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しおりを挟む「おーい。おーい」
セルフィが指を指した先には一人の少女が倒れていた。この砂漠の中、何故水すらも持たずにここに居るのかは分かったもんじゃないが。神様は何処から出したのか風呂場にある桶の様な物に溢れそうなほど水を貯めてそれを片手に持っている。女性の風貌をしているが実はカカロットみたいな怪力男がこの女性の皮を被っているのでは内だろうか。とまではいかないまでもけっこう重いと見ただけで分かるくらいの桶だった。
その桶の中の水は倒れている少女の顔に降り注いだ。まるで めちゃイケ にでてくる チェチェナちゃん がやるような勢いで顔に降り注いだ。あまりの痛みのせいか彼女は瞬時にして目を見開き自分の身に何が起きたのか分からないまま目をパチクリさせる。
「な、なにをしたんですか」
チェチェナちゃんの真似事などされた本人に向かって面と言えるわけなく俺は「え、あ~」と返事に困る。
「顔に水をぶっかけてやっただけだ。目が覚めたろ?これでも飲め。」
そんな俺の心とは裏腹に彼女は神様から水が入った透明のペットボトルを受けとる。
「その先の部分を回せば開く。」
「あぁ。はぁ。こんなの始めてみました。」
そうか、この世界にはペットボトルがないのか。彼女は不思議そうにしながらペットボトルを開け水を摂取しはじめた。
そんな呑気なことをしながらも絶えず太陽はジリジリと照りつけてくるためダルそうにしていると神様はちっちゃな家を召喚していた。まるでぽいぽいカプセルでも持っているのかと言いたいがこれは神様。疑問は持ってはいけない。
「あれ?こんなところに家なんて……。」
「気のせいだ。もとからあったぞ。」
「あ、そうですか。」
おい。さりげなく騙すな。もともとあったとしても此処にあるのはもっとおかしいだろ。
神様は俺たちに手招きをし家に入っていった。やっとこさこの粗大ごみを下ろせると思うと安心だ。そう思ってチラリとセルフィを見ると。
「お前なにやってんだ」
くんかくんかすーはー という謎の呼吸音とともに俺の方を向いた。
「すごい興奮します」
俺は。こいつを。
家に放り込んだ。
「魔物?」
「はい。見た目はなんの変化もないただの人間なのですが……。それが原因で村から追い出されてしまったのです。」
俺がこの世界に来て、まだ一日しか経っていない。即ちこの世界の常識を何も知らないのである。神様に聞いてもセルフィに聞いても良かったが俺は聞かなかった。異世界転生とか肉体とか強化してもらってなんだかんだ浮かれていたのかもしれない。
郷に入れば郷に従え。俺はこの世界の常識を知らなければならない。
まぁ、唐突にきいても変なので後回しになるが。
「魔物だって証明できるものはあるのか?」
神様が彼女に問う。
「いえ。ただ人間もある程度は使える”魔法”が生まれつき使えたのと”魔力”が生まれつき高かった。それぐらいしか思い付きません。」
それだけだとただの才能とも言いきれなくもない。今の現状だと力を貸すどころか俺たちには謎ばかりだ。
「そうか……。村には戻りたいのか?」
彼女は少し考えたあと悲しそうな顔をして答える。
「戻れるなら戻りたいですけど追放された手前、戻ることはできないかと…。」
神様も少しの間考える。それはあまり良いものではないと、俺の第六感は言っていた。
深呼吸で一拍置き、彼女の目を見据えて言った。
「君も行く宛もないだろうし、暫くは私たちの旅についてくるか?」
ほらね。
当然の如く彼女は戸惑っていた。冷静には話していたがまだ自分が魔物だってことすら整理付いてないと思う。そこで私たちに着いてこないか?なんて無茶ぶりにも程があるだろう。
「い、いいんですか?」
雲行きが怪しいね。
「あぁ。」
「お荷物になりませんか?」
「あぁ。」
ちょっと茶髪気味で肩まで伸びている髪。目が青いのが印象的で尚且つ美少女であろう彼女は言う。
「これからよろしくお願いします!」
パーティーに男の子が欲しいと切実に思った天成だった。
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