戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第110話 2人の孫とインガの許可

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こうして、王弟殿下と辺境伯の次女のラウラの結婚に向けての
準備が整いつつあったのだが、長女のエーヴァとオレークの子
のダニエルの結婚に向けての準備が、まだ残っていたのだった。

辺境伯は、その日の内にオレークを訪ねると、今までの出来事
を包み隠さずに伝えたのだった。そして、オレークも大体の事
は把握しており、辺境伯から話を訊くと納得して頷いていたの
だった。

そして、2人は最大の問題であるインガの元へと向かったのだ
インガの店の前まで来ると、2人は顔を見合わせると深い溜め
息をするのだった。

ヘレナが、インガの元を訪れた際には、とんでもない事実を知
る事に成り、ダニエルとエーヴァの結婚の話など、無かったか
の様になってしまったのだった。

だが、今回は辺境伯自らがインガの元を訪れていたのだ。そして
2人はインガの店に入ると、カウンターに座って店番をしている
インガを見つけると話しかけたのだった。

「何だい?オレークじゃないか!最近、良く店に来るね暇なのか
忙しいのか良く解んないさね!」

「母さん、今日はアレクシスが訪ねて来てるんだ。会ってくれる
よね?」

そう言うとオレークの後ろから、アレクシス・シーランドは姿を
だしたのだった。

「久しぶりだね!ルートは元気にしているかい?」

ルートや娘達は、元気ですよ!今日此処に来たのは、ダニエルと
エーヴァの結婚に付いての話です!此の前はヘレナが取り乱して
結婚の話を決めずに戻ってしまったので、今日は儂自らが遣って
きた次第です!

「そうさね!此の前は、重大な事実を話したからね!所で最近の
町での出来事は、全て私が話した事が原因なのかね?もしも、そ
うならば私は、とんでもない事を言ってしまったさね!」

義母様には、真実を話して頂いたおかげで、全てが順調に進んで
おります。義兄殿にも今回の件で、納得して貰っているので、後
は義母様が全てを納得して、ダニエルとエーヴァの結婚を認めて
くれさえすれば、全てが丸く収まって終わる事になります。

「そうか、後は私が、2人の結婚に納得すれば良いだけなんだね、
それならば、ダニエルとエーヴァの結婚を認めるさね!私が2人
の結婚を邪魔するつもりは、一切ないからね!」

それを訊いて安心しましたぞ!もしも、義母様に2人の結婚を認
めて貰える事が出来なければ、2人に取っては悲劇になっていた
事でしょう!ですが、義母様には賢明な判断を下して頂いた事で
若き2人は愛し合い結ばれますぞ!

「私は、そこまで根性が捻じ曲がってないさね!可愛い2人の孫
が愛し合っているのであれば、協力はするが、罷り間違ってもな
邪魔だけはしないさね!」

義母様、怒らないで下され!義母様に限って邪魔をする等とは、
思っても無かったですから、2人は此れでめでたく結婚できま
すな!結婚する日取りは、まだ先ですが1ヵ月後辺りには準備
が整い、結婚式を執り行うことが出来るでしょう!

「アレクシス、実はな1ヵ月後と言っているが、儂達は1ヵ月後
は、まだ町に帰って来ては居ないと思う!何故ならば、村と集落
を奪還している最中だからだ。だから、少なく見積もっても......
2ヶ月は待って貰えないか!」

2ヶ月も待てと言うのか義兄殿!それは、短いのか長いのか解ら
ない微妙な日数なだ!う~ん......あの貴族の討伐を早々に終わら
せる事が出来れば、我が戦力からも援軍を出す事は可能なのだが
義兄殿が、もしも嫌でなければ、我が戦力から援軍を出しますぞ!

「それは有難い!正直言うとだな、此方の戦力は不足しているの
だ!その申し出は有難い!戦力は幾らあっても困りはしないが、
如何せん、武器が不足しているのが、課題でもあるな!」

武器と言うと、義兄殿が作っているシーランド銃と言う物なのか?
儂は、まだシーランド銃と言う物を時下に見た事がないので、1回
で良いから時下に見る機会があれば、良いんじゃが......

「なんじゃ!シーランド銃を見た事がないのか?なんなら此の店に
あるシーランド銃で良ければ見せるぞ!それも初期型で、動作不良
を起こす不良品じゃがな!」

なんっと!此処にシーランド銃があると言うのですか?是非とも見
たいですぞ!

「これが、来好成が1番最初に作ったシーランド銃の原型さね!この
原型を元に、今ある銃になったんだよ!」

義母様、もしも良ければ、このシーランド銃を譲っては貰えないか?
我が部下達にもシーランド銃の配備を勧めては居るのだが、思った様
に調達が出来ないでいるんです!

「馬鹿言うでないわ!この原型は、将来とんでもない値段が付く予定
なんじゃぞ!もしも、これ1丁あれば船が1隻買える程の値が付くかも
知れないのだからね!」

そこを何とか......儂に銃を譲っては貰えないですかな?

「そんなにシーランド銃が欲しいのであれば、オレーク式・突撃銃を
何丁かをアレクシスに売ってやるぞ!」

それは、本当ですか義兄殿!因みに1丁の値段は、お幾らんいなりますか?

「1丁......そうだの!1丁の値段は2.000ベルクと言う所かの?」

高い!高すぎますぞ!もっと身内価格で、取引してくださらんか!
1丁の値段が、1.500ベルクとかならば、即座に100丁買いますぞ。

「1丁の値段が、1.500ベルクならば、アレクシスに売った!」

辺境伯は、オレークの常套手段に嵌って、適正価格でシーランド銃を
買わされていたのだった。

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