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第199話 四機の試作品
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
この時代に女性型アバター体に魂を召喚されたマイは、やはり男だった。
しかし召喚前の記憶がほとんど残ってない今のマイには、自分が男であるとの自覚はなかった。
マイが女性として召喚されたのは、男嫌いのマインと仲良くなるためだと言う。
この時代の人類は、このふたりに何をさせたいのだろうか。
いや、このふたりの召喚については、ベータが深く関与している。
ベータはいったい、何を考えているのだろうか。
「で、あなたは私達に、何をさせたい訳?」
自分が男という自覚の無いマイの事を受け入れたマインは、改めてベータに問う。
マイもそれが気になって、自然とベータに視線が向かう。
「それは、地球をアルファから取り戻すためだよ。」
ベータはさも当然の様に、平然と答える。
「え、僕達だけで?」
ベータのその答えに、マイは驚く。
それはマインも同じで、マインもマイの隣りで驚きの表情を浮かべる。
アルファはこの時代の人類と戦争して、地球を護りぬいた。
そんなヤツ相手に、マイとマインだけで、何が出来るのだろう?
「混乱の世の中を治めるには、暴力による統一しかない。」
不安がるマイ達をそのままに、ベータは語りだす。
「そんな暴力で統一した者は、いつか愛を持つ者に取って代わられる事を、望んでいる。」
ベータの持論に、マインは呆気に取られる。
「何言ってるの、意味が分からない。」
「いや、なんとなく分かる気がするよ。」
マインの横で、マイは理解を示す。
ベータもアルファも、元は召喚前のマイの髪の毛を元に創られた、クローン人間。
マイにも通じる所があるのだろう。
「分かるって、地球護りぬいたヤツ相手に、私達ふたりで何が出来るの?」
理解を示すマイに、マインは反論する。
「それに、愛を持つ者って誰よ。
私とマイじゃなくて、もっと適任者がいるんじゃないの?」
そんなマインに対して、マイは首をふる。
「多分、僕達が適任。
そのためのシリウス構想でしょ?」
マイはベータに視線を向ける。
ベータはニヤリとニヤける。
「ふふ、やっぱりマイには分かるんだね。」
「いいえ、詳しくは分からないわ。説明してちょうだい。」
流石のマイでも、朧げにしか分からない。
「私には、さっぱり分からないわ。」
マインはお手上げだった。
そんなマインに、ベータが問いかける。
「マイン、君はシリウス構想に対して、どんな認識なんだい?」
「そんなの、高性能な戦闘機の開発でしょ。」
マインは、さも当然の様に、そう答える。
しかしベータは首をふる。
そんなベータの仕草に、マインは少しカチンとくる。
「多分、その開発の目的が、シリウス構想なんだと思う。」
ベータに対して文句を言いたげなマインを制するように、マイが口をはさむ。
ベータは、マイの発言に対してうなずく。
「確かに元は、古文書に書かれた思想を実現させる、戦闘機の開発だった。
でも、アルファがその開発に、意味を持たせた。」
「アルファ。」
ベータの発言を聞いて、マインはつぶやく。
「なるほど、私とマイ。
シリウスアルファーシリーズのパイロットしかこの場にいないのは、そういう事ね。」
マインも朧げながら、理解する。
マイの戦闘機は、シリウスアルファーワン。
そしてマインの戦闘機は、シリウスアルファーツー。
アルファーシリーズは試作品として造られた機体で、後のベータシリーズとガンマシリーズとは、意味あいが違った。
「でも、私とマイだけで足りるの?」
自分達の機体に思いを馳せたマインは、新たな疑問が浮かぶ。
「確かアルファーシリーズって、四体作られてるでしょ。
私達も、四人必要なんじゃないの?」
「それなら、心配ない。
アルファースリーには、僕が乗るから。」
ベータはマインの疑問を、あっさり解決。
右手の親指を立てて、自分の方に傾ける。
とは言え、今のベータはアイに憑依している。
この状態で、どう操縦するのだろうか。
マイとマインのそんな疑問を察知して、ベータは答える。
「ああ、アルファースリーはふたり乗りだから、アイとミサが乗るんだよ。
僕はアイに憑依させてもらうけどね。」
「ち。」
ベータの答えに、ミサは顔をそむけて舌打ち。
「えー、じゃあ、僕達のサポートは、どうなるの?」
マイは思わず叫ぶ。
アイとミサは、サポートAI。
マイ達の戦闘機での出撃時は、宇宙ステーションの専用カプセルから、マイ達をサポートする。
「それなら、アルファースリーの中からサポートするから、問題ないよ。」
とベータは、マイの疑問をあっさり解決。
しかしマイには、新たな疑問が浮かぶ。
「じゃあ、あなたのサポートは、どうなるの?」
「僕にサポートはいらない。と、言いたいけれど、」
ベータはそう言うと、なぜか照れた様な表情を浮かべる。
「ナコとアイツウがいるじゃん。
何のためのチームだと思ってんの?」
ベータは照れながら、その台詞を言いきる。
ナコとアイツウ。
ふたりのパートナーは遠出していて、やる事の無くなったサポートAI。
今はマイの部屋で、暇してる。
「なるほど、これで僕達三人でトライフォースが出来るね。」
ベータの発言に、マイはうなずく。
トライフォース。
戦闘機三機による、三角形を意識した三身一体の陣形。
この陣形の応用が、この作品における基本戦術だった。
「でも、あと一機足りないわ。」
喜ぶマイを尻目に、マインはもうひとつの疑問を投げる。
アルファーシリーズの機体は、全部で四機。
マイとマイン、ベータが乗っても、あと一機残っている。
「シリウスアルファーゼロは、アルファの機体なんだよ。」
マインの疑問に、ベータが答える。
「アルファ?ああ、アルファね。」
マインは一瞬、地球にいるアルファと、戦闘機のアルファーシリーズのアルファーとが、ごっちゃになった。
「でも、アルファーゼロがアルファの機体って、どう言う事?」
マイは頭がこんがらがる。
それは、アルファーシリーズ最後の機体、アルファーゼロはこの宇宙ステーションにはなく、地球にあるって事。
そして、地球にいるアルファの機体。
この事は、何を意味するのか、マイには分からない。
「それは、地球に行けば分かるんじゃない?」
マイの疑問に、マインが答える。
「それがシリウス構想、なんでしょ?」
マインはベータに視線を向ける。
「そう言う事。」
と言ってベータは目を閉じる。
するとその場に、アイが倒れこむ。
「おい、アイ!」
そんなアイの身体を、走りこんできたミサが受け止める。
「しっかりしろ、アイ!」
ミサはアイに呼びかける。
ベータがアイへの憑依を解いたのだ。
「わ、私は、平気だから。」
アイは消えいる声で、笑みを浮かべる。
「だから、無理するなって。」
ミサにも、アイが無理してる事くらい分かる。
「それじゃあ、地球への出発は、準備ができ次第って事で。」
マイとマインの頭の中に、ベータの声が響く。
同時に、ベータの身体を入れた装置が、床下へと格納されていく。
マイ達はアイの回復を待って、この部屋を後にした。
この時代に女性型アバター体に魂を召喚されたマイは、やはり男だった。
しかし召喚前の記憶がほとんど残ってない今のマイには、自分が男であるとの自覚はなかった。
マイが女性として召喚されたのは、男嫌いのマインと仲良くなるためだと言う。
この時代の人類は、このふたりに何をさせたいのだろうか。
いや、このふたりの召喚については、ベータが深く関与している。
ベータはいったい、何を考えているのだろうか。
「で、あなたは私達に、何をさせたい訳?」
自分が男という自覚の無いマイの事を受け入れたマインは、改めてベータに問う。
マイもそれが気になって、自然とベータに視線が向かう。
「それは、地球をアルファから取り戻すためだよ。」
ベータはさも当然の様に、平然と答える。
「え、僕達だけで?」
ベータのその答えに、マイは驚く。
それはマインも同じで、マインもマイの隣りで驚きの表情を浮かべる。
アルファはこの時代の人類と戦争して、地球を護りぬいた。
そんなヤツ相手に、マイとマインだけで、何が出来るのだろう?
「混乱の世の中を治めるには、暴力による統一しかない。」
不安がるマイ達をそのままに、ベータは語りだす。
「そんな暴力で統一した者は、いつか愛を持つ者に取って代わられる事を、望んでいる。」
ベータの持論に、マインは呆気に取られる。
「何言ってるの、意味が分からない。」
「いや、なんとなく分かる気がするよ。」
マインの横で、マイは理解を示す。
ベータもアルファも、元は召喚前のマイの髪の毛を元に創られた、クローン人間。
マイにも通じる所があるのだろう。
「分かるって、地球護りぬいたヤツ相手に、私達ふたりで何が出来るの?」
理解を示すマイに、マインは反論する。
「それに、愛を持つ者って誰よ。
私とマイじゃなくて、もっと適任者がいるんじゃないの?」
そんなマインに対して、マイは首をふる。
「多分、僕達が適任。
そのためのシリウス構想でしょ?」
マイはベータに視線を向ける。
ベータはニヤリとニヤける。
「ふふ、やっぱりマイには分かるんだね。」
「いいえ、詳しくは分からないわ。説明してちょうだい。」
流石のマイでも、朧げにしか分からない。
「私には、さっぱり分からないわ。」
マインはお手上げだった。
そんなマインに、ベータが問いかける。
「マイン、君はシリウス構想に対して、どんな認識なんだい?」
「そんなの、高性能な戦闘機の開発でしょ。」
マインは、さも当然の様に、そう答える。
しかしベータは首をふる。
そんなベータの仕草に、マインは少しカチンとくる。
「多分、その開発の目的が、シリウス構想なんだと思う。」
ベータに対して文句を言いたげなマインを制するように、マイが口をはさむ。
ベータは、マイの発言に対してうなずく。
「確かに元は、古文書に書かれた思想を実現させる、戦闘機の開発だった。
でも、アルファがその開発に、意味を持たせた。」
「アルファ。」
ベータの発言を聞いて、マインはつぶやく。
「なるほど、私とマイ。
シリウスアルファーシリーズのパイロットしかこの場にいないのは、そういう事ね。」
マインも朧げながら、理解する。
マイの戦闘機は、シリウスアルファーワン。
そしてマインの戦闘機は、シリウスアルファーツー。
アルファーシリーズは試作品として造られた機体で、後のベータシリーズとガンマシリーズとは、意味あいが違った。
「でも、私とマイだけで足りるの?」
自分達の機体に思いを馳せたマインは、新たな疑問が浮かぶ。
「確かアルファーシリーズって、四体作られてるでしょ。
私達も、四人必要なんじゃないの?」
「それなら、心配ない。
アルファースリーには、僕が乗るから。」
ベータはマインの疑問を、あっさり解決。
右手の親指を立てて、自分の方に傾ける。
とは言え、今のベータはアイに憑依している。
この状態で、どう操縦するのだろうか。
マイとマインのそんな疑問を察知して、ベータは答える。
「ああ、アルファースリーはふたり乗りだから、アイとミサが乗るんだよ。
僕はアイに憑依させてもらうけどね。」
「ち。」
ベータの答えに、ミサは顔をそむけて舌打ち。
「えー、じゃあ、僕達のサポートは、どうなるの?」
マイは思わず叫ぶ。
アイとミサは、サポートAI。
マイ達の戦闘機での出撃時は、宇宙ステーションの専用カプセルから、マイ達をサポートする。
「それなら、アルファースリーの中からサポートするから、問題ないよ。」
とベータは、マイの疑問をあっさり解決。
しかしマイには、新たな疑問が浮かぶ。
「じゃあ、あなたのサポートは、どうなるの?」
「僕にサポートはいらない。と、言いたいけれど、」
ベータはそう言うと、なぜか照れた様な表情を浮かべる。
「ナコとアイツウがいるじゃん。
何のためのチームだと思ってんの?」
ベータは照れながら、その台詞を言いきる。
ナコとアイツウ。
ふたりのパートナーは遠出していて、やる事の無くなったサポートAI。
今はマイの部屋で、暇してる。
「なるほど、これで僕達三人でトライフォースが出来るね。」
ベータの発言に、マイはうなずく。
トライフォース。
戦闘機三機による、三角形を意識した三身一体の陣形。
この陣形の応用が、この作品における基本戦術だった。
「でも、あと一機足りないわ。」
喜ぶマイを尻目に、マインはもうひとつの疑問を投げる。
アルファーシリーズの機体は、全部で四機。
マイとマイン、ベータが乗っても、あと一機残っている。
「シリウスアルファーゼロは、アルファの機体なんだよ。」
マインの疑問に、ベータが答える。
「アルファ?ああ、アルファね。」
マインは一瞬、地球にいるアルファと、戦闘機のアルファーシリーズのアルファーとが、ごっちゃになった。
「でも、アルファーゼロがアルファの機体って、どう言う事?」
マイは頭がこんがらがる。
それは、アルファーシリーズ最後の機体、アルファーゼロはこの宇宙ステーションにはなく、地球にあるって事。
そして、地球にいるアルファの機体。
この事は、何を意味するのか、マイには分からない。
「それは、地球に行けば分かるんじゃない?」
マイの疑問に、マインが答える。
「それがシリウス構想、なんでしょ?」
マインはベータに視線を向ける。
「そう言う事。」
と言ってベータは目を閉じる。
するとその場に、アイが倒れこむ。
「おい、アイ!」
そんなアイの身体を、走りこんできたミサが受け止める。
「しっかりしろ、アイ!」
ミサはアイに呼びかける。
ベータがアイへの憑依を解いたのだ。
「わ、私は、平気だから。」
アイは消えいる声で、笑みを浮かべる。
「だから、無理するなって。」
ミサにも、アイが無理してる事くらい分かる。
「それじゃあ、地球への出発は、準備ができ次第って事で。」
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