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異次元からの侵略者
第118話 身体能力を高めた
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
北部戦線の激戦地である、衛星基地ソゴム。
そのソゴムの調査任務についた、マイとユアとメドーラの三人。
三人は、次の総攻撃開始までに、戦線離脱が不可能になったので、ソゴムの中心付近の次元の歪から、侵略者の来る次元空間を目指す事にする。
次元の歪みの向こうには、衛星基地ソゴムと同じ景色が広がっていた。
そこでユアは、マイの戦士としての資質の無さに怒りを覚えるのだが、そんなマイでも、ユアには無いものを持っていた。
これにはユアも、マイを認めざるをえなかった。
三人は、情報収集のため、第五作戦本部を目指す。
オフロードバイクでは目立つので、強化アシストパーツを使う事にする。
強化アシストパーツ。
肘当てと胸当てと脛当てからなる、この強化アシストパーツ。
装備すれば身体能力を、数倍に高める事が出来る。
その気になれば、オフロードバイク以上の速度で走る事も出来る。
それも、無音で。
三人は、マジカルポシェットから強化アシストパーツを取り出す。
マジカルポシェットは、戦闘機を離れた任務での、必需品だ。
書いててよかった、ドルフレア編。
そんなポシェット持ってたの?言われても、持ってたんだよと言い張れる。
マイは、ユアの見様見真似で、強化アシストパーツを装着する。
そんなマイを見て、ユアは疑問が生じる。
「ひょっとして、これ使った事ないの?」
「うん。」
「実は、私もございません。」
ユアの問いに、マイもメドーラもうなずく。
「やっぱり。」
呆れるユアだったが、その予感はあった。
「私も数えるくらいしか、使った事ないかな。確か、三回だと思う。」
ユアも、それくらいしか使った事がないのだ。
召喚されたばかりのマイも、使う機会は少なかっただろう。
メドーラも、ゴンゴル三姉妹時代は、戦闘機以外の戦場での目撃例は無かった。
「で、ユア。僕気づいちゃったんだけどさ。」
「何?マイ。」
マイは、装備中に気づいた事を口にする。
「今、アイ達とは繋がってないよね?」
マイは強化アシストパーツの事をアイに聞いてみたのだが、答えはなかった。
「今さら?」
ユアは、マイの発言が信じられなかった。
「マイお姉さま、サポートAIとの繋がりなら、こちらの次元空間に来た時から、絶たれてますわ。」
メドーラも、絶たれた経緯を説明する。
「あんた、普段、ユウとはどう、じゃなくて、アイとはどう接してるの?」
こちらの次元空間に来た瞬間から、サポートAIを頼る場面は、いくらでもあった。
つまり、気づく機会は、すでに何度もあった。
次元の扉を越えた瞬間から、視覚や聴覚、五感を共有しての現状分析はするだろう。
ユアが普通にやってる事を、マイはやっていないらしい。
それがすでに、ユアには驚きだった。
「どうって言われても。」
普段、あまり意識していない事を聞かれても、答えに困る。
「分からない事を、聞いたり、とか?」
マイは強化アシストパーツの肘当てを、コツコツ叩く。
「それだけ?」
マイの発言に、ユアは改めて驚く。
「えと、マイは現状分析とかしないの?」
ユアは改めて、マイに質問する。
「現状分析?って、何を分析するのかな?」
ユアの質問の意味が分からないマイは、逆にユアに聞いてみる。
「え?気にならないの?今の周りの状況とか。
今だったら、視線の正体を探ってもらうわよね。」
ユアはそう言って、メドーラに視線を向ける。
メドーラに同意を求めるのだが、メドーラは視線をそらす。
「さ、さあ?私もその様な接し方は、いたしておりませんですわ。」
マイ達三人で、サポートAIに対する接し方が違うのも、無理はなかった。
召喚される前のユアの生きた時代、判断を下す為の情報を提示するデバイスの存在は、当たり前だった。
加えてユアは、超セレブのお嬢様。
自分の思い通りの行動のために、その情報を操作するのも日常茶飯事だった。
それに比べてマイの時代は、スマホに向かって尻だのあほくさだの、独り言を言うのが関の山。
メドーラに至っては、貧民街を自力で生き抜くため、そんな余裕もなかった。
「そ、そう、人それぞれなのね。」
ユアはとりあえず、それで納得する。
「と、とりあえず今は、強化アシストパーツの説明を、私がするのよね。」
ユアはとりあえず、話しを進める。
現状、強化アシストパーツを使った事があるのは、ユアだけだ。
ならば、サポートAI達に代わって、ユアが説明するしかない。
「説明も何も、身体の動きを強化してくれるのですよね。」
メドーラは両肘を広げ、身体を左右にひねる。
「簡単に言えば、そうなんだけど。」
その使い方を説明したいなぁと思うユアを尻目に、メドーラは左回転を始める。
そして軽くジャンプして、そのまま左後ろ回し蹴りを壁に叩き込む!
蹴りを食らった箇所が、すっぽりとそこだけ吹き飛ぶ。
周囲にヒビが走る事もなく、蹴りを食らった箇所だけが無くなっている。
「すっごーい、メドーラ。」
マイは思わず感嘆の声をあげる。
「マイお姉さまも、身体を動かしてみて下さい。」
「うん、分かった。」
メドーラに言われ、マイはその場でジャンプしてみる。
マイは軽く三メートルはジャンプした。
「すっごーい、これが強化アシストパーツなのね。」
マイはその威力に感激する。
「いいえ、マイお姉さま。」
そんなマイの考えを、メドーラは否定して、しゃがみこむ。
「もっと身体全身のバネを、意識してみて下さい。」
「分かった。」
マイも、メドーラの言わんとする事を理解し、しゃがみこむ。
ふたりは全身のチカラを脚に溜め込み、そのチカラを一気に開放!
空高くジャンプするふたりを見た、ユアがひと言。
「んー、私が教える事、何もないなー。」
二十メートルはジャンプしたマイ。
だがマイのさらに七メートル上空に、メドーラがいた。
「しっ。」
メドーラはマイの視線に気づき、右の人差し指を口元に当てる。
感嘆の声をあげようとしたマイは、思わず押し黙る。
そう、上空からは、謎の視線の正体が丸見えだった。
ビルの窓の物影から、沢山の視線がメドーラ達が隠れた物影を見つめている。
誰も、ジャンプしたメドーラ達に、気づいていない。
マイは着地の衝撃を吸収しようと、着地と同時にしゃがみこむ。
「いったーい。
これ、かなりくるわね。」
マイは着地の衝撃を吸収しきれず、脚がひどくしびれる。
そんなマイの横で、メドーラが着地と同時に、その衝撃の反動を利用して、後方宙返りを決める。
「おおー。」
教える事がなくなったユアが、放心状態で軽く拍手する。
「ユアお姉さま。」
そんなユアの耳元で、メドーラはささやく。
「ジャンプしてみて下さい。視線の正体が分かりますわ。」
メドーラの言葉に、ユアも我に帰る。
そしてユアも、ジャンプする。
その高さは実に三十メートル。
その高さからは、視線の正体が丸分かりだった。
どれも異形の姿で、ユア達の次元空間では、妖怪と呼ばれる類いに近かった。
そこに、ケイの姿をした者は、ひとりもいない。
ユアはスタッと着地する。
着地の衝撃など、無かったかのように。
そしてユアとメドーラは、目くばせする。
今後の方針、第五作戦本部へのルートが決まった。
まずはビルの屋上にジャンプして、低い体勢で駆け抜ける。
謎の視線に、気づかれないように。
そして第五作戦本部の入り口の前に飛び降りて、そのまま入り口に入る。
マイにもその事を伝え、三人は行動を開始する。
北部戦線の激戦地である、衛星基地ソゴム。
そのソゴムの調査任務についた、マイとユアとメドーラの三人。
三人は、次の総攻撃開始までに、戦線離脱が不可能になったので、ソゴムの中心付近の次元の歪から、侵略者の来る次元空間を目指す事にする。
次元の歪みの向こうには、衛星基地ソゴムと同じ景色が広がっていた。
そこでユアは、マイの戦士としての資質の無さに怒りを覚えるのだが、そんなマイでも、ユアには無いものを持っていた。
これにはユアも、マイを認めざるをえなかった。
三人は、情報収集のため、第五作戦本部を目指す。
オフロードバイクでは目立つので、強化アシストパーツを使う事にする。
強化アシストパーツ。
肘当てと胸当てと脛当てからなる、この強化アシストパーツ。
装備すれば身体能力を、数倍に高める事が出来る。
その気になれば、オフロードバイク以上の速度で走る事も出来る。
それも、無音で。
三人は、マジカルポシェットから強化アシストパーツを取り出す。
マジカルポシェットは、戦闘機を離れた任務での、必需品だ。
書いててよかった、ドルフレア編。
そんなポシェット持ってたの?言われても、持ってたんだよと言い張れる。
マイは、ユアの見様見真似で、強化アシストパーツを装着する。
そんなマイを見て、ユアは疑問が生じる。
「ひょっとして、これ使った事ないの?」
「うん。」
「実は、私もございません。」
ユアの問いに、マイもメドーラもうなずく。
「やっぱり。」
呆れるユアだったが、その予感はあった。
「私も数えるくらいしか、使った事ないかな。確か、三回だと思う。」
ユアも、それくらいしか使った事がないのだ。
召喚されたばかりのマイも、使う機会は少なかっただろう。
メドーラも、ゴンゴル三姉妹時代は、戦闘機以外の戦場での目撃例は無かった。
「で、ユア。僕気づいちゃったんだけどさ。」
「何?マイ。」
マイは、装備中に気づいた事を口にする。
「今、アイ達とは繋がってないよね?」
マイは強化アシストパーツの事をアイに聞いてみたのだが、答えはなかった。
「今さら?」
ユアは、マイの発言が信じられなかった。
「マイお姉さま、サポートAIとの繋がりなら、こちらの次元空間に来た時から、絶たれてますわ。」
メドーラも、絶たれた経緯を説明する。
「あんた、普段、ユウとはどう、じゃなくて、アイとはどう接してるの?」
こちらの次元空間に来た瞬間から、サポートAIを頼る場面は、いくらでもあった。
つまり、気づく機会は、すでに何度もあった。
次元の扉を越えた瞬間から、視覚や聴覚、五感を共有しての現状分析はするだろう。
ユアが普通にやってる事を、マイはやっていないらしい。
それがすでに、ユアには驚きだった。
「どうって言われても。」
普段、あまり意識していない事を聞かれても、答えに困る。
「分からない事を、聞いたり、とか?」
マイは強化アシストパーツの肘当てを、コツコツ叩く。
「それだけ?」
マイの発言に、ユアは改めて驚く。
「えと、マイは現状分析とかしないの?」
ユアは改めて、マイに質問する。
「現状分析?って、何を分析するのかな?」
ユアの質問の意味が分からないマイは、逆にユアに聞いてみる。
「え?気にならないの?今の周りの状況とか。
今だったら、視線の正体を探ってもらうわよね。」
ユアはそう言って、メドーラに視線を向ける。
メドーラに同意を求めるのだが、メドーラは視線をそらす。
「さ、さあ?私もその様な接し方は、いたしておりませんですわ。」
マイ達三人で、サポートAIに対する接し方が違うのも、無理はなかった。
召喚される前のユアの生きた時代、判断を下す為の情報を提示するデバイスの存在は、当たり前だった。
加えてユアは、超セレブのお嬢様。
自分の思い通りの行動のために、その情報を操作するのも日常茶飯事だった。
それに比べてマイの時代は、スマホに向かって尻だのあほくさだの、独り言を言うのが関の山。
メドーラに至っては、貧民街を自力で生き抜くため、そんな余裕もなかった。
「そ、そう、人それぞれなのね。」
ユアはとりあえず、それで納得する。
「と、とりあえず今は、強化アシストパーツの説明を、私がするのよね。」
ユアはとりあえず、話しを進める。
現状、強化アシストパーツを使った事があるのは、ユアだけだ。
ならば、サポートAI達に代わって、ユアが説明するしかない。
「説明も何も、身体の動きを強化してくれるのですよね。」
メドーラは両肘を広げ、身体を左右にひねる。
「簡単に言えば、そうなんだけど。」
その使い方を説明したいなぁと思うユアを尻目に、メドーラは左回転を始める。
そして軽くジャンプして、そのまま左後ろ回し蹴りを壁に叩き込む!
蹴りを食らった箇所が、すっぽりとそこだけ吹き飛ぶ。
周囲にヒビが走る事もなく、蹴りを食らった箇所だけが無くなっている。
「すっごーい、メドーラ。」
マイは思わず感嘆の声をあげる。
「マイお姉さまも、身体を動かしてみて下さい。」
「うん、分かった。」
メドーラに言われ、マイはその場でジャンプしてみる。
マイは軽く三メートルはジャンプした。
「すっごーい、これが強化アシストパーツなのね。」
マイはその威力に感激する。
「いいえ、マイお姉さま。」
そんなマイの考えを、メドーラは否定して、しゃがみこむ。
「もっと身体全身のバネを、意識してみて下さい。」
「分かった。」
マイも、メドーラの言わんとする事を理解し、しゃがみこむ。
ふたりは全身のチカラを脚に溜め込み、そのチカラを一気に開放!
空高くジャンプするふたりを見た、ユアがひと言。
「んー、私が教える事、何もないなー。」
二十メートルはジャンプしたマイ。
だがマイのさらに七メートル上空に、メドーラがいた。
「しっ。」
メドーラはマイの視線に気づき、右の人差し指を口元に当てる。
感嘆の声をあげようとしたマイは、思わず押し黙る。
そう、上空からは、謎の視線の正体が丸見えだった。
ビルの窓の物影から、沢山の視線がメドーラ達が隠れた物影を見つめている。
誰も、ジャンプしたメドーラ達に、気づいていない。
マイは着地の衝撃を吸収しようと、着地と同時にしゃがみこむ。
「いったーい。
これ、かなりくるわね。」
マイは着地の衝撃を吸収しきれず、脚がひどくしびれる。
そんなマイの横で、メドーラが着地と同時に、その衝撃の反動を利用して、後方宙返りを決める。
「おおー。」
教える事がなくなったユアが、放心状態で軽く拍手する。
「ユアお姉さま。」
そんなユアの耳元で、メドーラはささやく。
「ジャンプしてみて下さい。視線の正体が分かりますわ。」
メドーラの言葉に、ユアも我に帰る。
そしてユアも、ジャンプする。
その高さは実に三十メートル。
その高さからは、視線の正体が丸分かりだった。
どれも異形の姿で、ユア達の次元空間では、妖怪と呼ばれる類いに近かった。
そこに、ケイの姿をした者は、ひとりもいない。
ユアはスタッと着地する。
着地の衝撃など、無かったかのように。
そしてユアとメドーラは、目くばせする。
今後の方針、第五作戦本部へのルートが決まった。
まずはビルの屋上にジャンプして、低い体勢で駆け抜ける。
謎の視線に、気づかれないように。
そして第五作戦本部の入り口の前に飛び降りて、そのまま入り口に入る。
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