも、初耳だ。
「ちょっと、マイの記憶をさぐるわよ。」
アイはそう言うや、マイの記憶をさぐる。
大広間での、ケイネシアを名乗る人物とのやり取り。
この記憶をマイから探った瞬間、この記憶は他のサポートAIふたりと共有され、同時にパートナーである召喚者ふたりとも共有される。
「あいつ、ケイネシアを名乗ったか。」
記憶を共有したユアがつぶやく。
「ケイネシアって、ケイが惑星ドルフレアで名乗った名前だよな?」
ユアは、ドルフレアでのケイ捜索任務には、最初期しか携わっていない。
だからこれ以上の情報は知らない。
ドルフレア編が終わった後、ドルフレア編の顛末をユアも共有したのだろうか。
確か、千年前のかげろうおケイの事は、サポートAIは知らないはず。
ユアが共有出来るのは、それ以外の部分だと思う。
「となると、多次元空間に消えた、魔族が怪しいですわね。」
メドーラは、マイと顔を見合わせる。
マイもメドーラの言葉にうなずく。
「魔族?そんな情報聞いてないんだが?」
初めて聞く情報に、ユアのパートナーであるユウが追求する。
「私も知りたい。」
ユウの言葉に、ユアも追従する。
もっともサポートAIのユウの言葉は、パートナーのユアと、サポートAIであるアイとアイツウにしか聞こえない。
マイとメドーラには、ユウの言葉は聞こえない。
「そこはミイの意思を尊重して、私達は触れません。」
ミイは、ケイのパートナーであるサポートAIである。
ミイは千年前の真実を、マイとメドーラにだけ伝えた。
他の者には知られたくない、ミイの意思を、アイとアイツウは尊重した。
「おいおい、今はそんな事言ってる場合かよ。
今回の侵略、どう考えてもケイが関係してるだろ。」
ユウは言外に、ふたりの記憶を探れよと、アイとアイツウに伝えてくる。
「嫌どす!」
ユウの凄みに、アイの言葉がなまる。
アイは、どこか頑固な所がある。
ユウはそれを思い出す。
「そうかよ、ならアイツウ。メドーラの記憶を探れよ。」
ユウは、ターゲットをアイからアイツウに変える。
「私も、嫌どす。」
アイツウは、アイのコピー体である。
基本的な性格は、アイと同じ。
今後、共に歩むパートナーの性格に引かれて変わっていくのだが、まだ出来たてのアイツウの内面は、アイと大差ない。
「たくう、おまえらなあ。」
ユウにも、アイとアイツウの気持ちは分かる。
ユウも同じ立場に立ったら、ミイの意思を尊重しただろう。
つまり、この場でミイとケイの事を探るのは、不可能。
ならば、直接ミイに会いに行くしかないか。
ここ衛星基地ソゴムから惑星ドルフレアまでは、およそ一億光年。
ちょっと距離はあるが、六時間もあれば、往復出来る。
「あー、何よこれ。」
ユウがドルフレア行きを提言しようとした矢先、アイがすっとんきょうな声をあげる。
「わ、いきなりどうしたの、アイ?」
「どうしたもなにも、ワープ航法エンジンがいかれてるじゃない。」
なんと、マイの戦闘機のワープ航法エンジンの超広域航法部分が、オーバーヒートしていた。
普通の航行には問題ないので、自動操縦していた時には気づかなかった。
だが、惑星ドルフレア行きの可能性も出てきたので、超広域レンジを見てみたら、イカれてた。
「あー、7500億光年も航行したら、そうなるかもね。」
マイは、衛星基地ソゴムにたどり着いた経緯を思い出す。
「ちょっと、それってどういう事?」
アイはすかさず、マイの記憶を探る。
ここ衛星基地ソゴムを目指す際、二度目のワープ時に起きた、次元震と青い竜との遭遇。
そして、マイは7500億光年のかなたへと飛ばされた。
絶望するマイのまぶたの奥に現れた、グリーンドラゴンのナツキ。
ナツキの導きで、マイは7500億光年のかなたから帰ってきた。
「そう言えば、7500億光年がどうのって、言ってたわね。」
アイは、ここ衛星基地ソゴムに着いた時に、マイが言ってた事を思い出す。
「まさか、本当だとは思わなかったわ。」
アイは、次元震によって幻覚を見たのだと、思っていた。
記憶を探ったところで、それが幻覚か否かは、分からなかっただろう。
しかし、ワープ航法エンジンのオーバーヒートを見れば、幻覚だったとは、言いきれない。
アイは、今探ったマイの記憶を、同じサポートAIであるアイツウとユウに伝える。
ただし、ナツキとの会話は、伝えなかった。
次元震と、青い竜との遭遇。そして、ナツキと再会し、ナツキの導きで戻ってきた事を、ふたりに伝えた。
「マイお姉さま、これって。」
メドーラは、その記憶を伝えられ、驚いた。
今回の侵略行為、神武七龍神のブルードラゴンがかかわっている!
この時代に召喚されたマイは、激戦を極めた北部戦線の中心部、衛星基地ソゴムに来ていた。
先に来ていたユアとメドーラ。
メドーラは自身の偽物を前に、以前のゴンゴル三姉妹のメドーとしての記憶を呼び覚ましてしまう。
だけどマイの呼びかけに、元のメドーラに戻る事が出来た。
メドーラのお嬢さまキャラ。
これは幼い頃のメドーの憧れの姿だった。
しかし、実の姉であるステーノとエアレーに大笑いされ、それ以来心の奥底にしまっていた。
マイと出会ってメドーラとなり、この憧れのキャラを全面に出せるようになっても、ゴンゴル三姉妹のメドーとしては、反感がつのっていた。
しかしその感情も、マイとアイツウによって、浄化された。
「行きましょう、マイお姉さま。ユアお姉さま。」
メドーラは抱きついていたマイから離れると、通路の奥へと目を向ける。
それは、三人がこの衛星基地ソゴムに侵入した場所だ。
ズズズズーン。
三人が進もうとした時、その侵入場所からすさまじい音がした。
「三人の機体、持ってきたよー。」
マイの脳裏に、パートナーであるサポートAIのアイの声が響く。
「アイー、もう大変だったんだからね。」
久方ぶりに聞いた、アイの声。
戦場でアイの声が聞けない。
この事がどれほど不安をかきたてるか、マイは今回初めて知った。
「ごめんごめん。で、あなた達三人以外の生体反応が消えたんだけど、何があったの?」
アイは、その生体反応を警戒するために、マイ達の戦闘機を自動操縦していた。
その生体反応が消えたので、機体をソゴムに戻した。
「えと、18時間後に総攻撃とか言ってたかなぁ。」
マイは、ケイの姿をした謎の人物の言葉を思い出す。
「え?」
これはユアもメドーラも、初耳だ。
「ちょっと、マイの記憶をさぐるわよ。」
アイはそう言うや、マイの記憶をさぐる。
大広間での、ケイネシアを名乗る人物とのやり取り。
この記憶をマイから探った瞬間、この記憶は他のサポートAIふたりと共有され、同時にパートナーである召喚者ふたりとも共有される。
「あいつ、ケイネシアを名乗ったか。」
記憶を共有したユアがつぶやく。
「ケイネシアって、ケイが惑星ドルフレアで名乗った名前だよな?」
ユアは、ドルフレアでのケイ捜索任務には、最初期しか携わっていない。
だからこれ以上の情報は知らない。
ドルフレア編が終わった後、ドルフレア編の顛末をユアも共有したのだろうか。
確か、千年前のかげろうおケイの事は、サポートAIは知らないはず。
ユアが共有出来るのは、それ以外の部分だと思う。
「となると、多次元空間に消えた、魔族が怪しいですわね。」
メドーラは、マイと顔を見合わせる。
マイもメドーラの言葉にうなずく。
「魔族?そんな情報聞いてないんだが?」
初めて聞く情報に、ユアのパートナーであるユウが追求する。
「私も知りたい。」
ユウの言葉に、ユアも追従する。
もっともサポートAIのユウの言葉は、パートナーのユアと、サポートAIであるアイとアイツウにしか聞こえない。
マイとメドーラには、ユウの言葉は聞こえない。
「そこはミイの意思を尊重して、私達は触れません。」
ミイは、ケイのパートナーであるサポートAIである。
ミイは千年前の真実を、マイとメドーラにだけ伝えた。
他の者には知られたくない、ミイの意思を、アイとアイツウは尊重した。
「おいおい、今はそんな事言ってる場合かよ。
今回の侵略、どう考えてもケイが関係してるだろ。」
ユウは言外に、ふたりの記憶を探れよと、アイとアイツウに伝えてくる。
「嫌どす!」
ユウの凄みに、アイの言葉がなまる。
アイは、どこか頑固な所がある。
ユウはそれを思い出す。
「そうかよ、ならアイツウ。メドーラの記憶を探れよ。」
ユウは、ターゲットをアイからアイツウに変える。
「私も、嫌どす。」
アイツウは、アイのコピー体である。
基本的な性格は、アイと同じ。
今後、共に歩むパートナーの性格に引かれて変わっていくのだが、まだ出来たてのアイツウの内面は、アイと大差ない。
「たくう、おまえらなあ。」
ユウにも、アイとアイツウの気持ちは分かる。
ユウも同じ立場に立ったら、ミイの意思を尊重しただろう。
つまり、この場でミイとケイの事を探るのは、不可能。
ならば、直接ミイに会いに行くしかないか。
ここ衛星基地ソゴムから惑星ドルフレアまでは、およそ一億光年。
ちょっと距離はあるが、六時間もあれば、往復出来る。
「あー、何よこれ。」
ユウがドルフレア行きを提言しようとした矢先、アイがすっとんきょうな声をあげる。
「わ、いきなりどうしたの、アイ?」
「どうしたもなにも、ワープ航法エンジンがいかれてるじゃない。」
なんと、マイの戦闘機のワープ航法エンジンの超広域航法部分が、オーバーヒートしていた。
普通の航行には問題ないので、自動操縦していた時には気づかなかった。
だが、惑星ドルフレア行きの可能性も出てきたので、超広域レンジを見てみたら、イカれてた。
「あー、7500億光年も航行したら、そうなるかもね。」
マイは、衛星基地ソゴムにたどり着いた経緯を思い出す。
「ちょっと、それってどういう事?」
アイはすかさず、マイの記憶を探る。
ここ衛星基地ソゴムを目指す際、二度目のワープ時に起きた、次元震と青い竜との遭遇。
そして、マイは7500億光年のかなたへと飛ばされた。
絶望するマイのまぶたの奥に現れた、グリーンドラゴンのナツキ。
ナツキの導きで、マイは7500億光年のかなたから帰ってきた。
「そう言えば、7500億光年がどうのって、言ってたわね。」
アイは、ここ衛星基地ソゴムに着いた時に、マイが言ってた事を思い出す。
「まさか、本当だとは思わなかったわ。」
アイは、次元震によって幻覚を見たのだと、思っていた。
記憶を探ったところで、それが幻覚か否かは、分からなかっただろう。
しかし、ワープ航法エンジンのオーバーヒートを見れば、幻覚だったとは、言いきれない。
アイは、今探ったマイの記憶を、同じサポートAIであるアイツウとユウに伝える。
ただし、ナツキとの会話は、伝えなかった。
次元震と、青い竜との遭遇。そして、ナツキと再会し、ナツキの導きで戻ってきた事を、ふたりに伝えた。
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