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異次元からの侵略者
第109話 メドーとの決別
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
人類が宇宙へと行動範囲を広げたこの時代、それでもというか、やはりというか、人類から戦争の文字は消えなかった。
脱出用システムの確立により、死なない戦争が可能となった。
しかしこのシステムを活用するには、魂の波長が合う事が前提だった。
そんな魂の持ち主を、過去の時代から召喚する事になる。
そうして召喚された者同士で戦わせていたのだが、その召喚者以外の者とも戦う事になる。
それが、北部戦線での戦闘である。
異次元からの侵略者は、脱出用システムのタブーを突いてきた。
そんな侵略者の情報の痕跡を探りに、戦闘行為がやんでいる北部戦線の衛星基地ソゴムに、ユアとメドーラが潜入する。
そこでピンチにおちいったふたりを救いに、マイも潜入する。
再び北部戦線での戦闘が始まるまで、18時間をきっていた。
「あ、メドーラ。無事だったんだね。」
ソゴムの奥へと走るマイは、駆け寄るメドーラを見つけると、そのあゆみを止める。
「うおおお!」
メドーラはマイを見つけると、走る速度を加速する。
マイは、メドーラが抱きついてくるのかなと、身構える。
この速度のメドーラを受け止めるには、ちょっと踏ん張らないと、こけそうだ。
「よけろ、マイ!」
そんな事を考えてるマイに対して、メドーラの後を追うユアが叫ぶ。
ユアの叫びと同時に、メドーラは宙を飛ぶ。そのまま飛び蹴りの体勢だ!
マイはとっさにメドーラの飛び蹴りをよける。
ユアの言葉がなければ、まともにくらっていただろう。
「邪魔をするな、ユア!」
着地したメドーラは、ユアをにらんで叫ぶ。
「ユア、ですって?」
メドーラの言葉に、マイはある種の違和感を感じる。
メドーラは普段、マイ達をよぶ時は、お姉さまをつける。
「ユアってなんなのよ、メドーラ!」
「おまえは、黙れ。偽物!」
メドーラはマイの腹に右の前蹴りをかます。
後方へ吹き飛ぶマイを、ユアが受け止める。
「マイ、今のメドーラは普通じゃない。」
マイを受け止めたユアは、メドーラの異変を伝える。
「どうやら、そのようね。」
マイも、メドーラの異変なら、すでに感じている。
「何があったのよ。」
今のマイは、サポートAIのアイとはつながっていない。
アイは今、マイ達の戦闘機の自動操縦に専念してるためだ。
普段なら現状報告をアイがしてくれるが、今はアイ以外に頼らなくてはならない。
「メドーラが、ゴンゴル三姉妹のメドーになった。」
サポートAIのアイの代わりに、ユアが説明する事になる。
だがユアも、物事を説明する事には、慣れていない。
「それって、ドルフレアの時みたいに?」
マイとユアは、以前同じ体験をしている。
そう、メドーラの変貌、ゴンゴル三姉妹のメドーの覚醒を。
だからマイも、現状を把握する事は容易だった。
「紫のマナでも使ったの?あれってドルフレア限定でしょ?」
とは言え、ドルフレアとの違いは説明しなくてはならない。
「自分の偽物と戦ってたら、ああなっちゃったのよ。
なんか、召喚される以前を思い出しちゃったみたい。」
ユアは、自らの説明を補足する。
「そう、メドーラにもつらい過去があったのね。」
マイはメドーラの現状を理解する。
ドルフレアでの時は、抱きしめて頭を撫でたら元のメドーラに戻った。
「気をつけて。あの時のようには、いきそうにないよ。」
メドーラにあゆみよろうとするマイに、ユアは忠告する。
「分かってる。でも、僕はメドーラを信じるよ。」
メドーラがマイを蹴り飛ばし、マイとユアが話してた頃、メドーラもアイツウと話していた。
「おまえは、黙れ。偽物!」
メドーラはマイを蹴り飛ばす。
「メドーラ、分からないのですか、目の前にいるのは、マイ本人ですよ。」
「黙れ!」
メドーラの脳内に、サポートAIのアイツウの声が響く。
今のメドーラにとって、この感覚は慣れない。
自分の中に入ってこられる感覚は、精神が引き裂かれる思いがする。
その引き裂かれた裂け目は、心の奥底へと落ちていく。
「メドーラ、マイが来てくれたのですよ。」
「黙れよ!」
メドーラは両手で額を抑える。
「あれは、あいつが作った偽物。本物であるはず…」
「なら、なぜしゃべってるのですか!」
「え?」
本物のマイを受け入れようとはしないメドーラに、アイツウは偽物には無かった特徴を述べる。
アイツウの言葉に、メドーラは顔をあげる。
「メドーラ。」
丁度、あゆみよって来るマイと目があった。
「うわああああ!」
近づくマイを見て、メドーラは叫ぶ。
心の奥底まで裂けた裂け目が、燃え上がるのを感じる。
「メドーラ、マイですよ!あなたにただ1人、安らぎをくれた、マイですよ!」
メドーラの心の奥底に渦巻く恐怖の感情が、アイツウの痛烈な叫びをかき消してしまう。
メドーラは、いや、ゴンゴル三姉妹のメドーは、確立された自分が崩れるのが怖かった。
厳しい貧困街を生き抜き、長年自分を強者たらしめた、メドーとしての人格。
それが1人の人間によって、壊されようとしている。
メドーラは、それが怖かった。
「うわああああ!」
メドーラは迫り来るマイに、思わず蹴りを放つ。
咄嗟に放った不恰好な蹴りは、マイになんのダメージを与える事なく、逆にメドーラ自身のバランスを崩す。
そんなメドーラを、マイは抱きしめる。
「あ、あ、あ。」
メドーラは、裂けた心の裂け目に、暖かい何かが埋まっていくのを感じる。
「メドーラ、僕はここにいるよ。」
マイはメドーラを抱きしめたまま、優しく頭を撫でる。
メドーラは、心の裂け目に埋まった暖かい何かが、心全体に広がっていくのを感じる。
「マイお姉さま。」
メドーラの瞳から、ひと筋の涙が流れる。
マイの名を呼ぶメドーラは、マイのよく知るメドーラだった。
「良かった、元に戻ったんだね。」
マイの瞳にも、光る何かが見える。
「元に?いいえ、違いますわ。私は、」
生まれ変わったのですわ。
メドーラは、心の中でそう続けた。
「そうですね、今のあなたは、以前のメドーではありません。
今のあなたは、メドーラです。」
メドーラの心の声を聞いて、アイツウが答える。
「わ、聞こえてましたのですか?」
メドーラは突然のアイツウの応答に、ちょっとびっくり。
メドーラは心の中で、アイツウに話しかける。
「はい、私にも初めて伝わりました。あなたの心の声が。」
今まで、メドーラからアイツウへの明確な呼びかけしか、アイツウには伝わらなかった。
アイツウはその名から察する通り、アイのコピー体である。
アイのコピー体としてなら当然、その呼びかけ以外にも伝わる事を知っている。
それが今、メドーラから初めて伝わったのである。
アイツウは、やっとメドーラのパートナーになれた気がした。
「この事は、マイお姉さまには黙ってて下さいね。アイツウ。」
「分かってますわ、メドーラ。」
メドーラの照れ隠し。
それが初めての、ふたりの共通の秘密になった。
人類が宇宙へと行動範囲を広げたこの時代、それでもというか、やはりというか、人類から戦争の文字は消えなかった。
脱出用システムの確立により、死なない戦争が可能となった。
しかしこのシステムを活用するには、魂の波長が合う事が前提だった。
そんな魂の持ち主を、過去の時代から召喚する事になる。
そうして召喚された者同士で戦わせていたのだが、その召喚者以外の者とも戦う事になる。
それが、北部戦線での戦闘である。
異次元からの侵略者は、脱出用システムのタブーを突いてきた。
そんな侵略者の情報の痕跡を探りに、戦闘行為がやんでいる北部戦線の衛星基地ソゴムに、ユアとメドーラが潜入する。
そこでピンチにおちいったふたりを救いに、マイも潜入する。
再び北部戦線での戦闘が始まるまで、18時間をきっていた。
「あ、メドーラ。無事だったんだね。」
ソゴムの奥へと走るマイは、駆け寄るメドーラを見つけると、そのあゆみを止める。
「うおおお!」
メドーラはマイを見つけると、走る速度を加速する。
マイは、メドーラが抱きついてくるのかなと、身構える。
この速度のメドーラを受け止めるには、ちょっと踏ん張らないと、こけそうだ。
「よけろ、マイ!」
そんな事を考えてるマイに対して、メドーラの後を追うユアが叫ぶ。
ユアの叫びと同時に、メドーラは宙を飛ぶ。そのまま飛び蹴りの体勢だ!
マイはとっさにメドーラの飛び蹴りをよける。
ユアの言葉がなければ、まともにくらっていただろう。
「邪魔をするな、ユア!」
着地したメドーラは、ユアをにらんで叫ぶ。
「ユア、ですって?」
メドーラの言葉に、マイはある種の違和感を感じる。
メドーラは普段、マイ達をよぶ時は、お姉さまをつける。
「ユアってなんなのよ、メドーラ!」
「おまえは、黙れ。偽物!」
メドーラはマイの腹に右の前蹴りをかます。
後方へ吹き飛ぶマイを、ユアが受け止める。
「マイ、今のメドーラは普通じゃない。」
マイを受け止めたユアは、メドーラの異変を伝える。
「どうやら、そのようね。」
マイも、メドーラの異変なら、すでに感じている。
「何があったのよ。」
今のマイは、サポートAIのアイとはつながっていない。
アイは今、マイ達の戦闘機の自動操縦に専念してるためだ。
普段なら現状報告をアイがしてくれるが、今はアイ以外に頼らなくてはならない。
「メドーラが、ゴンゴル三姉妹のメドーになった。」
サポートAIのアイの代わりに、ユアが説明する事になる。
だがユアも、物事を説明する事には、慣れていない。
「それって、ドルフレアの時みたいに?」
マイとユアは、以前同じ体験をしている。
そう、メドーラの変貌、ゴンゴル三姉妹のメドーの覚醒を。
だからマイも、現状を把握する事は容易だった。
「紫のマナでも使ったの?あれってドルフレア限定でしょ?」
とは言え、ドルフレアとの違いは説明しなくてはならない。
「自分の偽物と戦ってたら、ああなっちゃったのよ。
なんか、召喚される以前を思い出しちゃったみたい。」
ユアは、自らの説明を補足する。
「そう、メドーラにもつらい過去があったのね。」
マイはメドーラの現状を理解する。
ドルフレアでの時は、抱きしめて頭を撫でたら元のメドーラに戻った。
「気をつけて。あの時のようには、いきそうにないよ。」
メドーラにあゆみよろうとするマイに、ユアは忠告する。
「分かってる。でも、僕はメドーラを信じるよ。」
メドーラがマイを蹴り飛ばし、マイとユアが話してた頃、メドーラもアイツウと話していた。
「おまえは、黙れ。偽物!」
メドーラはマイを蹴り飛ばす。
「メドーラ、分からないのですか、目の前にいるのは、マイ本人ですよ。」
「黙れ!」
メドーラの脳内に、サポートAIのアイツウの声が響く。
今のメドーラにとって、この感覚は慣れない。
自分の中に入ってこられる感覚は、精神が引き裂かれる思いがする。
その引き裂かれた裂け目は、心の奥底へと落ちていく。
「メドーラ、マイが来てくれたのですよ。」
「黙れよ!」
メドーラは両手で額を抑える。
「あれは、あいつが作った偽物。本物であるはず…」
「なら、なぜしゃべってるのですか!」
「え?」
本物のマイを受け入れようとはしないメドーラに、アイツウは偽物には無かった特徴を述べる。
アイツウの言葉に、メドーラは顔をあげる。
「メドーラ。」
丁度、あゆみよって来るマイと目があった。
「うわああああ!」
近づくマイを見て、メドーラは叫ぶ。
心の奥底まで裂けた裂け目が、燃え上がるのを感じる。
「メドーラ、マイですよ!あなたにただ1人、安らぎをくれた、マイですよ!」
メドーラの心の奥底に渦巻く恐怖の感情が、アイツウの痛烈な叫びをかき消してしまう。
メドーラは、いや、ゴンゴル三姉妹のメドーは、確立された自分が崩れるのが怖かった。
厳しい貧困街を生き抜き、長年自分を強者たらしめた、メドーとしての人格。
それが1人の人間によって、壊されようとしている。
メドーラは、それが怖かった。
「うわああああ!」
メドーラは迫り来るマイに、思わず蹴りを放つ。
咄嗟に放った不恰好な蹴りは、マイになんのダメージを与える事なく、逆にメドーラ自身のバランスを崩す。
そんなメドーラを、マイは抱きしめる。
「あ、あ、あ。」
メドーラは、裂けた心の裂け目に、暖かい何かが埋まっていくのを感じる。
「メドーラ、僕はここにいるよ。」
マイはメドーラを抱きしめたまま、優しく頭を撫でる。
メドーラは、心の裂け目に埋まった暖かい何かが、心全体に広がっていくのを感じる。
「マイお姉さま。」
メドーラの瞳から、ひと筋の涙が流れる。
マイの名を呼ぶメドーラは、マイのよく知るメドーラだった。
「良かった、元に戻ったんだね。」
マイの瞳にも、光る何かが見える。
「元に?いいえ、違いますわ。私は、」
生まれ変わったのですわ。
メドーラは、心の中でそう続けた。
「そうですね、今のあなたは、以前のメドーではありません。
今のあなたは、メドーラです。」
メドーラの心の声を聞いて、アイツウが答える。
「わ、聞こえてましたのですか?」
メドーラは突然のアイツウの応答に、ちょっとびっくり。
メドーラは心の中で、アイツウに話しかける。
「はい、私にも初めて伝わりました。あなたの心の声が。」
今まで、メドーラからアイツウへの明確な呼びかけしか、アイツウには伝わらなかった。
アイツウはその名から察する通り、アイのコピー体である。
アイのコピー体としてなら当然、その呼びかけ以外にも伝わる事を知っている。
それが今、メドーラから初めて伝わったのである。
アイツウは、やっとメドーラのパートナーになれた気がした。
「この事は、マイお姉さまには黙ってて下さいね。アイツウ。」
「分かってますわ、メドーラ。」
メドーラの照れ隠し。
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