異世界管理を拳で!~ラノベのラの字も知らないまじめな不良が異世界に転生したら~

310番

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二日目

「朝か~」



 知らない天井だ、拳はそんなテンプレを知らない。異世界好きなら旅行先とかで言うんだろうか?

 それはさておき、拳は宿のベッドで目覚めると、一階で朝食を食べる。メニューはパンに猪肉と野菜が入ったスープに水だった。因みにこの宿一泊銀貨3枚である。加えて朝食と夕食がつく。駆け出しにはうれしい宿である。



 「うん、シンプルだがおいしい」

 「お口にあったようでなにより」



 拳に声をかけてくれたのは宿の奥さん局つぼねさんだ。

 「そういや今日はどこに行くんだい?」
 「今日は探索者の登録所へ行こうかと」
 「そうかい、気を付けて行ってきなよ」

 局はそういうとキッチンへ他の客への朝食を取りにいった。

 「さて、いきますかー」

 拳は朝食を食べ終わると登録所へ向かった。

 「こんにちは!」

 登録所の受付嬢は若い女の子だった。

 ここら辺で新人いびりの先輩が登場し、主人公が無双、そして責任者に一目置かれるというテンプレを異世界ファンなら期待するのだろうが、拳はそんなこと知らない。
    拳はそもそも絡まれないだろう。通常の転生者のように鍛えていない体であったり、幼い年齢であったり、優男であったりしないのだ。そこそこ鍛え上げられた青年なのだ。絡まれる要素がない。
    
たまにカツアゲしようとする展開とかあるけど受付や関係者が見てる中で絡むとか普通はあり得ないだろう。そんな人の目が多い中カツアゲとかしたら普通に捕まるやん。笑

 なので、手続きは淡々と進んだ

 「あのー探索者登録お願いしたいんですが。」

 「はい、登録ですね。ではこちらの用紙に記載お願いします。」

 「わかりました。」

 拳は名前と年齢を記載した。

 「では、最後にこちらの水晶に手を当ててください。なりすまし防止のために気を登録します。はい、ありがとうございます。こちらで登録が完了となります。登録所の使用方法などについての説明は必要でしょうか。」

 気というのは技を使用する際に必要なエネルギーである。

 「よろしくお願いします。」

 「わかりました。まず依頼についてですが、小梅、梅、小竹、竹、小松、松の6段階があります。依頼は階級の一つ上まで受けることができます。また、指名依頼は階級関係なく受けることができます。
     次に登録所では自由に魔物についての資料を閲覧することが可能です。依頼によっては失敗の場合に違約金が発生する場合があります。登録所のカードは身分証明書となりますので紛失しないようお気を付けください。以上が簡単な説明となりますがなにか質問はありますか?」

 「いえ、ないです。早速なんですが依頼は何かありますか?」

 「うーん、薬草の採取あたりがいいのではないでしょうか。報酬は銀貨2枚、違約金なしです。」

 「討伐系ってありますか?」

 「もしかして魔物討伐の経験がおありですか?でしたら小鬼の角3本の依頼がありますね。こちらは銀貨5枚です。」

 「じゃあ、それをお願いします。」

 「承知しました。それでは手続きは以上となります。こちらが拳さんのカードとなります。」

 拳は小梅と記載された金属のプレートを受け取とると、そのまま森へと向かった。

 「グギャー!」

 「フン!」

 「ググー」


 俺は昨日のように最後の小鬼を気絶させると、ナイフでとどめをさし、角を回収した。時間にしたら5時間ほどかかった。ちなみにナイフは出発前に武器屋で購入した。お値段銀貨3枚である。

 そのあとは全然魔物は見つけることはできなかった。

 「案外魔物っていないんだな。」

 登録所に着き依頼達成の報告に行った。

 「依頼完了しました。」

 「はい、小鬼の角三本確認しました。お疲れさまでした。」

 拳は依頼を完了し、報酬を受け取り登録所の外へでた。

 「おおー拳殿ではないか!」

 「ベンケンさん。こんにちは」

 「早速探索者になったのだな。もう依頼は何かこなされたか?」

 ベンケンさんに今日の依頼の話をした。森に魔物があまりいなかったのでお勧めの狩のスポットを聞いてみた。

 「うーん。昨日の森は魔物があまりいないからのう。北門からでたところにある湿原には結構魔物が多いぞ。まあ、それでも入れ食いというわけではないがの。
    お、そうじゃ良ければ明日は儂と一緒に狩をしませんかの?今一度拳殿の技術を拝見させてほしいのじゃ」

 「いいですよ、では明日の昼頃登録所に集合でいいですかね?」

 「うむ、問題ない。明日が楽しみじゃ。」

 そういうとベンケンさんは用事があるといって、帰っていった。

 俺はまだ明るいこともあり、村の散策をすることにした。村は本当に小さな集落という感じで一時間もすれば一周できる程度の広さだ。村には道具屋、宿屋、武器屋、登録所、住宅街等に分かれている。

 拳闘士向けの武器がないか。また、今朝の武器屋に行くことにした。極拳は回数制限があるし、素の殴りを強くするのが目的だ。

 「いらっしゃい、どんな武器をお探しで?」

 「あのー拳闘士向けの武器はありますか?小手とか。」

 「あら、珍しいですね。拳闘士とは。いかんせん剣県の村ゆえ拳闘向けの武器は少ないのですが……ああ、あったあったこちらですね」


 そういって店主が見せたのはメリケンだった。フツーのメリケンだった。

 こ、これしかないのか・・・

 「え、えーとこれいくらですかね?」

 「はい、片手で銀貨2枚ですね。両手なら3枚とサービスしますよ。」

 うわー、絶対在庫処分だよな。でも、これしかないならこれを買うしかないよなあ。

 結局拳はメリケンを買った。ちなみに商品名もメリケンサックだった。日本ではメリケンサックを使用したことがなかったので威力は不明だった。そこで、試し切りならぬ試し殴りをしに拳は森へ向かった。

 「キューン」

 「お、あれは火狐!よし、あいつを狩ろう。」

 火狐は火を吐く狐の魔物だ。それだけ聞くと高校生が対抗できないとも思えるが、火狐は火を噴くときに大きく胸をそるという癖があり、その際に隙が生まれる。その瞬間に攻撃することで簡単に倒すことができるのだ。因みに皮は高値で売れる。保温性に優れている。

 拳は火狐に石を投げ突進した。石があたった火狐はむっとしたように拳をみると、胸をそらした

 きた!

 拳はその予備動作を確認したのちすぐに火狐の側面にステップし、顔面に右ストレートをお見舞いした。

 パぁーーーーーン

 拳が殴ると同時に火狐の頭がはじけ飛んだ!

 「えー!メリケンてこんな強いの!?」

 火狐は固い魔物ではないこともあるが、拳のステータスは同年代の天才級しかもクリーンヒットということもあり可能な一撃であった。

 「てか、一番安いのでこれか。もっといいのが欲しいなあ。やっぱ拳県に行きたいな。よし、この村で金貯めたら拳県に向かうか!」

 そんなこんなで拳のとりあえずの目的が決まった。その日はなんだかんだで他にも小鬼を二匹を倒し、猪一匹、兎一匹を捕まえた。
    兎はおやつとして戴き、猪と小鬼と火狐の素材は登録所で買い取ってもらった〆て銀貨3枚である。

 「もう、メリケンの元がとれたな……。ま、そろそろ日も暮れてきたし宿にかえるか。」

 「ああ、わかってる。計画通りに。了解した。では。」

 ん?

 登録所から剣花までの道ので黒いローブで全身を覆った二人組の会話が耳に入りその雰囲気や内容に拳は違和感を感じたが。そのまま宿に剣は向かった。

 「おかえりなさい」

 「ただいまっす。いやーもう腹ペコペコっすよ。局さん夕飯はいつですか?」

 「ははは、ご苦労様。そうだねあと1時間後ぐらいかな?準備できたら呼ぼうか?それまでどうだいタオルと桶貸すから体でもふいといたら。銅貨2枚だね!」

 この宿には風呂がない。というか村に風呂がないのだ。基本的に村人は湯草という薬草をお湯に煎じたものをタオルに着けて体を洗う。イメージとしてはボディペーパーという感じだ。拳は神の知識で風呂が珍しいことを知っていたがないのはそれはそれでつらいなとか思っていたりする。

 「はい、そうします。」

 「毎度あり、じゃあ部屋で待っとってくれ」

 そのあと体をふいて飯を食いベッドに入ったら一瞬で拳は眠れた。

 明日はベンケンさんと狩か、楽しみだな。
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