異世界管理を拳で!~ラノベのラの字も知らないまじめな不良が異世界に転生したら~

310番

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「おい!拳!!!いつまでやってんだよ!さっさと終わらせろよ」
 「うるせーなー、あと1人だろうが!てかお前まだ3人も残ってるじゃねーか!」
 「お、おれは守り重視なんだよ!!!」

 集団で囲まれながら喧嘩をしつつもどこかいきいきとしている二人組。佐藤拳とモブ男である。
 二人はモブ市立モブ工業高校のヤンキーたちと10対2の喧嘩をしていた。
 市内でも有名な二人モブ拳といわれる二人である。喧嘩は二人が優勢だった。
 拳は思っていた。今日も大勝利だと。しかし、そうならなかったのである。

 「くそ!なんで二人にこんなに苦戦すんだよ!意味わかんねぇよ!もうどうとでもなれ!」

 モブ工の一人は叫びながらナイフを取り出していた。

 「ちょっ!拳やべーぞ!あいつ切れてる・・・」
 「あ?じゃーあいつから仕留めるか笑」

 拳はナイフ何か怖いとも思っていなかった。他校の剣道部エースにも勝ってるし鉄パイプとも戦ったことがある。今更あんな短いナイフにビビることもなかった。
 そして、勝負は一瞬で決まった。
 拳は刺されたのであった。長い獲物相手に勝ててたことで拳は完全に油断していたのだ。

 「ケーーーーーーン!!!!!!」

 モブ男のそんな叫びが最後にきいた言葉だった。

 うう・・・どうせ言われるなら世紀末に生きる美少女に言われたかった・・・

 佐藤拳、享年18歳であった。

 「あのー、意識ありますか?起きてますか??そろそろ起きてくれませんか???」

 どこからともなく男性の声が聞こえた。

 ん?俺生きてる?そっか、モブ男が救急車呼んでくれたんかな?よかったー。てか美少女の方がいいとか言ってすまんなモブ男……

 目を開くと頭に輪っかの付いたおじいさんが立っていた。立派な髭を蓄えたおじいさんである

 「……」

 拳はただただおじいさんを見ることしかできなかった。

 「ああ、やっと起きてくれましたね。拳さん、もう起きてくれないかと思いましたよ。笑」
 「あのつかぬことをお聞きしますが、病院の先生ですか?ここは何病院でしょうか?」
 「ん?ここですか?ここは神界ですよ?ああ自己紹介がまだでしたね、私は皆さんが言うところの神様です。笑」

 このおじいさん頭のねじ飛んでいるのだろうか。

 「理解するのは大変かと思いますが、拳さんは亡くなりました。そして次の役割が決定したので、お呼びしました。とても名誉ある役目ですよ。だって、天使ではなく神である私直々の勅命ですからね。笑」

 全く理解できない……

 「え、えーと、神様?ど、どういうことですかね?てかやっぱ俺死んでるんです?」
 「はい、亡くなっています。輪廻転生ってご存知ですかね?人は生まれ変わる的なあれです。拳さんは一切の記憶を排除して新たな生命になるのではなく、管理者に選ばれました、ということです。笑」
 「まじか、やっぱ死んでるんですかぁ。てか、管理者?え?え?」
 「まあ、理解できないのはしょうがありません。あと、拳さん喧嘩好きなのに礼儀だしいですね。と、まあそれはいいとして、管理者とは、他の世界、まぁ拳さんからすれば異世界ですかね?そこを管理していただきたいのです。笑」

 この神様軽いな、と拳は思った。ちなみに拳は一般的には不良といわれる類ではあるが根はまじめな好青年である。故に害のない人以外には基本丁寧に話すタイプだ。

 「それって断れます?」
 「はい、可能です。しかし、18年ではまだまだ生き足りなくないですかね?管理者なら記憶そのままです。あと、管理者を辞退すれば人間以外の何かに転生することになりますが。笑」

 うう、そうなんだよな、おれ喧嘩しかしてないし彼女いなかったし間違いなく生き足りないんだよなぁ……どうせなら人間になりたいしなぁ。

 「管理者のこと詳しく聞いてもいいですかね?」
 「もちろんですとも。笑」

 以下神様から聞いたことである。
 管理者とは異世界のバランスを維持する者。俺がいた世界にも実は存在していたらしい。仕事は世界のバランスを維持することのみ、それ以外は基本自由。そして、特殊能力も付与されるということだった。

 「あのー俺喧嘩が好きだったから異世界でも強い人と戦いたいんですが、戦いは可能ですか?」
 「可能です。喧嘩は何も問題ありません。管理に不可欠なら戦争も可能です。笑」

 おいおい物騒だな。

 「い、いやー元日本国民としては戦争は嫌です。」
 「まあ、こちらとしても戦争は控えてほしいです。で、受けてくれますか?あと特殊能力何が欲しいですか?笑」

 もう受ける前提で質問されてるよ、まあもう決まってるけどね。

 「はい、受けたいと思います。で、特殊能力なんですが、素手での戦闘に関するものがいいです。で、あとは平均的な能力希望です。鍛えるの好きなので。」
 「ほほう、珍しいですね、今までの管理者の中で一番謙虚な願いです。大抵みんなチートチート騒ぐのに。しかし、あまり弱くすることもできないのです。管理者がすぐ死んだりとかされるといろいろ手続き大変ですし。うーんそうですね、では二つの〈技〉制限付きの最強の必殺技と制限付きの再生能力、それとステータスは同年代の才能がある方々と同等とかどうでしょうか?笑」

 「ちーと?え?それなんか強すぎな気がするんですが大丈夫です?」
 「チートは要は反則級の力のことですかね。そう考えると拳さんのは割と制限強めですよ。まず前者ですが極撃といいます。これは素手でのみ使用可能の技です。武器を身に着けていると使えません。また〈術〉による攻撃もできません。しかし、威力は最高峰です。それと、1日5回の回数制限付きです。で、後者ですが、再生するのは拳のみです。かなり狭い範囲です。どうでしょう結構制限付いてないですか?笑」
 「チートが説明通りなら、反則級とまでは言えないかもしれませんね。あと、すいません、〈技〉と〈術〉ってなんです?」
 「技は言葉通り技術ですね。スキルともいえるかもしれません。術は日本でいうところの魔法だと思ってくれれば構いません。笑」

 「なるほど。うーん。」

 まだ強い気もするんだけど。再生とかやばくないか。それに要は異世界の天才と同じステータスってことだろ。でもこれが神様的妥協点なのかな。できれば平均値がいいんだけどな。ま、いっか。

 「わかりました。それでいきたいと思います。」
 「よかった!では早速派遣してもよいでしょうか?笑」
 「えー?急ですね・・・いいですけど。あっ、1つだけ質問です。なんで俺なんですか?」
 「運ですね。」

 聞いて損した。そこは嘘でも才能とかいってほしかった。

 「そ、そうですか。じゃ、じゃあもう行きます。」
 「わかりました、検討を祈ります。最低限の装備や知識は派遣とともに送るのでご安心を。あと、バランスとるっていっても基本自由ですので。笑」

 すごい自由な任務だなとか思いつつ、神様の言葉とともに目の前が真っ白になり気づくと俺は洞窟の中にいた。

 以下の拳技取得
 〈極撃〉使用者が排除したい対象を無に帰す一撃を放つ。範囲は使用者の力量による。
 〈不滅の手〉手の欠損を再生させる。
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